和歌山県とは、近畿地方南部に位置する、日本最大の半島である紀伊半島の西側にある県である。推計人口は約89.5万人
概要
碧の海と深山、高野山や熊野三山など、自然と歴史文化に恵まれた地域である。
近畿地方南部に位置しており、和歌山市を中心とする県北部の沿岸部には製鉄所や石油製油所などの重化学工業が盛んであるが、大阪府や兵庫県の様な工業地帯と比べると見劣りする(立地問題的な意味で)。実際、戦後、本州で唯一、太平洋に面しながら太平洋ベルト構想に外れた苦い歴史があり、そのせいか近畿地方の他県と比較しても大いに発展が遅れることとなった。だが、近年は逆に破壊されなかった自然を生かした観光や農林水産業に力を入れている。とはいえ、県南部を中心に過疎化も著しく、近畿地方で唯一人口100万人を割ってしまった。
県中南部は温暖な気候に恵まれて農林水産業も盛んで、とりわけ果樹栽培が盛ん。みかん、柿、南高梅など全国に知られる名産がある。また、香味野菜や花卉栽培も盛んである。沿岸は紀伊水道や太平洋に面しており、小さな入り江が多いため、規模こそ小さいものの好漁場が多い。北から鯛、鱧、タチウオ、クエ、サバ、イサキ、イセエビ、カツオ、マグロ、サンマなどが獲れて、沿岸自治体の名物となっている。鯨でも有名。なお、みかんといえばJA和歌山が販売するみかんジュース「ジョインジュース」が有名だが、県外での知名度は皆無に等しい。和歌山県出身の人にポンジュースの話題を振るときは注意とかいうが、普通に県民は愛飲しているから気にするな。
またエルトゥールル号遭難事件のエピソードから、トルコと非常に友好な関係にある。また、クヌッセン船長の勇敢な救命活動の美談(炎上した船は徳島なんだけど)が、和歌山沖で起きたことからデンマークとも関係は友好で、2002年サッカーワールドカップの際にはデンマーク代表を招致することにも成功している。一方、オーストラリアとは捕鯨やイルカ漁をめぐって敵対中!…なんて思われているが、浸食によって減退した白良浜の砂を同国から輸入していたり、元々和歌山からオーストラリアへの移民が多かったり(特に例の太地町がそうだった)、オーストラリアのスポーツ代表選手が何度もキャンプ地を和歌山に選んだり、案外そうでもないのである。ほかにもペリーより50年以上前にアメリカ人が初めて日本に足を踏み入れた串本大島やフランス人にやたら評判が高い高野山など、海外との交流が案外盛んだったりする。
和歌山の特徴
- 御三家の誇り
言わずと知れた南海の鎮「和歌山城」が建ち、そして御三家の紀州徳川家が構え、そして御三家で唯一、将軍を送り出した(8代目徳川吉宗とあと一人)ことは誇りに思っている県民が多い。そのため、近畿地方にありながら徳川家への親近感か在京志向が強く(高校生の東京への進学率が相対的に高い)、昔は群馬県とともに自民党が鉄板の県としても知られていた。尚、江戸時代の古地図で確認すると赤坂や紀尾井町など軒並み山手の一等地が紀州藩の屋敷となっており、明治時代には紀州徳川家の殷賑ぶりはたびたびマスコミを賑わせた。 - 大阪府民の仮想(?)故郷
和歌山は在京志向が強いことは前述したが、大阪府が真北にあることから当然大阪府ともつながりは深い。実際、和歌山市北部、岩出市、橋本市など和歌山府民も少なくなく、和歌山県民にとって、いちばん身近な都会は当然大阪市街である。逆に、大阪府民にとって和歌山県は身近な故郷という扱いらしい。その理由は簡単で、大阪府内には、そこまで田舎らしい田舎がないので静かな場所への憧れが強く(首都圏の人が上越甲信に行くようなもの)、とはいえ京都や奈良ほど観光客が多くなく、白浜を除いて伊勢志摩ほどリゾート色も濃くないので、和歌山の何もない自然は、逆に保養地としては最適な場所だという話である。実際、親戚が別に和歌山にあるわけではないのに、毎年大阪から観光地でもない特定の場所に通い、地元の人と交流している人も少なくない。 - 太平洋のおまけ
今でこそ、世界遺産や三毛猫やパンダで有名になった和歌山県だが、昔は「日本のチベット」とか「近畿のおまけ」とか言われるほど、とにかく影の薄い県であった。色々と全国に誇れるものがあるのに、それを宣伝しようとしなかった。とにかく、和歌山人はシャイ…というより宣伝下手なことで知られ、かの松下幸之助が「和歌山がアホやから仕事ができへん」と和歌山を捨て大阪へ出て行き、富を築いたことは有名。また、岡山と間違えられることも少なくない。イントネーションが同じなだけに、地元民が〇かやまって聞くと一瞬ドキッとするのはお決まりである(岡山県民も同じ経験があるらしい)。 - 決していいとは言えない運転マナー
和歌山県の交通マナーの標語として以下の言葉がある。「青信号になっても慌てるな」、つまり黄色信号の時に駆け込みで右折(ひどい車は直進も)してくる車があまりにも多いのである。そのため、和歌山の信号は、矢印付きの場合は青→黄色→赤+矢印→黄色→赤、と2度に分けて黄色が表示される。無論、二度目の黄色は直進できるわけないのだが、ひどい運転手は二回目の黄色でも直進してくる(死ねばいいのに)。また和歌山人は「あがだけ」(あがとは自分のこと、つまり自己中)の人が多く、そのくせマイペースな人も多い(普段はのんびり走って、交差点手前だけスピード出して、後続車が全部赤信号に捕まる…なんてのは日常茶飯事、そして前の車に殺意を覚える)。 - 謎のライダー王国
和歌山県のバイク・スクーター普及率は全国1位(34%)で、数年前までは40%を超えており、もっと昔は50%を超えていたらしい。実際、幹線道路を走ってるとやたらスクーターやカブに出くわし、特に125ccの小型スクーター普及率が高く、あちこちで確認できるほど生活の足となっている。和歌山駅、和歌山市駅前の路地にはバイク専用駐輪場が所狭しと並んでいるのも和歌山ならではである。その原因は田舎ゆえの公共交通機関の脆弱さ、平野が少なく傾斜が多い土地柄、城下町の名残と立ち退きたがらない県民性で開発が進まず狭い路地が多い、雪が滅多に降らない温暖な気候、などが背景にあるようで、スクーター以外にもツーリングを趣味とするご年配の方々が多く、紀伊半島は全国有数のツーリングの聖地にもなっている。たまに、特別講習受けずに普通免許で乗って、無免許で捕まる人もいる。 - バレーシューズ、水せった、サビオ
これが何かわかる人は和歌山県民でほぼ間違いないだろう。実はバレーシューズとはバレーボールシューズとは全く別物で、要は学校用の上履きの正式名称である。なぜか、和歌山ではこれが正式名称で呼ばれているのである。また、「水せった」とはビーチサンダルのことであり、なぜかこれも和歌山だけこう呼ばれる。また、絆創膏はサビオ(かつてライオンが販売していた絆創膏のブランド)と呼ばれる(これは他県も例がある)。特に年配層になるとこの比率は高くなる。 - 果樹王国和歌山
このフレーズはJAが打ち立てたPR用のキャッチコピーであり、実際和歌山県は全国で一番農作物における果樹比率が高い県である(国内で60%超えるのは和歌山県だけ。まあ裏返せば他がそこまで盛んじゃないという背景も…)。また、比率だけでなく果樹販売額も、山形、長野、愛媛などを凌ぎ、青森県に次いで全国2位である。その原動力となっている果樹が国内の1位の梅、みかん、柿であり、特に梅に関しては2位以下を圧倒的に突き放しているために加工品などの商品開発にも力が入っている(みかんや柿の立場は…)。また、中晩柑類は国内第2位(はっさく、バレンシアオレンジ、セミノールは国内1位)、いちじくは国内第2位、キウイは国内第3位、桃は国内第4位(西日本では岡山を上回り1位)、びわは国内第6位となっており、他にゆず、ブドウ、いちご、スイカの産地もあり、りんごや洋梨まで作られている地域があるなどトロピカルフルーツ以外は穫れる県といわれている。ただ、なぜか梨だけはあまり作られず、全国42位という低順位である(台風の通り道で過去に産地が駄目になってしまったし、水はけ悪い土地多いから仕方ないのかも知れない)。 - 実は鉄道事業者
南海電鉄和歌山港線があるが、実は県社分界点(旧:久保町駅)~和歌山港駅の間は「和歌山県」が保有する鉄道路線となっている。この区間では第三種鉄道鉄道事業者が和歌山県、第二種鉄道事業者が南海電鉄となる。第一種鉄道事業者:線路敷設・列車運行どちらも行う者。第二種鉄道事業者:車両のみを保有し、第一種・第三種鉄道事業者の線路を借りて列車運行のみを行う者。第三種鉄道事業者:線路を第一種鉄道事業者に譲渡する目的で敷設する者、あるいは線路を敷設し第二種鉄道事業者に線路を貸して列車運行をさせる者。元々久保町駅~和歌山港駅間は県が南海電鉄から敷設免許を譲り受け、臨港鉄道として整備したためである。同じように、県が第三種となり、第二種の車両を乗り入れさせる例は、他には青い森鉄道線全線が該当する(青森県が第三種、青い森鉄道・JR貨物が第二種)。また、和歌山の電化率は限りなく100%に近い(紀州鉄道の2.7km以外と新宮駅以東の紀勢本線以外は貴志川線や和歌山線も含め、全部電化路線)。田舎県であることを鑑みたら、これは快挙といえるだろう。 - 災害の歴史
紀伊半島沖では、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んでいるため、マグニチュード8クラスの巨大地震が繰り返し発生している。(和歌山地方気象台より)
南海トラフ沿いは100年から150年周期でM8以上の地震が起きており、主なものに明応南海地震、宝永地震、安政東海地震、安政南海地震、昭和南海地震がある。
津波による被害も多く県内各地に津波碑が建てられている。主なものに「大地震津波心得の記」碑や「高波溺死霊魂之墓」碑などがある。(「和歌山県内の 津波碑」より)
津波を伝える書物としては天性寺にある「大地震津浪之事」や富田会館内にある和歌山県指定有形民俗文化財の「津波警告板」、「紀伊国続風土記」にも「昔この地には和田浦という人家の多い村があったが、明応年間の津波によって村全体が流されたため湊村に移住した」との記述がある。
他にも瓦版でも津波を伝える資料があり、南海地震を伝えていると思われる「紀州大地震大津波の次第」などがある。これには「同五日昼七つ時より湊浜大津波にて川口にかかり船五六十艘吹あがり□なと川にてことごとく打くだけ、夫に付湊町家百軒余くだけ、尤死者数しれず、地しんにて船へにげ行候人々は、そのまま大波に引こまれ行方しれず」と記されている。(和歌山県立博物館ニュースより)
和歌山県は水害とも向き合ってきた地域であり、主なものに、紀和大水害(1889年8月)、紀州大水害(1953年7月18日)などがあり、1000人前後の死者が出た。最近では紀伊半島大水害(2011年8月)による被害が大きく、南紀を中心に河川氾濫、土砂災害の被害が出ている。
和歌山県で大規模水害がおこる原因として天然ダムが挙げられる。これは山の斜面崩落による土砂などにより河川等がせき止められ天然のダムが形成され、これが決壊する事により大規模な被害を及ぼす。1889年の豪雨の際は富田川流域で多くの天然ダムが形成・決壊し多大な被害を及ぼした。田辺市民総合センター前には「明治大水害記念碑」が建立されている。
ニコニコ動画的に見た和歌山
意外にも和歌山を舞台としたアニメ・ゲームは多く存在する。
代表的なものとしてkeyおよび京都アニメーションの代表作「Air」があることから、
「key半島」と揶揄されることがある。
また、他にもMyself;Yourself、びんちょうタン、ラムネなどの舞台になっており、
前述のみなべ町のびんちょうタンや湯浅町のみったん、和歌山電鐡貴志駅のたま駅長、
さらに熊野古道のポスターにCLANNADの伊吹風子を採用するなど、
クオリティーの高いイメージキャラクターが多いことでも知られている。
さらには、なぜか魔法少女リリカルなのはStrikerSの放送が全国に先駆けて
テレビ和歌山でもっとも早く行われたこと、などのことからニコニコ動画ユーザーの間では
萌え先進国としてひそかに認知されていた。
だが、現在のトップが、こういったサブカルを猛烈に嫌っているため、色々なものが全て消極的にならざるを得なくなっている。
和歌山県出身の著名人
- 明石家さんま(お笑いタレント)※育ちは奈良県
- 井上美紀(声優)
- 石井康嗣(声優)
- 楳図かずお(漫画家)
- 大久保勝信(元プロ野球選手)
- 岡田俊哉(プロ野球選手)
- 岡本洋介(プロ野球選手)
- 岡本倫(漫画家)
- 岡本玲(モデル・タレント)
- 尾花髙夫(元プロ野球選手)
- 小久保裕紀(元プロ野球選手、元野球日本代表監督)
- 小西克幸(声優)
- 雑賀孫市(戦国武将)
- 坂本冬美(演歌歌手)
- 竹中平蔵(経済学者)
- 龍田直樹(声優)
- 田中理恵(元体操選手)
- 玉置成実(歌手)
- 筒香嘉智(プロ野球選手)
- 徳川吉宗(江戸幕府第8代将軍、第5代紀州藩主)
- 長嶝高士(声優)
- 中島由貴(声優)
- 中谷仁(元プロ野球選手)
- 二階俊博(政治家)
- 西尾徹也(パズル作家)
- 西川遥輝(プロ野球選手)
- 西口文也(元プロ野球選手)
- hyde(歌手。L'Arc~en~CielのVo)
- 濱中治(元プロ野球選手)
- 東尾修(元プロ野球選手)
- 平井諒(プロ野球選手)
- 益田直也(プロ野球選手)
- 溝端淳平(俳優、タレント)
- 南昌輝(プロ野球選手)
- 山本哲哉(プロ野球選手)
- 山本芳彦(元プロ野球選手)
- 吉井理人(元プロ野球選手)
- 吉見祐治(プロ野球選手)※生まれは高知県
記事がある人物のみ追記してください
和歌山県の市町村の一覧
紀北地方
- 和歌山市
人口:34.7万人の県庁所在地・中核市。戦国時代には国人・土豪・地侍が結合した、織田信長を2度も苦戦させた武装集団の雑賀衆(雑賀孫市が有名)の本拠地で、豊臣秀吉が雑賀衆を抑え和歌山城を建造した後、江戸時代に徳川頼宣が南海道(紀伊+四国)の監視のため入城し、徳川御三家の1つ・紀州徳川家が治める五十五万石の城下町として発展。
現在は人口の減少と経済力の衰えが問題となっており、市内中心部商店街のぶらくり丁はかつては大阪府南部からの買い物客もいたほど栄えていたものの、ほぼシャッター通り状態と化している。丸正が倒産してからビブレも撤退し、県内最大であった書店も閉店してから、一気に衰退が始まった。もっとも、顧客が流れているのが主にイオン系列店等を和歌山に寄せ付けず巨大なイオンモール和歌山がふじと台で開業してもがんばっている地元企業・オークワの郊外型ショッピングセンターであるのは不幸中の幸いではあるが。また市内のあちこちにスーパー松源もあり、古都清乃のテーマソングをなぜか歌えてしまうほど洗脳されている。
工業面ではかつては日本一の規模だった住友金属和歌山工場(現在は新日鐵住金和歌山工場)や世界最大の基幹工場となっている花王和歌山工場、三菱電機、無縫製ニット横編み機で世界中の有名ブランドに名をはせている島精機などが経済の中心となっている。観光面では、テーマパークのポルトヨーロッパなどがある和歌山マリーナシティ、徳川吉宗を送り出した徳川御三家の象徴である和歌山城、万葉時代からの景勝地で、片男波や波早ビーチなどの海水浴場と廃墟ホテル群がある和歌浦、本州一の早咲き桜と西国観音霊場で知られる紀三井寺、雛流しや人形供養で知られる淡島神社で有名な加太や戦時中の砲台跡が現存し、デスクリムゾンの舞台で名高いラピュタのような景観が話題になった友ヶ島などが有名。また、400基を超す古墳群がある紀伊風土記の丘、紀伊国一宮である日前國懸神宮(通称、日前宮)、天照大神の姉を祀る竃山神社、木の神様で有名な伊太祁曽神社などがある。和歌山ラーメンも有名となっており、俗に井出系、車庫前系とかいう二種類のラーメン屋が市内の至る所にあり、観光に一役買っている。特産物では、新生姜の生産が全国2位と盛んになっており、近年は地元産の新生姜を使った濃厚なジンジャーエールを売り出している。ほかに大根の生産も盛ん(全国20位以内)で、布引大根としてブランド化しており、漬物やおでん種などに利用される。また、漁業も盛んで、紀伊水道の潮流にもまれた新鮮な海の幸を堪能できるなど、そこそこの田舎暮らしとそこそこの都会暮らしが両立できるのも魅力である(中途半端とかいうな)。
パナソニックやジャニーズ、ヤマハの創設者もこの街に関係がある。コブクロの第二の故郷としても有名で、毎年コンサートが行われていた。L'Arc-en-Cielのヴォーカル、hydeこと宝井秀人の出身地でもある。
プロスポーツには鬼門の都市であり、今は亡き関西独立リーグの紀州レンジャーズや地味にJリーグ入りを目指すアルテリーヴォ和歌山、パナソニックの跡を継いだものの無謀な経営で破綻した旧NBLの和歌山トライアンズなどがあるが、どれもパッとしない上に、市民の関心はあまりにも薄い。噂では阪神タイガースファン率が日本一高い土地柄であるとか。かつて紀陽銀行体操部が、森末慎二など名選手が所属した実績があり、体操競技はけっこう盛んな土地柄で、田中三兄妹の兄弟二人も当地の出身である。また、草野球レベルから野球は盛んで、プロ野球選手は数多くの選手を輩出している。
因みに、未だにしつこく和歌山市の名物に、冗談気分でカレーとかぬかす輩がいるのには正直辟易しており、出身者に言ったりすると本気でブチ切れられる(奴らはキレる!…俺もキレる)から気を付けよう。 - 海南市
人口:4.5万人、和歌山市の南隣りにある市で、つながりの深かった下津町を吸収合併。駅前は人口の割に発展していたが、旧市街の地盤沈下が著しく、近年の寂れっぷりは見るに堪えないものがある。逆に市街地の外れの内陸がロードサイドに商店が並び、市役所移転も決まったなど、近年急速に発展してきている。
紀州漆器、和傘などの工芸の町として発展し、高度経済成長期には重化学工業が進出し、沿岸にある新日鐵住金工場では石油掘鑿に欠かせないシームレスパイプの世界シェア8割以上を生産する。また、かつては棕櫚を用いたたわしやホウキ製造が有名だった。その流れを受けて、現在ではスポンジや洗濯ハンガー、トイレカバーなどの家庭の水回り品の製造が盛ん。隣接する紀美野町と合わせて全国シェアの8割を占める一大産地となっている。伝統工芸の紀州漆器は、食品用漆器産地としては福井県に次ぐ規模である。酒蔵も多く、全国にファンも持つ『黒牛』の名手酒造や『紀土』の平和酒造、地酒『長久』と梅酒で有名な中野BCが同市にある。
終戦に気づかず29年間フィリピンのジャングルに潜入しつつ生き抜いた小野田寛郎氏の出身地である。また、サッカー男子日本代表になった駒野友一の出身地でもあり、その影響を受けて市内の学校ではサッカーが盛んである。
旧下津町は有田と比べ知名度こそ低いが県内有数のミカンの産地であり、蔵出しみかんという貯蔵みかんを売りとしている。また、ビワ作りも盛んで、下津ビワとして売られている。文化財では徳川家の菩提寺である国宝建造物、長保寺があり、境内は桜の名所でもある。沿岸の戸坂地区ではハモが水揚げされ、祇園祭の際には京都にも運ばれるが、近年は鱧の街プロジェクトも進め、鱧料理を市内の名物にしようとしている。 - 岩出市
戦国時代は雑賀衆と肩を並べる勢力だった、鉄砲で武装した真言宗徒・根来衆の根来寺を中心に発展。
2006年に合併をせずに単独で市に昇格した。大阪方面へ通勤する人などのための宅地や団地・マンションの開発が多く、和歌山県内では珍しく人口が増え続けている。市域も市の規模も小さいが商業地として発展しており、近隣の市や大阪府南部からの買い物客も少なくない。根来寺の多宝大塔は日本最大規模にして唯一の国宝建造物であり、また境内は桜の名所、紅葉の穴場として知られる。農産物ではカーネーションなどの花卉、そしてねごろ大唐という辛みを抑えたししとうがある。なお、大阪に行こうとしてJR岩出駅から乗ると恐ろしく遠回りになる(和歌山市にある紀伊駅を使うのが正解)ことを知らずにトラップに引っかかる移住者が絶えないとか。 - 紀の川市
2005年に打田町、粉河町、那賀町、桃山町、貴志川町の旧那賀郡の町が対等合併してできた市。紀ノ川に面した平野地帯が広がる穏やかな景観だが、それとは裏腹に市の北部には和泉山脈、市南部には龍門山脈を挟み、鞆渕などの秘境的な山里が散見される二面性を持つ都市である。和歌山市とを結ぶ和歌山電鐵貴志川線が南海電鉄から引き継ぐ形で走っており、イチゴ電車や猫電車などのユニークな車体が人気で、終点の貴志駅は駅長が「たま」という名前の猫であることで有名。イチゴ、モモ、イチジク、ハッサク、キウイ、柿などの生産が盛んなフルーツ王国でもあり、旧町にゆかりのある6つの果実を象徴した紀の川ぷるぷる娘というゆるキャラがいる。とりわけ、旧桃山町から旧粉河町に至る一帯のモモは高級ブランドのあら川の桃として売られ、モモ御殿が建ち並ぶ。また、はっさくは日本一であり、全国の半数近くのシェアを占める。イチゴ、イチジク、キウイは県内一の産地であり、柿は中が黒くて甘い紀ノ川柿で有名。その他、みかん栽培も盛んで、梅も作られている(梅酒用が多い)など、かつらぎ町と共に県を代表する果樹産地であり、観光農園も多い。日本一の売上を誇るといわれるファーマーズマーケット、めっけもん広場の本拠地としても知られる。粉河寺は西国観音霊場の三番札所で参拝客が多く訪れる。 - 橋本市
高野口町を吸収合併。かつては材木運搬の拠点および高野山宿場町として栄え、現在は、南海高野線でなんばまで直行できる便利さもあって大阪のベッドタウンとして人口が増えており、和泉山脈沿いのニュータウンには、いわゆる和歌山府民が多いのが特徴。一方の旧市街は奈良県五條市などとも関わりが深く、近隣の中心拠点にもなっている。サッカーで吉原宏太などを送り出した初芝橋本高校もここにあり、ベイスターズの主砲、筒香嘉智の出身地でもある(市内には筒香《つつが》小学校という廃校になった小学校もあった)。特産物は柿で、刀根早生、平核無などたねなし柿の生産が盛ん。 - 紀美野町
06年の大合併で出来た町。名は合併前の「美里町」「野上町」と「紀州」を合わせたもので、唯一海草郡に所属する町。海南市と並んで家庭日用品の生産が盛んであるが、この紀美野町野上地区の方が伝統的なシュロ製品が多く作られている。
かつて野上電気鉄道が海南市までを結んでいた。阪神電鉄・阪急電鉄・富山地鉄の古い車両がここで走っていた。1994年に廃線となり、1999年特別清算が完了し法人格は消滅した。線路跡は道路のほか遊歩道や公園になっている。ちなみに野上電鉄本体の法人格消滅後も分社化されたタクシー・運転代行サービス・貸切観光バス事業は存続しており、「野鉄観光」と、当時を偲ばせる名を冠している。ススキの名所、生石高原の玄関口でもあり、みさと天文台は全国に先駆けてインターネットを使い、色々な天文に関する情報を配信していた。特産品は柿や山椒、みかんなどのほか、たわしやほうきといったものも。また近年は山あい…なんて生やさしいものじゃなくて山中のカフェ(パン屋)が観光客の人気を集めている。 - かつらぎ町
花園村を救済吸収合併。盆地で寒暖の差が激しく、近年も摂氏40度を超える気温を記録し、日本で一番暑い町のひとつとして知られている(そのくせ冬は寒く、雪が積もることも)。その気候を利用して柿を筆頭に、苺・梅・桃・ぶどう・梨・スモモ・ネーブル・ブルーベリー・栗、そしてリンゴにじゃばらまで、さまざまな果物を栽培している「フルーツ王国」となっている。「かつらぎ町」の記事も参考にしていただきたい。町の南に位置する天野地区は高野山の守護神である、世界遺産の丹生都比売神社があり、昔よりだいぶ観光地らしくなった。伝統的な産業に四郷の串柿と国の伝統工芸品であるヘラ竿作りがある。旧花園村は、北山村に匹敵する秘境の山村であり、かつては鉱山と林業で栄えたのだが水害で大きく衰退してしまった。その後、恐竜なんて発掘されたことないのに、坑道を利用した恐竜ランドなんてパラダイス観光施設を作ってしまったことで、他の県民からも憐れみの眼で見られていた。合併後、かつらぎ町が大阪府守口市と連携して、都市と山村の交流先として花園守口ふるさと村を作り、一定の好評を得ている。 - 九度山町
高野山への通り道にある町。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の登録資産となっている名所が多く、代表的なものに空海の母が住んでいた、女人高野とも呼ばれる「慈尊院」などがあり、わふー、もとい、和風でありながら高野町とはまたちがった森林の中の落ち着いた雰囲気となっている。真田親子が幽閉された地としても有名であり、真田家ゆかりの古刹、善名称院(真田庵)がある。そのため、真田丸が放映された2016年は例年にない観光客が押し寄せることになった。県内有数の甘柿産地でもあり、九度山の富有柿は高級ブランドとなっているなど、日本一の柿の町を自負している。南海高野線沿線は紀伊神谷駅など秘境駅が多い。 - 高野町
高野山真言宗の聖地高野山金剛峯寺を中心とする町。日本全国のみならず世界中から多くの観光客が訪れ、特にミシュランのグリーンジャポンガイドで三つ星に選ばれてからフランス人観光客の増加が著しい。南海電鉄のケーブルカーまたは車で登っていくことができる(ただ、シーズンは渋滞を覚悟すること)。なにげに大学があったり、コンビニのココストアがあったり、観光エリアから外れると町民のための文化施設、スポーツ施設もあったりして、実際に行ってみると山奥に突如として開けた町と観光地が現れる印象。真骨頂は、未だ弘法大師がまだお経を読んでいると云われる奥の院とそれに至る世界最大の墓地群といわれる杉並木の参道であり、ここを見ずして帰るのはまるで意味をなさないと言っていいだろう。高野豆腐はこの高野山から来ているが、むしろ今日の高野山名物はごま豆腐である。険しい山道も高野山参詣道という世界遺産になっており、峠の花坂地区にあるやきもちは知る人ぞ知る名物。余談だが、奈良県随一の秘境、野迫川村はこの高野町とつながりが深い。
また、この高野町の東側には富貴と筒香(つつが)という秘境のような集落がある。双方とも和歌山県側からはまともな道がなく、一度奈良県に行き、更に五条から山道を南下して車で10分ぐらいの場所にある。県民でも知らない人が多いが、知る人ぞ知る松茸やミョウガの名産地であり、シーズンには松茸ご飯を1000円ポッキリで買えたりする穴場があったりする(売切御免)。
ちなみにニコニコ動画では高野山の映像・話題が出ると「おのれ高野山・・・。」というコメントがたまに見受けられるが、これはゲーム「AIR」のsummer編では、ヒロインの翼人の子を高野山の僧などの勢力が不吉なものとして弾圧していたという設定であり、作中でこのセリフが出たため。
紀中地方
- 有田市
有田地方の中心的存在で、石油化学工業や農業が盛ん。みかんのブランド「有田みかん」で知られ、山一面にみかん畑が広がる。太刀魚の漁獲高も日本一であり、ほねごと砕いて作られる”ほねく”は紀北の名物料理になっている。また、除虫菊生産が盛んであったため蚊取り線香の発祥地としても知られ、金鳥やアースの工場もある。そして、高校野球の古豪である箕島高校が有名である。プレイすると特産のみかんがもらえるアプリで一世を風靡したこともあった(その後調子に乗ってタチウオアプリまで作ってしまったらしいが)。
ちなみに読み方は「ありだし」。濁点のない地名「ありた」は佐賀県の焼き物の町(有田町)なので注意。なお、串本町にも紀伊有田(きいありた)駅がある。 - 御坊市
ごぼうである。決しておぼうではないぶぁい。日高地方の中心的な町で、地名は日高御坊の異名を持つ本願寺日高別院に因んでいる。日本一短いローカル線(かつては日本最短の鉄道という触れ込みだった)、白に緑の車体が印象的な私鉄「紀州鉄道」(総延長2.7km、西日本で最短距離)が市内で一番の観光資源でもあり、昭和にタイムスリップしたような町並みが残り、御坊駅から気ままな小旅行を楽しめる。ラーメン屋や鰻屋、焼き鳥屋、お好み焼き屋など飲食店が多く集まる市でもあり、木材の積み出しで潤っていた頃は飲み屋街も発展していた。美浜町と同じく「AIR」の舞台である。
花卉類の生産が盛んで、花の町と標榜。第2次産業に関しては火力発電所があるほか、麻雀牌・サイコロの生産高日本一を誇る大洋化学の本社がある(同社は全自動麻雀卓シェアもトップである。御坊では作ってないけど)。
ロマンチックな宮子姫(文武天皇の妻・聖武天皇の母)伝説とそれとは真逆に、蛇になって安珍を焼き殺したあと身を投げたと言われている清姫のホラーチックな伝説が市内に伝わっている有田郡
- 有田川町
有田郡の吉備町、金屋町、清水町が合併して誕生。自動車道の出入り口に近いため都市圏へのアクセスに優れる。そのためIターン者が多く、珍しく県内の町で人口が微増している。名前の通り有田川が市の中央を横断して流れており、有田市と同じく有田みかんが特産で、生産量は有田市を上回り、5箇所以上の選果場がある。また、旧清水町はぶどう山椒と呼ばれる山椒の生産日本一。明恵上人のほか、野球の東尾修と吉井理人の出身地である。有田川上流は鮎釣りで賑わうほか、流れが比較的緩やかなのでキャンプ場が多く、夏休みには関西一円から遊泳客が訪れる。かつては有田鉄道という私鉄の鉄道路線が存在したが、2003年に全線廃止された(ただし法人格自体は消滅しておらず、社名を変えないで今でもバス事業者として存続している)。当時の車両は町内の「有田川町鉄道公園」にて動態保存されており、不定期に運転体験会が行われている。
- 湯浅町
醤油の発祥の地として有名。古い町並みが残り、県で唯一重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)と呼ばれる国お墨付きの町並み保存地区がある。とれたてみったんややまじシスターズで有名な小原久吉商店もココ。和歌山県民御用達のドラッグストア「エバグリーン」や焼き肉「三国一」を経営している廣甚の本社も湯浅町にある。有田みかんの産地としても知られ、全国的にも有名になった田村みかんは、ここの田という地区で生産されているみかんである(よく間違いが散見されるが、田村とは旧村名にちなみ、田村という行政地区ではない)。今日では珍しくなってしまった三宝柑の産地でもあり、全国シェアの100%を占める。また、県内一の釜揚げしらす産地でもあり、沿岸ではしらす丼がご当地グルメとなっている。
ちなみに、 ニコニコ動画初期にはやった「あいつこそがテニスの王子様」でおなじみの「湯浅プリンスホテル」は実在しないのであしからず。 - 広川町
読みは「ひろがわ」である(ひろかわだった時期もある)。市街地が湯浅町役場と広川町役場の距離が1kmしかないほど湯浅町の近くにあり、町民は町内の離れたところにある広川ビーチ駅より湯浅駅を多く利用するらしい。稲むらの火で有名な浜口梧陵(浜口儀兵衛)の出身地であり、津波防災の拠点として全国的に注目を浴びることになった稲むらの火の館や私財を投じて築いた史跡の広川堤防がある。なお、7代目浜口儀兵衛はヤマサ醤油創業者でもあり、そのため、館内で博物館仕様のヤマサ醤油を売っている(知らない人はなぜヤマサ醤油が土産物にあるのかと目を丸くするそうである)。この広川町でも有田みかん栽培が盛ん。同町内にあった「黒潮フルーツ楽園」は探偵ナイトスクープの名物コーナーであるパラダイスに登場しており、「ジェットコースターより怖い果樹園」等を擁するカオスな旅館だったが、現在では残念ながら閉館してしまった模様。
なお、国道42号線を南下する場合、この広川町から御坊市までアップダウンの激しい急勾配の山道となる。仮に自転車で通るなどという無謀な冒険をした場合、体力を著しく消耗するはめになるので注意した方がいい(体験談)。実は迂回路があるのだが、そっちはもっと勾配がえぐかったりする(景色はいい快走路なのだが)。日高郡
- 由良町
漁業と三井造船で栄えた町。白崎海岸という石灰岩でできた白い岩と青い海のコントラストが美しい、近畿内でも有数の隠れた名所がある。醤油・金山寺味噌の発祥の地といわれている場所の一つとして有名な興国寺もこの町にある。釣り好きが集まる場所でもあり、釣りバカ日誌4のロケ地である。知られざる銘品、衣奈ワカメの産地であり、柑橘類栽培も盛んで、早生種のゆら早生の発祥地。マルチシートを使った糖度の高いみかんを作っており、「ゆらっ子みかん」としてPRしている。とはいえ、有田に近いのに日高郡に所属し有田みかんを名乗れないためなのか、みかん以外の柑橘類栽培にも積極的で、不知火(デコポン)、清見オレンジ、甘味の強い木成り八朔、レモンなど特産品は多彩。また、かつては石灰石採掘が盛んで県内唯一の鍾乳洞、戸津井鍾乳洞(石灰洞)がある。 - 日高町
海岸線はリアス式海岸で良港に恵まれており、高級魚の天然クエが名産品として有名で、クエのモニュメントがあったりQU-Eという音楽ユニットにクエのテーマソングを作ってもらったりしている。また、クエ祭りという江戸時代から続く伝統的な祭りがあったが、過疎化や若者不足により大幅に規模が縮小されてしまった。産湯海岸は水が綺麗と評判の穴場海水浴場。伝統的な工芸品に黒竹細工がある。 - 美浜町
名の通り海岸線と松原が美しい町であり、紀伊半島最西端の日ノ御埼や県内随一の松原である煙樹ヶ浜(400年前に徳川頼宣が伐採を禁じたという)は、絶好の散策スポット。ただ、残念なことに浜辺は波が高いため遊泳できない。ゲームおよびアニメ「AIR」においてこの美浜町周辺の風景が随所に使われており、key作品における代表的な「聖地」となっている。まさにkey半島。名物はイセエビやしらす、アワビなど。また、煙樹ヶ浜の松葉堆肥を使って、きゅうり、トマト、いちごなどを育てている。なお、国道42号線をひたすら南下すると、この美浜町は海沿いにありながら全く通らずに素通りしてしまう。 - 日高川町
2005年に川辺町、中津村、美山村が合併して誕生した町。農業・林業がさかんで、備長炭の生産量は日本一である。その備長炭を使って世界一長い焼き鳥に挑戦してたりもする。他にホロホロチョウや椎茸などが特産。高速インターに近いので、田舎暮らし希望者に人気が高く、いわゆるIターン者が多い。旧川辺町ではみかんの他、中晩柑の栽培が盛んで、伊予柑、夏ミカンの生産は県内一。安珍清姫伝説で有名な道成寺、日本で初めて分校で甲子園に出場した日高中津分校があることでも知られる。また、井原西鶴、芳澤あやめ(江戸時代を代表する歌舞伎役者で、女形の代表格)の出身地とされている。 - 印南町
読み方は「いなみちょう」。大きなカエルの顔の形をした「かえる大橋」が町のシンボルだが、めぼしい観光地がないため、観光客にはスルーされてしまう(かつては観光バスが立ち寄る巨大なドライブインもあったのだが…)。かつお節発祥の地とされており、また高級わさびの代名詞でもある真妻わさびの発祥地でもあるが、両方とも町内では衰退してしまった。ちなみになぜ紀州ではなく土佐がかつお節で有名になったかというと、江戸時代中期に印南の漁民である角屋甚太郎が足摺岬に絶好の漁場を見つけ、その地で従来とは違う長期保存できるかつお節を開発したため、らしい。今日の印南町は西日本一の生産と謳う小玉スイカに生産量日本一のえんどう、ミニトマト、スターチス、正月に欠かせない千両(花の名前)などの栽培が盛んな農業の町である。また漁業も盛んで、敢えてカツオを外し、紀州いさぎPRを目論む田辺市より先手を打ってイサキを町の魚にしている。 - みなべ町
南部町と南部川村が合併(県内では最も早い合併)。梅の一大産地同士が合併したために生産高日本一となった。特に特産の「南高梅」を使った梅干は高級品で、梅農家のお屋敷(通称・梅御殿)が点在する。一つの山が丸ごと梅の果樹園というケースも珍しくなく、2~3月には白い花の香りに包まれ、開花シーズンには観光用に公開もしている。また、千里海岸はアカウミガメの産卵地として知られ、沿岸では漁業も行われている。
備長炭の産地でもあり、サブカル的にはみなべ川森林組合がびんちょうタンとコラボしていることで有名だったのだが、諸事情により最近は消極的に。
紀南地方
- 田辺市
人口8万人弱だが、和歌山県第二の市で紀南地方の中心的都市。05年の合併で旧田辺市が大塔村・中辺路町・龍神村・本宮町を吸収したおかげで近畿最大の市に(が、人口密度はかなり落ちた)。紀伊田辺駅から紀伊半島の反対側にある新宮駅までは単線となり、この間の市町村は非常にアクセスが悪かったが、津波対策を兼ねた紀勢自動車道の延伸により大幅に改善した。
旧田辺市部分にはオークワグループのショッピングセンター「パビリオンシティ」があり、「パビシ」と呼ばれ周辺住民から親しまれている。テーマソング「オークワからのごあいさつ」はみんな知っている。かつては「オーシ」ことオーシティも存在したが、老朽化と市庁舎移転のために敷地を譲ることになり閉店。すぐ隣に「オークワ田辺東山店」となり移転したが、「オーシティ」という名前はなくなった。
また、ナショナルトラスト運動の先駆けとなった天神崎がある。武蔵坊弁慶(確定ではないが、旧田辺市はとにかく弁慶推しである)、合気道の始祖、植芝盛平の生誕地としても知られる。山間部は梅と備長炭(発祥地もある)で知られるが、みかんやスモモも特産。また、鈴屋のデラックスケーキは知る人ぞ知る名物土産。磨崖仏がある奇絶峡は紅葉や川遊びの名所で、峠を登ると旧龍神村につながる。
旧田辺市以外の部分は自然に囲まれている…というか自然しかない。キャンプ場や温泉、滝などが点在し、それらをめぐるのもいいだろう。ただし道路はいわゆる「酷道」も多い。旧中辺路町は世界遺産の熊野古道で一躍脚光を浴びることになった町であり、沿線の国道311(通称サンピンピン)は綺麗に整備され、なかへち美術館や熊野古道館、観光用の施設や宿泊施設(民宿など)も大幅に増え、賑やかになった(だが、人口は減った)。有名な滝尻王子や牛馬童子像、野中の一方杉などがあり、国内だけにとどまらず、海外(特に欧米)からのハイカーも多い。旧本宮町には熊野本宮大社があり、参詣道も含めて世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」となっている。その影響で、この周辺だけ異様に道路が立派。白浜、勝浦、龍神と並ぶ温泉地としても有名で、つぼ湯の湯之峯温泉、千人風呂で知られる川湯温泉(熱水が湧く河原を区切って温泉を作る)、立派な浴用施設のある渡瀬温泉(わたらせ温泉とも)があり、本宮温泉郷といわれている。ご当地の特産に熊野牛や音無茶がある。
旧龍神村は美人湯で名高い龍神温泉とツーリングとドライブの名所、高野龍神スカイラインで知られ、関西からの観光、湯治客が多い。また、林業が盛んで、木造タワー日本一を謳うごまさんスカイタワーなど木造の建造物が多い。
旧大塔村はかつて林業で栄えた場所。中心地こそR311に面しているが、村の奥地に入っていくとニホンカモシカが棲息する百間山渓谷や青少年旅行村があるなど、深山幽谷の雰囲気を醸し出している(酷道が多いのもここで、古くは全長1.2キロで無灯火な上に、途中まで離合不可能というとんでもない素掘りトンネルもあった)。 - 新宮市
人口2.5万人ちょいで、田辺に次ぐ県南部の拠点。熊野川町を吸収合併。熊野速玉大社の門前町として栄えてきた歴史があり、市名もそれに因む。キャッチフレーズは本州で最も遠い都市であり、大阪へ3時間、名古屋へ4時間、東京へ5時間という自虐的なPRコメントがあった。しかし、いわゆる「陸の孤島」のような環境にありながら紀伊半島南部の中心都市となっており、商圏人口は10万人を超える。そのためショッピングモールが2つもある(オークワの創業の地であり、両方ともオークワである)など、商業が盛ん。見どころとして熊野速玉大社のほか、御神体の巨岩を祀る神倉神社(こっちに対する速玉が新宮の由来である)、貴重な湿地性植物の宝庫である藺沢の浮島(天然記念物)、徳川幕府が唯一公認した徐福伝説にちなんだ徐福公園などがある。
旧熊野川町は過疎化著しい山間部の林業の町で、熊野川伝いに奈良県と三重県に挟まれた飛び地が存在する。そこに、ウォータージェット船による渓流めぐりで有名な瀞峡(瀞八丁)があり、格別の美しさを見せる。また、旧熊野川町にも玉置口村という飛び地村があった(人口は16人で、日本一人の少ない村というPRも)。
なぜか(というかおそらくプレイヤーに紀伊半島南部も回らせてマップ上に存在感のないエリアをなくすためであろうが)桃太郎電鉄シリーズにおいては「目的地」の常連となっており、物件駅では「さんま寿司屋」「めはり寿司屋」や「ヨシノスギ林」などが買える。だが、おそらく市内で一番人気の高い店は、ここでしか買えない鈴焼の店か、かき氷の店である。日本一長い路線バスはここから近鉄大和八木まで走っている。大阪駅へは特急くろしおの他に特急ひだと近鉄特急を松坂で乗り継ぐルートも有効。西牟婁郡
- 白浜町
全国的に高い知名度を誇り、牟婁の湯で知られた日本三古湯、白浜温泉がある。自他共に認める県内最大の観光地で、日置川町を吸収合併。パンダで有名なアドベンチャーワールド、国内有数の海水浴場、白良浜海岸、白浜温泉をはじめ、三段壁、千畳敷、とれとれ市場など大阪・京都などから多くの観光客が押し寄せる観光スポットが集まっている。夏季は白浜への観光客で高速道路が超渋滞する。かつては国道42号線の渋滞もひどかったが、自動車道の延伸により、大幅に緩和された。特急くろしおも大半がこの白浜までの乗客である。また、中国を除いて世界で一番パンダが多い町であり、パンダのまち白浜をPRしている。また、クエ(養殖法の確立により安定供給を図れるようになったため)やイセエビが名物となっている。
この白浜市街をひたすら南下していくと海沿いに椿という寂れたもう一つの温泉地がある。ここにそびえるプレジデント椿は県内最高層のビルであり、突如として見えるその姿は、実に異様威容である(山形のアレ的意味で)。「椿はなの湯」という道の駅には源泉掛け流しの日帰り温泉施設があり、観光客や地元の人に人気がある。
他にも観光スポットは多数あるので詳しくはぜひこちらのサイト等を参考にしていただきたい。
県内唯一の空港・白浜空港がある。96年に新滑走路が完成し、ジェット機が離発着できるようになった。現在羽田空港との定期便が就航しているため、白浜周辺は大阪より東京の方が「近い」。旧滑走路のそばにある廃墟(通称ブラックビル)は廃墟マニアと近所の小学生を魅了してやまない。
旧日置川町はテニスと鮎の町を標榜しており、県内最大のテニスコートが自慢。また、県内屈指の清流といわれる日置川は鮎釣りが盛んなほか、鮎養殖も行われている。内陸には川添茶や梅の産地がある。かつては原発建設問題で採り上げられた地でもあり、交付金の誘惑を振り切った町長の英断が語りぐさとなっている。その、建設予定地だった沿岸の志原海岸は、ご褒美として志原千畳敷という国立公園の景勝地に昇格している。
サブカルチャーの分野では、木村拓哉主演のドラマ「GOOD LUCK!!」のキスシーンが実はハワイじゃなくてこの町の白良浜で撮影されていたり、ねこねこソフトのゲームおよびトライネット制作のアニメ「ラムネ」の背景モデルに白浜町や串本町潮岬周辺の風景が使われていたりすることが知られている。 - 上富田町
過疎の進む和歌山県では希少な、人口が増加傾向にある町。
日本一デカイだるまがある興禅寺(通称・だるま寺)や救馬渓観音、稲葉根王子跡(地味に世界遺産)などがある。ひょうたん、ウメ、ミカンが名産。坂本冬美の出身地。観光地に乏しい地味な存在だったが、日本陸連公認の紀州口熊野マラソンは自然豊かな熊野古道近辺を走ることができる(ついでに、マラソン難民にも優しい)と評判になり、参加者県内最大の規模(参加者の半数以上が県外のランナー)の、町を代表する一大イベントとなっている。町が内陸部にあるため人口は増加傾向にある(周辺市町からの移住者も多い)。また、かつては衣服に取り付けるボタンが地場産業として有名だったが、今日ではすっかり聞かなくなってしまった。
食料品・日用品スーパーの激戦区である。主だった所を挙げても、「Aコープ紀南APIA店」「バリューハウス富田川店」「こーなん産直館」「スーパーセンターオークワ上富田店」「エバグリーンプラス上富田店」「業務スーパー朝来駅前店」「松源上富田店」と非常に多い。松源などはエバグリーンのすぐ隣に進出しており、完全に喧嘩を売った格好である。さらに「よってって」が2024年にオープン予定…上富田にはスーパーを引き寄せる何かがあるのだろうか。 - すさみ町
漁業が盛んな海岸線沿いの町。小説で有名な枯木灘海岸には岩礁が多く、荒々しさはあるものの南国らしい明るい海が特徴的。格好の地磯が掃いて捨てるほどあり、渡船事業者も多く、関西一円の太公望が訪れる釣りの聖地。町も釣りを売りとしており(昔のキャッチコピーが「イノブタと釣りの町」)、フィッシング大会なども行っている。世界初の海底ポストというものがダイビングスポットにあり、ギネスブックにも載っている。イセエビの水揚げ量は全国有数(全国一だった年もある)で、近年観光客を呼び込むためイセエビ祭りを行うようになった。また、カツオ漁も盛んでケンケン鰹はブランド鰹として高値で取引される(町の魚も鰹である)。
エビとカニの水族館がある。イノブタ(イノシシとブタのハーフ)発祥の地で、町の南側にはイノブータン王国という施設があり、かわいらしいイノブタたちのレースも開催されていたりしたのだが、自動車道の延伸により国道沿いの交通量が激減、無期限休業してしまった(施設閉鎖後は町内イベントの出し物として開催されている模様)。
なお、ニコニコ動画でも一時期人気だった「Myself;Yourself」においてはこの町がモデルとされた町(劇中ではW県桜乃杜町)が舞台になっており、この町の実在の風景からトレースしたと思われる背景もいくつか存在する。東牟婁郡
- 串本町
台風中継でよく映される潮岬がある本州最南端の町で、古座町を吸収合併。一帯の海はテーブルサンゴ群の世界北限の地として知られ、ダイビングなどのレジャーに訪れる人も多い。観光名所に本州最南端で潮岬灯台が美しい潮岬と初日の出には野宿客でいっぱいになる望楼の芝、弘法大師が橋をかけたという伝説が残る橋杭岩などが有名。また、沖には「大島」があり、串本大橋で接続されている。ここは串本節で知られるほか、1890年に起きたトルコの軍艦・エルトゥールル号の遭難事件で有名でトルコ記念館やエルトゥールル号遭難事件碑、知る人ぞ知る景勝地、海金剛などがある。周辺のマグロに対抗してか、しょらさん鰹という新鮮なカツオを名物にしていたが、最近では近畿大学水産研究所が全身がトロのようであると評されるマグロ(いわゆる近大マグロ)などの養殖をおこなっており、潮岬にこれを食べることができる施設がある。ちなみに旧古座町地域は明石家さんま生誕の地であり、熊野水軍の拠点として知られ、海霧の名所としても名高い田原海岸や海岸線が美しい荒船海岸がある。また、ポンカンやイチゴも特産となっている。 - 古座川町
紀伊半島南端の内陸部にある町。町の中心集落から海岸まで1kmほどだが海には接していない。町域の9割を山林が占め、林業や製材業が盛んだった。今日では自然を活かしたユズと鮎と蜂蜜が特産品で、平井地区は本州随一のゆず産地として知られる。また、古座川上流の集落はゴーラという木をくり抜いてニホンミツバチの蜜を集める、蜂蜜採取の発祥地ともいわれ、玉川大学とも提携している。観光資源では、日本最大の岩盤である一枚岩や虫喰岩、本州屈指の清流ともいわれる滝ノ拝など奇岩景勝の宝庫で、日本ジオパークにも選定されている。なお、江戸時代末期は上質な炭づくりが大変盛んで江戸や上方の台所燃料をこの町の地主がほぼ独占供給していた。耕地面積が少なく普通だったら最貧地域になるような土地なのに、現代で例えるならば東京ガスと大阪ガスを同時に支配してるようなウハウハな状態だったという(だが、潤っていたのは港の権力者だけであったそうな)。 - 那智勝浦町
白浜温泉と並ぶ大温泉地、勝浦温泉の拠点。山沿いの那智地区と海沿いの勝浦地区に分かれる。山間部の那智地区には熊野三山の一つ「熊野那智大社」や日本一の落差を誇る「那智の滝」、熊野古道の大門坂などがある。沿岸の勝浦地区は勝浦温泉で知られ、「紀の松島」という大小130の島々が点在する景勝地もあり、その中の島の一つ「ラクダ岩」の対岸には「ラクダの湯」という船でしか行けない絶景の温泉(露天風呂)がある。知名度は低めではあるが那智の滝と合わせてぜひとも訪れていただきたいスポットである。勝浦漁港では生鮮マグロ漁も盛んで近畿全体や日本全国に高級生マグロを出荷する代表的な漁港となっている。尚、この勝浦という地名は房総半島の勝浦(白浜もそうらしい)と関係が深いようである。平家の落人伝説がある色川地区で作られる色川茶は本州最速の早摘み茶として知る人ぞ知るブランド茶であり、国内で最も遠い富士見峠(富士山が見える最遠の地)がある。syamuさんが家族旅行で訪れた「ホテル浦島」はこの地にある。 - 太地町
捕鯨の町として有名。超ちっちゃい。町の境は那智勝浦町にしか接していない。太地町立くじらの博物館や、なぜか落合博満野球記念館と落合家の別荘がある。また、鯨の陰に隠れてあまり知られていないが、県内有数のポンカン産地でもある。調査捕鯨の基地があるため、規制を逆手にとって鯨料理を名物としていたが、シーシェパードによる活動や、ドキュメンタリー映画「ザ・コーブ」がこの町で勝手に盗撮され各国で勝手に上映されたことなどによって欧米などからの風当たりが強くなった時期があった。その後、内外有識者の紹介や説得などにより鯨食文化は多少認められるようになってきたものの、今度は水族館のイルカ追い込み漁をめぐって雲行きがまた怪しくなっている。コルセットや燃油のために濫獲した毛唐なんかに言われる筋合いは全くな…おや、こんな時間にだ - 北山村
奈良と三重に囲まれた日本唯一の「飛び地」の村で、3つの日本唯一がある村と標榜していた。平成市町村合併で太地町と同じく合併せず、県内唯一の村となった。主な産業であった林業で和歌山県新宮市とのつながりが強かったため、和歌山県に属することになったと言われる。
世界でも北山村でしか生産されなかった(近年は他の自治体や他県でも生産されるようになっている)さわやかな酸味が特徴的なかんきつ類の「じゃばら」が特産品で、最近では花粉症に効く作物であると言われ(元々は愛飲者の口コミから広まり、色々な大学から研究成果も発表された)、楽天市場などを通じて年間2億円以上のじゃばら製品を売り上げるまでになり村の基幹産業となっている。
じゃばらで儲けることになったため、その反動で観光開発にはやや消極的になっている。だが、熊野川を筏で下る観光筏下りはスリル満点の体験型観光として人気が高い。しかしながら、アクセスルートを酷道に阻まれるなど交通アクセスの悪さは相変わらずであり、そのため過疎化に歯止めが掛かっていない。
和歌山県のみかん
和歌山県は紀國屋文左衛門の活躍した時代から栄えたミカン産地であった。その後は台風の影響によって産地が壊滅し静岡県に抜かれ、愛媛県に抜かれなどしたが、2004年より再びミカン1位に返り咲いた。…なのだが、どうも一部の地方では和歌山県がみかん産地であることを知らないようである。
それもそのはずで、首都圏に出回っているみかんのうち、和歌山県産のみかんはわずか10%であった。愛媛県、静岡県、そして長崎県、熊本県などの九州産が大半を占め、和歌山県産はごく一部のブランドみかんが出回っているに過ぎない。逆に近畿、そして北海道や新潟などでは和歌山県産が半数以上を占めており、ライバルである愛媛産や静岡産を寄せ付けていないのだが、これでは愛媛県がみかん県とイメージ操作PRされても仕方ないところである。でも、和歌山は柿もあるし、梅もあるし、他にも種類豊富で果樹全体で全国1位を争ってるから別にいいもんねー。
また、有田みかんについて補足したい。有田みかんを作っているのは有田市だけではない。有田郡に属する湯浅町、広川町、有田川町の3町も有田みかんを名乗れるのである。また、そこから有田市の新堂みかん、湯浅町の田村みかん、有田川町の田口みかん、賢みかんなど個別の地名で宣伝しているブランドもある。また、有田では主に11月~12月頃に出回る。
逆にそれ以外のみかんが有田みかんを名乗ることは許可されていない。有田地方とは無関係なのに名乗るのは産地偽装の犯罪である。今日では産地は明確表示することが義務付けられているのにかかわらず、和歌山市の某ホームセンターで有田みかんの空箱を売っていたことがあり、事実何枚か売れていたという問題も発覚している。
こんな事件もあるように、和歌山県でみかんを生産している自治体は実に半数以上を占めている。戦前から続く蔵出し貯蔵みかんで知られる海南市下津町の下津みかん、田辺市、上富田町のJA紀南管内の紀南みかんはまだブランドを確立しているが、残りの和歌山市、紀の川市、由良町、日高川町などの産地は一部の個人流通ブランドを除いて軒並み和歌山みかん(管轄JAで産地が分かる)として売り出している。そして、紀ノ川沿いに分布する和歌山みかん産地の多くは極早生や早生種であり、酸味が強めのものが多く、9月下旬頃から11月頃ぐらいに出回る。そこから是非偽装を暴いて欲しい。
今後の品定めの時に是非参考にしてほしい。
つまり、時期が違うのに有田みかんで売ってるような業者は疑った方がいいってことだよ。
和歌山県のテレビ局
NHK総合・Eテレ及び近畿広域圏の民放テレビ局(MBS毎日放送・ABCテレビ・関西テレビ・読売テレビ)の地上波受信が可能。地方の割にはテレビチャンネル数は充実しており、受信可能な深夜アニメも多い。
また県南部や難視聴地域限定で受信可能なケーブルテレビ局も存在する
和歌山県のラジオ局
和歌山県の主な企業
- 岩谷自動車 - 和歌山テレビ名物のあの真っ黒CM。これは故障ではありません。今は会社は残ってるけど、CMはやってない。
- フォーユー - 旧みその理美容。ナイトスクープにも登場した、あの和歌山弁のCMで有名に。ちなみに、あのCMは和歌山人でも意味が分かる人はほぼ皆無である。なお、和歌山弁については次項で。
- オークワ - 地元GMSだが、関西一円に進出を果たした。イオンをほとんど寄せ付けなかった立役者。CMソングは歌える人は歌える。
- 松源 - かつての評価とは裏腹に、宮崎に自前の農場を持ち、肉質の良さで巻き返した地元GMS。CMソングは県民ならほぼ誰でも口ずさめる。
- 廣甚 - ドラッグストアやスーパーエバグリーンを経営する企業。大阪にも進出している。CMソングというかCM自体見たことない。なお、地元湯浅近辺にはエイトマートンというコンビニがある。元々セブンマートンという名前だったが、某店舗からクレームが入り、今の名前になったそうな。焼肉屋なども経営している。
- 島精機 - 縫い目がないニット製品をつくる技術「ホールガーメント」で世界的に有名。エルメス、グッチといった世界的なトップブランドも顧客に持つという、知られざるスーパー企業。
- ノーリツプレシジョン - ノーリツ鋼機の写真事業を置き去り独立。銀塩写真時代は一世を風靡したが、斜陽産業といわれ久しい。近年は富士フィルムとタッグを組んで医療事業も手がけている。
- ゼネル薬化工業 - リココデという合法麻薬風邪薬で有名。
- ハグルマ - 地ソースメーカー。大阪で作ってた三ツ矢ソースもここで作っている。
- 九重雑賀 - 世間だと地酒メーカー(dancyuなどにも載った「雑賀」が有名)だが、地元では酢の方が有名である。
- 丸長 - ある世代を境に、海鮮料理屋かホームセンターかで意識が分かれる。ちなみにホムセン事業は黒字のうちにコーナンに売却している。
- 湊組 - 思わずCMを口ずさんでしまう和歌山市の総合商社。そして、どっちを口ずさむかで年代が分かってしまう。
- 酒直 - 同じく思わずCMを口ずさんでしまう和歌山市の総合商社。
その他
- アドベンチャーワールド - 白浜町にある、特にパンダとテーマソングが有名なテーマパーク。経営母体は大阪。
- オークワからのごあいさつ - オークワのCMソング。あなたのまちーのオークワー♪
- シーシェパード - 太地町で抗議活動を行う反捕鯨団体・エコテロリスト。県民の敵。
- とれとれ市場 - 白浜町にある海鮮市場で観光地。なぜかテーマソングのフルバージョンが動画にある。
和歌山弁
よくメディアなどでは和歌山が出てきた場合、なぜかどぎつい大阪弁を喋ってることが多い。…だが、本物の和歌山弁は大阪弁とは似て非なるものであり、少しは場所を考証してほしいものだと声を大にして言いたい。そんなわけで、誰得な和歌山弁講座を残しておきます。
なお、ここで紹介しているものは和歌山市を中心とした紀北地方の喋り方である。紀南地方ではまた違う喋り方をするので、考証の際は配慮していただけると幸いである。
- ざ行が苦手で、だ行になる。
有名な特徴で、たとえば地蔵(じどう)、風向き(かだむき)、全然(でんでん)などと聞こえることが多いらしい(別に、そのように喋ってる自覚はないのだが) - ら行が得意なので、巻き舌になる
有名な例として、体(からだ)がなぜか”かだら”となり、さらに”からら”となる場合も。他にも語尾にら行を用いることが多い。「はよ、行こら」(早く行こうよ)、「もう、しちゃーら」(もう、してしまいました)などと使う。 - まれにバ行がパ行になる
かなりの年配の人はバスのことをパスということがある。バス停ならばパス停となる。 - 「ある」と「おる」の使い分け
世間では「ある」は物に対し「おる」は人に対してですが、和歌山弁では逆になります。「おー、じーさんあるか?」「今ないで」「でも、そこに履物おるで」…どうしてそうなった
その他の特徴的な和歌山弁
- わえ …儂、俺。大阪弁ならばワイ。主に年配の男の人が使うことが多いが、まれに中学生ぐらいから使う人も。ちなみにフォーユーのCMの最初の言葉は「わえの和歌山弁行くど!」であり、ワイではない。
- おいやん …おじちゃん、おっちゃんのこと(おっさんとは違い、親しみを込めた表現)。かつて地元出身の垣内哲也選手の愛称として付けられ、ニュースステーションの久米宏が「”おいやん”ってどういう意味なんですかね?」と真顔でコメントを返したそうな。また、おばさんはおばやんと言うこともあるが、おいやんほど頻度は高くない。
- しやな、しやんと …しないと。動詞の連用形+やで、すべきという義務の表現となる。「はよしやなあかなしてよー」(早くしないと駄目じゃないか)。これを発すると地元の人は「あ、この人和歌山の人や」と100%わかってしまいます。
- ~らして …~じゃないか。~やんと と並ぶぐらい特徴的な和歌山人の語尾。「もう行かなあかなして」「もう食べてらして」という風に使用するが、決してマダムな言葉じゃない。
- おなかおっきい …お腹いっぱい。間違っても他地方出身の女性に向かって「お腹おっきなったなー」(本意はお腹いっぱいだよねーという意味)とか言わないように。機嫌を損ねたあと、ビンタが飛んできます。
- つんでる …混んでる、特に道が渋滞している様子のこと。決して人生が詰んでるわけではありません。「道つんでるなー」(道混んでるねー)
- よばれる …ごちそうになること。これは大阪でも使うようだ。
- せったろう …背負うこと。これは他にも使う地区がある模様。
- にえる …打ち身などで皮膚が青くなること。「膝打ってにえちゃーら」(膝を打って青くなってるね)
- 気遣いない …気にしないでいいという意味。これは他地方の人には全く通用せず、余計に相手の気を遣わせてしまう発言になるので注意。
- ほや、ほいだら …そしたら。いわゆる大阪弁の「ほな」と同意。「ほや、そうしょうか」
- てき …お前、”てきら”でお前ら。特に目上の男の人が、目下の人に使う言葉。紀北あたりでしか通用しない。「てきらまだ帰らへんのか」
- あが …君(きみ)、あなた、自分。「あがのことばっかり考えてへん?」。また、「あがだけ」で自分本位、自分勝手のことを指す。「おまえ、あがだけやな」(あなた、自分勝手ですよ)
和歌山弁をもっと知りたいなら、和歌山弁をラップで歌ったご当地ソングがあるので、それを聴いてみるといいかも。ちゃーる、ちゃーらー、ちゃーれすと!
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