君の膵臓をたべたい(きみのすいぞうをたべたい)とは、住野よるのライトノベルであり青春小説である。
略称は「キミスイ」。
概要
本作品は住野よるの処女作であり、もともとは「電撃小説大賞」に応募しようと思って書き上げたものだった。しかし字数制限を超過してしまったために投稿することができず、やむなく「小説家になろう」に別名義で掲載していたところ、関係者の目に留まって双葉社から出版されるに至ったものである。
そのため「小説家になろう」を出自とする文学作品でありながら、いわゆる「なろう系」の作品群にありがちな、現実ではうだつが上がらないのに異世界では大活躍する……という主人公は本作にはおらず、そのかわりいかにもラノベっぽいぐうかわヒロインが登場する。
「人のセックスを笑うな」と肩を並べられるくらいインパクトのある題名とそこに込められた美しい意味、さらには絶対に誰も予想できないであろう衝撃のラストなどが話題を呼び、「本屋大賞2016」2位をはじめあちらこちらで高い評価を得ている。その人気ゆえか2016年には「FeBe」にてオーディオブック化、同年10月からは「月刊アクション」にて漫画化(作画は桐原いづみ)など、メディアミックス展開も盛んに行われている。
また2017年夏には実写映画化されており、こちらには原作にある高校時代のストーリーに加え、桜良の死後12年が経過し、アラサーになった主人公たちの成長も描かれている。映画主題歌はMr.Childrenの「himawari」。
そしてこの映画公開期間中の2017年8月、今度はアニメ映画化されることが発表された。こちらは実写映画化からほぼ1年後の2018年秋に公開され、主題歌にはsumikaの「ファンファーレ」が起用されている。
作中にはヒロイン・桜良の愛読書として『星の王子さま』が登場しており、物語の上で重要な役割を果たしている。特にアニメ版は同作へのオマージュという色合いが濃い。
あらすじ
ある日、高校生の主人公「僕」は病院の待合室で一冊の本を拾う。 「共病文庫」と題されたそれは、クラスのアイドルである山内桜良がこっそりと綴っていた闘病日記だった。「膵臓の病気に侵されていて実は余命があと僅かしかない」という彼女の秘密を偶然にも知ってしまった「僕」は、「山内桜良の死ぬ前にやりたいことリスト」に書かれた様々なイベントに付き合わされることになるが――。
主な登場人物・キャスト
- 僕(オーディオブック…鈴村健一/実写映画…北村匠海・小栗旬/アニメ映画…高杉真宙)
主人公。桜良と出会うまであまり他人と関わってこない生き方をしてきた日陰者。
実写劇場版では国語教師として母校に赴任しているが、自分には向かないと思い密かに退職を考えている。 - 山内桜良(オーディオブック…堀江由衣/実写映画…浜辺美波/アニメ映画…Lynn)
明朗快活でとにかくかわいいクラスのアイドルだが、実は膵臓の病に蝕まれておりあと1年ほどしか生きられない。
闘病生活を送っていることは家族と「僕」以外には秘密にしている。 - 恭子(オーディオブック…東内マリ子/実写映画…大友花恋・北川景子/アニメ映画…藤井ゆきよ)
桜良とは唯一無二の親友。桜良と急に仲良くなった「僕」を快く思っておらず、むしろ警戒している。
実写劇場版では花屋の同僚との結婚式を控えているが、桜良の死を12年経った今でも引きずっている。 - ガムをくれるクラスメイト(オーディオブック…丸高大知/実写映画…矢本悠馬・上地雄輔/アニメ映画…福島潤)
素直でいいやつ。桜良以外で「僕」に絡んでくる数少ない人物である。 - タカヒロ(オーディオブック…本橋大輔/実写映画…桜田通/アニメ映画…内田雄馬)
桜良の元彼氏。「僕」や桜良のクラスの学級委員長を務めている。 - 栗山(実写映画…森下大地)※実写劇場版オリジナルキャラクター
教師となった「僕」の教え子で図書委員。かつての「僕」同様あまり目立たない男である。
福岡とのかかわり
本作品中には「僕」と桜良が福岡県を旅行するシーンがあり、2017年の劇場版では実際にこのシーンの撮影が福岡で敢行されている。
映画内で登場する場所は以下の通り。当作品や出演者が好きな方はぜひ現地を訪れてみてはいかがだろうか。
- ヒルトン福岡シーホーク(ヤフオクドーム隣の高級ホテル)
- 筥崎宮参道にあるもつ鍋屋台
- 天神南駅(福岡市地下鉄七隈線)あたりの路上
- 天神中央公園、福博であい橋
- 中洲(清流公園)
- 太宰府天満宮およびその参道
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関連項目
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