国境なき記者団とは、世界中の言論・報道の自由を主張しているジャーナリストによる非営利組織である。
概要
1985年、フランスの元ラジオ局記者ロベール・メナールによってパリで設立された。現在は、世界中のジャーナリストの保護や、各国メディアの監視などを行って、世界報道の自由度ランキングを毎年発表している。
中国、北朝鮮などの厳しい報道規制を批判しているだけでなく、日本の記者クラブ制度やアメリカの報道に対しても度々批判声明を出しており、国際的にも中立的な組織と言える。
独自に「情報統制を行っている国」「情報統制を行っている可能性がある監視対象の国」といった区分を設け、前者には中国・北朝鮮・イランなどが。後者には韓国・フランス・タイなどが含まれている。
報道体制だけでなく、Enemies of the Internet(インターネットの敵)と題して、国家のネット検閲に対しての評価も行っており、こちらにはアメリカやロシアといった先進国も含まれる。
日本の報道の自由度ランキング
日本における報道の自由度は、先進国の中で最も低いと評価されている。2010年以降の順位の急激な低下は、メディアの東日本大震災における原発事故の隠蔽体質が国際社会に露呈し、順位に大きく響いたものとみられる。また、2013年には当初から指摘されていた「記者クラブによる閉鎖的な報道体制」や「原発事故に対する報道規制」が指摘され、初めて「報道の自由が問題な状態」というカテゴリーに日本が含まれることになった。
第2次安倍晋三政権成立以降は、「政権のメディア敵視と圧力(例:高市早苗総務相による停波発言)」「特定秘密保護法成立」「メディア自身の自己検閲と権力への忖度」といった要因でさらに順位を下げた。あまりに順位が下落したため安倍政権やその支持者を中心に、ランキングの公平性を疑ったり国境なき記者団そのものを反日認定・憎悪する声も出ている。
ちなみに2016年現在、最も報道の自由が確保されている国はフィンランドである。逆に、最も報道の自由が無い国は、アフリカのエリトリアである。
年数 | 日本の順位 |
2002 | 26 |
2003 | 44 |
2004 | 44 |
2005 | 37 |
2006 | 51 |
2007 | 37 |
2008 | 29 |
2009 | 17 |
2010 | 11 |
2011 | 22 |
2012 | 22 |
2013 | 53 |
2014 | 59 |
2015 | 61 |
2016 | 72 |
2017 | 72 |
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関連項目
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