囲碁(いご)とは、宇宙である。石を使った陣取りボードゲームである。2000年頃、ある漫画によって囲碁ブームが起こった。
概要
主に二人で行うゲームである。先手が黒い石、後手が白い石を使う。
普通「19路盤」と呼ばれる19×19の盤を使ってゲームを行うが、初心者用の「13路盤」「9路盤」といった小型の盤もある。
基本となるルール自体はとても単純だが、非常に複雑で奥深いゲーム性をもつ。自由度が高く、終局の条件が「互いの陣地が確定したら終わり」と他のボードゲームに比べるとやや曖昧なため、初心者がとっつきにくい面もある。しかし、9路盤や6路盤のような小さな盤からスタートすれば入門者でも気軽に楽しめるので、初めての人はインタラクティブ囲碁入門やCOSUMI
等の入門サイトを読むなどして、ぜひとも始めてみてほしい。無料で囲碁を打てるサイトやアプリもいろいろある。囲碁の面白さにハマること請け合いである。
歴史は古く、中国・春秋時代の文献にも記載がある。日本への伝来も古く奈良時代以前から打たれていたようであり、以来日本の伝統文化として大発展を遂げた。上流階級のある種の必須教養として、また庶民の娯楽として、長く日本人の国民的ゲームであった。ルール自体は単純なため、基本となる部分は変わらずに今日まで続いている。平安貴族や戦国武将、明治の偉人達から、イチローやビル・ゲイツに至るまで、囲碁を愛好した偉人は数知れない。(囲碁の歴史も参照)
ルール
1手ずつ交代で石を置いていく。石はマスの中ではなく、線の交わった場所に置く。
相手の石の周囲に自分の石を置いて隙間なく取り囲むと、その相手の石を取ることができる。
最終的に、「相手がどう着手しようと(自分が適切に対応すれば)取られない石」(活き石)によって確保した陣地の多さにより勝敗を決める。逆に、そうでない石(死に石)が盤面に残った場合は、相手の陣地に算定されてしまううえにその石で自分の陣地が減らされる。
「活き石」のわかりやすい例が右の図である。黒は白に周囲を取り囲まれているが、白がこの黒を取ろうとしても、二つの隙間を同時に埋めることはできない(「隙間なく囲まれた石は取られる」というルールにより、白がどちらか隙間を埋めようにも、その時点で黒に囲まれたことになって取られてしまう)ため、この黒は活きとなる。このように黒の隙間(「眼」という)が2つある形を「二眼(にがん)」といい、黒はこの二眼を作ることで生き石となり、上図では2目(もく)が黒の陣地となる。
- 石の活き・死にを合わせて「死活」という。
基本のルールはこれだけである。
細かいルールや反則行為、実際の打ち方については、関連動画や入門サイト(インタラクティブ囲碁入門等々)、各種入門書を参照してみよう。(できれば囲碁教室に通うのがよい)
日本の公式ルールは日本囲碁規約として定められている。本文自体は14条のみ・1500字程度というそんなに長くない。ただこれは法律の文章とか数学の文章に似て、最低限のことしか書かれていないので要注意(解説が付随しているが、こちらは結構長い)。
囲碁用語
囲碁には多くの専門用語がある。囲碁を難しく感じる要因のひとつかもしれないが、それだけ奥深いゲームということである。「布石」「定石」「活路」「一目置く」など、もとは囲碁用語であったのが一般にも使われるようになったものも多い。
かつては日本の囲碁界が圧倒的に世界一であり、世界普及にも先んじて参入したため、日本の囲碁用語がそのまま使われる例が多い。例えば囲碁そのものも英語では普通「Go」と呼ばれる。
ルール・テクニック系
多すぎるので、代表的なもののみ。
- ダメ(駄目)
- プレイしていく中で、自分にも相手にも得にならない(目にならない)着手点が発生する。これを「無駄な目」、略して駄目(ダメ)と呼ばれる。
- もとは囲碁用語であったものが一般にも使われるようになった例の一つである。
- 囲碁用語として英語に訳す場合、neutral point 又は単にdameで通じる。
- 整地前にダメを埋めるのがマナー。なお現行の日本のルールでは、ルールを厳密に解釈すると、ダメを埋めないと自分の地を損するようになっている。
なお「ダメ」という単語は、「石に隣接する空いた点(=ダメがなくなると取られる)」という意味もあるので、文脈から判断されたい。 - コウ
右の図のような形に石が並んでいて、両者とも同じ形を繰り返すことが可能な状態のこと。
- お互いこの形を打ち続けると勝負が進まないので、「即座に(次の手で)元の盤面に戻す」ことは禁止、というルールになっている(一手空けていれば戻してもよい)。将棋でいう千日手を制限するルール。
- 入門者の壁その1。
- 英語でもkoで通じる。
- セキ
- 戦いの結果、お互いにそれ以上攻められない(先に石を打ったほうが損する)状態のこと。
- 入門者の壁その2。
- 英語でもsekiで通じる。
- 整地
- 陣地の境界線が決定した後、地合いを数えやすくして勝敗を決めるフェイズ。ネット碁の場合、コンピュータが自動的に処理を行ってくれる。
- 入門者の壁その3。
- ここまで分かれば囲碁は打てる。
- コミ
- 囲碁は先手(黒)が有利なので、公平な状態にするために適用されるハンデ。現在の日本では白番に6.5目を与えるのが一般的である。中国では7.5目(ただし日本ルールでいうところの7.5目とは意味が違う。詳しくはググれ)。
- 1939年の本因坊戦で本格的に4.5目のコミが導入された。
- なお、盤が9路でも13路でもコミの価値は同じとされている。
- 英語でもkomi。
- 隅の曲がり四目(すみのまがりしもく)
- 入門者の壁レベル53万。英語ではcorner bent fourと表現される。
- 通常、L字型の4目の地(陣地)があれば生きになるのだが、碁盤の隅のL字型の4目の地はコウのルールのために例外的に生きられないケースがある。そのため例えば、「白は黒を隅のL字型の4目に追い込むことができるが、黒からは手が出しようのない場合、黒の死活は?」ということが問題になる(詳しくはググれ)。
- かつての日本の公式ルールでは、単純にルールを適用するだけでは死活が判断できなかったため、終局処理で特別に死に扱いされていた。現在ではルール改訂の結果、ルールをちゃんと適用すれば死にと判断できるようになってはいるが、それでも初心者には理解が大変であろう。
- 入門書では触れないことが多い。このルールが適用されるのは100局に1回あるかないかなので、無理に知る必要もない。ただし、「隅の曲がり四目になるのを回避する」手が打たれることはあるため、この形が死にということは知っておいてよいだろう。
- 呉清源先生が公式戦でセキだと思い込み、抗議したことがあった…というトリビアまであります。
棋戦など
- 棋戦
- プロが参加する囲碁の大会。なお、将棋でも同じく「棋戦」という言葉を使う。
- 7大タイトル
- プロの主要タイトル、「棋聖」「名人」「本因坊」「天元」「王座」「碁聖」「十段」の7つをまとめて指す。1977年より現在の7タイトル制となった。
- 3大タイトル
- その中で特に序列の高い、「棋聖」「名人」「本因坊」を指す。
- 七冠
- 7大タイトルを同時に全て獲得した状態。2016年に井山裕太が史上初の七冠を達成した。
- 六冠は2013年に井山裕太が達成。五冠は1999年に張栩が達成。
- 大三冠
- 3大タイトルを同時に全て獲得した状態。
- 麻雀の大三元から呼ばれているらしい。
- 2013年現在、達成者は趙治勲と井山裕太のみ。
- グランドスラム
- 7大タイトル全ての獲得経験があること。あくまで「経験があること」で、全てを同時獲得する必要はない。
- 2013年現在、達成者は3人のみ(趙治勲・張栩・井山裕太)。
- 名誉~
- タイトルを連覇することにより、名誉称号が得られる。大抵は5連覇し、満60歳を超えると名乗れる。
- 例外として、小林光一は棋聖・名人・碁聖をそれぞれ5連覇以上したので名誉三冠と名乗る。
- また、趙治勲は本因坊戦10連覇により現役のうちから名誉称号を名乗る。
- 本因坊
- 昔の囲碁のエリート一族。江戸幕府に仕え、最も優秀な弟子が家元を相続した。
- 昭和初期に田村保寿(本因坊秀哉)により、家元制からタイトル戦の名称となり、タイトル獲得者が「本因坊~」という名前を名乗るようになった。
- ヒカルの碁以降、本因坊秀策が特に著名になったが、実は彼は家元を継ぐ前に跡目のままコレラで亡くなってしまった。
- 院生
- プロの卵として、日本棋院に在籍して修行する人のこと。院生経験無しでプロ入りする(例:坂井秀至)のは稀である。
- 在籍中はアマチュアの大会に参加できない。
囲碁のプロ
囲碁棋士一覧を参照。プロ試験を勝ち抜いた人が入段する。毎年(女流特別枠を含めて)5人程度が入段するようだ。将棋のように降格はないが、日本棋院の規約に背くなどすると資格剥奪もありうる(例として独自の免状を発行した藤沢秀行)。
引退は主に健康上の理由から対局困難な場合に、自らの判断で決めるようである。引退をしていなければ、なんらかの各棋戦に参加しなければならないようだが、海外で普及活動を行っている一部の棋士は棋戦に参加していない模様(例として小林千寿)。
ピコカキコ
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囲碁入門 (FC) - 対局BGM |
ニコニコ大百科での囲碁
本項の掲示板でも、お絵カキコを用いてゲームが行われている。参加する際の手順は以下の通り。なお、新規に始める場合は>>35のお絵カキコから始めて下さい。
- 最新の盤面の、「基にしてお絵カキコする」をクリック。お絵カキコウィンドウが表示される。
- 画面右の「レイヤーツール」の「碁石」レイヤーが選択されている状態(下記の状態)にする。
目 ロ レイヤ名 ☑ ☑ 番号 ☑ ☑ 目隠し ☑ □ 碁石 ☑ ☑ 碁盤 - 画面左の「ペンツール」のカラーパレットから、自分が打つ石の色を選択。
黒なら左列最上段、白なら中央列最上段。 - 「ペンツール」下部の「手描き」を、「塗りつぶし」に変更。
- 画面中央にある「キャンバス」の盤面上の打ちたい交点をクリック。
- 石を打った時に相手の石を取ることが出来た場合は、
「ペンツール」下部の「塗りつぶし」を「透明塗りつぶし」に変更し、取る石をクリック。 - 盤面下の「次手」の色を変える。
- 「書き込みフォーム」の「タイトル」欄、または「書き込み」欄に、打った場所(A4、G7等)と、
ハマがある場合は取った石の色とその数を入力。(取られた石の色ではなく、取った石の色。例えば黒番で白石を1子取ったら黒に1追加) - 以上の手順を再度確認してから、「お絵カキコする!」のボタンをクリックし投稿してください。
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ブラックホール(張栩談) - デルタ・ひあみのデルタ
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