国会議員とは、
ここでは、1.について説明する。なお、諸外国の議会を「国会」と称する場合があるが、本記事では日本の国会について扱う。
広義なものやイメージ、失言については「政治家」の項目を参照。
概要
正確には、衆議院議員と参議院議員の総称であり、各々で衆議院と参議院を組織している。特に衆議院議員は、 「代議士」とも称される。
特別職の国家公務員で、任期は4年(衆)又は6年(参。3年ごと半数改選)である。各院議員ごと被選挙権付与年齢が異なる。(衆院は満25歳以上。参院は満30歳以上)
日本国憲法により、不逮捕特権(50条)、免責特権(51条)、歳費特権(49条)が保障されている。また、公設秘書やJR特殊乗車券(一部を除き無料乗車可能)などが待遇として与えられている。
他方、国会議員資産公開法によって資産公開が義務付けられており、誰でも各院議長に対しその閲覧を請求できる。
なお、前述のとおり特別職の国家公務員であるため、いわゆる守秘義務は存在しない。
また、国民の代表者でありながら、一部に会議中居眠りをしている議員も見られる。
しかし、そうした議員でも議員歳費(月額)129万4000円の他諸手当を受けているので、看過できる話ではない。(但し、時期により特例法で歳費月額が減額されている場合がある。[1])
そうでなくても、報道では彼らの政争ばかりが扱われるため、参議院不要論や議員定数削減が度々議論される。
平均年齢
ちなみに国会議員の平均年齢は55.5歳である。(1966年生まれが多い …2022現在)
※参考までにカラーテレビが白黒テレビの普及率を超えたのが1973年である。
仕事内容[2]
国会議員の仕事は大別して6つある。
- 国会の仕事。本会議や各委員会に出席して審議に加わる。一国会で100本以上の法律が作られる。この立法に主体的に関わっていくことが国会議員の第一義とする仕事となる。
- 党としての仕事。部会や勉強会への出席。
- 党の仕事ではないが議員が個人的関心を持っている分野への取り組み。
- いろいろな要望、陳情処理。地元からの国に対する予算要望が多い。就職の斡旋といった支持者からの私的な陳情も少なくない。ただ、就職の斡旋は面倒を見ても、本人は周囲から「○○のおかげで入れた」などと言われたくはないので隠すことになるため、苦労の割に効果はない。
- 講演や国会報告、各種集会や冠婚葬祭などの日常の行事出席。
- 政治活動のための政治資金集め。
給与(歳費)・活動費
月額 | 年額 | 日割り換算 (365日) |
時給換算 (8時間勤務) |
|
給与(歳費) | 183.3万円 (年額から逆算) |
2200万円 (平均) |
60,273円 | 7534円 |
文書通信交通滞在費 | 100万円 | 1200万円 | 32,876円 | 4,109円 |
交通費月額 | 16.6万円 | 200万円 | 5,479円 | 684円 |
立法事務費 | 65万円 | 780万円 | 21,369円 | 2,671円 |
合計 | 364.9万円 | 4380万円 | 12万円 | 15,000円 |
- 衆議院定員465名+参議院定員248名のため、合計で723名。
- 723名全員に年額合計を支払うと、毎年316億6740万円が単純計算で費やされる(現在はコロナ禍を受けて歳費2割削減の法律が効いているので実際はそれより少し安くなる)。
ちなみに市議会議員は平均年収498万円だが…
全国815市で1万8953議員(2018年)いるので、18,953人×498万円=毎年総額943.85億円と国会議員にも負けてはいない点も留意。
仕事や居眠り、政策立案の有無に関わらず、SPの護衛や送迎付きで結果的に1259.21億円が毎年費やされることになる。
親の七光りを利用し、子供が政治家になる場合もある。 → 世襲議員家の一覧
実際のところ……
と、ここまで国会議員については色々と無駄に高給取り、税金泥棒などのイメージがついてしまっているが実際の職務に照らし合わせると誇張や誤解が見られるところがある。
歳費についてだが、これは一般のサラリーマンとは違い、手取りすべてを自分の生活費や可処分所得とできるわけではなく、ここから更に個人的な政治活動に必要な維持費を払わなければならない。ようは政治活動のパッケージとして、これだけ政治資金として(議員個人の生活費含め)かかるだろうから、国庫から払いますよと言っているのである。
まず、党や会派に所属していれば所属する選挙区を統括する本部に上納しなければならず、自民党に所属していた安藤裕元衆院議員の場合は歳費120万円(当時・月換算)のうち40万円までしか自分の取り分にならなかったという。他にも通そうとしている予算や政策の会派や秘書会などにも払わなければならない場合もある。
そこから議員宿舎の家賃(赤坂宿舎の場合は月15万、青山宿舎の場合は月3万程度)、地元の選挙事務所の事務員やスタッフの費用、家賃や光熱費などの維持費、私設秘書(国会法で三人まで公費負担の公設秘書を置けるが、実際にそれだけでは回らないので更に3人以上自費で雇ってるケースがほとんど)へ支払う給与や会合・パーティへの会費といった諸経費などで、実際のところは普通の人が想像するよりもかなり余裕のない経済状況である。
勿論前項にも書かれている通り、立法事務費や交通費などの補助がかなり出されているが、実際のところ政治活動には様々な人と会って交際を深めたり、利害調整をしなければいけないので公費による負担があってようやく回せているというのが現状である。
国会議員に税理士や弁護士などの副業持ちの人が多くいたり、地盤・看板・カバンを兼ね備えた世襲議員が多くを占めているのも、国会議員専業ではなかなか経済的に辛いものがあるというのも背景にある為である。
勿論世襲議員や他に多くの資産を持つ議員ならば、後援会や親の資産を受け継げるので下手すれば歳費に手すらつけずに政治活動を行える場合も多くあるが、そういういわゆる三バンのない国会議員(特に議員歴10年未満の若手議員)はかなりカツカツなお財布の状況でなんとか回しているということも念頭におくべきだろう。
また国会議員の歳費が世界一高いなどといわれているが、例えばアメリカ連邦議会の下院議員は選挙区に倍する人口まで送付するハカギなどの郵便代が無料だったり、公設秘書の数が十数人だったりと政治活動の公費負担部分がかなり大きかったり、そういう給与として支払われる部分と公費負担の政務活動費という区別で扱いが違っていたりするので、そのような言説を見かけた時は詳細な検討が必要である。
関連動画
タグ:国会 などを参照
関連項目
脚注
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