概要
BLEACHにおける死神の主な武装である斬魄刀。これは平時は封印してあり、名前を呼ぶことで力を「解放」することができる。この解放には二段階あり、一段階目は基本の形となる「始解」、そして二段階目が本項にて記述する「卍解」である。
習得には斬魄刀本体の「具象化」と「屈服」が必要。「具象化」は斬魄刀本体をこちらの世界に呼び出すことを指し、「屈服」は呼び出した斬魄刀を力で跪けることを指す。このうち、「具象化」に最低でも10年の修行を要するらしいが、作中には余裕で何百年生きてる死神も居るので大した時間じゃないような気もする。
卍解した斬魄刀は非常に強力で、あくまで目安だが始解時に比べ、卍解時は戦闘力が5倍から10倍までにハネ上がる。護廷十三隊の隊長就任のための必要技術的なところがあり、卍解に至らない者はまず隊長にはなれない(更木剣八は歴史上唯一の例外)。
例外はあるが(狛村の黒縄天譴明王、一護の卍解中の死覇装など)、一度破壊された卍解は二度と修復できず、全損ではなくとも一度破損したら騙し騙し使っていくしかないようである。
卍解時の斬魄刀は、たいがい巨大で派手。中には卍解と同時に衣装が変化するものや、生物めいたもの、パッと見全く始解時と形状が変わらないものもあったりとバリエーションは実にフリーダムである。死神における切り札の代名詞であり、各キャラ、だいたい初卍解時には見開きででかでかとその威風を見せつけてくれる。
現在、本編で卍解を見せているのは以下の33人。剣八以外の護廷十三隊隊長、元隊長は習得しているはずだがなかなか見せてくれない。また、乱菊や弓親などの副隊長・席官たちの一部も、将来的に卍解を習得するような伏線をちらほらと見せている。
原作に登場する卍解
天鎖斬月
「てんさざんげつ」。主人公・黒崎一護の斬魄刀、「斬月」の卍解形態。
登場した中では、市丸ギンの「神殺鎗」を例外として最小の卍解。通常、卍解は巨大なものになるが、例外的にこの卍解は巨大どころか以前の斬月より小さい、長く黒い刀身を持つがあくまで通常サイズの日本刀に変化し、一護自身は斬月本体が纏っていたコートを思わせる独特の死覇装を纏う。これも卍解の一部らしい。
小さな刀には「卍解としての力」が凝縮されており、それを用いることで卍解レベルでの高速戦闘を可能にする。つまり、身も蓋もない言い方をすれば、超スピード化という強化能力である。また、始解時の能力だった「月牙天衝」を放つことも可能で、その際には以前は白だった飛翔する斬撃が黒に染まる。
初登場はコミックス19巻、朽木白哉戦において初披露。白哉を倒すためだけに「転神体」を使った3日間の修行で習得した。主人公の卍解ということで、ジャンプ連載時はフルカラーで掲載。さらには、コミックス19巻でもこのフルカラー状態でそのまま載せられるという力の注ぎようを察することができる。また、この白哉との卍解同士の決闘は、ジャンプ本誌で開催された名バトル投票でも1位を獲得している。
しかし、その栄光もどこへやら。白哉戦直後に卍解発動中にも関わらず、藍染には片手で白刃取りされた上に腹をバッサリやられ、十刃にすら剣さえ抜かれずに戦闘に付いていくのがやっと。「マシになったのはスピードだけかよ!」とグリムジョーにも言われてしまっており、一護本人に対する評価に反して、インフレバトルに伴なう相対的な弱体化が進んでしまっている。ウルキオラ・シファーとの戦いの頃になると、もう常に卍解してるのがデフォルトになっている有様である。市丸ギン戦では、逆に市丸に対して「一護の卍解程度で流血するな」という旨のコメントが多数寄せられる始末である。
卍解とは少し違うが、「最後の月牙天衝」という隠された技が存在する。使用すると、死神の力や霊力を全て失う代わりに、一度だけ「使用者本人が月牙天衝になる」ことで能力が超強化され、衣装も卍解の死覇装から更に暗殺者を彷彿とさせるデザインのものに変化する。しかし、使うと自分が消滅するため斬月の方はあまり教えたくないらしい。
一護の力が復活した際には刀・衣装ともにややデザインが変わり、一護の完現術の意匠を残す装甲が追加される。しかし、折角復活したのにユーグラム・ハッシュヴァルトに刀身がポキリと折られる(久々二度目)。
一護が真の斬月を手にした際にはデザインが大きく変更された。二対の斬月を重なり合わせることで解放し、形は以前の始解のような巨大な刀身であるが、サイズは少し小さく、色は白い刀身の中央辺りから柄にかけて黒の太いラインが引かれており、刃は柄の方まで伸び、柄頭と刃の先端近くを黒い鎖で繋がれている。滅却師の力の影響か、弓を連想する形状をしている。
ユーハバッハ戦で虚の力を解放した際に「絶望が何だって?よく知ってるぜ。今まで何度も乗り越えてきたんだからな!」と自信ありげに言いながら使用したが、解放と同時にポッキリと折られてしまう(これで三度目)。その後はユーハバッハに一方的に叩きのめされ、攻撃のどさくさに紛れて虚の角も折られたことにより虚化も強制解除させられ、終いには滅却師の力と虚の力を奪われてしまい、すっかり絶望してしまう。ドヤ顔で「絶望が何だって?」と豪語した結果がこれだよ!!しかし、助太刀に現れた月島さんの完現術「ブック・オブ・ジ・エンド」の能力で天鎖斬月が折られてなかったことにされ、再起する。そして、恋次や藍染と共にユーハバッハに立ち向かうが、再び刀身にヒビを入れられてしまう。また折られてしまうんじゃないかと読者がヒヤヒヤしたところ、ユーハバッハは藍染の能力で一護と戦っているかのように錯覚させられており、本物の一護はユーハバッハに刃を突き立て月牙天衝を放ち、ユーハバッハを倒したかのように思えたがまだ倒し切れておらず、真の力を解放させたユーハバッハに殺されそうになるが、現れた石田の放った「静止の銀」がユーハバッハに直撃し、全知全能の能力が一瞬だけ無効になる。その隙を突いてユーハバッハに斬りかかるが、静止の銀の効果が消えかけてしまい、斬撃が止められそうになる。その刹那、ひび割れた天鎖斬月の中から以前の始解の斬月が姿を現し、そのままユーハバッハを斬り伏せ、ラストバトルに終止符を打った。
白霞罸
「はっかのとがめ」。朽木ルキアの斬魄刀、「袖白雪」の卍解形態。
解放すると白い光の柱と暈が発生し、ルキアの体は着物をファンタジックにアレンジしたようなデザインの純白の外套に包まれ、後頭部に同様に純白の髪飾りが現れる。ルキア自身の身体や纏う衣服も、足袋から死覇装、髪から肌に至るまで全てが真っ白に凍り付く。刀身の形状は始解時からほとんど変化が見られないが、純白だった刀身は硝子や氷の結晶のように色を失い透明となり、柄頭の細帯はルキアの衣装の帯となり、背で蝶結びのような形を象る。
使用された瞬間に敵を含む周囲一帯が真っ白に凍り付き戦闘が終了してしまったため詳細な能力については不明だが、完聖体となったエス・ノトをただの一撃で打ち倒したことから相当な威力のある卍解だと思われる。ただし、能力の解除の際にはゆっくりと気をつけて解いていかねばルキア自身の身体にヒビが入り破壊されてしまう、危険な卍解であることも同時に描写されており、実際に手にヒビが入っている。白哉は「素晴らしいが、半歩の過ちで命を落とす危うい卍解」と発言している。
ジャンプ本誌で初めて使用された際、真白い輝きが辺りを包む見開きページで使用されたアオリ文が「ただ、圧倒的に白く。」だったためにBLEACHの白さをとうとう編集にまで揶揄され始めたのかと一部からは心配の声があがった。
双王蛇尾丸
「そうおうざびまる」。阿散井恋次の斬魄刀、「蛇尾丸」の卍解形態。
双王の名の通り、「狒々王」と「オロチ王」の二つの王からなる卍解だが、所有者である恋次が蛇尾丸からの完全な信頼を勝ち得ていなかったために当初はその名の半分である「狒々王」しか教えられておらず、長らく蛇尾丸の卍解名は「狒狒王蛇尾丸(ひひおうざびまる)」だと思われていた。
この「狒狒王蛇尾丸」として蛇尾丸を卍解した際は巨大な蛇の骨を模した刀身を持つ剣が出現し、恋次自身は獣の毛皮のような外套を纏う。剣とは言うが実際の意味における刃は無く、恋次は骨の一本一本を「刃」と呼んでいる。攻撃方法は頭部から繰り出される牙や、その巨体を利用した圧殺攻撃である。刃節(関節)は恋次の霊圧で接続されており、本人の意思次第で切り離しも可能。また、その間はバラバラになった刃をある程度自由に操ることができる。この刃節を繋いでいる霊圧を、蛇骨を伸縮させる事でポンプのように送り出して霊砲として撃ち出す「狒骨大砲」という技も存在する。
蛇尾丸と同じく、「伸びて曲がる剣」という特性は共有しているが、蛇尾丸はまだちゃんと「剣」であったのに対し、こちらはもう単に「長くて大きい骨」である。こう言うと身も蓋もないが、巨大な質量と圧倒的なリーチ、応用性の高さは目を見張るものがあり、戦いでも当然恋次の主力となり、活躍している。しかし、卍解を覚えたての恋次には少々荷が重いものでもあり、「巨大さ故に使いこなすには更なる修練が必要」という卍解の弱点がかなり強く出てしまっている。
作中2番目に登場したのがこの卍解である。いちばん最初のマユリ様よりはマシかもしれないが、当時「卍解習得者=隊長」というのが常識化していたのに対し、フラグはあったとは言え副隊長である恋次がいきなり卍解を発動させたのはやはり度肝を抜かれた。ただし、この時交戦していた白哉に対して数々の優位発言や卍解先行発動など、おびただしい数の負けフラグを立て、やっぱり負けるというどうしようもない立ち位置を確立させるのに貢献することになってしまった。さらにはその際に破壊された刃節が元に戻っていないことが最近明らかになった。
「双王蛇尾丸」として卍解した場合、背から左腕を覆うように、「狒狒王蛇尾丸」時に恋次自身を覆っていた外套を巨大化させたような毛皮の塊が出現、右腕には手の甲側に手首で固定された幅広の刀身と、前腕を覆うように「狒狒王蛇尾丸」時に刀身の鋒であった蛇の頭骨の上顎部を小さくした様な篭手が現れる。恋次自身には肩当てや首当てが装着され、腰部には「狒狒王蛇尾丸」時の刀身であった蛇骨のような形状の腰紐が巻き付く。
この状態では二つの王、双方の力を十全に扱うことができ、巨大な毛皮の外套は「狒々王」の呼び声に呼応して巨大な狒狒の腕へと変形し、手骨様の掌で敵を捕獲し握り砕く。右腕の刀身は「オロチ王」の呼び声に呼応して刃が始解時の蛇尾丸を思わせる骨棘のような意匠を持つ形状に変形し、腕を覆う蛇の頭骨の後部に長大な蛇の骨格が接続される。この状態で刃を敵に突き刺し使用する「蛇牙鉄炮」は巨大な蛇の顎状のエネルギー体で敵に食らい付き、その体を焼き尽くす。西拳とローズが手も足も出なかったマスク・ド・マスキュリンを余裕で倒している。
狒々王の名のみで使用していた時の「狒狒王蛇尾丸」が、形状的にも能力的にもあまりにもオロチ王成分率が高すぎたために一部では後付け疑惑が叫ばれている。
大紅蓮氷輪丸
「だいぐれんひょうりんまる」。日番谷冬獅郎の斬魄刀、「氷輪丸」の卍解形態。
解放しても氷輪丸の刀自体は鍔が変わるだけだが、日番谷の身体が氷の龍に覆われ、氷の翼、爪などが現れ背後には4枚の花弁を持つ花をあしらった氷細工が3つ出現する。
その能力は氷輪丸の持つ氷の力を純粋に強化したもの。日番谷自信「始解と卍解の差が小さい」卍解と評しているが、その分、大出力でありながら取り回しも良好そうであり、大量の氷柱で敵を閉じ込める「千年氷牢」、大量の氷柱の矢を放つ「群鳥氷柱」など多彩な技を操る。また、始解の状態では存在しなかった氷の翼で空を駆けるなど機動力の上昇も見受けられる。
初登場はコミックス20巻、藍染の裏切りが判明し、血に倒れる雛森に激昂した際である。普段クールだが雛森が絡むと子供らしくあっさりとリミットブレイク、卍解するが、直後、あっさりと藍染に破られる。まさに秒殺であった。後の戦闘でもちょくちょく使用するが、勝ち負け関係なく誰が相手でも最初はほぼ苦戦している。凍結させて勝利を確信した相手を外部からの妨害で取り逃すなど、あまり素直に活躍させて貰えず、作中で評された「氷雪系最強」という肩書きを疑問視する声は多かった。
ただ、彼の卍解の氷から自力で脱出できた敵はチート能力者のジェラルドのみのため(バズビーは始解)妨害が入らなければ勝っていたことを考えると暫定的な戦績はかなり良い方である。
まだ幼い日番谷の身体には卍解はかなり負担がかかるらしく、使用中は背後の氷の花が徐々に散っていくという末期患者の余命じみた演出がなされる。しかし、終章、千年血戦篇のジェラルド・ヴァルキリー戦において、当初卍解継続のタイムリミットかと思われていたこの氷の花は、実は卍解完成までのカウントダウンである事が判明。完成すると子供の肉体では耐えきれない自身の力に適応するため日番谷本人が青年の姿に成長する(曰く「少し老ける」)。完成した氷輪丸の性能はこれまでの汚名を雪ぐに充分な性能を誇り、巨大な敵の盾の投擲を手をかざしただけで停止する、剣八ですらても足も出なかった希望の剣を一刀両断する。さらに凍らせた対象の全機能を停止させるという最強に恥じない性能を誇る。
その後、4歩で踏んだ空間の地水火風を凍らせるという「四界氷結」によりジェラルドの巨体を凍結させるに至るが、相手が神の戦士でこの世の元素に囚われない謎設定のため無理やり脱出してしまう。その後勝負が結局有耶無耶に。
千本桜景厳
「せんぼんざくらかげよし」。朽木白哉の斬魄刀、「千本桜」の卍解形態。
斬魄刀を地面に向けて落とすと同時に解放。落ちゆく斬魄刀は地面に吸い込まれるように沈み、直後、白哉の背後から大量の巨大な刀の刀身が生え、それが塵のように舞って散る。 「目に見えないほど小さい千本の刃」が能力である千本桜の刃がさらに増え、総数・億を越すほどの膨大な刃を出現・操作する。
見えない刃で斬りつける本来の用途以外にも、刃を圧縮して殺傷力の高い剣を無数に造り出す「殲景・千本桜景厳」、相手を無数の刃で球状に囲んで逃げ場を無くす「吭景・千本桜景厳」、全ての刃を手許の一刀に集中させ爆発的な攻撃力を発揮する「終景・白帝剣」等の多数の型を持ち、非常に応用が効く。
白哉は自分を中心とした半径約85cmの空間に千本桜の刃を通さない「無傷圏」という空間を作っている。これにより白哉自身は千本桜で傷を負うことはないが、同時に千本桜最大の弱点でもあり、この空間に入り込まれると完全に無防備になってしまう。ただし即席で対処することは出来る。
上記にもあるが、卍解を習得した一護との一騎討ちは本作屈指の名バトルである。
金色疋殺地蔵
「こんじきあしそぎじぞう」。涅マユリの斬魄刀、「疋殺地蔵」の卍解形態。
解放すると…何といえばいいのだろう。巨大で、赤子と芋虫をくっつけたような不気味な生物っぽいものが出現する。周囲100間(約182M)にマユリの血から精製された致死毒の霧を撒き散らす。毒は即効性ではないが、少しでも吸うと時間をおいて確実に死に至る。この毒はマユリとその娘であるネムには効かず、またネムは解毒剤を所持している。この巨大な本体は胸から剣山を生やすことができ、巨躯を利用した質量攻撃も可能。
致死毒の配合が毎回変えてあったり(というかマユリの血から出来てるって時点で刀かどうか怪しい)、もし歯向かったら自爆するよう仕掛けてあったり、マユリの物らしく彼の魔改造の手にかかっている。他にもどんな仕掛けがしてあるか知れたものではないが、まあいい意味で我々の期待を裏切るロクでもないものであろう。
終章のペルニダ・パルンカジャス戦ではさらに改造された「魔胎伏印症体」という異形態が登場。腹部に「伏」と書かれた巨大な赤子が召喚され、マユリ自身が送信した情報を元にして新たな疋殺地蔵を生み出す。作中ではペルニダの「強制執行」対策として、体表面に神経が露出した疋殺地蔵を生み出した。
何気に作中最初に登場した卍解である。マユリがまだまだ目立たない当時的には「ポッと出」の敵だったこと、あまりに予想外な形状と切り札というには地味な能力、そして何より、まだまだ他の目立つ、人気の隊長たちが控える中、よりにもよって、この涅マユリが卍解を使った「お前かよ!!」という衝撃など、数々の「予想外」から読者たちは度肝を抜かれた。いろんな意味で「卍解」に抱いていた幻想をぶち殺された一件であった。
龍紋鬼灯丸
「りゅうもんほおずきまる」。斑目一角の斬魄刀、「鬼灯丸」の卍解形態。
解放すると左右で形の異なる巨大な武器に、それぞれの柄尻から伸びる鎖に繋がった巨大な斧が出現する。この斧はほぼ常に一角の背後にあり、一角自身は基本的にこの斧に繋がれた武器を両手に持った二刀流で戦う。だが、この斧自体を掴んで武器を振るうことも可能。
斧には龍を象った彫り込みがあり、ダメージを与える・受けるなどの戦闘の激化につれて赤く染まっていく。卍解した時点では半覚醒状態で大した力を放たず、武器自体の強度も脆い。しかしこの彫り込みが赤く染まるほど覚醒度が上がり、霊圧が上昇していく。そして最終的に龍が赤に染まりきったとき、その一撃は最強のものになる。その攻撃力は凄まじく、エドラド・リオネスの鋼皮(イエロ)を貫き、作中では初めて破面を打ち倒すに至った。その直後に日番谷や卍解すらしていない乱菊が限定解除ののちあっさり破面を倒してることには、あまり突っ込んではいけない。あれだ、一角も限定を受けてたんだよきっと。三席だけどな!「壊れたら二度と修復できない」という卍解の性質上、ダメージを与える事はあっても受けるというのは一角の今後の戦闘に支障をきたしてしまう。
一角談、「俺と違ってのんびり屋」。恋次と同じく卍解使いとしてはまだ錬度が浅いようで、まだまだ隊長たちのもには及ばない。さらに、一角自身が剣八の元で戦って殉じることを望み、注目されて持ち上げられることを嫌うためにあまり卍解を好まず、弓親と恋次以外の人間の前ではその存在を明かすことすらしようとしない。が、空座町防衛戦ではその存在を隠そうとする余り卍解をしないまま敗北、防衛目標である「柱」を破壊されたため射場さんに怒られた。当然であろう。
恋次という前例はあったが、隊長以外が卍解を使えたということでやはり衝撃が走った。ちなみに、現在でも十三隊内の隊長・元隊長以外で卍解が使えるのは恋次、一角、雀部、ルキア、檜佐木、乱菊(BLEACH 13 BLADEs.において卍解を習得していると記載されているが、作中では未登場のため詳細は不明)の六人だけである。
黒縄天譴明王
「こくじょうてんげんみょうおう」。狛村左陣の斬魄刀、「天譴」の卍解形態。
解放すると巨大な鎧武者が出現し、狛村の動きと連動して剣を振るう。現在ではそれなりの数がある卍解の中でも最大のものであり、スーパーロボットなんかを想像させる超巨体である。それこそ金色疋殺地蔵が本当に赤子に見えるレベルであり、本当に扱いきれているのか心配になる程のものである。
狛村との結びつきが他の卍解に比べて非常に強く、ダメージを受けても狛村の自然治癒と共に黒縄天譴明王の破損も回復していく。しかし逆に、黒縄天譴明王がダメージを受けると狛村にもフィードバックされる。要は動きだけでなく状態も二者で共有しているらしい。
初登場は剣八戦でだが、発動とほぼ同時に双極での事態が動いたためにそのまま戦線離脱。その後、藍染の謀反時には一護と恋次の危機の際に追い付き今度こそその強さを魅せてくれるかと思いきや、藍染の鬼道であっさりと使い手である狛村もろとも倒されたために強いんだか弱いんだか長らくわからなかった。
空座防衛戦で久々に登場。やはり地味にいきなり発動したが、今度はあの一角を倒した相手を一撃で踏み潰した。射場曰く、「(一角に向けて)お前の卍解とは違うじゃろう」とのこと。
終章のバンビエッタ・バスターバイン戦で明王は命を持った鎧の卍解である事が狛村の口から明かされ、その鎧を脱ぎ捨てた形態である「断鎧縄衣」も披露された。この状態は命を持たない霊圧の塊同然であり、攻撃を受け体が破損しても霊圧が渦巻きすぐさま元通りに修復されてしまう。ただしこの状態は霊圧が形をなしているだけで鎧もない文字通り「弱点丸出し」な状態であり、さらに使用者へのダメージ連動は残ったままであるため使用すれば持ち主の命を著しく危険に晒すことになる。狛村はこの欠点を「人化の術」により自身が不死の躯となることで克服した。
狛村の不死化による対策が必要だったということで、つまるところ明王の自動治癒は狛村にはフィードバックされないようである。ダメージは相も変わらずフィードバックされるし、逆に狛村側の治癒は明王と連動しているのに・・・・・・ひょっとして狛村は天譴に嫌われているのだろうか。
清虫終式・閻魔蟋蟀
「すずむしついしき・えんまこおろぎ」。東仙要の斬魄刀、「清虫」の卍解形態。
解放すると刀の鍔の飾り輪が両手を広げたほどの直径にまで巨大化、九つに分裂し(原作初解放時は十だが後の場面やアニメで修正)、周囲を円形に取り囲む。それらの輪具から黒い力場が発生し重なり合い、バルーンドーム状の空間を作り出して東仙と敵を覆う。その内部に存在する者は視覚、聴覚、嗅覚、霊圧感知能力を奪われ、ほぼ完全に戦闘状況の把握が不可能になる。そして、「清虫」本体に触れている者のみ、この感覚制限から免れることができる。
相手にもよるが、発動してしまえば敵は何もできなくなりその間嬲り殺せるという強いというよりは卑怯な能力であり、101年前に使用された際は当時東仙が五席であり閻魔蟋蟀に聴覚遮断能力がまだ備わっていない様子であったにもかかわらず隊長格六名を一度に相手取り勝利しており、それ以前にも九番隊の隊長を含む上位席官五名を一人で殲滅している。しかし、斬るのも斬られるのも好きな戦闘狂剣ちゃんにはあっさり破られてしまう。
元々卍解の中では不遇だったが、使い手である東仙がさらに虚化と帰刃を習得し、そちらを気に入ってしまったためついに再登場せずに東仙が退場してしまった。
余談だが、閻魔蟋蟀展開後の九つの輪には九相を表す「張」「壊」「血」「爛」「瘀(場面によっては「青」)」「噉」「散」「骨」「焼」の文字が嵌め込まれており、東仙の帰刃後の技名(九相輪殺)にもその名残が見て取れる。
雀蜂雷公鞭
「じゃくほうらいこうべん」。砕蜂の斬魄刀、「雀蜂」の卍解形態。
解放すると蜂の腹部を彷彿とする棒状のものが右腕から肩を覆うように出現する。この武装、始解である雀蜂のような刺突武器でも殴打武器でもなく、その実、超大威力を発揮するミサイルである。命中すれば対象は跡形もなく吹っ飛び、一撃で倒せるあたりある意味「弐撃必殺」の雀蜂の卍解に相応しい。
あまりの衝撃に、発射する砕蜂自身も何らかの方法で地との固定が必要であり、さらに負担も大きく、三日に一度撃つのが適正な使用量である(ただし無理はできる)。ただでさえリスクがでかいのに、隠密には似合わず、さらには他の卍解に負けないどころか圧倒的なほどの派手さから砕蜂からは使用が好まれない。
言葉だけではこんなに強そうだが、実際は十刃No.2のバラガン・ルイゼンバーンに対し、無理を押し切って二度もズドン。二回目はそれなりにダメージは与えられたが倒すことは出来ず、一回目は無傷だった。相手が悪いのか、卍解が悪いのか。
終章・千年血戦篇のBG9戦で使用された際には着弾前の飛翔時にすら建造物等の周囲の空間を広く抉り取りながら推進していく様子が描写され、改めてその攻撃力の高さを窺わせた。が、結局またしても敵にとどめを刺すには至らなかった。
ちなみに、雀蜂雷公鞭初登場はコミックス42巻。その前の卍解お披露目は一角の龍紋鬼灯丸の23巻。実に19巻、約4年ぶりの卍解お披露目である。
神殺鎗
もう少し具体的に説明すると、始解状態で刀100本分伸びる「神鎗」が、卍解すると伸びる長さが13kmになる。さらに、その刀身が伸び縮みする速度は高速戦闘が得意な一護にも全く映らないほど速く、その速さなんとマッハ500。音速の500倍で自在に刀身を伸び縮みさせる「最速の斬魄刀」。「鎗」の名を冠すように、刀として斬るより、猛スピードで繰り出す突きの方が圧倒的な脅威となる。
しかし、その他追加効果や強化、形状変化などは一切なく、卍解してもパッと見はこじんまりとした脇差のままであり、能力も13kmでマッハ500とはいえ伸びるだけである。
ちなみに、戦闘力についてあれこれ言われている一護とはだいたい互角の戦闘を繰り広げている。この時ギンは本気を出しておらず、一護もまた心が折れてメンタルが弱っていたため、どちらの実力が上だったかは評価しづらい。
登場するやいなや、速攻でネタにされ、連ねてギン自身もネタにされている。今や普通に「13km」という大百科記事が存在する始末。彼らのこれからは、久保氏の実力にかかっている。
「13kmや」
とのことだったがホントはそんなに長く伸びないしそんなに速くないらしい。本来の能力は刃の内側に細胞を破壊する猛毒を持ち、伸縮の際に一瞬だけ塵になるとのこと。ていうか今更だけど死神とか虚とかも細胞でできてる生き物なんだ?
鐵拳断風
「てっけんたちかぜ」。六車拳西の斬魄刀、「断地風」の卍解形態。
解放すると両腕が鉄帯に覆われ、背には羽衣を思わせる形状の大きく婉曲した鉄板が出現。両の拳にはには大きなナックルダスター型の刃物が握られる。
破面篇のワンダーワイス・マルジェラ戦において大見得を切り見開きで仮面の軍勢初の卍解を披露するも、その直後に場面転換。後に何の説明もなくワンダーワイスが無傷で登場したため読者からはやれ「極限まで影を薄めて逃走するための卍解」だの、やれ「使用者の存在を作品内から消失させる卍解」だの揶揄され放題だった。
が、終章・千年血戦篇訣別譚にてマスク・ド・マスキュリンとの戦闘で再び卍解。その能力が始解の「太刀筋を炸裂させる能力」を拳に込め、その炸裂の力を拳に触れている相手に無限に叩き込み続けるものだと判明、そのままマスキュリンを豪快にフッ飛ばした直後に自分がマスキュリンのビンタで豪快にフッ飛ばされた。
ちなみに、過去編における虚化拳西の姿は、この卍解の形に酷似している。どうやらあの時、正気かどうかはともかく、とにかく拳西は本気だったらしい。
黄煌厳霊離宮
「こうこうごんりょうりきゅう」。雀部長次郎忠息の斬魄刀、「厳霊丸」の卍解形態。
解放すると掲げた厳霊丸の刀身から雷光が伸び、頭上に暈状の雷光の塊を形成、そこから地面に十一条、天に一条の雷光がさらに伸び、雷雲を呼び寄せる事で任意の対象に自在に雷を落とす事を可能とする。非常に強力な卍解であり、習得間もない時点での使用により山本重國の額に消えない傷を大きく残した。
雀部の「自身は生涯山本元柳斎重國に仕える一副隊長であるべし」という主義により護廷隊成立後一度たりともこの卍解が使われる事はなかったが、「見えざる帝国」の侵攻に際し、ドリスコール・ベルチとの戦闘において実に二千年ぶりに使用。が、即時卍解をメダライズされ敗北したために作中で雀部による卍解の使用が描写される事はなかった。そのため劇中でのこの卍解の初披露はドリスコールのメダリオンによるものとなる。
敗北こそしたものの、雀部はこの戦闘により、対「見えざる帝国」戦での重要なファクターである「卍解の無効化」を遺言として残す事ができた が、活かされる事はなかった 。
見えざる帝国の第一次侵攻時はドリスコールが元柳斎に対して使用。雷を落として攻撃するが元柳斎から「この程度では断じて無い!!!!」 と一喝されてしまい、大したダメージも与えられないままドリスコールは骨一つ残さず焼き尽くされてしまった。
アニメでは回想で青年期の雀部本人が使用するシーンが追加されており、さらに「雷を落として攻撃する」のではなく「切っ先に雷を纏わせて突進する」というのが本来の攻撃手段であることも明かされた。つまりドリスコールは戦う相手以前に使い方そのものを間違えていたのである。山爺にブチ切れられるも当然であろう。
アプリ『BLEACH Brave Souls』では現代の雀部も使用しているが、当時はまだ千年血戦篇がアニメ化されていなかったため、ドリスコールと同じように雷を落として攻撃している。
残火の太刀
「ざんかのたち」。山本元柳斎重國の斬魄刀、「流刃若火」の卍解形態。
解放すると始解による炎が全て消え、焼け焦げた刀身を持つ小さな刀だけが残る。見た目こそはみすぼらしいが、その実態は流刃若火の炎全てを一刀に圧縮した超高熱高威力の斬魄刀である。
そのあまりの高熱のために残火の太刀が使用されると周囲一帯の水分が次々と蒸発し消えていき、尸魂界全土が異常乾燥に見舞われる。卯ノ花曰く、長時間解放し続けると尸魂界自体をも滅ぼしかねない卍解であるとのこと。卍解の解除時にはその水分が一気に凝結し雨となって降り注ぐ。
千年前のユーハバッハとの戦闘の際は基本能力である「斬るもの全てを爆炎で灼き尽くす豪火の剣」としてのみ使われていたが、実際は切っ先に全ての熱を集中させて斬った部分を跡形もなく消滅させる「残火の太刀“東” “旭日刃”」、熱を使用者の身にまとい触れたものを消し飛ばす「残火の太刀“西” “残日獄衣”」、これまでに斬った者達の灰に熱を与え操る「残火の太刀“南” “火火十万億死大葬陣”」、遠距離攻撃である「残火の太刀“北” “天地灰尽”」などの複数の型を持つ。卍解の中では恐らく最強である。
皆尽
「みなづき」。卯ノ花烈(卯ノ花八千流)の斬魄刀、「肉雫唼」の卍解形態。
解放すると刀身が血液を思わせる赤黒い粘性の液体に変化し、柄を握る右手と反対側に広げた左手の間にダラリと垂れ下がる。その刀身からはそのまま赤黒い液体が止まらずに
ヌズ・・・ッ ズ・・・・ッ ゴボ・・・・
と禍々しい効果音を放ちながら流れ出続け、床を満たし、壁を這い上り、使用者と対戦者を含む周囲を完全に包み込む。何なのこの卍解。
液体で作られた刀身は封印時の曲刀とは異なる直刀状に固定され、直接斬り合っての戦闘に用いられる。
ちなみにこの直刀、構えると 「ヌ゙ル・・・・ッ」 というおどろおどろしいオノマトペを放つ。本当に何なのこの卍解。
詳細な能力は不明ながら、インパクトだけは抜群であった。
始解から漢字が変わるだけの(読みが変わらない)卍解は作中ではこの卍解が初めての登場である。
原作では詳しい能力は不明であったが、アニメにて「回道を使わずに自動で体力が回復する能力」であることが判明した(卯ノ花の口から能力について語られることはなかったが、対戦相手である更木剣八から受けた傷が瞬時に回復していたため)。また、刀身から液体の斬撃を飛ばして攻撃することも可能。
なお、考察界隈では「液体の範囲内にいる者全ての体力を敵味方問わず自動で回復する能力」あるいは「始解との繋がり(「唼」は訓読みで「くらう・すする」)から「敵が流した血を吸収し、それを味方に輸血する(解放時に流れる液体は卯ノ花が今まで斬り殺した敵の血液)」」の2つの説が有力だが、結局どちらが正しいのかはハッキリしていない。
ちなみに、アプリ『BLEACH Brave Souls』に登場するSAFWYオリジナル形態には、皆尽と同じ赤黒い液体を操って攻撃するほか、敵を弱体化させつつ体力を自身に還元する状態異常が付与されており、必殺技の説明文には「相手から吸収したものをエネルギーに変えて突き刺し、当たった敵全員に絶大ダメージを与え、弱体と侵食にする」とあるため、恐らくは後者が正解であると思われる。
金沙羅舞踏団
「きんしゃらぶとうだん」。鳳橋楼十郎(通称:ローズ)の斬魄刀、「金沙羅」の卍解形態。
解放すると金沙羅の鞭状の刀身が縒り集まっていき、巨大な両手(右手はタクトを持っている)と、十七体の異形の踊り子が形成される。この踊り子達は使用者の指揮に合わせ曲目を演じ敵を翻弄し、水流や火炎などの本来ならば一つの斬魄刀では持ち得ないような多様なダメージを標的に対して発生させる。
その実体は聴覚を介して相手の心を幻惑し、相手の受け入れた幻影を実際のダメージとして発生、体感させてしまう「音楽」の卍解である。
作中での卍解初披露時はその能力で終始優勢な状態でマスク・ド・マスキュリンを翻弄するも、勝負もついていないうちから上記の「音楽」の性質を敵に解説してしまったために「自らの鼓膜を潰し聴覚を失う」という対抗策を取られ、反撃を受け斃れることとなってしまう、簡単に鼓膜を潰すという敵との相性も悪かった。
何故BLEACH世界の登場人物達は戦闘中にペラペラと自分の能力を解説しだすのだろうか・・・・・・。
しら筆一文字
「しらふでいちもんじ」。兵主部一兵衛の斬魄刀、「一文字」の卍解形態。
解放すると一文字の刃の部分が真白な光の帯となり、始解時の“黒”の能力で名を塗り潰したものに対しその光帯で直接文字を書き込むことにより新たな名を刻み付けることができる。
作中ではユーハバッハに対し「黒蟻」の名を刻んだものの、直後にユーハバッハの聖文字の能力により始解の能力ごと新たな名を剥がされてしまったため、「新たな名」を刻むことによる詳細な効果は不明。他に何らかの攻撃手段となる能力があるのかどうかも不明である。
また、このしら筆一文字は尸魂界に「卍解」という概念が生まれる遥か以前、最も初めに始解から進化した斬魄刀であるため、兵主部は解放時に「卍解」ではなく「真打(しんうち)『しら筆一文字』」と唱える。
兵主部本人はその「真打」について、まるで若者言葉について行けない年寄りのように「最新式の言い方で言うなら卍解ということになるんかのう」などと呟いている。「卍解」という名を付けたのも兵主部本人のはずなのだが年を取りすぎてとうとうボケてしまったのだろうか。
花天狂骨枯松心中
「かてんきょうこつからまつしんじゅう」。京楽春水の斬魄刀、「花天狂骨」の卍解形態。
京楽自身を女性、対戦相手を男性に見立て、二人が心中に至る物語を展開する。「童の遊び」を現実にする始解に対して、「大人の遊び」を現実にするようなものだろうか。
始解時と同様に霊圧領域内にいる者に対しては敵味方問わず効果が発揮されるらしく、なおかつ卍解に伴って効果範囲も極端に広くなっている。一度はスターク戦で発動しようとしたが、「人目につく場所で使うものではない」として浮竹に制止された。
一度発動すると「段」と呼ばれる効果が順番に発揮されていく。
一段目「躊躇疵分合(ためらいきずのわかちあい)」では、相手を攻撃して疵をつけると自分の同じ部位にまったく同じ疵が発生する。ただし、どんな致命傷であってもその疵で死ぬことはない。
二段目「慙愧の褥(ざんきのしとね)」では、相手に疵を付けた男が悔いるように床に伏し、癒えぬ病に罹ってしまうように敵が何らかの病に侵される。作中ではリジェ・バロの全身に黒い斑点が浮かび、目や鼻などからも出血していた。
三段目「断魚淵(だんぎょのふち)」では、覚悟を決めた男女が入水自殺を選ぶように自身と敵の周囲が水に包まれる。この水は互いの霊圧が尽きるまで湧き出続け、逃れようともがいても水面に辿り着く事はできない。
そして〆の段「糸切鋏血染喉(いときりばさみちぞめののどぶえ)」では斬魄刀を鞘に収めると同時に京楽の指から糸のようなものが伸び、敵の体にまとわりつく。そして未練を断ち切るように指を振るうことで、敵の喉笛が切り裂かれて幕が下りる。
観音開紅姫改メ
「かんのんびらきべにひめあらため」。浦原喜助の斬魄刀、「紅姫」の卍解形態。
解放すると髪の長い巨大な女性が浦原の背後に現れる。他の死神のように攻撃に特化した卍解ではないが「触れたものを造り変える」能力を持ち、目などの部位を失ってもその部位を「造り変える」ことで治療できる。また、閉鎖空間の出入り口を作るなど、補助としても使えるので応用性も高い。
作中ではアスキン・ナックルヴァールの「猛毒の指輪(ギフト・リング)」によって潰された目を造り変えることで治療し、左腕を造り変え打撃の威力を上げることでナックルヴァールを遠くに吹き飛ばし、さらに「極上毒入りボール(ギフト・バル・デラックス)」の外から侵入できる道を造ることでグリムジョーを「極上毒入りボール」の中に侵入させた。
浦原は恋次に「あんただって卍解できんだろ」と問われた際に、「アタシの卍解は人を鍛えるとか人に力を貸すとか、そういうのには向いてない」と発言している。コミックス26巻の時点でその存在を匂わせていたが、実際に登場したのは73巻であり非常に遅い段階での卍解お披露目となった。
ちなみに、浦原はこの卍解を自身の開発した「転神体」という特殊霊具によって習得しており、この方法で卍解を習得した死神は浦原と一護の二人だけである。
更木剣八の卍解(名称不明)
卍解とともに剣八の体が赤くなり、斬魄刀は始解時より小さく、大きめの鉈くらいの大きさになる。圧倒的な強さを持つが、獰猛な獣のようになり理性が無くなる。
その力で巨大化した聖十字騎士団のジェラルドを一刀両断するという鬼神の如き強さを見せつけるが、相手がチート能力持ちのため復活されてしまい、その後パワーアップした的に対抗するため、更に出力をあげようとしたが、自分の力に耐えきれず自壊してしまい戦闘不能になってしまった。
銀城空吾の卍解(名称不明)
解放すると手にする大剣に、骨や歯、角を思わせる禍々しい意匠が追加され、使用者の首回りと下半身が毛皮に覆われる。背中には排気口のような機構が形成され、そこからエネルギー様の2対の翼が生み出される。更には髪は白髪に染まり、眼球の白目と虹彩、瞳孔の色が反転し、顔には仮面紋を思わせる大きな十字の紋様が表れる。
・・・・・・のだが、銀城の持っていた大剣は斬魄刀ではなく十字のネックレスを元にした「クロス・オブ・スキャッフォルド」という完現術であるため、そもそも何を卍解したのかが分からない。
またこの時の銀城は一護から奪った装着型の完現術(使用者によって形を変える)を身に纏っており、更に卍解と同時に「自分の中に虚の力も混ざっている」ことによる謎の変身(見る限り虚化でも帰刃でもない)を行っているため、上記の変貌のどこからどこまでが卍解による容姿の変化なのかも分からない。
更にはこの卍解の後は特に戦闘の上での盛り上がりもなく銀城が一護に斬られて敗北してしまったため、どんな能力の卍解なのかすら分からない。
仮にも死神代行消失篇のラスボスのものでありながら、名称だけでなくとにかく分からない尽くしの卍解である。
原作以外に登場する卍解
以下にはアニメや映画、ゲーム等のメディアミックス作品にのみ登場する卍解を説明する。
雷火・業炎殻
「らいか・ごうえんかく」。天貝繍助の斬魄刀、「雷火」の卍解形態。アニメオリジナルストーリー『新隊長天貝繍助篇』にて登場した。
解放と同時に鉤状の刀身が巨大化し、持ち手の部分には攻撃を防ぐ為の盾と炎の放射、排出口を兼ねたパーツが生成される。刀身から小型の炎の弾丸を複数同時に放つ「雷炎弾」、刀身を地に突き立て地中に炎を流し、地面から無数の炎の柱を噴き上げさせる「業炎龍牙」、刀身に集中させた炎を牙状に固め直接撃ち出し敵にぶつける「業炎龍牙・焔」等、炎を使った多種多様な攻撃が可能・・・・・・なのだが、なんというか、どの攻撃も流刃若火の始解で容易に再現できそうなものばかりであるというかどう見ても流刃若火の方が強そう。
天貝が強敵だったのはこの卍解だけでなく、死神の斬魄刀の能力を完全に無効化する獏爻刀を併用していた事による部分が大きい。
無鉤条誅村正
「むこうじょうちゅうむらまさ」。朽木響河の斬魄刀、「村正」の卍解形態。アニメオリジナルストーリー『斬魄刀異聞篇』にて登場した。
解放に伴う刀身の形状変化はないが、解放と同時に響河の傍らに「村正」の本体が他者にも見える形で実体化する。この実体化した「村正」が他の死神に干渉する事で、その死神の斬魄刀を強制的に実体化させることができる。
問題はこの「他者の斬魄刀の実体化」の際に斬魄刀の本能を刺激する事で斬魄刀を持ち主と敵対させられる事であり、この状態では斬魄刀が協力してくれなくなるため持ち主の死神は始解すら行う事ができなくなる。
この「斬魄刀の洗脳」のためには対象となる斬魄刀が持ち主と相対する理由を敵意に限らずどんな小さなものでも持っていれば良く、劇中では「主と一度本気で戦ってみたかった」「主が卍解を出し惜しみしすぎる」「主が変な渾名で自分を呼ぶ」「主に形が気に入らないとか言われる」「主の影が薄い」「主が自分の炎を炊事に使う」などの様々な理由で次々と斬魄刀が反乱を起こした。最終的に当時尸魂界に存在する全ての斬魄刀が村正の手により実体化されたが、この洗脳を逃れたのは唯一主への不満を一切持っていなかった「瓠丸」だけであった。
見ての通り露骨に「反乱を起こしてくれ」と言わんばかりの能力であり、それを恐れられ響河が孤立する事を危惧した村正は既に具象化と屈服が終了しているにもかかわらずその卍解を響河に伝授せずにおり、響河も村正への信頼からそれを是とし受け入れていた。しかし、統学院の同期生達が虚に襲われ全滅の危機に瀕した際の響河の「自分が将来どんなに迫害される事になろうと、今仲間を救えるならかまわない」という思いに打たれ、この卍解を伝授することとなった。どうしてああなった。
実際、「主との敵対」さえさせなければ死神達の戦力が純粋に二倍になるため、死神の味方としても集団戦では地味に強力な卍解である。
虎糾竜条丸
「こきゅうりゅうじょうまる」。宮能藤丸の斬魄刀、「竜条丸」の卍解形態。ニンテンドーDS用ソフト『BLEACH The 3rd Phantom』にて登場した。
解放すると刀身が日本刀の柄と鍔に青いエネルギー状の刃を持ったような形状に変化し、肩には虎の顔を模した肩当てが、首回りに白い襷が、腰回りに白い外套が、両腕に上腕までを覆う篭手が装着される。更に肩や背の横に円盤状のビットと三日月状の力場が現れる。このエネルギー状の刀身は使い手の意思で大きさを変化させる事ができ、巨大化させた刀身を振り下ろす「虎糾絶衝」という技も存在する。
ちなみにこのゲーム、主人公の斬魄刀の始解は3タイプから一つを選べるシステムになっているがどれを選んでも卍解は全く同じであり、スタッフの途中で力尽きた感が窺える。切ない。
竜糾虎淘丸
「りゅうきゅうことうまる」。宮能まつ梨の斬魄刀、「虎淘丸」の卍解形態。藤丸のものと同じく、ニンテンドーDS用ソフト『BLEACH The 3rd Phantom』にて登場した。
肩当てが竜を模している事、刀身等のエネルギーが赤い色をしている事、技名が「竜糾絶衝」となる事以外は上記の「虎糾竜条丸」とほぼ同じだが、何故かこちらは演出やステータス等の場面場面によって「竜糾虎淘丸」「竜糾虎陶丸」との表記揺れがある。
幸い主人公時(=卍解を修得できる)は斬魄刀の名称変更が可能なため、表記揺れが気になるならばヘッポコ丸なりおじゃる丸なり、好きに名前を変えてしまおう。
大煉獄緋願花
「だいれんごくひがんばな」。主を持たない斬魄刀、「緋願花」の卍解形態。ニンテンドーDS用ソフト『BLEACH DS 4th フレイム・ブリンガー』にて登場した。
解放とともに巨大な蜘蛛のような形になり、中空に張り巡らせた巣の上を縦横無尽に駆け回る。攻撃手段として彼岸花の花弁を思わせる飛び道具や小蜘蛛を射出する事ができ、また登場作品のサブタイトルである「フレイム・ブリンガー」の名に違わず炎を放射しての攻撃も可能である。ただし炎は尻から出る。
また、大きなダメージを受けた際にはその頭胸部を腹部に埋め、巨大な球状の飛行物体となり蜘蛛の状態よりも機動力を高める事が可能であるようだ。
痣城剣八の卍解(名称不明)
痣城剣八の斬魄刀、「雨露柘榴」の卍解形態。成田良悟氏のノベライズ『Spirits Are Forever With You』にて登場した。
その能力は「周囲の全てと融合し、支配する力」であり、使い手の身体や精神を周囲の空間と融合させることができる。宙に漂う空気から地に踏みしめる地面まで、全てがこの卍解の使い手の一部と化し、それらを霊子単位で操ることを可能とする。その融合範囲は痣城が隊長在位だった時分で既に瀞霊廷全土に及んでおり、そこから更に範囲を広げていく事も可能。自身を空気と融合させれば敵からの攻撃を受ける事はなく、敵の肺臓に侵入し体の内側から攻撃をする事もできる。更にはもっと直接的に、敵の身体そのものと融合し、その体を構成する霊子の霊子結合を弱め切断するといった芸当も可能なトンデモ能力である。
ただしこの卍解にも「意思を持つものとの融合に際して大きな拒絶反応が起こる」「融合した霊子そのものを強制的に吸収する能力を受けた際には通常の数十倍ものダメージを受ける」「融合能力の使用中は術者の身体を鍛える事ができない」などの細かなデメリットがいくつか存在し、中でも「霊子の吸収」を弱点とする点については痣城自身も問題視し、事を起こす前に石田の滅却十字や弓親の瑠璃色孔雀を強奪し隠している。地味にセコい。
原作の千年血戦篇では瀞霊廷内で滅却師達がじゃんじゃん能力を行使しまくっているので、瀞霊廷との融合が続いていれば痣城は無間の中で痛みにのたうち回っているものと思われる。
刳屋敷剣八の卍解(名称不明)
刳屋敷剣八の斬魄刀、「餓樂廻廊」の卍解形態。痣城のものと同じく、成田良悟氏のノベライズ『Spirits Are Forever With You』にて登場した。
解放すると刳屋敷を中心として半径数霊里に及ぶ巨大な顎が地面に出現し、使用者である刳屋敷を除いた全てを敵味方生物無生物の区別なく圧砕し磨り潰す。そのあまりの強力さ、無差別さから、四十六室より『如何なる事態であろうとも刳屋敷剣八の瀞霊廷内における卍解を禁ずる』という勅令が下ったほどの能力であり、当時の尸魂界で最も有名な卍解と言われていた。
一度卍解するとその後半年間は始解すらできなくなるという代償こそ存在するものの、それを補って余りあるほどの威力を持つ、「戦場で敵の群を喰らい尽くす」と噂された刳屋敷に相応しい絶大な力である。
梅針の卍解(名称不明)
梅針の斬魄刀の卍解形態。『ジャンプフェスタ・アニメツアー'05』内で上映されたOVA『The Sealed Sword Frenzy』にて登場した。
解放すると全身の体表が金属に覆われ、髪や髭なども金属様に硬質化する。右肩には三つの金属環が現れ、両腕は幾重もの刃を折り重ねたような形状となり(通常の手の形に戻す事も可能)、背中には同様な材質の片翼が形成される。その金属の皮膚は大紅蓮氷輪丸や斬月の攻撃をものともしない程の防御力をもち、更にはその全身のあらゆる部位から放射状に無数の刃を生み出し射出する事ができる。
劇中で見せた能力は上記の通りだが、この時の梅針は自身の斬魄刀と身体が融合してしまっている状態で卍解を行使していたため、純粋な斬魄刀の卍解時とは容姿や能力が異なっている可能性がある。
大ウルフ氷輪丸
「だいウルフひょうりんまる」。ウルフマン日番谷の卍解。何を卍解したのかは分からないが本人が卍解と言うからには卍解なのだろう。氷輪丸の名を冠してはいるものの氷輪丸との関係は不明。アニメ第304話にて登場した。
解放するとそれまでの「どこのWILD RUSHだ」とツッコミたくなるようなはだけていた肩部や胸元も白い体毛に覆われ(特に胸毛はもっさもさになる)尾も長く伸び、胴にはロングコート状、脚部にはレッグウォーマー状の灰色の毛皮が現れる。左腕は大紅蓮氷輪丸同様に龍の腕を思わせる形状の氷に覆われ、右腕にはなぜか狼の頭部を模したハンドパペットが装着される。背には大紅蓮氷輪丸と同じ氷の翼が形成されるが、自前の尻尾があるためか氷の尾は出現しない。氷の花弁も現れない。
解放シーンでは右腕のハンドパペットが妙にクローズアップされているが戦闘の際には氷の左腕から冷気が放たれるため、割と真面目にこのぬいぐるみの存在意義が行方不明状態である。
ちなみにウルフマン日番谷を含めBLEACHハロウィンモンスターシリーズは、アニメでは狛村隊長の夢の産物という設定である。
狛村「・・・・・・なんだ、儂の顔か」
逆様邪八宝塞
「さかさまよこしまはっぽうふさがり」。平子真子の斬魄刀、「逆撫」の卍解形態。成田良悟氏のノベライズ『Can't Fear Your Own World』内で明かされた。
解放されると撫子の花を思わせるような形状の、白く巨大な台座型となり、平子の周囲に覆いかぶさる。
始解である「逆撫」が視覚や聴覚と言った感覚器に干渉して逆転させるのに対し、この卍解の能力は「周囲にいる者の精神に干渉し、『敵』と『味方』の認識を入れ替える」というもの。具体的な範囲は不明だが、一度に数百万もの敵の認識を入れ替えているため、効果を及ぼせる対象の数には限りがないものと思われる。
敵が最後の一人になるまで際限なく同士討ちをさせられる極めて強力な能力なのだが、「効果が及ぶ対象を選別できない」「対象が一人しか居ない場合能力そのものが発動しない」という致命的な欠陥があり、周囲に味方が居る状況では味方も同士討ちを始めてしまい、BLEACHにありがちな1対1の戦闘ではそもそも使えない。「平子を一人で敵陣の真ん中に放り込む」といった鉄砲玉のような用法でのみ真価を発揮する卍解と言える。戦闘集団の幹部に全く向いていない。
原作本編の平子の戦闘は周囲に味方が大勢いるケースが大半であったため、そもそも使いたくても使えなかったものと思われる。「見えざる帝国が瀞霊廷の外の方に陣でも敷いてくれたら大半は一人で片付けられた」とのこと。
この通り、原作では一度も登場しなかった卍解なのだが、アニメ千年血戦篇第16話でまさかの登場。見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)の雑兵である無数の聖兵(ゾルダート)に対して使用し、その能力で一掃した。因みに、第1クール放送終了直後に公開されたPV第3弾で、平子が「お前らの常識もこの状況も、みんなまとめてひっくり返したるわ」という、原作では一度も言ったことのないセリフを喋っており、この頃から「アニオリで平子が卍解するんじゃないか?」という噂が立っていた。
風死絞縄
「ふしのこうじょう」。檜佐木修兵の斬魄刀、「風死」の卍解形態。平子のものと同じく、成田良悟氏のノベライズ『Can't Fear Your Own World』内で明かされた。
解放すると始解時の刃をつなぎ合わせているものと同じ形状の鎖が無数により集まり、黒い太陽を思わせる球状になったものが空中に現れる。そこから鎖が伸びて檜佐木自身と敵対者の頸部や手足に絡みつき、お互いを繋ぐ。また、檜佐木の足と地面もつなぎ合わせ、固定する。
この鎖で繋がれた両者の霊圧は「黒い太陽」に吸い込まれ、蓄積される。どちらかが傷を負うと、それがどんな傷であれ、その霊圧を使用してその傷を瞬時に癒やす。鎖そのものを破壊した場合も、同じように瞬時に修復される。早い話がお互い不死身になる。また、この霊圧の吸い上げはお互いの霊圧が均一になるように行われており、お互いにどれだけ力量差があろうと「どちらかの霊圧が先に尽きる」という事はないようである。
ある意味で無敵の能力なのだが、お互いの霊圧が尽きるか卍解を解除するまでこの効果は際限なく続くため、檜佐木一人ではどれほど頑張っても相打ちに持ち込むのが精一杯である。どんな強敵でも檜佐木一人の犠牲で倒せるとも言う。
檜佐木自身が疲労困憊になりながら敵も消耗させ、頼れる味方に後を託す、という使い方が戦闘では有効とされる。
傷が治るといっても痛みが消えるわけでもなく、また、卍解を発動する以前に負った傷が治るわけではない(卍解した時点の状態に強制的に戻す、という方が近い)ため、傷の治療のためには使えない。戦況を強制的に膠着させるその能力は、風(流れ)を死なせる、というその名に相応しいものと言える。副次的な効果として、周囲の大気に漂う霊子の流れが完全に停止する。また、鎖は檜佐木の意志によってある程度動かせるようで、チェーンソーのように動かして絡みついた相手を切断することも出来るが、上記の能力で即座に治ってしまうためあまり意味はない。
娑闥迦羅骸刺絡辻
「しゃたつからがらしがらみのつじ」。修多羅千手丸の斬魄刀、「刺絡」の卍解形態。アニメ『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』内で明かされた。
解放すると周囲が闇に包まれた後、地面から鳥居のような建造物が現れ、千手丸の背中に付いてる手が建造物に接続されると、建造物は機織り機へと変形し、そこから赤い布が空間全体を包み込むかのように敷かれ、その布の後ろから千手丸が現れ「娑闥迦羅骸刺絡辻」と唱える。
「とん、とん、から、から」と千手丸が歩くのに合わせて、敵は布に憑依した千手丸が囲む空間に一人一人分断される。一人目は「一綛解かば~」、二人目は「一綛解かば~」という五七五七七の詠唱を唱えながら攻撃していく。そして「死出六色浮文機(しでのろくしきうきもんのはた)」と唱えると共に機織り機が降り、敵を反物に閉じ込める。
攻撃手段は反物の種類によって異なり、「八枚の鏡に囲まれ、その鏡によって攻撃を跳ね返されるリジェ」「三枚の棘付きの布によって、不意打ちされるかの如く串刺しにされるナックルヴァール」「黒い流砂に丸呑みされるペルニダ」「全身を氷漬けにされるジェラルド」「炎で焼かれるハッシュヴァルト」などから察するに、恐らく相手の未来を暗示して攻撃する技であると思われる。この攻撃が実際の攻撃なのか精神攻撃なのかなどは不明だが、一言で言えば呪いそのものであり、そのホラー的演出や能力はもはや悪霊の呪いにしか見えない。また、色々な属性の技を繰り出している点は金沙羅舞踏団とよく似ている。完全上位互換などと言ってはいけない。
零番隊士の真の力=卍解は強力すぎる故、発動すると現世・尸魂界・虚圏の三界の天地が震えるという大きな代償がある。そのため、和尚を除く四人の零番隊士はお互いの命を共有することで真の力を封じており、千手丸が発動する際は他の三人は命を落とさなければ封印が解けず、卍解を使用できない。
初出はアニメ千年血戦篇第26話だが、原作・ゲーム・ノベライズには登場しないどころか存在すら明かされておらず、そもそも斬魄刀の名前すら明かされていなかった千手丸の卍解は、数多くのBLEACHファンを驚愕させることになった。非常に広範囲にわたる攻撃だが、和尚などには当たっていないことから無差別性はなく、ほぼ必中かつ敵に合わせた攻撃ができるなど、汎用性も攻撃力も作中最強格の卍解であることは間違いないであろう。
アニメでは詳しい能力は明かされなかったが、2023年12月に開催されたBLEACHの原画展『BLEACH EX. FINAL』に於いて、無限に生成される反物を自由自在に操る能力である事が判明した。また、同じ色の反物と反物の間をワープする事も出来るようである。
関連項目
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