「リーネさん」こと合成屋リーネとは、「ドラゴンクエストX」に登場するキャラクターである。
概要
さあ 今日は なんのご用なんだい?
君が こいつを気に入ってくれるといいな!
ウェナ諸島のヴェリナード城下町で、アクセサリー合成屋を営んでいるウェディの女性。
アストルティア商業組合のリーサルウェポンにして、無敵のアクセサリービジネスで覚醒した合成界のセレブリティ。キャッチコピーは「ラスボスと呼ばれた女」。[1]
本作「ドラゴンクエストX」において、数多くのプレイヤーたちからゴールドを巻き上げ続ける魔性の女であり、アストルティアにおいて個人所有の資産額の多さでは娯楽島ラッカランの島主ゴーレックに次いで第2位という大金持ちである。その所業により、前述の通り「ラスボス」という通称で恐れられている。
キャバ嬢のような金の盛り髪に全身をゴージャスな金のアクセサリーで包んだ成金趣味ないでたちは、これまでの「アクセサリー合成」商売で多額のゴールドを荒稼ぎしてきた証であろうか。
なお、リーネには「復元屋ミーネ」「交換屋キーネ」というふたりの妹がいる。3姉妹の頭文字を並べると「キリミ(切り身…ウェディだからか?)」になるという説が見られるが、真偽のほどは不明である。
アクセサリー合成
アクセサリー合成は、本作のバージョン1.2から導入されたやり込み要素である[2]。それにあわせて合成屋リーネも登場の運びとなった。
本作では、ほぼすべての武器や防具はプレイヤーの手により生産され、世界に流通している。モンスターを倒して手に入れるような、いわゆる「レア武器・レア防具」というものは基本的に存在しない。例外となるのは「アクセサリー」カテゴリーの装備品である。
「アクセサリー」カテゴリーの装備品は、プレイヤー間での受け渡しが不可となっており、欲しいものは自力で入手するしか方法がない。効果の低いものであれば、アクセサリー屋で購入したり、ちいさなメダルと交換したりと比較的入手は容易であるが、一方で、モンスターを倒した際にまれに入手できるものや、ダンジョンを攻略した戦利品として入手できるものなど、非常に入手困難な、それを入手すること自体がやり込み要素であるようなレアアクセサリーも多く存在する。
他人への譲渡ができない仕様上、従来は同じアクセサリーを重複所持していても活用方法がなく、処分するほかなかった。そんな折に実装された「アクセサリー合成」は、そんな問題を解消するシステムであった。重複所持しているアクセサリーの一方を素材として消費することで、残るもう一方のアクセサリーに「さいだいHP+1」「こうげき力+1」「戦闘勝利時MP回復+1」などの追加効果を付与させることができる。これにより、重複して使い道のなかったアクセサリーが有効活用できるようになったのである。
合成で付与できる追加効果の数には上限があり、3回までと設定されている。また、付与された合成効果の総数はアクセサリー名の横に+1~+3の数値で表示される(最大回数まで合成されたアクセサリーは「ソーサリーリング+3」のように表示される)。合成に必要な費用は1回につき1000ゴールド、さらに5000ゴールドを支払うことで、さらに3000ゴールドを支払うことで(ver2.4から値下げされた)、これまでに付与されていた任意の効果をひとつ消してもらうことができる。この合成効果消しについては、後述の「覚醒リーネ」も併せて参照されたい。
オフライン版ではアクセサリーごとに決まった3つの効果の中から1つを選ぶことができ、オンライン版の運要素は無くなった事で合成コストと時間が大幅に削減された。
アクセサリー合成のコスト
アクセサリー合成にかかるコストは以下の三点である。
- 合成を行うためには、同じアクセサリーをふたつ用意しなければならない。
- 合成で付与される効果はランダムで決定される(合成してみなければ結果はわからない)。
- 合成に使用したアクセサリーのうち、片方(後から追加した方)は消失する。
先に述べた通り、アクセサリーは自力で入手する必要があり、よりレアなものほど入手難度が高い。そうして苦労して集めたアクセサリーをいざ合成してみたら、毒にも薬にもならない微妙な追加効果を付与されてしまった…などという光景が日常茶飯事のように見られる。
合成で付与できる効果数の上限は3回までとなっているが、これはすなわち、上限まで合成を行おうとした場合は4個の同じアクセサリーが必要、ということになる。うち3個は合成で消失してしまうため、強力なアクセサリーへ強力な追加効果を付与しようとすると、比例してコスト(と時間)が増大していくのである。
レアアクセサリーを入手すること自体がやり込み要素であることから、それらをコストとして行うアクセサリー合成は「やり込み要素の中のやり込み要素」であるとも言える。
理論値と、泥沼化するアクセサリー合成
アクセサリー合成については、ヘビーユーザーたちの間で「理論値」と呼ばれるゴール地点が存在する。
合成結果の良し悪しの判断基準として、一般的には、そのアクセサリーが元々備えている効果と同じものが付与されるのが望ましい、とされる。たとえば、本記事冒頭のソーサリーリングの場合、その主たる効果は「戦闘勝利時にMPが3〜5回復」というものである。このアクセサリーに効果を付与したい場合、「戦闘勝利時MP回復+1」を3回付与する(合計で戦闘終了時にMPが6〜8回復)ことが最終目標であり、これが「理論値」と呼ばれるゴールである。
このゴールへの道はひたすら険しく、大抵は「しゅび力+1」などの「このアクセサリーにそんな効果望んでないよ!」という結果であったり、望む効果ではあるもののその値が低かったりと、残念な結果に陥るのが常である。「やり込み要素の中のやり込み要素」とも言えるアクセサリー合成において、さらに理論値を追い求める行為は、さしづめ「やり込み要素のラスボス」に値するものかもしれない。
…ただし、実は、これに加え更なるやり込み要素が後に控えている。詳しくは後述の「伝承合成」を参照。
覚醒リーネと合成効果消し
こうして多くのヘビーユーザーがアクセサリー入手と合成を繰り返す泥沼にはまり、比例して合成屋リーネの懐には多額のゴールドが流れ込む、という図式ができあがった。
本作の開発者が公開した「1周年記念国勢調査」の結果によると、合成屋リーネは2013年7月31日のリアル24時間で1800万超ものゴールドを稼いだとのことである。恐らく毎日がこのペースなのであろう。ここまでの荒稼ぎっぷりにより、次第にプレイヤーたちから「リーネさん」と呼ばれるようになり、畏怖されるようになっていった。
こうして稼いだゴールドを使い、登場したのが「覚醒リーネ」である。
登場当初の合成屋リーネは、髪は水色、服装も青系統というモブキャラ用の汎用グラフィックであったが、バージョン1.5中期を境に、彼女のグラフィックが金髪に赤い服というド派手な専用グラフィックへと変更された。前述の国勢調査においても「羽振りがよくなったためか、美容院に出入りしているというウワサも」と明記されており、単なる店番NPCにすぎなかった彼女が、人気によって格上げを果たしたのだと思われる。
この覚醒したことにより編み出された新技が、前述の「合成効果消し」である。この新技によってアクセサリーの理論値品の作成難易度が緩和され、さらに多くのプレイヤーがアクセサリー合成への道に足を踏み入れる形となった。結果、覚醒リーネの懐へは輪をかけて多額のゴールドが流れ込んでいった。
当時の状況について、覚醒後に発行された「開発・運営だより第12号」によれば、覚醒初日のリアル23時間で、覚醒リーネは10億超ものゴールドを稼ぎ出したようである。やはりこいつがラスボス…。
ちなみに、こうして稼いだゴールドのうちいくらかは、生き別れの妹(復元屋ミーネ)を探し出すことに使っていたようである。
伝承合成
バージョン2.3より、合成屋リーネは新たな合成方法として「伝承合成」を編み出した。
これは、「アクセサリーの合成上限である3回に達したアクセサリーを、その上位アクセサリーへの合成材料として消費する」という、さらなる地獄の道のりである。
具体的には、上位アクセサリーも通常のアクセサリー合成の仕組みにのっとって上限の3回まで合成しておき、そこへ、同じく上限回数に達した下位アクセサリーを4回目の合成として加える(伝承合成する)形となる。この伝承合成を行うことで、上位アクセサリーは通常の上限回数を超えた「+4」へと達することができる。
伝承合成対応のアクセサリーは、それぞれ「伝承合成される側(ベースとなる側)のアクセサリー」と「伝承合成する側(消失する側)のアクセサリー」が明確に定められている。また、伝承合成する側のアクセサリーにも条件があり、"最大回数(+3)までアクセサリー合成が行われたもの"のみが有効となる。
コロシアム参戦(期間限定)
「リーネさん」「ラスボス」などと呼ばれる合成屋リーネであるが、そんな彼女への恨みをはらす機会がいよいよ訪れた。
バージョン1.5後期にプレオープンしたPvP施設「コロシアム」において、期間限定の特別選抜チームとして合成屋リーネが参戦したのである。チームの名前は「アストルティア商業組合」。グレン城下町の案内係ビョルン、メギストリス城下町の仕立て屋ポポル、そしてガケっぷち村の取引商ヨシキリを含めた四人パーティー。
合成屋リーネのコロシアムでの職業は「スーパースター」となっており、あふれる財力にものをいわせた装備品で身を飾っていた。武器・防具はすべて最上級の強化(錬金効果)が施され、アクセサリーはすべて理論値品。この野郎。
コロシアムはPvPシステムであるため、リーネたちアストルティア商業組合も「中の人」が操作していた模様である。以下のようなオープンチャットでいろいろとセリフを発しながら攻撃を行ってくる。[3]
ボディガードさん |
利益還元しちゃうね~♪ |
リーネの使用するとくぎは通常のスーパースターのものと変わりないが、ガチガチに強化した装備品によって凶悪な破壊力と化していた。みとれ率を上昇させるとくぎ「メイクアップ」によって彼女の周囲にいるプレイヤーはみとれ状態(行動不能)となり、こちらからの反撃は「ボディガード呼び」で召喚された黒服男に阻まれてしまう。そして最大の技、我々から搾取したアクセサリー合成代金を天から降らせる「ゴールドシャワー」(利益還元)を使用し、範囲内のプレイヤーたちに300超のダメージを叩き出す。
こうして、彼女に恨み持つ挑戦者は次々と返り討ちにされていった。
魔法の迷宮ボス参戦(期間限定)
その日、「目覚めし冒険者の広場」のライブカメラに映し出されたアクセサリー合成屋の様子が普段とは異なっていた。
表示されたサーバーの番号は「41」。そしてアクセサリー合成屋の建物入口には「CLOSED」の札がかけられており、建物内には合成屋リーネの姿が存在していなかった。ライブカメラ上には、その光景と、無人のカウンター前でとまどう冒険者たちの様子が映っている。同様に、グレン城下町の宿屋、メギストリス城下町のドレスアップ屋の入口にも「CLOSED」の札がかけらた光景が映されていく。そして、最後に映し出されたのは、ホワイトデーのイベントが催されていたホワイトショコラ城の中でうろたえる取引商ヨシキリの姿であった。
それでは、リーネたちはいったいどこに行ってしまったのか?…彼女たちの姿は、本作のインスタンスダンジョン「魔法の迷宮」の最奥部にあった。
そう、彼女たちは再びバトルチーム・アストルティア商業組合を結成し、迷宮内で冒険者たちを待ち受けていたのである。
…とは彼女の弁(ビョルっち?)。
4月1日のエイプリルフール限定で、魔法の迷宮のボスが一定の確率で「アストルティア商業組合」または「覚醒リーネ(+他3名)」に差しかわるというイベントが行われていた。ちなみに、本作のプレイヤーであればお気付きかもしれないが、本来、サーバーは01番から40番までしか存在していない。サーバー番号41とは4月1日という意味で、すなわちWebサイト上に仕掛けられたエイプリルフールのジョークだったのである。実際には、上記正式番号のサーバー上では、リーネたちはいつも通り営業を行っていた。とはいえ、魔法の迷宮でリーネたちと戦えるというイベントは本当であった。
リベンジマッチとなった今回のバトルであるが、うち「アストルティア商業組合」戦については、難易度としては低めであり、主人公たちのレベルが20代程度であれば勝てる内容となっていた。それでも、リーネの「ラリホーマ」とヨシキリの「ボケ」で動きを止められたところに、ポポルの「魔力覚醒」で倍化された「メラミ」で攻撃、難を逃れた者による反撃はビョルンが「におうだち」で防ぐというコンビネーションは見事であり、油断して挑んだプレイヤーたちが苦戦するケースがあった。
問題はもう一方の「覚醒リーネ(+他3名)」戦である。こちらは、挑むプレイヤーたちのレベルが高い場合に一定の確率で登場する。
「覚醒リーネ(+他3名)」における覚醒リーネの攻撃手段はコロシアム参戦時と同様だが、輪をかけて凶悪なパワーアップが施されている。前回は装備品などで強化されていたものの、パラメーターそのものは通常のプレイヤーキャラクターと同様のレギュレーションで組まれていた。しかし今回は、モンスターとしてのパラメーターでキャラメイクされており、HPは10000を超えている。
殴りかかった前衛たちは彼女の美貌にひとり残らずみとれ状態となってしまい、運良く難を逃れた者による反撃もすべてボディガードが防いでしまう。トドメとばかりに、今回も伝家の宝刀「ゴールドシャワー」(利益還元)によって範囲内に600超ものダメージをばらまき、挑戦者たちを次々と血祭りに上げていった。
この日に覚醒リーネが利益還元(戦闘でバラまいた)ゴールド総額は4.4億ゴールドにものぼった。そして、彼女の勝率は驚きの8.1割。リーネが8、挑戦者たちが2である。やはりコイツがラスボス…。
アストルティアキャラクターズファイル「リーネさんのセレブな日常」
そんなこんなでネタにされまくった結果、2018年1月についに主役となるスピンオフ「リーネさんのセレブな日常」が配信された。アストルティアキャラクターズファイルの第1弾に大抜擢されたのも、「元々ただのNPCだったのがプレイヤーに愛されて成長した、オンラインらしい、DQ10らしいキャラ」であるからとのことであり、「とにかくリーネをかっこ良く描いて欲しい」というオーダーに合ったシナリオとなっている。
内容は彼女がオークションで落札した、多くの所有者を破産に追い込んだという呪いの置物「クロ・マネキの像」を巡るトラブルに巻き込まれるというものである。しかし、最後に「アストルティアの均衡を守る裏組織のボス」であったことが明かされる結末については、プレイヤーから賛否両論を呼ぶこととなった。
「美の競演!アストルティア・クイーン総選挙!」参戦
第3回アストルティア・クイーン総選挙
2014年12月9日配信の「ドラゴンクエストXTV」#11において、合成屋リーネがバレンタインデーイベント「美の競演!第3回アストルティア・クイーン総選挙!」のアストルティア・クイーン候補としてエントリーすることが発表された。
開発スタッフの間では、彼女の最終的な順位は最下位になるのか、はたまた健闘して2位にまで登りつめるのか…という予測が立てられているとのこと。
そして、2015年2月3日のイベント開始日。賢者ルシェンダ、魔勇者アンルシア、レイ・マクフォールら新規参戦者とともに、合成屋リーネは正式にアストルティア・クイーン総選挙へと参戦を果たした。
舞台上でスポットライトを浴びるやいなや、そう宣言した合成屋リーネ。開会イベント後の囲みの場において、今回の出馬の背景について裏話を明かしてくれた。
. ≫\爻{ {. {::::::::::/,斗‐=Z⌒__
虫 _ノ ≪ 圦(》,V廴//(.◎// ̄ __
貝 | ≧( `ニ|m/,.ィ'⌒゙二イ / ̄
≫ `Y /// ′ ⌒ー∠彡'´ ̄ ̄`ヽ
十羊 ┼┐ ≧ 乂.、 -、 <二二__
个水 | ≪ ( ,ノrュノ `ー- .__ `ヽ
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ツ 二 ≧ (ヾニ彡< ̄ ̄丁フ´,_丿/
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最下位か、はたまた健闘して2位か…という事前の開発の予想を大きく外し、なんと合成屋リーネが堂々の1位獲得!
獲得票数およそ45万4千票、2位の勇者姫アンルシアとはおよそ2万7千票差という接戦の結果であった。
「覚醒リーネと合成効果消し」項で述べた通りストーリーとは絡まない店番NPCに過ぎなかった彼女が、こうしてユーザー人気によって1位を獲得できたことは非常に感慨深い。特に、合成屋リーネ初登場→覚醒リーネ化→コロシアム参戦→魔法の迷宮参戦というステップアップをリアルタイムで追ってきたプレイヤー諸氏におかれては、感動もひとしおなのではないだろうか。
第4回アストルティア・クイーン総選挙
前回より引き続き第4回もエントリーした。今回からの新システムとしてユーザー投票による予選が行われており、惜しくも合成屋リーネは全48名中15位で予選落ちとなってしまった(本選へ出場できるのは上位5名まで)。
関連動画
1:44:55頃から第3回アストルティアクイーン総選挙参戦について
関連静画
覚醒前
覚醒後
外部リンク
関連項目
- ドラゴンクエストのキャラクター一覧
- ドラゴンクエスト関連用語の一覧
- ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン
- ウェディ
- ヴェリナード城下町
- 復元屋ミーネ
- アクセサリー合成 / 覚醒リーネ(本記事へのリダイレクト)
- ラスボス
- 美の競演!アストルティア・クイーン総選挙!
- やり込み要素
- 素晴らしく運がないな君は(笑)
脚注
- *バレンタインイベント「美の競演!アストルティア・クイーン総選挙!」より。
- *大型アップデート情報 バージョン1.2 - 町にある施設の追加・修正点
- *バージョン2.2後期のコロシアムグランドオープン時に、コロシアムバトル中の「まわりに」チャットが不可に変更されたため、プレオープン時代特有の演出と言える。
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