四乃森蒼紫(しのもり あおし)とは、和月伸宏の漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物である。
概要
- 年齢:1853年1月生まれ(本編時点で24歳)
- 身長:182cm
- 体重:72kg
- 血液型:A型
- 出身地:東京
- 装備:小太刀(のちに二刀流へ移行)
- 流派:御庭番式拳法術・小太刀術
- 好物:茶の湯、瞑想
- 苦手なもの:酒
15歳で隠密御庭番衆の御頭の座についた天才隠密。大政奉還の後、明治政府は四乃森蒼紫だけ要職を用意したが、部下(般若、火男、式尉、癋見)のために職を蹴ると、戦いへ身を投じるために放浪を続ける。
衣装は、『京都編』までは紫の忍者装束の上にコートを着用していたが、『人誅編』では黒装束を着用している。明治16年を描いた『春に桜』ではスーツを着用している。
隠密として幼少時から鍛錬を重ねている事もあり性格も常に冷静沈着で、基本的に無口かつ無表情。表情(微笑など)を湛えたのも、全編を通しても数回しかない。だが表面上通り冷酷な人物かというとそのようなことも無く、自らを守って散っていった部下達に対する言動から解るように情には熱い。
なにより、「るろうに剣心」作中でも屈指の美形キャラとして、作中の女性達のみならず読者からの人気も高い。
剣心の事も当初は「御庭番衆が最強の座を手にするべく、倒すべき敵(=伝説の人斬り)」でしかなかった。 しかし、京都編での決着を通して後述するように剣心に手を貸すようになっていく。
初登場時(3巻・東京編)は武田観柳に雇われた用心棒として剣心の前に現れる。そしてデコも広かった。
だが般若達共々剣心との戦いに敗れ、さらには観柳の裏切りで4人の部下を全員失ってしまう。
やがて「京都編」で再び登場、自らを守る為死亡した部下たちの墓の前で(最強)の2文字を添えるため、「人をゴミ同然に切り捨てるところが特に気に入った」と自らを評した志々雄真実と同盟を組み、自らを倒す覚悟を決め決闘を挑んできた翁を返り討ちにすると、志々雄のアジトで剣心と再度交戦。
その最中、剣心の刀を交えながらの説得の末に御庭番衆御頭としての誇りを取り戻し、再び敗北。
そして志々雄真実との最終決戦では志々雄に倒された剣心、斎藤一、相楽左之助・・・ もはや勝ち目がないと思った時、「いや、止めも、勝利の余韻も、まだ早い」と蒼紫が手負いの状態のまま割って入り、剣心復活までの時間稼ぎのため志々雄に勝負を仕掛ける。その結果、剣心達の勝利に少なからず貢献してみせた。
最終的に剣心が操と約束した通り蒼紫は剣心と共に葵屋へと帰るが、様々な出来事が去来した経験から葵屋へ戻って以降は単身、座禅を組み瞑想の中で自らの真に進むべき生き様を模索する日々を送る。
京都編に続く「人誅編」でも引き続き操と共に登場した。薫が死亡(実際には縁に拉致されただけだが)した後の展開において、剣心の復活や薫の死を巡る真実の解明などにおけるキーパーソンとなっている。
先の瞑想の日々を経て「御庭番衆最後の御頭として、最後を締め括るべく外法の悪党を外法の力をもってさらなる闇へと葬り去る」信念に目覚めた彼は精神的に大きな飛躍を遂げており、その力をもって外印や黒星の部下・朱雀を倒すという活躍ぶりを見せた。(外印からは、上述の精神面の成長ぶりから「志々雄のアジトで見た蒼紫とは、まるで別人のように強くなっている」と評されている。)
全ての戦いが終わった後は葵屋の本来の業務である「料亭の主」としての日々を送っており、剣心共々戦闘からは身を引いている。
「北海道編」では剣心が召集をかけようとしたが、翁曰く「身内の不始末」による任務中で即時の召集はかなわなかった。
実写映画版では、第2作から登場し、原作版の初登場にあたる第1作の観柳編には登場しなかった。江戸城無血開城の際に御庭番衆の存在を秘匿し口封じする為に味方のはずであった幕府に仲間を全滅させられた、ということになっており、原作漫画では特に描かれなかった「2本目の小太刀」の出所も、この襲撃戦で息絶える隊士から託された一振りであるという事が明らかになっている。
志々雄とは同盟を結ばず、一匹狼として最強の証明のために剣心を執拗に狙い続ける修羅として描かれ、高荷恵との出会いも、観柳邸での出番が無かった関係から、左之助との野試合の喧嘩の仲裁に現れた彼女と2,3言交わしただけであった。
第2作終盤で念至に瀕死の重傷を負わせ、なおも剣心を狙い続ける。
第3作では、剣心が通る道を先読みし、遂に直接対決に至るも、九頭龍閃を受けて敗北。その後手負いの状態で煉獄に現れ剣心たちに加勢し、志々雄と戦っている。
第4作では演者が大麻で逮捕された影響か、剣心と再会することもなく、序盤で一般市民を庇って重傷を負った後に退場してしまった。
名前の由来は、新潟県長岡市・悠久山の蒼柴神社一辺を指す地名「蒼柴の杜(あおしのもり)」からと言われている。人物像としてのモデルは新選組副長の土方歳三。
担当声優・俳優
- 安原義人(アニメ第1作及びゲーム作品など、全ての作品で共通)
- 伊勢谷友介(実写映画版「京都大火編」「伝説の最期編」「最終章 The Final」)
- 松下優也(京都編ミュージカル版)
- 内田雄馬(2023年版アニメ)
戦闘術
蒼紫の戦闘スタイル、及び使用技について記述。
小太刀で相手の攻撃を防いで間合いを詰め、拳打や蹴りなどの格闘術「御庭番式拳法」で戦うことを得意とする。
当初は小太刀も一刀流だったが、京都編以降は先代御頭の戦闘スタイルである「小太刀二刀流」を独学で会得したことで、下記に記す二刀流へと移り変わった。
拳法家としての腕前も超一流で、般若に拳法を教えた師匠でもあるため、般若よりも実力は上。
- 流水の動き
- 蒼紫の得意技の1つ。緩急自在に動くことで「動」の動きに慣れた相手を自在に翻弄する。漫画やアニメでは残像を発生して動いたり、複数に分身する描写で表されている。
弱点は、攻撃に移る際に「動」の動きが出てしまう事か。
最初に剣心と交戦した時は、後述の必殺技「回天剣舞」へ移る前動作として用いられていたほか、以降の戦闘でも攻撃を回避するために使われていることが多い。 - 回天剣舞
- 上述の、流水の動きから繰り出す攻撃。逆手に持った小太刀の三連撃。
蒼紫の当初の奥義(必殺技)で、彼に曰く「過去に江戸城へ忍び込んできた賊を、全て始末してきた技」。
剣心の持っていた鞘を輪切りにしてしまう程の威力を持つ。
しかし剣心に対して二度目を放った際、上述の弱点を突かれ破られた。
どうでもいいが、下記の「回天剣舞六連」共々、「回転剣舞」と誤記される事が多い。
小太刀二刀流
京都編以降から蒼紫が使用する、小太刀の二刀流からなる戦闘術。
普段は一本の鞘の両端に二本の刀が納められており、一見すると一本の長刀にしか見えないが一旦抜き放つとその正体は二刀流であった・・・というのは、作者・和月のアイデアからきている。
ちなみに抜刀した後の鞘については、「戦いが終わったら落ちてる鞘を拾いにいきます」との事らしい。何だかカッコワルイなぁ・・・と思いきや、外印との戦闘では鞘もちゃんと戦いの道具として利用している。よかったね。
実写版では、京都大火編のベストバウトとの声も高い念至との戦いの後、確かに2つの鞘を拾っているシーンが描かれている。
- 陰陽交叉
- 二本の小太刀を直角に交差させ、振り下ろす。
防御されても両腕の力で押し切れる構造ゆえ、翁の持つ鋼のトンファーを切断してしまうほどの切れ味を持つ。 - 陰陽撥止
- 二本の小太刀を飛び道具として発射する、飛刀術。前方の小太刀を、後方の小太刀で突きながら飛ばすので二本とも全く同じ軌道で飛ぶ。そのため、後方の小太刀が前方の小太刀に隠れており、真正面から見るとあたかも小太刀が一本しか飛来していないように見える。
二本とも避けられても、蒼紫自身が即座に間合いを詰めて拳法を叩き込む事もできるので、総じて相手の隙が誘い易い。 - 呉鉤十字
- 二刀小太刀を、ハサミのように交差させ斬り付ける。誤報10時ではない。
相手の頚動脈(首元)を狙って繰り出す技と思われ、剣心との戦闘では、この技で剣心の頚動脈を紙一重で切断するところまで追い込み、そして外印との戦闘では紙一重で攻撃をかわした外印の覆面を切り裂き、素顔を露にさせたほど。 - 回天剣舞六連
- 上述の、回天剣舞が二刀流バージョンとして昇華された、蒼紫の新たな奥義。
二刀流から瞬速の六連斬を叩き込む必殺技。最初の一撃目が左右どちらから入るか見切られにくいという強みがある。威力もまた奥義として申し分無く、大木を切り倒してみせたほか翁との戦闘で最初に披露した際は翁を「いつ死んでもおかしくないほどの重傷」へと追い込んだ。(後者については、「蒼紫が無意識に手加減していたお陰で生き延びられた」と評されているため、対人ならば確実に死亡、ないし戦闘不能へと追い込めるだろう。)
もっとも翁戦以降はというと、技そのものが不発に終わったり(VS剣心、VS志々雄)、朱雀との戦闘では技の動き自体をコピーされた結果全く同じ技でうち返されるなど、どこか不遇な感が漂う。
実写版でも翁との戦いで映像化され、彼に瀕死の重傷を負わせ、次作で息絶える直接的な要因となった。
髪型について
初登場時点では前髪がほとんどなく額が丸出しであったが、短期間のうちに前髪のボリュームが増加し、目にかかるくらいの長さとなっている。単行本の原作者のコメントによるとコミックス収録の際に修正も考えたが、『これはこれで笑えるので』そのままにしたとのことである。
明治16年春に剣心たちの元を訪れた際は、髪型自体は変化していないものの後ろ髪が伸びており、伸びた後ろ髪を一本に束ねている。
ニコニコでは
など。
2023年版アニメについて
2023年版アニメ第1期本編では原作に準拠して第1クールのみの出番となったが、第2クールに入るとWeb版予告で活躍・・・するのだが、
- 毒キノコに当たって死にかけ、ツッコミどころ満載の書置きを残そうとする。
- 解毒のため口にした薬草(恐らく効能を知らずに服用している)の副作用で不眠になる。
- 不眠対策として、幕府に仕えていた時代に暗記したという英語をしゃべり出す。
- 毎朝「御庭番衆体操」という謎の体操をしていることをほのめかす。
- 武器の調達ついでに神谷道場を偵察していたら般若たちは覚えてもらっているのに自分のことは忘れ去られていてズッコケる。
といった盛大なキャラ崩壊をさせられている。このWeb予告では剣心や薫といった他の主要キャラクターもキャラ崩壊をしているが、クールでシリアスなキャラクターである蒼紫のインパクトは絶大なものがあった。特に「マイネーム・イズ・アオシ シノモリ」と英会話を始めたときに腹筋崩壊した視聴者も多いとか。ちなみにこの予告は、本編の内容にまるで触れていない。
余談だが、2023年版アニメで蒼紫を演じた内田雄馬は、同じクールで放送されたMFゴーストでも英会話の多い主人公を演じている(イギリス出身のハーフ)。
- TVアニメ「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」web予告|第十七話「決着」
- TVアニメ「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」web予告|第十八話「左之助と錦絵」
- TVアニメ「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」web予告|第二十話「明治剣客浪漫譚 第零幕 前編」
関連動画
ニコニコRPGでもボスキャラとして登場。四乃森蒼紫VSマリオの激闘が見られます。
関連静画
関連項目
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- 二重の極み
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