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喀血(かっけつ)とは、内臓が傷ついたとき噴き出した血を、口から吐きだす症状である。
ここでは、同じく口から血を吐くけどちょっと違う症状の吐血(とけつ)も合わせて解説する。
概要
病気や怪我などによって内臓に裂傷ができたとき、そこから流れ出した血が喉を登って口から出る、とってもわかりやすい体調不良のサインである。「喀血」と「吐血」は口から血を吐くことは変わりないが、出血の箇所、ひいてはその病原に違いがある症状である。
- 喀血 - 肺や気管、気管支といった呼吸器系からの出血。おもに結核や肺癌、気管支炎、気道の裂傷などが原因。酸素を豊富に含んだ鮮血色の血液を吹きだす。咳きこんで血を吹くのは基本的にこちらで、血の混じった痰を吐くことも。
- 吐血 - 胃や食道、十二指腸といった、消化器系からの出血。おもに胃潰瘍や胃癌、食道炎などが原因。胃酸の影響で黒ずんだ血を吐き出す。吐瀉物(ゲロ)と一緒に吐き出す場合も。下血(血便)も併発しやすい。
病気以外にも、外傷によって内臓が傷ついた時にも喀血・吐血する場合がある。しばしばバトル漫画などで軽いダメージ表現として吐血が出るが、現実では吐血するほどの怪我は結構ヤバい代物である。
実際に急な喀血・吐血をした場合は、血で気道が塞がれないように応急処置をしてやる必要がある。出血量によっては失血死する場合もある。いずれにせよ重病の兆候である可能性があるので、もし咳きこんで血が出たら呼吸器科へ、血ゲロを吐いたら胃腸科へ行こう。
表現としての喀血・吐血
「ガハァ!」「血を吐いた!」「右京さんが血ぃ吐きよったで!」
昔から創作物において、喀血・吐血は身体的ダメージの表現や、病弱さを表す記号として度々使われてきた。とりあえず口から血が滴り落ちていれば「ああ、結構なダメージなんだな」とわかり、時折咳き込んで赤いものが見えれば「ああ、こいつ永くないんだな」とわかる、とっても便利な表現である。多少無理のあるシチュエーションの吐血でもあまりつっこむ人がいない、という点でも便利。
もちろん創作物では現実に起こり得ないような状況での吐血などもあるが、転じてギャグの表現として使われることもある。以下、よくある表現。
- 腹部にダメージを受けて吐血 - 重い一撃を受けて「グハァ」と血を吐く、バトル漫画必須の表現。前述の通り、現実的には重傷だが、漫画だと軽いダメージでも簡単に吐血する。
- 毒物を飲んで吐血 - ミステリー物でありがち。実際にも、内臓にダメージを与えるような劇物を飲むと吐血する可能性がある。即死するような毒ならなおのこと、内臓を傷つけている可能性が高い。
- 精神的ダメージから吐血 - 「天はこの世に周瑜を生みながら、なぜ諸葛亮をも生んだのだ → ぐはっ」…は極端な例として、精神的なストレスから胃粘膜がやられて出血、吐血することは実際にある。
- 病死の前兆 - 歴史ものの病死で退場する人物にありがち。最初は時折咳き込むようになり、その後血を吐いて、床に伏せって帰らぬ人となる、までが一連の流れ。沖田総司や正岡子規のように実際に喀血したことが記録されている人物もいるが、創作ものでは誰彼構わず、また死因に関係なく喀血しがち。
中には吐血にロマンを感じたり、吐血に萌える人もいるとかいないとか。
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関連項目
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