呉市海事歴史科学館とは、広島県に存在する博物館である。通称『大和ミュージアム』。
概要
2005年に開業した、呉市営の博物館。呼ばれ方は呉市海事歴史科学館という本来の名前よりも、愛称である「大和ミュージアム」の方が専ら定着している(事実本館の銘板ならび、入場券やパンフレット、観光誌にも正式名称で記載されるより「大和ミュージアム」の方が大きく掲載されている事が多い)
向かい側には潜水艦が鎮座している海上自衛隊の博物館「てつのくじら館」こと「海上自衛隊呉史料館」がある。こちらはその名の通り海上自衛隊の施設であり、受付や案内担当は現役の海自隊員であるので混同に注意。
主に明治時代からの呉市の軍港・鎮守府としての歴史や、造船及び製鋼にまつわる科学技術を扱った資料や当時そのままの展示物などが館内に展示されている。
例えば、ミュージアム入口には実際に海底から引き揚げられた戦艦陸奥の41cm主砲や主錨、スクリューなどが展示されているほか、館内へ入り少し進んだ広場には10分の1サイズの戦艦大和の模型が展示されている。こちらの大和の模型は当時の設計図や写真、潜水調査による水中映像などから可能な限り詳細に再現された物で、現在も新たな部分が発見される度に改装され作り直され続けている。10分の1スケールとはいえ約26.3mに及ぶ大きさの艦船は大和ミュージアムのシンボルとして定着している。
大型資料展示室には零式艦上戦闘機や巡洋艦・戦艦に搭載された砲弾(戦艦大和や陸奥の主砲に実際に積まれていた徹甲弾など)、人間魚雷「回天」が展示されている以外にも、太平洋戦争時代の艦船に搭載されていた装備品や関連する物品(重巡青葉の砲身、戦艦金剛のボイラー、砲撃用射撃盤、艦船の設計図、軍艦旗、航海灯、艦載機のエンジンなど)、そして屋外には上述した戦艦陸奥の主砲身・主舵及び潜水調査船「しんかい」が展示してある(いずれも全て実物である)。
近年では俳優の石坂浩二氏より、アメリカから持ち帰られてきた戦艦長門の「軍艦旗」及び「先任旗」が、「開運!なんでも鑑定団」で鑑定に出された事を通して個人で購入されたのち大和ミュージアムへ贈呈された事も話題となり、こちらも現在館内で展示されている(2017年に状態が悪化に伴い非公開→2022年修復完了再展示)
また、2015年9月にアメリカハワイ州の真珠湾にある戦艦ミズーリ記念館(アイオワ級戦艦3番艦ミズーリ)と姉妹館提携をしている
他にも、ミュージアムでは展示会や工作教室、科学ショーなどといったイベントも度々開催されており、様々なもので楽しんだり学習することが出来る。また、各種会議や展示会に使用するスペースがあり、イベントを開催する際にこちらを借りる事も可能。
休館日は火曜。(火曜日が祝日の場合は翌日が休館)
ただし、7月21日~8月31日の夏休み期間中と12月29日~1月3日は無休。
アクセス方法は基本的にJR西日本呉線の呉駅から徒歩で10分程度。各高速バスも呉駅北口のバスターミナル発着。
フェリー・高速船の場合は広島宇品港又は愛媛松山観光港から呉中央桟橋に到着後徒歩すぐ。江田島(小用港・秋月港)へ向かう船もここから発着している。
2023年には戦艦大和の主砲など製造した大型旋盤が所有していた兵庫からミュージアム傍の特設展示場に移転。同年3月にオープンしている。
ミュージアム以外にも・・・
また、大和ミュージアムの向かいにあるてつのくじら館こと「海上自衛隊呉史料館」には海自の歴史や潜水艦にまつわる技術を見られるほか、入口に飾ってある潜水艦「あきしお」の中を実際に見学する事ができる。内部の機械なども現役当時のまま残っており、実際に潜望鏡を覗き込んで海の向こうを見る事もできる。
てつのくじら館以外にもミュージアム付近には海上自衛隊の呉地方総監部(旧呉鎮守府)が存在し、こちらでは日曜日の決まった時間になれば第1庁舎となっている旧日本海軍の呉鎮守府庁舎の見学や、護衛艦の見学をすることも可能となっている。さらに丘の上には入船山記念館(記念公園)があったり、ミュージアム周辺の街並みや海を一望できる「歴史の見える丘」など様々なものがお目にかかれるので、呉市へ赴いた際にはこれらの名所を巡ってみてはどうだろう。
同時に呉市は海軍(及び造船)ゆかりのグルメも豊富で「戦艦大和のオムライス」「海軍さんの珈琲」「軍艦霧島の鯨カツレツ」「細うどん」等多数ある。また、戦前からの商店・料亭もありそれぞれで配信などもしている。
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