同調圧力とは、空気読めということである。
概要
ある特定の集団における何かしらの行動や主張について、多数派の集団が少数派の集団に対して同調(行動・状態・思想・ルール)を迫るためにかける圧力のことである。その構造については様々で、明白な場合もあれば暗黙の内に行われる場合もあり、また意識的に行われることもあれば無意識に行われてしまっている場合もある。そのため、当人が「気にするな」などと言っていようとも実際には暗黙の圧力が実行されているという場合も有り得るのである。
主な内容としては、「みんながやっている/いないから」「あれは叩かれているから」「テレビでみんなに人気のアイドルだと言っていたから」などといった流行によるものだったり、「プロなら~」「本当の○○なら~」などといった属性によるもの、単身で問題提起した者や秀でた者を叩く「出る杭は打たれる」類のものなどがある。
他人に言われないタイプでは「誰も文句を言わずにやっているのだから、自分だけ文句を言うのは恥ずかしい事だ」「言うことで左遷や減給といった処分を受けるかもしれない」=言わない方が得であると個人で納得してしまい、明らかにおかしい状態であっても誰も言い出せず最悪の現状を維持してしまう。(重大事故[1]への発展のほか、ブラック企業は特にその心理を利用している)
結局、空気を作って多数派になり、同調圧力をかける側になった者勝ちのような状態になると、いかなる場面でも颯爽と過激な主張と共に空気形成を競うことが常態化してしまうこともある。とくに、インターネット上では主張ごとの個と集団の区別が曖昧なため、さながら空気形成・同調圧力合戦の様相を呈する。
ちなみに、よくこの手の傾向は日本人の国民性の一つとして語られて指摘されるが、もちろん日本に限った話ではなく、世界各国で似たような現象とその概念は定義されている。
なお、本稿へのリダイレクト「ウチもやったんだからさ」は、オススメのゲームを実況プレイ・レビューする琴葉茜の動画で用いられる言葉。さらにその元ネタとして「俺もやったんだからさ」という言葉があったという説もあるが、こちらについては詳細が不明である。
「みんなが持ってますよ、知っていますよ」「持っているのが当たり前ですよ」といった誘導や錯覚(直接・示唆)はCMやテレビ報道でもよくなされる。
よくある一例
1対1、1対大勢、大勢が1人・少人数に言う場合も含める。
- みんながしているのに、なぜあなたはしないのか?
- みんながしているのだから、あなたがしないのは恥ずかしい事である。
- しないのは何故?納得のいく理由を言え。やましい事でもあるのか。
- みんながしていないのに、あなたがしているのはおかしい。
- 今まで××という方法でしてきたし、常識的に考えて××だろうから、お前も同じ方法をとるべきだ。
- 誰も今まで成し遂げていないのだから、アホのお前がそれをやっても無駄だからやめろ。
- 男の子/女の子が××するのはおかしい。ほら、みんなしていないでしょ?
- あなたは良いかもしれないが、私が恥ずかしいからやめろ。
- (想定外の非常時だが)マニュアルに書いてある通り・訓練通りに動くべきだ。
- (公序良俗に反する事ではないが、単に自分が気に食わないので)こういうのはこうするのが当たり前。
基本的に誰が何をどうするかは自由であり、公序良俗に反する犯罪行為、他人や物品、施設・環境に対する迷惑行為でなければとやかく言われる筋合いはあまりない。新たな発想が必要な場合、行き詰っている場合は常識ですら足枷となりうる。
先の震災では「津波が来るかもしれない?校庭で指示があるまで全員待機しろ」→素直に聞いていた児童らが犠牲になるといった悲劇も実際にあったため、緊急時は個人における柔軟性をもった対応も必要である。マニュアルや避難訓練も想定外の事態には役に立たない。
サービス残業は当たり前だろ。誰も文句を言わずにやってんだぞ。
有給の使用なんて絶対認めないからな。…っていうか有給申請なんて社会人として恥ずかしくないのか?普通は葬式でもない限り取らないもんだぞ?旅行に行くために有給取りたいとかお前、社会をなめてんだろ。新入社員がいい気になんなよ。[2]
…というように、権利の妨害、合理性がないものの理由付け、気に食わない意見を封殺する際に都合よく使われる事もある。もちろん皆が文句を言わないのは「言っても無駄」「それが普通」と錯覚・洗脳されているのが理由。
「俺が正しいんだから黙って従え」という意見を偽装するものから
前例主義(認知バイアス→正常性バイアスの項)、事なかれ主義で余計な圧力をかける場合もある。
ちなみに、録音または録画しておくと証拠としていろいろと役立つ。
もちろん受験やテスト週間など、明確な目的や危険が差し迫っている場合には同調圧力とは呼ばない事が多い。気晴らしや気分転換はあっても良いが程々に。「自己責任」にならないように。
関連動画
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同調圧力の利用
利用する側 |
利用される側 |
手段 |
対応策
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関連項目
脚注
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https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E5%90%8C%E8%AA%BF%E5%9C%A7%E5%8A%9B