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同性愛(どうせいあい)とは、男性同士または女性同士の間でのや性など、広義のライフスタイルす。 

呼称

同性愛者は英語では「ホモセクシュアル」(homosexual)と呼ばれる。ホモ(homo-)とは、「同じ」を意味する接頭語である。

また、男女含めた全ての同性愛者をし示す単としてゲイ(Gay)という単もあるが、日本では区別するために男性同性愛者をゲイ(Gay)、女性同性愛者をレズビアン(Lesbian)と呼ぶことが多い。なお、略語の「ホモ」は差別的な意味で使われることが多かったため、的な場所で使われることは少なくなってきている。

一方、両性は「バイセクシュアル」(bisexual)、異性は「ヘテロセクシュアル」(heterosexual)という。また、異性者は「同性愛の気(け)がない」ことから「ノンケ」などの呼び方をされることもある。

この他に、恋愛感情はあるが他者への性的欲求を伴わない非性ノンセクシャル」、異性・同性を問わず恋愛感情そのものを抱かない無性愛アセクシャル」が存在する(英語では区別がなく双方ともasexualityという)。

近年は、LGBTと呼ばれる用社会的に広まりつつある。これは、1980年代後半よりアメリカの同性愛者により使われ始めたもので、レズビアンゲイバイセクシュアルトランスジェンダー頭文字をとったものである。トランスジェンダー日本では性同一性障害(体と心の性別が一致しない状態)をすことが多い。性的少数者としてひとまとめにされるが、本来は同性愛(性的向)と性同一性障害(性自認)は別の概念である。

同性愛に関する誤解されやすい点について

同性愛ならびに同性愛者については誤解されている点がある。以下にいくつかの例を説明する。

同性愛はしい存在ではない
概ね人口の数の割合で同性愛者がいるという結果が多く報告されており、少数ではあるがそれほどしい存在ではない。具体的な数値は調によって異なるが、たとえばLGBT総合研究所の2016年度調査exitにおいては「レズビアン1.70%ゲイ1.94%バイセクシャル1.74%」という結果が出ている。両性者の割合は女性が多いようで、相模ゴム工業株式会社の調(2013年度exit2018年度exit)によれば、いずれの年度でも恋愛を「男女両方」と答えた女性の割合は男性の二倍近い。
海外研究においても、一般に全な異性者と全な同性愛者は男性が多く、不全な異性者や両性者は女性が多いとされる。
同性愛は疾患ではない
かつて同性愛は、精異常であるとされた。現在医学会やWHO(世界保健機関)日本神経学会などは「同性愛は異常・倒錯・性的疾患の類ではない」としている。つまり同性愛は、異性と同じく健康な性的向のひとつである。
同性愛は環境ホルモンが原因ではない
環境ホルモンが同性愛者を増やすという説もあるが、信頼できるデータは今のところ存在していない。
同性愛は必ずしものみに限定されるわけではない
フィクション世界で滑稽な描かれ方をされる同性愛者を見て、誤解する人も多い。男女においては性体をおいたものもあれば精的つながりにきをおくものもあるが、これについては同性愛も同様である。
また、男性の同性愛者全てが、性交渉において肛門を使うわけではない(成人向けのボーイズラブゲームではそのような描写があるため、誤解している人も多い)。
同性愛者、性同一性障害者、異性装者はそれぞれ別物である
性同一性障害者とは「心の性別と体の性別が一致しない人」、異性装者とは「異性装をする人(男装者・女装者)」、であり、それぞれ同性愛者とは別物である。
女装をする全ての人は男性が好き」などという考えは大きな誤解である。

社会的苦境

上記のように、同性愛者はどう見積もっても高々人口の1割程度であり、少数である。そのために、様々な問題を抱えることがある。単に少数であることに起因した不利益に留まらず、異性者からの嫌悪やそれに基づく差別・攻撃を受ける場合もある。

嫌悪・差別・攻撃に宗教的な理由が関わる場合もある。例を挙げると、旧約聖書では男性同性愛が盛んであったソドムという町がに滅ぼされる。その旧約聖書ユダヤ教流とした他の宗教(キリスト教イスラム教など)においても、典や預言者の言行録において男色行為が非難されている(もちろん宗教典はさまざまな解釈が可であるため、「同性愛を攻撃する理由にはならない」という解釈の仕方もできる)

上記のような宗教的理由付けがなされていると、その宗教の教義を善悪・正邪の価値基準としている立場から見ると同性愛は「罪悪」ということになりうる。実際に歴史上、宗教的理由から同性愛が「犯罪」とされていた々は多い。中でも宗教的な家族法が施行される傾向にあるイスラム教圏においては、現在でも犯罪として逮捕されるがある。例えばイランでは同性愛は重罪であり、死刑が実際に執行された例がある。

また、制度的な事で例を挙げると、多くのでは結婚制度において同性同士の結婚は受け入れていない。関連して、婚姻を前提とした各種社会保障サービスから取り残されることにもつながる。

アメリカ合衆国のように州によって同性婚の合法・非合法が分かれるもある。ただし、アメリカ合衆国に関しては連邦最高裁判所[1]2015年6月に同性婚を州法で禁じてはならない(=同性婚を合法化すべし)との判決を下している。

かように、同性婚が認められるべきものかという議論は、そのや地域の歴史・慣習・宗教道徳観・法制度などの検討の上で初めて成り立つものであり、ゆえ地域性が色濃く出るものである。古くさい「同性愛は悪」という偏見同様、他の例を見て「同性婚を認めない=差別」という短慮も慎まれるべきだろう。

日本

現在日本に同性愛を禁止する法律は存在しない。明治最初期「古来よりの悪習」とされ男性同士の性交を禁じる「姦罪」が法制化されたが、お雇い外国人が「わがでは姦であっても双方同意の上であれば罰していない」と助言し、直後の刑法制定の際に削除された。

但し文化的に受容されていたとはいいがたい。薔薇族の編集長であった伊藤文學によれば、薔薇全盛期読者の中にはやはり同性愛に対する当たりの強さによる社会的苦痛とみられる要因で自ら命を絶った者が多かったそうである。

また、歌手であり同性愛への偏見と長年闘ってきた美輪明宏スマ出演の際に、若き日の彼が実際に同性愛者の知人が理解のない封権的な環境を苦に自殺を図るという、その悲劇的な出来事をの当たりにした過去っていた。

一方で、同性愛者同士による結婚は認められていない。憲法24条に「婚姻は、両性の合意のみに基」くべきこととあるためだ。[2]このため、同性愛者同士で一緒にアパートを借りることが家族として認められないことから困難だったり、相手が入院した際に身内として扱われずに面会拒否されたりと言った問題点が存在する。

そんな中、2015年3月渋谷区自治体として初めて同性カップル結婚相当と認める条例を成立、4月1日に施行した。条例の内容は同性カップルに対して明書を発行し、不動産会社や病院などに対して結婚した者とみなすこととするものである。同じく世田谷区も同性のパートナーシップを認める要綱を策定し、両自治体2015年11月より明書の交付を開始した。このほかにも同性カップルに対する条例を検討している自治体はいくつか存在しており、同性愛者に対してようやくが当たったと言えよう。

2018年電通ダイバーティ・ラボが行った調では、全20~59歳に対するインターネットアンケートにおいて、同性婚について78.4の人が「賛成」もしくは「どちらかというと賛成」と回答している。この時に回答者の属性と回答との関連についても分析されており、男性(69.2%)より女性(87.9%)の方が、そして中高年(50代72.5)より若年層(20代87.3)の方が「賛成」もしくは「どちらかというと賛成」と回答する傾向にあった[3]

補足:「アンチ・ホモセクシズム」について

この「同性愛」のニコニコ大百科記事の過去の版において、「ホモセクシズムとそれに対する批判的検討」という見出しとともに

一方で、「同性愛義:ホモセクシズム」(同性愛:ホモセクシュアルではない)はある性的少数者が他の性的少数者を差別するのを助長しているとして、批判的な検討が加えられることもあり、そのような立場のことを「アンチ・ホモセクシズム」という。

という文章が2016年追記された。

しかし「アンチ・ホモセクシズム」のニコニコ大百科記事を参照すればわかるが、この「アンチ・ホモセクシズム」という言葉はニコニコ大百科ピクシブ百科事典2016年におそらく同一の人物によって記事が作られたのみの言葉であり、他の場所での用例がほとんどい。つまり、その記事作成者が創作した言葉であったと思われる。

そしてこの「同性愛」のニコニコ大百科記事に上記の「アンチ・ホモセクシズム」に関する文章を書き込んだ編集者もまた、「アンチ・ホモセクシズム」の記事の作成者でもある。

要するに、上記の文章に「そのような立場のことを「アンチ・ホモセクシズム」という。」と記されたような用例が実際にあったわけではなく、せいぜい「そのような立場のことを「アンチ・ホモセクシズム」ということに私が決めた。この言葉をニコニコ大百科ピクシブ百科事典を使って広めてやるぜ」と言ったところが実態だったようだ。

ニコニコ動画における同性愛

 ニコニコ動画にも、同性愛に関する動画投稿されている。
(既存のアニメ・ゲームキャラクター二次創作MAD、「ボーイズラブ(BL)ゲーム」や「ゲイ向けゲーム」のプレイ動画など)

ただし、これらの動画作品を嫌悪する人も多いため、投稿の際は注意書きを添えることをオススメする。

関連項目

脚注

  1. *日本で言う最高裁判所
  2. *ただし法曹・法学者には憲法24条は同性婚を禁止していないとの解釈をするものが多く、最高裁令和元年9月の同性カップル不倫にかかる賠償判決(のいわゆる傍論)で「憲法制定当時の想定になかっただけであって禁止する趣旨ではない」と言及し、この立場を支持しているとされる。
  3. *電通ダイバーシティ・ラボが「LGBT調査2018」を実施 - ニュースリリース一覧 - ニュース - 電通exitより。

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同性愛

7116 ななしのよっしん
2023/10/21(土) 20:03:13 ID: 9jxrCNreqY
いくら日本人同性愛に忌避感がないといっても、例えば衆道における絶対的な封建制度からなる同性関係みたいな部分は
今で言うジャニーズ問題とかにも繋がってくるから
価値観を丸ごと流入するかしないかに関わらずれるべきだと思うけどね
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7117 ななしのよっしん
2023/10/22(日) 17:44:58 ID: kXvPK2EEAU
女体の画像を見て「えっちだ……」とは思うし勃起もするけど、「えっちしたい!!」とは同性にしか思ったことがない自分ってなんなのだろう
といっても、「に棒を入れる行為」は男女問わず嫌なんで、したいのはいわゆる「バニラセックス」というやつ(挿入に至らない性行為)だけど

たとえば某姉弟仲になってお居候してさ、不意に薄着のお姉さんを見てドキッとしたりもするけど、その数だけくんとお詫びックスする、そんな人生を送りたいです
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7118 ななしのよっしん
2023/10/28(土) 09:08:06 ID: 1TxLO7etQo
同性愛が忌み嫌われてたのって日本の場合は「異常性癖だから」と「の存続のため」の二つが要因だろうから、もう現代にはそぐわないよな

庶民は、世継ぎを女に産ませつつ同性とヤってた戦国武将みたいにはいかない訳だから、同性愛に耽けるの分の血筋はそこで途絶える
謂わば、「独身非難」と同様の正当性と、生理的嫌悪感が組み合わさって醸成されたもの

のためやのためにならない生き方でも是とされるこの時代においては、一生独身と同じ程度には好きにすればいいと思うよ
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7119 ななしのよっしん
2023/10/28(土) 09:13:40 ID: wPA1ErwVqS
オレはノンケですけど今まで学校や職場で出会ってきた兄貴肌で厳しいけど器がデカいタイプには「抱かれてぇ」って惚れたことある(それ以上の行為は望まないが)
にモテるやつは異性どころか同性すら惹きつけると思う
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7120 ななしのよっしん
2023/11/03(金) 16:38:22 ID: kXvPK2EEAU
100カノ」のハーレム構成員同士の百合、滅尊いと思うんだけど、その「男女パターン」を描いてる作品ってあったりしない?
つまり、男1×女×男2だけど男1×男2も成立してる関係っすね。
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7121 ななしのよっしん
2023/11/03(金) 16:42:45 ID: kXvPK2EEAU
……っつーか、なれるなら自分がなりたい。
女性と一対一でそういうことする気はないけど、同じ女をする男と「女の愛し方」を確かめ合いながらするのはアリだと思うんで。
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7122 ななしのよっしん
2023/11/04(土) 18:08:14 ID: gzhKakwNia
>>7118
江戸時代までは庶民の間でも今で言う風俗に行くくらいの感覚で男色が行われてたらしいけどね
そりゃまあ同性同士の結婚までは良くも悪くも想定すらされてなかっただろうが、
少なくとも同性愛そのものに対する忌避感が強まったのはキリスト教文化が定着して以降で、
日本の長い歴史の中では割と最近のことと言えると思う

>>7119
異性に対しても同性に対してもストライクゾーンがあって、
ノンケを自認する人達は同性に対するストライクゾーンが極めて小さく、
同性に対して性的魅恋愛感情を抱く機会がい若しくは極めて稀であるために
自分はノンケだと思っているに過ぎないのかも知れないぜw
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7123 ななしのよっしん
2023/11/04(土) 22:58:33 ID: 1TxLO7etQo
>>7122
同性愛への忌避の歴史は浅いかもしれないけど、同性愛の地位向上の歴史はもっと浅いんじゃない?

忌避される前の同性愛の立ち位置というのは、あくまでも楽であってそれが許される地位を背景としていたり、的であれば買におおらかな文化という前提の中で、跡継ぎの心配ない範囲の遊びとしての地位だったのでは

キリスト教というよりは、伴侶とは一対一の関係でありそれ以外と性的に遊ぶべからず、という今の一般常識が広まった結果として同性愛の居場所はくなったんじゃないかな?
同性愛の地位の復古をすというのは、多分目的地が違ってきてしまうよ
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7124 ななしのよっしん
2023/11/05(日) 23:42:22 ID: gzhKakwNia
確かに昔の日本(日本の伝統)は、今の基準で言えば性に大らか過ぎるくらい大らかだったからね
昔の日本同性愛に寛容だったが、それが今の日本ないしは世界してる形と違うのは分かる

ただ、同性愛に対する忌避感が強まったのは日本の長い歴史の中では割と最近の話である上に、
今では若年層はおろか中年層ですら自身の性的志向は別にして同性愛に忌避感を持つ人は少なく、
日本における同性愛に対する忌避感情は単に歴史が浅いだけでなく一過性のものであるとは言えるだろう
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7125 ななしのよっしん
2023/11/23(木) 09:34:07 ID: 1TxLO7etQo
もっと率直に言うと、前代未聞なレベルめる現代の同性愛者(及び同性婚希望者)の地位向上運動に「昔の日本は寛容だった」論を使うのは、前例踏襲をめる心理への不当な働きかけのようで嫌い
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