北斗七星とは、北天に輝くひしゃくの形をした星の並びの名称である。
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今夜はやけに星が輝いて見える…
概要
北半球の多くの地域では一年中沈むことなく見え、また明るい星が特徴的な形で並ぶことから世界中で古くから知られていた。古代バビロニアでは「荷車・大きい車」、古代エジプトでは「オシリスの車」、古代ギリシャでは「ハマクサ(車の意)」、北欧では「オーディンの車」「トールの車」、中国では「帝車」、イギリスでは「チャールズの車」「アーサー王の車」と、多くの地域で車の姿に見立てられた。このほかアメリカでは「グレート・ディッパー(大きな柄杓)」、フランスでは「ソース・パン(柄付きの深鍋)」と呼ばれる。
日本では「北斗」「北斗星」と略して呼ばれるほか、「ひしゃく星」「七つ星」「七曜の星」「四三(しそう)の星」「舵星」「七剣星」など様々な呼び名を持つ。北斗七星という呼び名は中国から伝わったもので、いて座にある南斗六星と対応する。中国の道教思想では、北斗七星は南斗六星と対になって神格化されている。北斗七星の神格化である北斗星君は死を司る白い服を着た醜い顔の厳格な老人であるとされる。北斗星君は全ての人間の行いを調べて地獄での行き先を決定する、日本における閻魔大王のような役割を持つという。また、人の寿命を記した巻物を持っており、そこに書かれた数字を書き換えることで寿命を伸ばすこともできるとされる。
柄杓の枡の先にあたるα星とβ星を結んだ線を、α星側に5倍延長すると北極星に突き当たることはよく知られている。
また、柄杓の柄にあたるδ星からη星までのカーブをそのまま延長するとうしかい座のアルクトゥールスに、更に延長するとおとめ座のスピカに突き当たる。これを「春の大曲線」という。
構成する星々
北斗七星は次の7つの星からなる。柄杓の柄の付け根にあたるメグレズ以外は全て2等星と明るく、各星に固有の名前がつけられている。表の並び順は柄杓の枡の側からの順番(記事冒頭のAAでいう上から順)。
名前 | 学名 | 視等級 | 地球からの距離 | 中国名 |
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ドゥーベ | α Ursae Majoris | 1.80等 | 124光年 | 天枢 (てんすう) 貪狼 (とんろう) |
メラク | β Ursae Majoris | 2.37等 | 79光年 | 天璇 (てんせん) 巨門 (こもん) |
フェクダ | γ Ursae Majoris | 2.41等 | 84光年 | 天璣 (てんき) 禄存 (ろくそん) |
メグレズ | δ Ursae Majoris | 3.3等 | 81光年 | 天権 (てんけん) 文曲 (もんごく) |
アリオト | ε Ursae Majoris | 1.76等 | 81光年 | 玉衝 (ぎょっこう) 廉貞 (れんちょう) |
ミザール | ζ Ursae Majoris | 2.23等 | 78光年 | 開陽 (かいよう) 武曲 (むごく) |
ベネトナシュ (アルカイド) |
η Ursae Majoris | 1.86等 | 101光年 | 揺光 (ようこう) 破軍 (はぐん) |
中国名は上が『史記』などの中国正史に見られる名称、下が唐代の密教経典『仏説北斗七星延命経』での名称。枡の側の4星はまとめて「斗魁(とかい)」、柄の側の3星はまとめて「斗柄(とへい)」とも呼ばれる。
ミザールとアルコル
柄杓の柄の端から2番目にあるミザールのそばに、アルコル(80 Ursae Majoris)という小さな星がある。これは「死兆星」としても知られるが、古代アラビアやギリシャ・ローマなどでは目試しの星として使われていた。
ミザールとアルコルは約3光年離れているが、実際にこの二つの星が連星なのか、それとも見かけ上そうみえるだけの二重星なのかは未だはっきりしていない。
なお望遠鏡でミザールを観測すると、ごくごく近くにさらに伴星が見える。これはミザールBと呼ばれ、これに対応してミザール本星をミザールAとも呼ぶ。ミザールA、ミザールB、アルコルはそれぞれ分光連星(望遠鏡では観測できないがスペクトル線の周期的変化により連星とわかっている星)であり、ミザールBには更にもう一つ伴星がくっついているという複雑な連星系を構成している。つまり、もしミザールとアルコルが真に連星であれば、全部で7重連星をなしているということになる。
北斗七星を題材に含む作品
- 北斗の拳
主人公・ケンシロウが使う拳法「北斗神拳」の象徴としてしばしば北斗七星の名前が出てくる他、北斗七星を象った構えを持つ技があったり、「人間の死角を辿ると北斗七星の形になる」などと言う設定が存在している。 - まもって守護月天!
ヒロイン・小璘(シャオリン)が使役する式神の中に、「北斗七星」と言う7人1組の式神が存在する。
戦闘に特化した能力を持つ式神で、各々が北斗七星のそれぞれの星に由来する名前を持つ。 - 東方Project(ダブルスポイラー ~ 東方文花帖)
登場人物の一人・霊烏路空が使うスペルカードに「七星『セプテントリオン』」と言う、北斗七星を象ったスペルカードがある。 - 獣神演武
主人公を始めとした登場人物のうちの何人かが、北斗七星のいずれかの星を宿星として持つ「伝説の英雄」であるとされている。 - デビルサバイバー2
各曜日ごとに、謎の敵性生物『セプテントリオン』が登場する。それぞれ『ドゥべ』『メラク』など北斗七星と同じ名称と、それに対応する中国における名称と同じ証スキルを持つ(例えばドゥべの場合は『貪狼星の証』)。そして8日目には・・・・・・。 - モンスターハンターTriG
ナルガクルガ希少種の素材から作られる切断属性武器の最終強化が七星の名前を模したものになっている。 - アクセル・ワールド
ブレインバーストにおける装備品『強化外装』の中でも最上級の『七星外装』としてそれぞれの名を模した装備が登場。 - 遊戯王OCG
北斗七星と関わりの深い水滸伝をモチーフとした「炎星」をサポートする「炎舞」カテゴリの魔法・罠カードの名前は北斗七星の中国名を元ネタにしている。 - 遊戯王ZEXALⅡ
バリアン七皇の名前の元ネタが北斗七星と言われている(ドゥーベ→ドルベ、メラク→ギラグ、フェグダ→ベクター、メグレズ→メラグ、アリオト→アリト、ミザール→ミザエル、ベネトナシュ→ナッシュ)。 - ぬらりひょんの孫
ヒロインの一人にして陰陽師である花開院ゆらの使用する七つの式神がそれぞれ七星の名からとられている。 - 原神
古代中国をモチーフとした岩と契約の港「璃月」を統治する商人が「璃月七星」であり、それぞれの役職名が七星からとられている模様。現在は天権・玉衝・天枢の三名が登場している。
関連商品
関連項目
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