南朝鮮とは、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)における大韓民国(韓国)の呼称である。
日本以外の国で使われる呼称であり、一応韓国の英語表記は「Republic of Korea」であるが、北朝鮮を「North Korea」韓国を「South Korea」とする国は多い。
韓国では「南朝鮮」表記を嫌っており、学術的な理由なしに日本でわざわざ南朝鮮と呼ぶのは、韓国に対しての嫌がらせが目的である。このタグが付いた動画からもその傾向が伺える。
概要
もともと、朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国は第二次世界大戦後の冷戦初期、ソ連(+中国)とアメリカをそれぞれバックにして朝鮮半島に建国された国家であり、共に相手の国家を承認しておらず、現在でも相手の国の領土は「本来ならば自分の国の施政が及ぶべきところで、今は他国の傀儡政権、あるいはゲリラによって支配されている地域」と公的には見なしている。
それゆえ朝鮮民主主義人民共和国では、「自分の国(朝鮮、共和国)の南側にあるゲリラ支配地域」という概念で韓国を「南朝鮮」と表現している(当然、韓国も逆に北朝鮮政府の統治地域のことは「北韓」と表現する)。
そのため、「南朝鮮」の呼称は大韓民国に対する、「北朝鮮」「北韓」の呼称は朝鮮民主主義人民共和国に対する政治的な意での蔑称(その国の存在を否定する意があるため)と見做すことも可能である。
そして朝鮮民主主義人民共和国は「韓国」を、大韓民国は「朝鮮」の呼称を嫌うので、注意が必要である。特に大韓民国人は「韓民族」「韓半島」と退避する傾向が強い。
元々は、この言葉はどちらかというと左翼側が使っていた言葉であった。現在の日本政府の公式見解としては、北朝鮮を国家として承認しておらず、韓国を朝鮮半島における唯一の合法的政府としている。しかし、前述の通り共産主義勢力が立てた北朝鮮を支持し、韓国をアメリカが朝鮮半島に不当に立てた傀儡国家だとする見解も左翼界隈には見られた。反米軍基地運動の時、活動家たちが歌っていた曲「ひびけとどろけ」にも
とびたてぬ一〇〇のジェット機
姿かくす戦争の手先
板付は包囲された
アメリカは包囲された
南ベトナムへ南朝鮮へ
この勝利ひびけ とどろけ
と歌われている。日本共産党も1997年までは韓国を南朝鮮と呼んでいたし、そもそも論、この語は北朝鮮が韓国をいう時の言い方である。
・・・つまり、もともとこの語は「韓国はアメリカが立てた傀儡政権であり、北朝鮮こそが正当な国家であり、地上の楽園である」という、マジもんの左翼が使っていた語なのである・・・が、近年では、韓国への嫌がらせとして、また韓国も北朝鮮と変わらない程度の国である、というニュアンスを込めて右派が使うように変化していった。つまり、この語はガチガチの左翼から右派に転向した、稀有な語なんである。
なお"Korea"の由来は、朝鮮ではなく高麗である。語源的には「南高麗」が正しい。
関連項目も参照のこと。
関連項目
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