参考記録とは、公式記録としては扱われない非公式の記録のことである。
概要
主に陸上競技などで使われる。追い風などの競技者にとって有利な状況下で競技が行われた場合に公正を期すため、記録は残るが競技連盟などからの公認はされず「参考記録」となる。一部の陸上競技は追い風の影響を考慮せず、競技規則を遵守していればすべて公認される。また向かい風はどれだけ吹いていても公認される。
陸上競技での追い風は瞬間最大風速ではなく、ルールで設定された時間内における平均風速が2.0m(混成競技は4.0m)を超えた場合に「追い風」があると判断され「追い風参考記録」となる。トラックに対して水平方向の風速のみ測定対象となる。
その他、誘導員のミスなどによりゴールした時点での走破距離が不足していたため公認されなかった例(2017年のさいたま国際マラソン)や、コースが従来のものから変更されたため従来の記録を参考記録とした例(箱根駅伝など)がある。
100m競争における「10秒の壁」を人類史上初めて突破したのは米国のボブ・ヘイズ選手で、その舞台は1964年の東京五輪準決勝であった。惜しくも追い風により参考記録となったが、彼はその後決勝で見事金メダルを獲得している。
1988年のソウルオリンピック陸上男子100m走の世界記録と金メダルをドーピング発覚で剥奪されたベン・ジョンソンは有名だが、遡ること51年前の1937年8月にパリ国際陸上競技大会で同姓同名のベン・ジョンソンという選手が追い風参考記録で世界記録を逃している。前者はアメリカ、後者はカナダの選手である。
関連動画
関連項目
- 0
- 0pt