概要
1999年12月6日発売の構築済みデッキ「EX」の遊戯デッキの1枚としてOCGに登場。
通常罠 このカードを発動したターン、相手モンスターから受ける 全ての戦闘ダメージは0になる。 このターン自分のモンスターは戦闘では破壊されない。※遊戯王カードWiki より引用
遊戯王OCG初期から存在する代表的な防御罠のひとつ。
自分の戦闘ダメージを0にしてしまうので実質戦闘が無意味になるといえる。
ほかの汎用性の高い防御罠である「攻撃の無力化」や「威嚇する咆哮」と比べると、自分へのダメージや戦闘破壊こそないものの、戦闘は一応行っているという点で異なる。これに関してはメリットもデメリットもあるので、一長一短である。
- 相手の攻撃力がこちらより下回っている場合はそのまま戦闘を続行しダメージを与えられる。
- 戦闘ダメージこそないが、戦闘は行っているので、戦闘を行うことを条件とするカードの効果を発動できる。
- (「攻撃の無力化」と比べて)発動タイミングの指定がない(フリーチェーン)ので、「サイクロン」などで破壊されそうになっても無駄にならない。
- 相手は通常通り戦闘破壊されるので、わざと戦闘破壊されることで効果を発動する、いわゆる自爆特攻を防げない。
- 相手の戦闘時、戦闘を行ったことを条件に発動する効果も発動できてしまう。
- (「攻撃の無力化」と比べて)「王宮のお触れ」で無効化される恐れがある。
多少の違いはあるが、あまり意識するほどのものでもなく、どちらも防御罠としては有用なので、デッキタイプや好みで選択するのが良いだろう。
余談~戦闘ダメージについて
初期のテキストには後半の「このターン~破壊されない。」の一文が無かったが、「ストラクチャーデッキ-守護神の砦-」に再録された際に追加された。
なるほど、そこで戦闘破壊されない効果が追加されたのか、と思う人もいるかも知れないが、実際は登場時点でも戦闘破壊はされなかった。
どういうことだ、まるで意味が分からんぞ!となるかもしれないが、秘密は全ての戦闘ダメージは0になるの部分にある。
戦闘ダメージというのは、プレイヤーに対してだけのものと思うかもしれないが、実はモンスターに対しても戦闘ダメージがある。モンスターが戦闘破壊されるというのは、つまりそのモンスターが自身の攻撃力or守備力以上の数値の戦闘ダメージを受けているからなのである。
したがって、「和睦の使者」のテキストの「全ての戦闘ダメージは0になる」は、モンスターに対しての戦闘ダメージも0になる(もちろん、プレイヤーに対しての戦闘ダメージも0になる)ので、モンスターは戦闘破壊されないのである。
また、このことから「モンスターの受ける戦闘ダメージを0にする。」効果は、プレイヤーの戦闘ダメージまでは防げない。この効果は、「戦闘では破壊されない。」とほぼ同義である。
さらに、「プレイヤーへの戦闘ダメージを0にする。」効果は、モンスターの戦闘破壊は防げない。
公式ルールブック バージョン1.0(外部リンク)のP.54、戦闘ダメージの項でも、「~プレイヤーやモンスターへのダメージを指します。」と書かれている。
だが、こんなことを言ってもぴんと来ない人は多いだろうし、実際にこのカードの効果を勘違いして使ってしまう人も多いということか、後に「このターン~破壊されない。」の一文が追加された。
勘違いを防ぐために明文化した、という点では非常に良いことなのだが、このことによって別のカードにおいて誤ったプレイ(ルールの勘違い)を助長してしまう可能性もある。
例えば、「ホーリーライフバリアー」のテキストは「~相手から受ける全てのダメージを0にする。」なのだが、これは「モンスターへの戦闘ダメージも、プレイヤーへの戦闘ダメージも、効果によるダメージも、全てを0にする」という意味である。要するに、モンスターは戦闘破壊されない。
だが、「和睦の使者」には「全ての戦闘ダメージは0になる。」と書かれた後に「このターン~破壊されない。」とあるため、「『和睦の使者』のテキストにはダメージが0になることの後に戦闘破壊されないことが書いてあるけど、『ホーリーライフバリアー』のテキストにはそういったことは書いてないし、戦闘破壊はされるんだな」といった勘違いが起きてしまう。
この場合悪いのは、ルールを勘違いしているプレイヤーか、それともややこしいテキストを書いたOCGスタッフか。
アニメでの活躍
実はアニメDM版「決闘者の王国編」で杏子が孔雀舞とのデュエルで使用している。
「ハーピィ・レディ」の攻撃に対して発動された。
原作やアニメでの登場はこれっきりである。やはり汎用性の高いカードがあまり使用され過ぎるとつまらないということか。
和睦でおk
ニコニコ動画の遊戯王関連の動画などで時々目にする言葉。要するに、そのカード使うくらいなら「和睦の使者」使えば良いじゃん、ということである。
そのカードの例としてはアニメ5D'sで遊星が使用した「アイアン・リゾルブ」や、ZEXALで遊馬が使用した「ハーフ・アンブレイク」など。
「アイアン・リゾルブ」の前半の効果は自分のライフポイント半分のコストで発動ターン中の戦闘ダメージを0にする。ただしモンスターの破壊は防ぐことができない。しかし後半にバトルフェイズを終了させる効果を持っており、追撃による他のモンスターの破壊を防ぐことができる。
「ハーフ・アンブレイク」は対象が1体に限定されているほか、プレイヤーが本来の半分であるが戦闘ダメージを受けてしまう。ただし、「ハーフ・アンブレイク」は後に相手モンスターも効果対象にできるように効果が改変され、一応こちらとは違う使い方ができるようになった。また、後々に登場した「BK ベイル」のようなモンスターを多用している場合は、「和睦の使者」より「ハーフ・アンブレイク」などを使用したほうがいい局面もある。
アニメでは既存のOCGカードに劣る防御カードが使用されることも多く、そのような場面では「和睦でおk」や「(攻撃の)無力化でおk」などと言われることがある。
確かにその通りなのだが、あまりそのようなコメントや書き込みが多いと、さすがに鬱陶しくもなるので、状況を考えてコメントしたほうがいいだろう。
その下位互換カードを使っているのは、使用者が「和睦の使者」を持っていないからかもしれない。拾ったカードでデッキを組んでいる遊星などであればある程度納得がいくし、そもそも向こうの世界では「和睦の使者」はレアカードなのかもしれない。
その場合、なぜ杏子が使用していたのかという疑問が残るが。
実際には、ライフを減らしてピンチを演出したり、その後のデュエル展開の都合をつけるため、といったところだろう。特にアニメZEXALの九十九遊馬の場合、「CNo.39 希望皇ホープレイ」のようなライフが減っていないければ使用できないカードもあるため、それらのためにあえてライフを減らす戦術をとっていると考えられる。
また、どのデュエリストも同じカードを使用しているより、各プレイヤーがそれぞれのイメージに合ったカードを使用した方がいい、というのもあるかもしれない。
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関連項目
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