古舘伊知郎とはフリーアナウンサー、タレント、司会者、ニュースキャスターである。
概要
1954年12月7日生まれ、東京都北区出身。
立教大学経済学部経済学科卒。元テレビ朝日アナウンサー。
立教大学2年生の時、友人から「お前は本当におしゃべりが面白くてうまいから、アナウンサーになったら」と言われたのをきっかけに、東京アナウンスアカデミーに通い始める。
1977年、全国朝日放送(現在のテレビ朝日)にアナウンサーとして入社。その面接の際、広辞苑の丸暗記という常人にはできそうにない特技を披露したという。
この1977年は、テレビ朝日が独占中継権を獲得したモスクワオリンピック(1980年)の中継に大量のアナウンサーを投入する必要が生じたために例年よりも多くアナウンサー採用を行った年であった。この時運にも恵まれ、古舘も採用されることとなる。[1]
入社1年目からテレビ朝日のプロレス中継「ワールドプロレスリング」の実況に大抜擢。独特な表現やフレーズを駆使し、その独特な語り口は「古舘節」「過激実況」と呼ばれた。当時はアントニオ猪木の全盛期であり、新日本プロレスの黄金期を陰ながら支えたと言えるだろう。
スポーツ実況において「古舘節」は大きな影響を残し、福澤朗、辻よしなりなど後続のアナウンサーにもこのフォロワーが数多く生まれた。
1984年6月、テレビ朝日を退社しフリーとなり、大学時代の友人と芸能事務所「古舘プロジェクト」を設立。
1987年3月、10年以上に渡って担当した「ワールドプロレスリング」の実況を勇退。
1989年から1994年まではフジテレビ系のF1放送や、競輪の実況中継などを担当。一方で司会業でも頭角を現し、「夜のヒットスタジオ」「おしゃれカンケイ」「筋肉番付」などの人気番組を担当する。
1994年~1996年までの3年間は『NHK紅白歌合戦』の白組司会も務めた。民放のアナウンサーを経た人物では初めての紅白司会者となった。
2004年4月5日、テレビ朝日系の報道番組「ニュースステーション」の後番組に相当する「報道ステーション」のメインキャスターに就任すると、「報道ステーションに専念したい」との理由で他の出演番組を次々と降板。2015年現在のテレビ出演は「報道ステーション」と、選挙開票速報番組「選挙ステーション」(いずれもテレビ朝日系)のみとなっている。
本人の報道志望を以て起用されたものの、内容は古舘本人の独りよがりなコメントに終始し、反論があると必死にかみつくという醜いとも言える言動が目立つ。視聴者の大半は彼の批判目的ではないかと皮肉られるほどであり、事実、週刊文春の「嫌いなキャスター」において1位にランクインする有様である。
そのため、かつてのスポーツ実況に復帰すべきだという意見も多い。
2013年6月24日の「報道ステーション」放送中、スタッフからの指示が書かれたメモを渡された際、その内容が「番組は意図的な発言の誘導を行っている」というような物であると明らかにする行動に至っていたため、降板される日も近いのではないかと囁かれていた(詳細は「報道ステーション」を参照)。
2015年12月24日、会見にて2016年3月の放送をもって同番組を降板することが明らかになる。
2017年4月21日の「古舘伊知郎のオールナイトニッポンGOLD」番組内で、アニメ「けものフレンズ」の声優ユニット「どうぶつビスケッツ×ppp」に対する捏造発言で物議を醸した。この騒動はYahoo!ニュースなどの大手メディアでも取り上げられ、遂にはchange.orgで署名運動
が開始されるまで事態が大きくなっている。なお、騒動の詳細については上記大手メディアや各種まとめサイト等で確認されたし。
名(迷)実況・フレーズ・キャッチコピー集
古舘伊知郎を語る上で、スポーツ実況やバラエティ番組における独特のフレーズやキャッチコピーは欠かすことができない。
ちなみに、「夜のヒットスタジオDELEXE」では『ストロボ過ぎる言葉マシーン』を自称していたこともある。
ニコニコ動画においては、彼の名台詞や実況を担当したゲームなどを素材としたMAD動画がいくつも作られている。
ここでは、それらのほんの一部を紹介する(カッコ内は該当する人物や団体やものなどを表記)。
プロレス
- 「燃える闘魂」(アントニオ猪木)
- 「人間山脈」「ひとり民族大移動」「現代のガリバー旅行記」(アンドレ・ザ・ジャイアント)
- 「人間サンドバッグ」「肉体の起き上がりこぼし」「人生七転び八起き」(越中詩郎)
- 「戦う渡辺徹」(ヤングライオン期の橋本真也)
- 「掟破りの逆サソリ」(藤波辰巳が長州力の得意技サソリ固めを模倣した時の形容)
- 「うしろの正面誰だ作戦」(背後から不意打ちする様を形容)
- 「腕ひしぎ逆十字」(腕挫十字固のこと。これがきっかけとなり、プロレスや総合格闘技のみならず、柔道漫画に至るまで「腕ひしぎ逆十字」と誤称される様になる)
- 「美学のテトラポット」(ラッシャー木村)
- 「戦うコンパクトディスクプレイヤー」「青春のエスペランサ」(高田延彦)
- 「現代に甦ったネプチューン」(ハルク・ホーガン)
F1
- 「音速の貴公子」「白昼の流れ星」「ポールポジションの狩人」「生まれついてのポール・シッター」(アイルトン・セナ)
- 「地獄からの帰還兵」「第二のニキ・ラウダ」(ゲルハルト・ベルガー。1989年サンマリノGPでの大クラッシュによる車両火災からほとんど無傷で生還したため)
- 「マンちゃん」「アドレナリン走法」「暴れん坊将軍」「荒法師」「オレを誰だと思ってるんだ走法」「人間ドーベルマン」(ナイジェル・マンセル)
- 「錆びない鉄人」「サーキットの皆勤賞男」「二百戦練磨」「史上最強の脇役」(リカルド・パトレーゼ)
- 「振り向けばブーツェン」「忘れたころのブーツェン」(ティエリー・ブーツェン。ただし、この発言は顰蹙を買った)
- 「タイヤに優しく、風と仲良し」「チェックメイト理論」「腕前はフランス四星レストラン」(アラン・プロスト)
- 「犬も歩けばチェザリスにあたる」「サーキットの通り魔」「走る解体屋」「スピードのセクハラ男」(クラッシュ・キングとして有名だったアンドレア・デ・チェザリスに対して。同義語多数あり)
- 「納豆走法」「刻み納豆走法」(粘り強い走りを展開した中嶋悟を指して)
- 「F1一寸法師」「しゃかりき右京」「張り子の虎走法」(小柄な体で単身F1参戦した片山右京を指して)
- 「F1日本大使館、走るJISマーク」「F1ネオジャパネスク」「F1エキゾチック・ジャパン」(鈴木亜久里)
- 「男セーラームーン」「走る一人ウィーン少年合唱団」「北欧の貴公子」(ミカ・ハッキネン)
- 「ターミネーター」「人間ユンケル、走るリポビタンD」「史上最強の若僧」(ミハエル・シューマッハ)
- 「マクラーレン・イリュージョン」(正確無比で素早いマクラーレンクルーのタイヤ交換を指して)
- 「フェラーリ・マジック」(マクラーレンと並びタイムが速かったフェラーリのタイヤ交換を指して)
- 「サテライトクルージング走法」(ジャン・アレジ)
その他のスポーツ
- 「走るねずみ女」「レレレのおじさん走法」(土佐礼子。あまりにもひどいフレーズだったため解説者も吹いてしまった)
- 「又、世界が微笑んだ!」「都電荒川線」「時計は悪魔が作ったと言われます」(北島康介)
- 「人間魚雷」「水中四輪駆動」「沈まないタイタニック」(イアン・ソープ)
- 「地上最強の初心者」(マイケル・フェルプス)
- 「リオの絞め殺し屋」「魔性の格闘アメーバ!」(アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ)
- 「まさに人間凶器!蹴りの24時間営業!」(ミルコ・クロコップ)
- 「金髪のナマハゲ」(高山善廣)
バラエティ番組
- 「職業SASUKE、いや、人生SASUKE」「仕事は失業中、筋肉は24時間営業」「浪速のターミネーター」(山田勝己。山田が当時無職であったことと、アーノルド・シュワルツネッガーに似ていたことから)
- 「油まみれの出世物語」(山本進悟。山本がガソリンスタンド勤務であることから)
- 「ひとりかに道楽」(秋山和彦。秋山が当時毛ガニ漁師であったことから)
- 「甲板の軽業師」(長野誠。長野が漁師であることから)
- 「逆三角形のエイリアン」「肉体のトルネード」(池谷直樹)
- 「コロッセオの王子様」(ケイン・コスギ。ケインが当時スポーツマンNo.1決定戦で活躍していたことから)
- 「不動産のブローカー」(長渕剛)
- 「イナゴの大群」(おニャン子クラブ)
- 「歌う日米半導体摩擦」(TM NETWORK)
- 「狂乱のヤン坊マー坊」(とんねるず)
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
脚注
- *一方、フリー後に「クイズ悪魔のささやき」「幸せ家族計画」「筋肉番付」の司会を務めることになるTBSでも古舘の才能が局内で話題になっていたものの、古舘が新卒入社試験を受けた前年の1976年に生島ヒロシ、高橋進、鈴木順と3名も男性アナウンサーを新卒採用したために翌1977年にはその採用自体を取りやめることになってしまい、古舘はTBSのアナウンサー採用試験すら受けられなかったという裏話もある。
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