呪物(じゅぶつ)とは、特別な霊力が宿ると信じられている物体である。
- (広義)特別な霊力が宿り、禍福をもたらすと信じられているもの。
- (狭義)呪われているもの。または、何かを呪うために使われるもの。呪具。
- 漫画『呪術廻戦』に登場する物品の分類。「特級呪物」など。
- ネットスラング。
概要
1の呪物
「特別な霊力が宿っている物品」の総称。本来「呪」とは、その目的によって善にも悪にもなる中性的な概念であり、「祈願や祝福を言葉にすること」「まじない」を意味しており、必ずしも「のろい」をもたらすとは限らない。もっとも宗教学や文化人類学などでの学術用語であり、一般的にはあまり知られていない。18世紀のフランスの思想家 シャルル・ド・ブロスが考案した概念「フェティッシュ(fétiche)」[1]の和訳でもあり、アフリカなどの原初的な宗教で色濃く見られるとされるが、実際にはあらゆる国や文化に残っているといえる。
日本人にとって身近な例としては「お守り」「お札(おふだ)」「招き猫」「だるま」「数珠」「幣束」「パワーストーン」などが挙げられる。持っていると災厄を遠ざける「福」となるとされるが、適切に扱わなければ「禍」になりうる(=バチが当たる)と信じられている。
この意味では、仏教の仏舎利、神道の三種の神器、キリスト教の聖骸布などが最高級の呪物といえる。
2の呪物
「呪われているもの」。1のうちもっぱら「禍」の性質を帯びたものを指す。字面からイメージしやすいのはこちらではないだろうか。これに関わると呪われてしまい、不幸な目に遭う危険性が高いという。
歴史的背景を持つものから都市伝説的に語られるものまであり、後者は実体が確認できないことが多い。例としては「殺生石」「村正」「ホープダイヤモンド」「バズビーズチェア」「コトリバコ」など。
あくまでも物品であり、呪いを宿す生物(例:蟲毒)や幽霊そのものや、呪われている場所(例:禁足地)は含まないが、亡骸や触れるなどすると幽霊が出現する物品については含まれることもある。
ほかに、呪いのために作られた道具も「呪物」と呼ぶことがあるが、こちらは「呪具」とも呼ぶ。例として藁人形など。
3.呪術廻戦の呪物
「呪いを宿した物」。基本的には「禍」をもたらすものが多い。呪霊とは異なり、呪力を持たない一般人でも見ることができる。
ランク分けがされており、特に強い呪いを持つものは「特級呪物」に指定されている。2022年4月時点の作中でランク分けして説明されている呪物は全て特級呪物である。詳しい物品の内容については「特級呪物」の記事を参照。
特級以下のランクに関しては作中で出てきていないが、呪霊や呪術師のランク分けと同じと考えるなら「1級→2級→…」となると思われる。
4.ネットスラングとしての呪物
呪術廻戦の流行に伴い、インターネット上で「非常にネガティブな要素を持つ触れてはいけないもの」「見た目がおぞましいもの」「なんかヤバそうなもの」「黒歴史にかかわるもの」などを「呪物」と呼ぶことも増加した。
関連動画
関連静画
関連項目
脚注
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