概要
1953年(昭和28年)東京生まれ。
1978年「忘れっぽい天使 I 」でデビュー。
以後、5つの交響曲、9つの協奏曲を始めとするオーケストラ作品、室内楽作品、ピアノ作品、ギター作品、邦楽作品、舞台作品など数多くの作品を発表する。
その他、音楽専門誌での連載や著書、NHK-FMのクラッシック番組のパーソナリティや解説もこなす。
1987年からMacintoshを作曲に用いるようになり、現在も音楽環境のPC、ソフトウェアへの造詣も深い。
2012年には、NHK大河ドラマ「平清盛」の音楽を担当。自ら管弦楽にアレンジしたELPの名曲「タルカス」を予告編や劇中曲として使用している。
ワグネリアンである。
さえずり機械の午後
現代音楽や音量子論などについてのエッセイ「さえずり機械の午後」を1986年から87年にかけて音楽芸術誌で連載。
この中において、「すべての鳥の歌声をサンプリングして、ありとあらゆる声でさえずるデジタルバード」=「さえずり機械(Twittering Machine)」というコンセプトを提唱し、自身の作品「デジタルバード組曲」、「ランダムバード変奏曲」などはこれを基にしている。
初音ミクとニコニコ動画
初音ミクの発売(2007年8月31日)から間もない時期の2007年9月12日にblogにて、初音ミクを紹介しているのを皮切りにその後も度々初音ミク、投稿された楽曲(動画)、ニコニコ動画について言及している。
「みくみくにしてあげる♪」のJASRAC登録騒動の際には、作曲家の一人として意見を表明。(商業主義ではなく、自由な創作と発表の場の支持)
2007年10月22日には、「ゼータ・たぴ・ぱん」(ダンケアンドシェーン)を「狂気の傑作」と絶賛し、ミクがネギを振る理由、ふたりのもじぴったん、キーボードクラッシャー、前作「たぴ・ぱん」まで親切に説明している。このことは、ネットを巡ってニコニコ動画のユーザも知るところとなり、プロの大物作曲家が一緒に楽しんでいるということに沸くこととなった。
また、2008年2月2日の朝日新聞の初音ミクとニコニコ動画に関する特集記事での取材に以下のように答えている。
「人の創造の原点はこういうものだったと思う」と話す。作者は聴き手を喜ばせることだけ考え、挿絵もアニメも無報酬で作る。そして即座に反応する客。「それぞれが自分にできる貢献をする。一種の理想郷で、うらやましいほど。プロだとなかなかこうはいかない。つまらない制度やルールが持ち込まれて、場が萎縮しないことを願っています」
朝日新聞Be「『電子の歌姫』舞い降りる 無名の人々が自作曲を続々ネットに発表」(2008/02/02)より引用
紙面画像
その後、2008年2月20日のblogにて初音ミクを購入したことを明かす。
主な作品
- 管弦楽曲 交響曲 「カムイチカプ交響曲(交響曲第1番)Op.40」
- 管弦楽曲 「朱鷺によせる哀歌 Op.12」
- 管弦楽曲 「弥勒効果 Op.33」
- 管弦楽曲 「鳥たちの祝祭への前奏曲 Op.83」
- 管弦楽曲 「祝典序曲「鳥たちへのファンファーレ Op.90-1」
- 協奏曲 「サイバーバード協奏曲 Op.59」
- CD「鳥たちの時代/吉松隆作品集」
- CD「吉松隆作品集3:交響曲第3番/サイバーバード協奏曲」
- 書籍 「魚座の音楽論」
- 書籍 「図解クラシック音楽大事典」
他多数
関連動画
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関連項目
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