君だけ部外者事件とは、MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」(以下FF14)内で起こった事件である。
概要
発端
2018年9月下旬、ある固定メンバーがゲーム内の8人用コンテンツである「次元の狭間オメガ アルファ編 零式4層」をレイドファインダー(高難易度コンテンツ専用のパーティー募集、申請を行う機能)で申請しようとした。しかし、申請者の手違いで7人のみで申請してしまい、一人だけ固定メンバーとは関係ない侍をジョブ(ゲーム内職業の様なもの)としているユーザーがマッチングすることになった。
- 基本一定時間経過しないとペナルティが無く全員が退出できる「ギブアップ投票」は使用できない。
- 一人だけペナルティ覚悟で退出する事で残りのメンバーはペナルティ無くすぐ退出できる。
- 除名投票で一人を強制的に退出させる事でギブアップ投票より早くコンテンツから退出できる。
以上の様な仕様がFF14の零式を含めた多くのコンテンツには存在する。このため、固定メンバーは侍を除外するために以下の行動をしようとした。項目内の→は、それによって引きこされ得る事案。
最終的にはどちらの方法も取られなかったが、固定メンバーはコンテンツ参加中に以下の様な行動を行っていた。
本作においてはDPS職である侍はジョブの割合故に申請したとしても、長い時間待たされる事がある。一方で固定は8人揃えばすぐにコンテンツに参加できる。
今回は最終的に30分ペナルティつきの方法は取られなかったが、もし取られていたら(申請してから参加するまでの時間)+(固定が何もせずにいる時間)+(ペナルティとしての30分)という下手すると一時間以上待たされて何も出来ないという自体に陥っていた。
経過
その後、侍はFF14の公式のサイトの中で書ける日記で事の顛末と自分以外の名前を隠したチャット欄の画像を公開。一方で固定側の一人もこの日記や取り上げたサイトを見た人たちに一見丁寧に自身の見解を出し、応対していた。しかし、侍の日記が突如運営から削除される。
この日記削除の前か後かはわからないが、応対していた固定の一人が「さて、RFで侍除名しにいきますか」(RFはレイドファインダーの略称)と発言していた事が明らかになる。丁寧な応対していたかのように見せていたがその実、反省は微塵もしてなかったのである。
この事を受けて固定メンバーと運営の対応に不満が募る事となり、各固定メンバーが在籍する鯖で抗議行動が行われるようになった。
その後2018年10月6日にゲームマスターチームのBylects氏によるゲームマスターチームの見解が公式フォーラム公開された。
この見解は今回の事件への対応は既に終了したと取られ、当該の固定のメンバーが見解発表後もログインしてコンテンツに参加していた事や、メンバーの一人が抗議行動をしていたユーザー達に向かって「運営から正式にコメントをもらったから相手してやんないよ」など、わざわざ煽りに来た事もあってか、事件に対する不満は解消される事は無かった。
2018年10月11日にグローバルコミュニティプロデューサーの室内俊夫氏(コミュニティチームのトップ)が公式フォーラムに、この件に関するいくつかのポイントの説明及び今後の方針を投稿した。
この投稿ではFF14のプロデューサー件ディレクターの吉田直樹氏と協議をして
「差別的、過度に攻撃的な発言などのペナルティとなるほどの重度な言動に該当しないケース」に対し「今までよりも積極的に注意・警告を行う事で改善を促すなど、従前よりもトラブル時の介入度合いを強める」
等のかなり重要な見解や、先に被害者である侍に対してのみ処罰をしてしまった経緯と謝罪等が記載されているので、リンク先の文章に是非目を通してもらいたい。
なお余談であるが、上述のリンクにある「ゲーム内では、一部で「抗議活動」のような活動が今でも散見されます」と言う発言があるが、これは俗に言う「ハゲルガ祭り」(ハゲたルガディンから。FF11の頃から存在していた「禿ガル祭」からの流れを汲む、何かしらの問題を起こした人物に対する抗議活動を目的として、ルガディン族の男性で髪の毛を無毛状態でキャラクリエイトしたキャラクターが一同に集まる風習で、悪ノリした者のヌーディストの暴動のような側面もあった為、一部プレイヤーからは忌み嫌われていた)の事を主に指しており、この一件による規制強化により、参加者はハラスメント行為で本格的に処罰される事となったため、この風習は廃れる事となった。
令和版君だけ部外者事件
上述の事件より約4年後の2022年7月、とある個人VTuberのYouTube放送において、先の事件同様申請者(=当該VTuber)のとあるトラブルによる手違いで、パーティープレイヤーとは無関係の野良プレイヤーをマッチングさせるミスを起こした。ところが元々「初見&下限(装備)でギミックを理解する為」と言う趣旨のPTであったのだが、彼女は指示を聞かなかったと言う理由で、FF14公式サイト掲載の禁止事項である「モンスタープレイヤーキル(MPK)」・「ヒーラーに回復、蘇生しないよう指示を出し見殺しにする」 と言った行為を指示した上、PTメンバーが挙って実行すると言う最悪の野良いじめを敢行。極め付けは、かの事件でもやらなかった「野良プレイヤーを迷惑行為を理由に除名投票する」と言う、まさに鬼畜の責苦のフルコースを行った事が発覚して炎上したのであった。これだけでもかの事件を大きく超えた最悪の所業から、年号が変わった事もあり「令和版君だけ部外者事件」またはVTuberが起こした事件として「君だけV外者事件」と称される事になるが、更に後述の理由により、意外な方向に飛び火し延焼していく……
発端
事件発生までの度重なる不手際
2022年7月13日、グングニルサーバーでプレイするとある個人女性VTuberが、YouTubeでFF14の配信を行い、「真リヴァイアサン討滅戦」を攻略する為に討伐メンバーを募集したのが発端。
その募集内容自体が「初見&下限(装備)でギミックを理解する為に、(放送主が)指示を出す前にギミックを避けない事。守れなかったらキック 」と言う所謂予習目的でのものであった。序に「YouTubeのおすすめに表示される為に配信のチャットの方が盛り上がるから=同時接続者稼ぎ 」と言う理由でパーティーチャットは禁止されていた。
1度目のクエストでは「プライベート募集」かつ「制限解除(通常4/8人で行われるクエストの人数制限を解除する事で任意の人数でプレイ出来る設定)」が有効になっており、無事にクエストをこなしたのだが、次のクエストの準備の際に以下のミスを犯した。
これらのミスに次ぐミスが重なった末に、遂に悪夢の惨劇が始まった……
事件発生
勿論、被害者となった野良忍者は他のメンバーがPTである事は露知らなかった。しかし…
- 彼女は攻撃1分も経たぬうちに野良忍者が指示された行動をとらなかった為「キックしますよ」と宣言。
- 直後に放送主の「やり直そう」と発言をした瞬間、タンク2人(戦士・ナイト)が"自身に向けられているヘイトの25%を対象のパーティメンバーに移す "と言う効果を持つ「シャーク」と言うアクションを野良の忍者に使う。
- 当然野良忍者はヘイトを喰らって敵に攻撃され倒れるのだが、放送主が間接的にヒーラーに回復、蘇生しないよう指示を出し、結果的にヒーラーもそれに従った為、彼は見殺しにされた。
- こちらも公式禁止事項における「利敵行為」と言う禁止行為である。
そして極め付けは、PT全員で野良の忍者を「野良プレイヤーを迷惑行為を理由に除名投票する 」と言う、平成の君だけ部外者事件ですらPTメンバーが止めた禁断の行為(公式禁止事項における「不正な除名投票」に抵触)に出ると言う蛮行に至り、彼は追い出される事になってしまったのだった……
この一連の行為自体、プレイヤーを委縮させプレイ意欲を削ぎ兼ねず最悪即引退の危険性のある、極めて悪質な異常プレイなのであるが…
- 放送主の初心者詐欺疑惑
- 放送主自体"初心者と自称していた"にも拘わらず、別の放送でモグレター(手紙機能)に継続課金報酬のレターがあった事と、PTメンバーがマスターであるフリーカンパニーに、放送主の名前と似たプレイヤーが存在。加えて所持マウントに両者課金マウントである「ビッグ・ファットキャット」を所持していた事から、初心者詐欺疑惑が持ち上がった 。
- そもそも手慣れたように除名投票をしようとした事からも手慣れている感じが見られたが、事実だとすれば、仮に思い込みによるCFの概念を失念していたとしても、例え身内でも自身が行っている事が禁止行為である事を理解出来たであろう分十分悪質 である。
- なお、運営からの処分されたと報告した際にメイン垢について「冒険録(通称ジャンピングポーション/ジャンポ:定価2750円を支払う事でメインクエスト/ジョブをコンプリート状態にできるブースト要素)を使っていた」と自称している 。
度重なるミスと思い込みによる失念と言う事実はあるものの、これらの行為と擁護し得ない状況が重なり、一層炎上の原因を作って行く事となった。
経過
この余りにもルールを軽視し、且つプレイ意欲を削ぎ兼ねない鬼畜の所業に、FF14プレイヤー達は激怒。放送主はPTを含めて即刻炎上し批判される事となり、FF14内でも翌14日には、皮肉にも元祖「君だけ部外者」事件以来厳しく規制され廃れた筈の「ハゲルガ祭り」が(ユーザーイベントの名目で)当のグングニルサーバーで行われる事態になるなど激しい怒りを買った。
その怒りの声はYouTubeにもぶつけられ、当の放送主本人は即日謝罪の声明を出すも、"炎上したので渋々謝罪した"感が拭えず、"最後ににため息混じりで締めた"事、問題となったYouTube生放送の当該部分を、表向き「リスナーでない人(野良忍者)を晒す行為と言う名目でカットした為、余計炎上する事になってしまった。
結局彼女は、当面の間すべての配信活動を休止。また、MPKを行った2人いたタンクの片割れのナイトが、同じくVTuberであった事も殊更問題になった(謝罪はしたが活動休止宣言はされていない)。
更にこの事件は思わぬ方向へ飛び火して延焼して行く事となる。
先述したメンターのタンクが、実は旧FF14(レガシー)から「ファミ通」へFF14の記事を寄稿していた人物であった 事が判明したからである。レガシーからプレイしているメンターでありながらあのような所業に出た彼であるが、折しも氏は同日の自身の別の放送で「シャーク行為を認める発言」を行った上に、「僕の配信じゃないからなあ」と笑いながら開き直った為、尚更炎上。
翌日当人は謝罪のツイートを行うのであるが、Twitterのプロフィールに「ゲーム誌で紹介や攻略記事を執筆しながら - 」と現在もライターである事を思わせる記載をしていた事から、「ファミ通」の発行元であるKADOKAWA Game Linkageに問い合わせが殺到する事態となり、19日になって同社から「氏とは7年程前より仕事の依頼をしていない状況」(つまり旧エンターブレイン時代であり、わが社は関知していない)である事が声明で発表されるに至った。これにより、Impress Watchで今回の騒動が記事になり、Yahoo!ニュースに掲載されるまでになってしまった
(ただし、当該記事では元のVTuberのくだりは一切出なかった)。
ちなみに被害に遭った当の外国人の野良忍者氏であるが、Vtuber側が謝罪のコンタクトを送ったところ、この人物が当人の謝罪を受け入れた上で「関係者全員に敬意を払い、親切にしてください」と言うツイートを行っている。まさに善人である。
口頭注意処分騒動
上の事態を超える大規模な騒動となってしまったこの一件であるが、事件から20日経った8月2日、当のVTuberとタンクのVtuber及びフリーライター側より一斉にツイートが行われ、運営から6段階ある処分の内「一番軽い口頭注意(=事実上の御咎めなし) 」となった事が報告され、フリーライターはFF14を続ける事を宣言した(ただし揃いも揃って画像による証拠等が無い事から、実際に下された処罰かは不明である)。
FF14では、処分として軽いものから「注意」→「警告」→「3日間利用停止」→「同10日間」「同20日間」→「永久利用停止」と言う規定となっており、同時に警告累積ポイント制度を採用しており、再度処分を受けた場合、前科により一気に永久停止もあり得る。日数経過で減衰はされるものの、利用停止の場合減衰開始は3年~6年、完全消化まで7年~10年掛かる厳しいものであるのに対し、今回下されたとされる「注意」は僅か1年で警告ポイントが消化される為、極めて重さが違うのである。
故にこの結末は(実際に運営が下したかは不明にせよ)「仮にもメンターを含め悪質なMPK行為・集団虚偽除名行為をはじめとした複数の禁止行為を行ったにしては処分があまりにも軽すぎ、「皮肉にも許容範囲の線引きの前例を運営が作ってしまった」」とする声が多数を占める中、「(行為は悪質ではあるが)当事者らが事前に行為の申告を行った事と、被害に遭った野良忍者氏からの報告が無かった上和解した事から下された処分であり、これ以上の咎めは野暮」とする派とでTwitter上で大論争が起こる事となった。
関連動画
元祖平成版「君だけ部外者事件」
令和版「君だけ部外者事件」
関連項目
- 23
- 0pt