古高ドイツ語とは、最古のドイツ語である。
概要
8世紀ごろから11世紀半ばころの現在のドイツ中部~南部で使われていた言語である。古語の中では比較的文献に恵まれており、アレマン方言、バイエルン方言、フランケン方言、テューリンゲン方言などの大きなグループを総称したものとなっている。
なおそのうち西フランケン方言はガロロマンス語に影響を与えた末に同化吸収されフランス語に影響を与えた。
音韻体系
の変化が生じている。
文法
名詞
名詞に関しては母音弱化が起こっておらず、まだ屈折語尾を用いる変化である
母音幹それぞれa-語幹、ō-語幹、i-語幹の三通りある。
a-語幹 | ō-語幹 | i-語幹 | i-語幹 | |
---|---|---|---|---|
単数主・対格 | tag | geba | gast | kraft |
単数属格 | tages,-as | geba,-u | gastes | krefti |
単数与格 | tage,-a | gebu,-o | gaste | krefti |
単数呼格 | tagu,-o | gastiu,gestiu | ||
複数主・対格 | taga,-ā | gebā | gesti | krefti |
複数属格 | tago | gebōno | gestio,-eo | kreftio,-eo |
複数与格 | tagum,-om | gebōm,-ōn | gestim | kreftim,-in |
子音幹はnt-語幹、r-語幹、-iz/-az語幹、n-語幹の4通りある。
このうちn-語幹が現在の弱変化名詞になった。
また語根型が存在する。
この時点ですでにder / diu / dazの冠詞が存在している。
動詞
- 第1類:-en語幹
- 第2類:-ōn語幹
- 第3類:-ēn語幹
の三通りある。
第1類 | 第2類 | 第3類 | |
---|---|---|---|
単数1 | suochu | salbōm,-ōn | lebēm,-ēn |
単数2 | suochis(t) | salbōs,-ōst | lebēs,-ēst |
単数3 | suochit | salbōt | lebēt |
複数1 | suochemē | salbōmēs,-ōn | lebēmēs,lebēn |
複数2 | suochet | salbōt | lebēt |
複数3 | suochent | salbōnt | lebēnt |
完了形はもうこの時点ですでに、haben / sein +過去分詞、
受動態ももうこの時点ですでに、werden / sein +過去分詞、
の分析的な表現になっている。
ラテン語の影響からもう従属節などの複文が用いられることも多い。
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関連項目
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