暗殺拳しかり 北斗神拳と南斗聖拳!!
南斗聖拳とは、「北斗の拳」に登場する架空の拳法で、暗殺拳である。
概要
漫画『北斗の拳』に登場する暗殺拳の一種で、北斗神拳の対となる拳法。
漫画では“南斗聖拳”という固有の拳法は存在せず、もっぱら南斗の拳法や南斗全体を指す言葉として使われる。
拳法自体の初登場は1巻「KINGの逆襲の巻」の97ページだが、名称が登場するのは少し後の「狂乱の殺人者の巻」159ページと3話ほど間が開く。
北斗神拳が秘孔を突いて内部からの破壊を極意とするのとは対照的に、南斗聖拳では外部から突き入れる、若しくは手刀などで切り裂くことで人体を破壊することを極意とするもので、陰陽の考えにおける陽の拳法であるとされている。
陽拳ゆえに暗殺拳ながらも世界に広く知れ渡り、流派も様々に分化し、最盛期には1000を超える流派が存在したものの、劇中では核戦争の影響などもあり108派に纏まった、とされている。
暗殺を主体としているものの、技自体は結構派手で、中には水鳥拳のように華麗ですらあるものもある。
また、何の武装もなしに拳法を繰り出すものもあれば、武器を使う流派もあり、流派によって使う技も様々である。
中には南斗人間砲弾や南斗爆殺拳のようにただ単に南斗を名乗っているだけのようなものも存在する。
なお、北斗神拳と南斗聖拳は基本的に争ってはならない争えば世界が滅びる、お互いの技を伝承していく、という掟だったらしいのだが、世紀末の世にそんな掟は守られるはずもなく、途中から「南斗乱れる時北斗現る」と変化し、最終的には六聖拳壊滅にまで至ってしまっている。
南斗聖拳の流派一覧
- 南斗弧鷲拳 (シン)
劇中で最初に登場した南斗聖拳。南斗六聖拳殉星の男・シンが使用。
ケンシロウの胸に七つの傷を突けた拳法で、北斗神拳2000年の不敗神話に土を付けた。
・・・割には劇中の活躍は前述の回想シーンぐらいで、後はケンシロウに圧倒されるだけという不遇な扱いでもある。実際登場した技も獄屠拳、千手龍劇の二つだけ。
ケンシロウに与えたダメージも4本の爪痕と左手の4つの穴だけ。
かつて執念を持たないケンシロウに対して圧倒したのとは対照的に、執念を身に付けたケンシロウには歯が立たなかった。
他の南斗聖拳とはやや趣が異なり、手刀による真空波よりは突きによる貫きを極意としている。
後にジャギもこのシンの南斗聖拳に酷似した技を使っている。
但し、ケンシロウを倒した獄屠拳は蹴りに見せかけて実は四肢を切り裂くという邪道な技だった。
これは、当初北斗の拳が短期終了した時のためのラスボスとして設定されていたシンが、連載継続の為に弱くならざるを得なかった故である。
また、原作者曰くケンシロウの七つ傷も「当初はただのファッション」だと考えていたらしく、連載中にこの設定を思いついたらしいことが伺える。
- 南斗無音拳 (カーネル)
GOLANの首領、大佐(カーネル)が使った南斗聖拳の一派。自称・世界最強の殺人拳。
ケンシロウに対して「きさまも知っていよう」などと言っているところから見るとそれなりに知名度があるのか?
その名の通り、気配を殺すことや相手の動きを読むことを極意としている模様。実際、ケンシロウに「かつて知らぬ間にこれほど近くまで獲物に接近を許したことはない」と言わしめた。一方で、ブーメランや鉤爪など道具を使って攻撃する流派らしい。
また、マッド軍曹(サージ)には、超能力とされていたが、実際のところ拳法だったのか超能力だったのかイマイチ判然としなかった。
しかし、たかだか20~30年の鍛錬では北斗神拳の敵ではなかった。
それなりにケンを苦戦させたからか、シンより善戦してねえか?といった声もある。
- 南斗水鳥拳 (レイ)
南斗六聖拳義星の男・レイの使う南斗聖拳で、劇中最も活躍の機会に恵まれた南斗聖拳。
名前の通り、その技の演舞は華麗であり、突き破る弧鷲拳とは異なり、スゥーっと切れていくのが特徴的な拳法となっている。その動力源は華麗な足の動きにありとされ、ユダとの決戦で流砂に足を飲まれたときは苦戦していた。
登場当初はシンというキャラクターに負けてはいけないということからか、悪人っぽく書かれていたレイだが、次第に善人として描かれるようになり、南斗虎破龍でケンシロウと共に一芝居演じた頃にはこの漫画で唯一の主人公の相棒ポジションが定着した。
しかし、ラオウに対しては分が悪すぎた。指一本で完敗を喫し、同時に残り3日の命となった。
最期は、トキに僅かばかりの延命を施され、拳の切れを増した状態で同じ六聖拳のユダと激しい死闘を演じた。一時的とはいえ、北斗の拳の主役の座をケンシロウから奪った唯一の事例であった。
アニメ版ではケンシロウの「あーたたたた」に対してレイを演ずる塩沢兼人氏による「ヒョォー シャオ!!」という甲高い怪鳥音が発せられ、こちらも人気となった。
- 南斗紅鶴拳 (ユダ)
南斗六聖拳妖星の男・ユダが使い手。
背中から身体を裂くほどかまいたちの発生速度が速いことが特徴で、このほかに地面や水面を衝撃波が這いながら相手に到達する技なども見せている。
レイの美しい水鳥拳に見惚れてしまったことに激しい嫉妬心を抱いたことから南斗同士の戦いとなってしまい、途中まではその持ち前の知略で戦いを優位に進めたものの、最終的には水面を逆に利用された水鳥拳奥義飛翔白麗の前に敗れる。
後に、その技は使いやすさからなのかケンシロウの水影心としてあっさりコピーされてしまった。
ユダの見た目や言動から、オカマ若しくはゲイの拳法として扱われることも多い不遇な拳法である。
- 南斗白鷺拳 (シュウ)
南斗六聖拳仁星の男・シュウが使い手。
特徴はなんと言っても華麗な蹴り技にあり、水鳥拳が足の動きを上半身に連動させていたのに対して、白鷺拳は足の動きそのものが攻撃となっている。
同じ六聖拳の将星サウザーに対してレジスタンス活動を行っていたものの、鳳凰拳に対しては力不足であるらしく、表立った反乱は起こせずにいたあたりでケンシロウとの再会となった。
レイの親友ということだったが、劇中で特にレイとのエピソードは語られない。
南斗十人組手のシーンから察するに、むしろサウザーやラオウとは旧知の仲だったことが伺える。
- 南斗双斬拳 (名無しの雑魚二人)
サウザーの部下二人が使用したケンシロウ曰く「おもしろいみせ物」。
「はいっ はいっ」の掛け声でナイフを投げあい、間合いをつめて獲物を切り刻むのが極意らしいが、所詮ケンシロウの敵ではなく、ナイフを全部かわされた挙句、秘孔児鳩胸を突かれて目の遠近感を奪われたことでアッサリ退場してしまった。
- 南斗鳳凰拳 (サウザー)
南斗六聖拳将星の男・聖帝サウザーが使用。
108派ある南斗聖拳のうち最強の拳法とされ、他の南斗聖拳ではこの拳法を打ち破ることは不可能とされる。また、表の拳法である南斗聖拳としては珍しく北斗神拳同様の一子相伝で受け継がれる。恐らく北斗神拳の位置にあたる拳法と思われるが、伝承の仕方は北斗曹家拳を連想させる。
構えを持たない独特の型が特徴で、サウザー曰く「構えとは防御の型で制圧前進あるのみ」らしい。
但し、拳法の存立を脅かす存在が現れた時にのみ構えを取る奥義が存在する。
白鷺拳と同じくこの鳳凰拳にも脚が存在し、一度は脚との組み合わせ技の極星十字拳でケンシロウをノックアウトしている。
伝承者になるための条件も他の南斗聖拳とは異なり、まず内臓逆位で天然の北斗神拳対策が成された肉体を持つ者である必要があり、さらに伝承者となるための試験には目隠しした状態で師匠に打ち勝つ必要がある。
サウザーはその拳法の素質から15で伝承者となったものの、師であるオウガイから愛情を受けることは教わっても喪うことを学ばなかったため、性格が歪み、後の暴君へと変貌するきっかけとなってしまった。
なお、この最強の南斗聖拳も北斗神拳に単純な破壊力や闘気をも利用する技の豊富さでは劣っており、サウザーも拳法の腕ではケンシロウが上だったことを認めている。
- 南斗双鷹拳 (ハーン兄弟)
劇中最後に登場した南斗聖拳で、ハズ、ギルの兄弟が使い手。
リン・バットが大人になってから唯一登場した南斗聖拳。
しかし、大した活躍も無く元斗皇拳のファルコに敗れてしまう。
これ以降、劇中に南斗を名乗る拳士は一切登場しないが、108派もあった南斗聖拳は壊滅してしまったのであろうか?
アニメのみ登場した南斗聖拳
- 蝙蝠拳(コウモリ男二人組)・・・なんか派手なメイクをした男二人組が使用した。マントで飛び回り鉤爪で相手を攻撃する。なお、実際の中国拳法でも動物の動きを参考にした拳法が存在するため、後述する南斗列車砲とかよりはよっぽど拳法している。
- 野獣拳(獣人)・・・クナイ、手りゅう弾、手裏剣、短剣など様々な武器を使いこなす。武器のラインナップからして忍術っぽさもある。
- 南斗龍神拳(ドラゴン)・・・火炎放射である。拳法とは一体・・・?
- 南斗百斬拳(ダンテ)・・・アニメオリジナルの中ではまともに拳法している流派。襲撃してきた村人の武器を切り刻んだり、ケンシロウが膝をつくほどのダメージを与えているので、ちゃんとした拳法な上強い部類に入る。スタン・ハンセンみたいな動きでネタにされがちだけど。
- 南斗暗鐘拳(ザリア)・・・詳細は該当記事参照。拳法というよりはもはや呪術とか超能力に近い。使い手のザリアは人造人間サイコ・ショッカーみたいなこともあってこの回はホラーテイストであった。
- 南斗風車斬(バロン)・・・両端に刃のついた巨大な斧を振り回して相手を切り刻む。
- 南斗蛇鞭拳(ジャンク)・・・南斗聖拳の鞭術。鞭を高速で振り回して攻撃する。初見ではケンシロウに多数の傷をつけるほど強力。
- 南斗人間砲弾(ガレッキー)・・・当該記事参照。ツッコミどころ満載です。
- 南斗列車砲(トウダ)・・・当該記事参照。拳法とは、武術とは一体・・・?
- 南斗翔天拳(ジョーカー)・・・高速で二体の分身を作り出し、分身と共に相手を攻撃する。ドラゴンボールで孫悟空が初期に使っていた残像拳や、ポケモンのかげぶんしんなどのようにどこに本体がいるかわからなくするだけでなく、分身も攻撃してくる、つまりこれらの上位互換とも言える拳法である。実際アニメオリジナル拳法の中では強力な部類で、一時はケンシロウと互角に渡り合う強さを見せた。
- 南斗爆殺拳(ジャッカル)
関連してるかもしれない拳法
- 泰山寺拳法
読み切り版北斗の拳に登場した拳法。
名称の由来はおそらく「泰山北斗」。拳四郎の父曰く唯一北斗神拳に匹敵する暗殺拳。
泰山を本拠とし、表向きには健全な拳法を教えるが実は恐るべき暗殺集団。
その暗殺拳を武器に巨大組織として世界中の政治権力と結びついているらしい。
南斗聖拳と同じく相手を切り裂く技などがあるものの、棒術や剣、鉄の爪を使う描写もあり、実態はよくわからない。 - 極十字聖拳
北斗の拳の前史を描く『蒼天の拳』に登場。
北斗劉家拳の分派の一つで、北斗の拳の一派だが、南斗と同じく十字の星を紋章としている。
登場当初は南斗聖拳の源流か?とも言われたものの、現在では南斗聖拳の一派かもしれない、といった程度の解説。
しかし、北斗の拳でありながら技は南斗聖拳に酷似しており、相手を切り裂く、鳥の動きを模した技などが確認されている。また、使い手の名前にも鳥の名前が入っている。
結局、流飛燕が死んだあたりから急速に作品中の存在感が薄れてしまい、南斗聖拳との関連もイマイチ判然としないままとなっている。
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あったらすごすぎやろ。
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