鹿児島県鹿児島郡十島村とは、九州南部に連なる吐噶喇(トカラ)列島からなる村である。
概要
北から口之島、中之島、平島、諏訪之瀬島(すわのせじま)、悪石島、小宝島、宝島の有人7島と、臥蛇島(がじゃじま)、小臥蛇島、小島、上ノ根島、横当島の無人5島から成り、その長さは南北約160kmに及ぶ。霧島火山帯に位置していて火山・温泉が多い。
戦前は口之島・中之島・臥蛇島・平島・諏訪之瀬島・悪石島・宝島と、現在は鹿児島郡三島村となっている三島から由来して「十島村(じっとうむら)」だった。しかし戦後1946年2月2日から北緯30度以南に当たる口之島以南は琉球国最大版図外だったのに沖縄と一緒にアメリカ軍政下となってしまったため分断し、北3島は三島村として独立せざるを得なくなった。1952年2月2日に奄美・沖縄よりも先に本土復帰したが、三島村とは合併せず現在に至る。1956年に役場を中之島から鹿児島市内へ移したため村役場が村外にある自治体となっている。総人口は1000人を割っている。
離島の特性上、独自の生物がいるなど生物学的に注目の島である。また安土桃山時代まで日本の最南端でありながらボゼをはじめとする南方の影響を残す文化も見られる。さらに火山島が多いので火山学者も注目している。
島々
中之島 約140人
1956年まで十島村役場があった島。トカラ富士とも言われる火山・御岳は標高979mで、日本で毎年雪が降る最南端とも言われる。ボゼのレプリカなどがある十島村歴史民俗資料館、九州最大の望遠鏡を持つ中之島天文台はどちらも要予約(ただし管理人が兼任なのでいっぺんに予約できる)。
平島 約80人
平家落人が住み着いたため平島という説がある。現代でも元服の儀式が行われる。
諏訪之瀬島 約40人
御岳(799m)はストロンボリ式噴火をする活火山で、活発度は桜島並みかそれ以上である。1813年の大噴火で約70年間無人島になるが、藤井富伝らの入植により再び有人島になり、戦後はヒッピーが定住したりもした。2000年以降は火山活動のため御岳火口から2kmは立入禁止になっている。作地温泉には陸路では行けず、チャーター船が必要。
悪石島 約80人
ボゼと2009年皆既日食で知られる島。ボゼの他にも鳥居に描かれる鮫の歯模様など南方の影響が見られる。
小宝島 約60人
隆起サンゴ礁の島ながら自噴温泉がある。村名の由来になった十島に入れてもらえなかった島。
宝島 約120人
江戸時代にイギリス人絡みの事件が起きた島。
定期航路
中之島支所のすぐ近くに、
と刻まれた碑が建っている。村営定期航路の就航へ尽力した人達の名言である。
現在はフェリーとしまが十島村への貴重な定期航路となっている。要予約。基本は鹿児島の深夜に出航し南下、次の日に有人各島を周り船は宝島までか名瀬まで、さらに次の日は北上し各島を周り深夜に鹿児島着、これが週2便運行される。トカラ列島島めぐりマラソン大会などで特別ダイヤを組むことがある。もちろん時化や台風で欠航することも少なくない。
詳しくは公式サイトへ。
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関連項目
外部リンク
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