古葉竹識単語

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古葉竹識こば たけし1936年4月22日-)とは、広島カープ南海ホークスに所属していた元プロ野球選手内野手)であり、広島カープを史上初の優勝及び日本一に導いた監督である。旧名は古葉毅。

プロ入り前

小学生時代はクラスで一番足が速く、高校生時代は厳しい上下関係の中1年生からレギュラーを獲得し、2年生時には選抜にも出場している。

2年生の5月を亡くすが、この不幸にもめげずに野球を続け、寮費・授業料免除という好条件を提示してくれた専修大学に進学する。

しかし大学での夏休み期間、校である高校のグラウンドで後輩練習をしていたところ、ノンプロでは最強と言われた社会人野球チームの日二瀬の監督を務めていた濃人渉が偶然通りかかり、古葉をスカウトする。

このまま大学4年間で野球を続けるよりは速くプロに入って稼げるようになりたいと考えていた古葉は濃人監督についていくことを決め、わずか8ヵ足らずで大学中退し日鉱業に入社、1年後に入社する江藤愼一らとともにプロ顔負けの厳しい練習を積み重ね切磋磨する日々を送る。

ある日「良い捕手がいる」という話を聞きつけて江藤愼一を見にやってきた数球団のスカウトに対し、濃人監督は「江藤はあと1年待ってくれ、それよりいい選手を紹介する」として古葉を推薦、この縁で古葉は1958年広島カープに入団することとなった。

プロ入り後

ルーキーイヤーはオープン戦から結果を残し、開幕戦では2番遊撃で起用され、8月には金田正一からサヨナラホームランを放つ活躍を見せていてる。

63年は打撃が好調で、初めてオールスターにも選出され、3戦には決勝打を放ちMVPいている。

シーズンでは長嶋茂雄しい首位打者争いを繰り広げ、9月には長嶋に逆転を許すが、10月6日には5毛差にまで食らいつく。しかし10月12日大洋戦にて対戦投手島田太郎から死球を受け、っ二つに割れるほどの重傷を負ってしまい戦線を離脱、この年打率.339記録するものの、打率.341記録した長嶋に敗れ首位打者は獲得できなかった。

翌64年、練習量を増やし再起にかけるが、前年受けた死球で古葉は内を攻められると意識のうちに体がよけるようになってしまい、本来のバッティングを見失ってしまう。このため古葉は打撃ではなく足を活かすことを考え、他球団の投手研究し一つでも多く盗塁を決めるようになり、この年は打率こそ.218と前年を大きく下回ったが、盗塁は57を数え初めてのタイトルとなる盗塁王を獲得。

66年には二度オールスター選出を果たし、68年には39盗塁で再び盗塁王を獲得している。しかし69年、走・攻・守の全てで不振に陥り、二塁にコンバートされた他、試合出場がルーキーイヤー以来の100試合以下を記録すると、この年のオフ、古葉は球団から南海ホークスへのトレードを通告される。


古葉は当初移籍を渋っていたが、南海監督に就任した野村克也が直々に説得に訪れ、「現役でプレーできなくなったら一緒にチーム作りをしよう」「プレーヤーとしての古葉に惚れたんやない。優秀な導者になれる人やと思ったから南海に来てもらいたいんや」という言葉を受け、古葉は南海へのトレードを承諾した。

南海ホークス1年となる70年は二塁で83試合に出場し、打率は.274となかなかの結果を残すが、盗塁はわずか3つしか記録できず、71年は代打中心で48試合に出場するが打率は.216盗塁に至ってはプロ入り以来初となる「0」だった。

限界を感じた古葉はこの年限りでの引退を決意し、野村監督にその旨を伝えると、「それな明日からファームの守備・走塁コーチをやってくれ」と依頼され、「今度は選手を育てて優勝したい」と考えた古葉はその要請を承諾する。

引退後

ファームでは藤原満片平晋作柏原純一などを導し、73年には一軍の守備・走塁コーチに昇格、監督野村克也ヘッドコーチドン・ブレイザーから「シンキングベースボール」を学び、チームもこの年から導入された前後期制度において前期及びプレーオフを制し念願の優勝を決めた。


74年は広島カープでの先輩である森永勝也からコーチとして来てくれないかという連絡があり、同時に南海からも野村監督から慰留され、悩んだ末に古葉は南海を退団し、守備コーチとして広島に復帰することを選んだ。

かしこの年の広島監督である森永ヘッドコーチ長谷川良平、打撃コーチジョールーツとうまく連携がとれずに最下位に終わり、森永はこの年限りで監督を退任した。


75年はジョールーツ監督に就任、衣笠祥雄を三塁にコンバートし、日本ハムから大下剛史を獲得、さらに意識革のためチームカラーを当時メジャーでも類の強さを誇っていたシンシナティ・レッズあやかり「」に変更するなどの革を推し進めた。

しかしシーズンが始まると、4月阪神戦にて掛布雅之に対するストライク判定を巡り監督ルーツが執拗な抗議を続け、これに審判が退場を宣告するもルーツはこれを拒否、見かねた審判団が球団社長に説得を依頼しようやくルーツは引き下がるが、「全権は監督にあるにもかかわらず球団社長がグラウンドに介入することは不当」としてルーツ揮権を放棄し、球団の説得にも応じずそのまま退団してしまう。

この緊急事態を受け、球団は古葉に監督就任を依頼し、古葉はこれを了承、初の采配となる5月4日阪神戦では打線爆発し9-5で勝利を収め、5月17日大洋勝利後には首位にも立つ。

その後は阪神中日を混戦を繰り広げ、この年打撃が開眼した山本浩二衣笠祥雄オールスターで大活躍すると、後半戦はこの二人が大活躍し、投手外木場義郎池谷公二郎佐伯和司の3本柱がきっちりローテーションを守り、中継ぎも前年の交通事故から復帰した金城基㤗、阪急から移籍してきた渡辺基、宮本幸信らの奮闘もあり、9月14日に再び首位に立つと以後は快進撃を続ける。

9月28日には安田猛松岡弘エースをぶつけたきたヤクルトを5-3で下し、10月10日ヤクルト戦ではエース外木場が相手打線完封すれば、打っては山本浩二が決勝本塁打を放つ活躍で2-0で勝利し、球団史上初となるマジック「3」が点する。

そして迎えた10月15日後楽園球場巨人戦、5回に大下タイムリーを放つと、先発の外木場は7回を失点に抑え8回からは金城を投入、9回表にホプキンスが勝負を決める3ランを放つと、その裏金城は2アウト柴田勲レフトフライに打ち取り、古葉率いる広島カープは創設から26年にして球団初の優勝を決めた。

優勝が決まるとスタンド広島ファンはグラウンドに流れ込み、古葉はその大勢のファンによって胴上げされた。

10月19日シーズン終戦終了後にはファンに対し「本当に優勝したんですねぇ」と感慨深げに挨拶した。この年は山本浩二MVP首位打者大下剛史盗塁王外木場義郎最多勝沢村賞を獲得し、ベストナインにはこの3人に衣笠祥雄三村敏之を加えた計5人が選出され、ヘルを巻き起こした

しかし日本シリーズでは山田久志山口高志といった優れた投手を有する阪急が立たず、4敗2分と1勝もできずに敗北した。


76年はエースの外木場が肩痛で不振に陥り、山本も前年程の成績を残せず、池谷が20勝で最多勝衣笠盗塁王を獲得したものの、この年は大幅な補強(加藤初張本勲)を行った巨人に追いつけず3位に終わる。


77年は池谷含む投手が崩壊して5位、78年は前半戦は最下位に落ちるなど苦戦していたが、山本浩二本塁打王水谷実雄首位打者を獲得する活躍で何とか3位に食い込んだ。


79年は南海から江夏豊を獲得し抑えに固定、5月には一時最下位に落ちるなど苦戦していたが6月には勝率5割を突破、さらに高橋慶彦6月6日から7月31日までの間に33試合連続安打という記録を打ち立てている。

8月には13日から6連勝、27日から9連勝を記録一気に首位に立つと、そこからは一度も首位を譲らず二度優勝を決めた。

打線山本浩二打点王記録を作った高橋慶彦盗塁王を、投手北別府学が17勝を挙げたほか、抑えとしてフル回転した江夏豊セーブ王MVPを獲得した。

日本シリーズでは西本幸雄監督率いる近鉄バファローズ対決、1戦近鉄先発井本隆広島打線を2失点に抑えるピッチングで2-5で敗北

2戦打線近鉄エース鈴木啓示完封され、7回には先発山根和夫の後をうけた江夏がまさかの炎上で0-4で敗戦。

しかし3戦池谷が7回表までを2失点にまとめ、裏に内田順三、ギャレットタイムリーで逆転し8回からは江夏近鉄打線を見事に抑え勝利

4戦先発福士明夫が9回3失点の投球で5-3で勝利

5戦は2戦リベンジとばかりに山根和夫近鉄完封し、打線鈴木啓示から1点をもぎ取り1-0で王手をかけるが、6戦は再び井本に9回2失点で投を許し2-6で逆王手をかけられる。

日本一をかけた7戦広島先発山根近鉄先発鈴木、しかし山根は5回2失点、鈴木は3回2失点でそれぞれマウンドを降りると、6回に広島捕手沼の2ランで4-2と勝ち越すが、その裏近鉄羽田耕一に1点を返され1点差に詰め寄られる。

古葉は7回から江夏を投入し、近鉄打線を抑え込む。そして迎えた9回の裏の近鉄の攻撃、江夏は先頭打者の羽田ヒットを許すと、アーノルド、平野四球を与え、満塁としてしまい、古葉はブルペン北別府池谷を向かわせる。

かしこの二人をブルペンに向かわせたことで江夏プライドを傷つけたと当時に刺し、江夏代打佐々木恭介三振に打ち取ると、続く石渡茂スクイズに対し、「カーブの握りでウエスト」をし、三塁走者の代走・瀬史郎をアウトに、石渡三振に打ち取るという見事な投球を見せ広島初の日本一を達成、この江夏の投球はのちに江夏の21球としてり継がれることになる。


80年は投手が開幕8連勝を達成した北別府の他、福士池谷江夏、そして江夏導を受け一本立ちした大野豊らが、打線本塁打打点の二冠を獲得した山本盗塁王高橋衣笠ライトライトルらが活躍し、5月12日に首位に立って以降一度も首位を譲らず、圧倒的な強さで2年連続の優勝を達成。

日本シリーズでは西本近鉄と再び対決し、前年同様7戦までもつれ込むが、最後も前年同様江夏が締め、2年連続で日本一を決めた。

しかし、前年の経緯もあって監督との関係がギクシャクしていた江夏は、退団を口にするようになる。結局、ストッパーめていた日本ハムファイターズ大沢啓二監督の熱ラブコールを受け、エース高橋直樹との交換でトレードが成立した。


81年、高橋広島環境が合わず、2勝5敗と全に期待を裏切ってしまった。抑えは江夏が可がっていた大野豊が抜された。9月に大幅に勝ち越して最終的に2位に浮上したが、故障者続出で出遅れたことが最後までいてしまった。

お江を獲得した日本ハムはこの年優勝している。


82年にはのちに「炎のストッパー」と呼ばれることになる津田恒美が入団し、この年11勝を挙げて新人王を獲得した他、北別府学は20勝で最多勝沢村賞くが、池谷公二郎福士敬章の急な衰えで投手弱体化してしまった。チーム6月に一度首位に立った以降は勝ちを伸ばせず、この年はBクラスとなる4位に転落した。オフに5番打者の水谷実雄放出し、阪急ブレーブスから加藤秀司を獲得するというトレードが敢行された。


83年は開幕から出遅れてしまい、巨人の独走を許してしまう。加藤は肝炎で途中離脱してしまうが、若手野手の台頭や3年川口和久の急成長もあって7月には首位に立った。しかし、8月津田が離脱するとチーム調子を落とし、最終的に6ゲーム差で2位となった。


84年、この年古葉はそれまで大野豊が務めていた抑えのポジション西武ライオンズから復帰した小林誠二を据え、大野先発に転向させる。

これが功を奏し、大野山根和夫北別府学川口和久と共に先発4本柱を形成し、シーズン最後までローテーションを守り通した。

打線山本浩二が前半戦は不振に陥るが、この年はそれまで一度もシーズン三割を達成できなかった衣笠祥雄が変わって打ちまくり、この年入団した小早川毅彦が新人王を獲得する程の活躍を見せたほか、日本プロ野球初の「背番号0」で話題を呼んだ長嶋清幸9月15日・16日の巨人戦において巨人エースであった江川卓西本聖からそれぞれ2日連続でサヨナラホームランを放つ活躍を見せチームを盛り上げた。

チームは開幕直後に12連勝を記録して勢いに乗り、7月には一時中日に首位を譲ったものの、9月に首位を奪還して以降はその座を譲らず、10月4日大洋戦においてこの年中継ぎ・抑えにて活躍した小林誠二がこの年一の勝利を挙げ、4年振りの優勝を決めた。

日本シリーズでは75年以来となる阪急ブレーブス対決、1戦は7回まで阪急エース山田久志に抑えられるものの、8回に長嶋清幸の逆転2ランが飛び出し3-2で勝利

2戦は1回と3回にそれぞれ1点を奪うものの、9回にそれまで完封ペースで投げていた先発北別府突然崩れ、この回に一挙に5点を失い2-5で敗戦。

3戦山本浩二衣笠祥雄長嶋清幸高橋慶彦一発が飛び出し、先発川口和久は9回を3失点に抑える投球で8-3で快勝。

4戦は1回と6回に1点を奪った後の7回に松永浩美の2ランで同点とされるが、9回に山本タイムリーで勝ち越し、その裏も代走から守備に回った小川達明の好プレーもあって3-2で勝利

5戦先発北別府が5回3失点で降すると、後を受けた小林大野も失点を許し、打線今井雄太郎山沖之彦攻略ならず2-6で敗戦。

6戦は2回までに3点を奪うものの、3回の表に先発川口が先頭打者の福本豊の頭部にぶつけてしまったことで動揺し(※この当時まだ頭部死球による退場のルールい)この回一挙に7失点、結局これが最後までき3-8で敗戦。

7戦は6回まで2-2と互の戦いを見せていたが、7回裏に阪急先発山田広島先発山根ヒットを許すと阪急今井雄太郎スイッチ、しかし今井は自身の悪送球などでこの回3失点、8回には1死2塁で山沖に交代するが、連投で疲れがたまっている山沖からさらに2点を奪い取ると、広島先発山根は9回を2失点に抑え勝利で見事に4年振りとなる日本一を達成。古葉は9年前、4敗2分と一つも勝てなかった阪急リベンジを果たした。

この年は衣笠MVP打点王小林最優秀防御率いている。そして2017年現在、この年の日本一以降広島阿南準郎(1回)、山本浩二(1回)、緒方孝市(2回)の元でリーグ優勝したことはあっても日本一いたことがいため、古葉は広島カープにおいてただ一人日本一を達成した監督となっている。


85年は中日阪神9月までしい優勝争いを繰り広げるが、この年「ダイナマイト打線」と称された阪神打線の勢いを抑えることが出来ずに2位に終わり、古葉はこの年限りで広島監督を勇退した。


87年から横浜大洋ホエールズ監督に就任した。西武ライオンズから片平晋作永射保を獲得し、韓国から新浦壽夫を復帰させてシーズンに望んだものの、長年染み付いた体質を払拭することは難しく、5位、4位、6位とBクラスに低迷し続けた。ただ、木庭教らが広島東洋カープから移籍してきたことでスカウトが強化され、横浜ベイスターズ時代にとなる選手がこの時期に続々と入団した。

1999年野球殿堂入り。その後は解説者などを務めていたが、2007年から(アマチュア登録の関係で最初はアドバイザーという形で)東京大学監督に就任(2008年から正式な監督になった)。2015年まで務め、2016年からは名誉監督となっている。

2021年11月12日に逝去した。

人物

見かけこそ好々爺のようにも見えるが、選手に対しては常に厳しい練習を課し、時には鉄拳制裁も辞さない人物。

監督時代はベンチの端で体を半分だけだして試合を見ており、このことをネタにもされていたが、大野豊によれば「マウンドからでもを見れば怒っているかどうかわかった」とのことで選手からは恐れられていた模様。 

通算成績

野手成績

通算:14年 試合 打席 打数 安打 本塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率 出塁率
NPB 1501 5945 5427 1369 44 334 263 99 28 372 19 447 .252 .303

監督成績

通算:14年 試合 勝利 敗戦 引分 勝率
NPB 1801 873 791 137 .525 Aクラス9回、Bクラス5回

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古葉竹識

1 ななしのよっしん
2014/02/24(月) 20:41:47 ID: xULRqQcLe8
すごく詳しい解説ですねー。
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2 ななしのよっしん
2014/10/28(火) 01:27:19 ID: HFiMooMk5Y
通算打点334点という件について…な阪(ry
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3 ななしのよっしん
2017/09/04(月) 21:52:35 ID: tAnVprBI0B
所属していた広島カープからだった首を引き抜いて大洋監督になるも、結果は知っての通り。また、後年何を考えたのか広島市長選に立補するも、広島市民から総スカンを喰らった爺さん
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4 ななしのよっしん
2021/11/16(火) 15:59:58 ID: G/Y8ecEGZX
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5 ななしのよっしん
2021/11/17(水) 11:57:54 ID: tAnVprBI0B
2003年広島市選挙に立補したものの、当選者にトリプルスコア以上の大差(得票数2位からもダブルスコア以上の大差)を付けられて惨敗」が抜けてる
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