地方競馬とは、全国の都道府県、市町村、複数の地方公共団体が主催し、開催される競馬である。
概要
日本でよく名前の挙がる競馬といえば、農林水産省管轄の特殊法人であるJRA(日本中央競馬会)が主催する中央競馬である。これに対し地方競馬はJRAの管轄ではなく、競馬場が所在する各都道府県や市町村が主催となって開催される競馬を指す。単独の自治体(都道府県ないし市町村)が運営主体となるケースもあるものの、所在する県と市町が一部事務組合を設立して共同で運営を行うのが主流である。
地方競馬の統括団体として、地方共同法人の地方競馬全国協会(地全協)があり、登録・記録管理・騎手等の養成・成績優秀者への表彰・シリーズ競走の企画運営・広報などを行っているが、地方競馬はあくまで各主催者が主体的(悪く言えばバラバラ)に運営を行うため、地方競馬界全体への強力な統制力はもっておらず、調整機関である。なお、日本中央競馬会と混同して略称を「NRA」と誤記されることがあるが、地全協の略称は「the National Association of Racing」の頭文字から取った「NAR」であるので注意。
1990年代半ばまでは中央競馬ほどではないにしろ、莫大な売上を誇り、地方自治体の一大収入源となっていた。しかし景気の低迷やアラブ系の生産縮小によるレース形態の変化、JRA場外発売所の地方進出などにより急激に売上が低迷。2001年の中津競馬の半ば強引な廃止劇が引き金となり、2000年代半ばにかけて地方競馬の廃止ラッシュが起こった。2010年代前半までは予断を許さない地方競馬は多く、大変苦しい経営が続いていた。
また、JRAで通用しないレベルの馬や、ダートの素質が高い馬の大きい受け皿という側面がある一方で、JRAから認定競走として莫大な補助金を貰わなければ自前では新馬を確保することが出来ない競馬場が大半で、JRAへの依存が大きいのも事実である。(運営規模が大きい南関東、レース方式が異なる帯広(ばんえい競馬)はこの限りではない)
そんなこともあり、運営改革を積極的に行っている(行う必要のある)競馬場が多い。
例えば、個人の負担でレースの協賛をし、オリジナルのレース名をつけてレースが行えるという「個人協賛競走」を導入する地方競馬も多い。所謂「痛レース」としてニコニコ動画でも話題を集めている。
電話投票、インターネット投票の充実もあり、門別競馬場や高知競馬場のように本場の売上に頼らず、場外やインターネット投票の売上を目当てにした開催にシフトする主催者も出てきていたが、2012年にJRAが「地方競馬IPAT」としてIPATを通じて一部競走のインターネット投票を開始、また、その他の地方競馬インターネット投票サイトの普及により全場とも商圏が全国に広まったこともあって近年は底を打った感がでてきており、累積赤字の解消を達成した団体もあるほか、経営難でたち遅れていた老朽施設の更新に各地とも取り組めるようになりつつある。
専門紙も中央と同じブランドの物(競馬ブックなど)もあれば、ローカル色溢れる地元資本の予想紙。「ばんえい金太郎」「ケイシュウニュース」「キンキ」など。近年はユーザーの高齢化で文字の大型化が図れたり、取り回しのしやすさもあってか綴じ込みの冊子状になったものが多くなりつつある。2000年代初頭まで北海道では手書きでガリ版刷りの予想紙も存在していた。
中央競馬と地方競馬の違い
中央競馬では芝のコースでのレースを主体とし、補完的にダートを用いているのに対し、地方競馬では芝コースを用いるのは盛岡競馬場の一部レースのみで、ほかは全てダートコースでレースが行われている。なおかつては、中京競馬場で地方競馬が開催されていた当時に芝コースでのレースが行われていた。
中央競馬と比べて小ぶりなコースが多く、1,000m~1,200mの周長がメイン。なお地方競馬専用競馬場での最大周長は1,600m(大井競馬場、門別競馬場、盛岡競馬場)で、ここまで大きくなるとJRAのローカル競馬場(新潟・中京除)と比べても遜色ない。
その関係で大井、門別、盛岡以外の競馬場では第2コーナー出口あるいはポケットからスタートするワンターンのレースでも1,000mに到達しないため、最短の距離設定が1000m未満となっている。
小回りという事で内側に馬が集中しないように、内側の砂を深めに調節する競馬場が多い。また先行タイプが有利になりすぎないようにスパイラルカーブを導入しているところも多い。JRAのダートコースよりも全体的に砂が厚く、パワーを要する馬場が多い。
中央の競馬場では3・4コーナー辺りから勝負をかけることが多いが、地方は距離の短さからそれよりも早い地点である向こう正面辺りから仕掛けないと間に合わない。その仕掛け方も一辺倒ではなく前方の馬群への対応など状況が目まぐるしく変化するため、競走馬の能力のみならず、騎手の技量も大きく問われる。
照明を備えた競馬場もあり、JRAでは行われないナイター競馬を開催する競馬場もある(門別、帯広、大井、船橋、川崎、名古屋、園田、高知、佐賀)。
開催日程は各主催者で異なる。JRAの商圏に被るエリアは平日開催。被らないエリアは土日開催が基本となり、ばんえい、岩手や冬場の高知など土日+平日としている主催者もある。
全国の競馬場を乗り回るJRAの騎手と違い、地方競馬の騎手は原則所属した地域でのみ騎乗を行う(ただし、平地重賞は全国的に他地区所属騎手の当日限りの参戦を認めている)。そのため「この競馬場ならこの騎手」という人気ジョッキーや名物ジョッキーが各地域に存在する。昭和の頃は東海公営など枠番で勝負服を分けている場もあったが、現在は全主催者が騎手ごとに個別に勝負服を持っているため、より騎手の個性が光るようになっている(近年はJRAの馬主服を持っているオーナーは重賞等各場で指定された競走では自分の馬主服が使えるようになっている)。ゲームで地方競馬場が登場する場合、同じ主戦騎手の競走馬が出てくると同じ勝負服だらけのレースになることも(現実でも中央で社台+ビッグレッド関係だったり、新潟ならミルファームの勝負服だらけということはあるが…)。
JRAの上位騎手は厩舎に所属しないフリーランスが多いが、地方競馬でフリーランスを導入しているのは南関東4場のみ(2012年度より。「騎手会所属制度」とよぶ)。大抵の騎手は、厩舎への所属料として月給が賞金や手当とは別に支給されており一定の収入は確保されている。騎乗手当もJRAが1レースにつき4万円前後であるのに対し、地方競馬は1レースにつき3000円~15000円ほどと安い。各地の上位騎手はJRA開催にスポット参戦し、出稼ぎに出る事もある。ホッカイドウ競馬・岩手競馬・金沢競馬は冬期休催があるため、騎手が冬の間に南関東など他地区に騎乗に出るほか、騎乗機会の少ない若手騎手が騎乗機会を求めて他地区で短期の限定騎乗を行うのも一般的になりつつある。
JRAでは馬が昇格するには、原則として1着に入らなければならないが(例外として、重賞で2着に入った場合も昇格することがある)、地方競馬では賞金が入れば次第に昇格するのが普通である。また、格付けの書き方も異なる。JRAでは○勝クラスという言い方なのに対して、地方競馬では(少なくとも古馬に関しては)アルファベット+数字で格付けするのが普通である。また、3歳と古馬の混合が始まるのはJRAでは6月から始まり、普通の競走はこの段階で古馬と混合になるが(例外として3歳未勝利戦(夏季競馬の終わりまで)、および一部重賞とトライアル競走は3歳のみで編成される)、地方競馬では古馬との混合は稼いだ馬から順次行うのが普通である(なお3歳限定交流重賞はこの限りでないが、ジャパンダートダービーで終わりである)。
JRAとは異なり、海外の競走馬との交流競走はほとんど行われない(全日本2歳優駿と東京大賞典が例外的に国際交流競走。JRAの場合、ごく一部の例外を除き、オープン特別・リステッド競走・重賞はすべて国際交流競走である)。
JRAとの交流競走
1990年代半ばまでは、日本において主催者や地区を跨いだ競走は少なく、特にJRA所属馬と地方競馬所属馬が揃っての競走はごく限られたものであった(ハイセイコーやオグリキャップなど「地方競馬所属馬がJRAに移籍したうえで注目を集める」という例はあった)。しかしその後は大幅に増えている。
地方競馬全国協会でも、ダートグレード競走は地方競馬で実施される注目度の高いレースとして、特集ページを作ったり、競馬場等に特集ポスターを掲示したりするなど、力を入れて取り上げている。
予想屋
ホッカイドウ競馬、ばんえい競馬、岩手競馬、園田・姫路競馬、高知競馬以外ではJRAで見られない「予想屋」も存在する。場内各所にブースがあり、そこで展開や展望を軽快なトークで説明する。人気のある予想屋さんのブースの前には大量の人だかりができるのも地方競馬の風物詩の1つである。
基本1レース100円~200円(1日全レースは800円前後)で予想目がスタンプや手書きの走り書きで書かれた小さい紙が貰える。過去にあらゆる目を渡して的中しているように見せかける不正行為があったため、現在では不正防止のためにレース締め切りの瞬間に販売した予想目を公開する(競輪、競艇などでも同様)。
高配当が見事に的中すると、予想に乗って配当を得た客が「ご祝儀」として千円札を予想屋に直接渡す。その現金をボードに貼り付け、「うちはこれだけ当たっている」とアピールする事もできる。
場内にいる予想屋さんは全て主催者から認可され、免許交付の元、商売を行っている。所謂「コーチ屋」と呼ばれる犯罪行為ではない。
本場観戦客の減少もあって予想屋も高齢化が進み、後継者がおらず数を減らしている。
賞金
競馬の日本最高賞金レースはJRAのジャパンカップ・有馬記念で3億円。しかし地方競馬の場合はJRAに比べて大幅に賞金が少なく、JRAしか知らないライトな競馬ファンはその賞金の低さに驚く事が多い。地方競馬の最高賞金レースはJBCクラシックと東京大賞典の8000万円である。(2019年現在)
余談だがこれは日本の中央競馬の賞金が総じて高すぎることが要因。海外は重賞であっても日本の条件戦~オープン特別レベルの賞金が設定されていることが珍しくなく、一部の大レースのみが突き抜けている状態である。
1990年代までは岩手のみちのく大賞典で2000万円・北海道の道営記念で2500万円というように交流重賞ではないローカル重賞ながら高額賞金レースを組む事ができていたが、一時は売上の低下により年々賞金額も減額されていた。しかし、2020年前後から再び賞金を増額する動きが各場で相次いでいる。
南関東こそ、JRAの3割ほどの賞金額があるが、それ以外の主催者の賞金は雀の涙ほどである事が多い。しかも5着まで賞金が必ず出るJRAと違い、一時は3着まで、4着までにしか賞金が出ない場も存在した。
最下級クラスの1着賞金は低いところだと一時は1着すら10万円を切る水準まで追い詰められた場もあった。近年はやや持ち直してきたが、一方で相対的に出走手当(主催者によるが3~10万円とも)が高く、賞金を当てにせず、出走だけを目的として連闘を重ねる馬も多いのが実情である。特に賞金が安い競馬場では、下位人気の馬はそもそも勝ちに行くことを放棄している場合が大半なので、馬券が非常に堅く収まり、当てやすいといえる。
現存する地方競馬場
- ●は都道府県営、■は市区町村営、記号なしは双方が主催者(一部事務組合を設立、ただし金沢は県と市がそれぞれ開催)。
- コースは、注記のある盛岡を除きすべてダート。
- ナイターは冬季以外のみ実施となる。ただし船橋競馬・高知競馬は通年でナイター開催を行う。
競馬場名 | 所在地 | コース1周 (直線) 周回 |
主な開催曜日 時間帯 |
備考 |
---|---|---|---|---|
● 門別競馬場 | 北海道 日高町 |
外1600m(330m) 内1376m(218m) 右回り |
火水木 ナイター |
名称:ホッカイドウ競馬(道営競馬) 内回りコースは2015年新設 |
■ 帯広競馬場 | 北海道 帯広市 |
200m 直線のみ |
土日月 ナイター |
詳細は「ばんえい競馬」を参照 ホッカイドウ競馬は1997年撤退 ※かつて存在した平地競走コースは 1570m(298m)右回り |
盛岡競馬場 | 岩手県 盛岡市 |
ダート1600m(300m) 芝1400m(300m) 左回り |
土日月(日月火) 日中 |
名称:岩手競馬 岩手県競馬組合が2場を運営 基本は土日月開催だが、日月火開催もあり (2019年より) |
水沢競馬場 | 岩手県 奥州市 |
1200m(200m) 右回り |
||
浦和競馬場 | 埼玉県 さいたま市 |
1200m(200m) 左回り |
月~金 日中 |
4場合わせて「南関東」 (南関競馬、南関東公営競馬)と呼ぶ nankankeiba.com 船橋は2015年6月よりナイター実施 大井は2021年11月より世界唯一の両回りコースに 浦和は2023年3月より薄暮開催実施 |
船橋競馬場 | 千葉県 船橋市 |
1400m(300m) 左回り |
月~金 ナイター |
|
■ 大井競馬場 | 東京都 品川区 |
外右1600m(386m) 内右1400m(286m) 外左1600m(300m) 両回り |
月~金 ナイター |
|
川崎競馬場 | 神奈川県 川崎市 |
1200m(300m) 左回り |
月~金 ナイター |
|
金沢競馬場 | 石川県 金沢市 |
1200m(236m) 右回り |
日・火 日中 |
名古屋・笠松とは相互発売があり、一定の交流があるため枠組みに入れ「東海・北陸」とすることがある |
名古屋競馬場 | 愛知県 弥富市 |
1180m(240m) 右回り |
月水木金 日中 |
「東海地区」として競走馬の交流など事実上一体の開催を行っている |
笠松競馬場 | 岐阜県 笠松町 |
1100m(201m) 右回り |
月水木金 日中 |
|
園田競馬場 | 兵庫県 尼崎市 |
1051m(213m) 右回り |
火水木(金) 日中 (金はナイター) |
兵庫県競馬組合が2場を運営 姫路は2020年より冬場のみ開催再開 |
姫路競馬場 | 兵庫県 姫路市 |
1200m(230m) 右回り |
火水木 日中 |
|
高知競馬場 | 高知県 高知市 |
1100m(200m) 右回り |
土日(日火水) ナイター |
基本は土日開催だが、冬季は日火水開催もあり (2015年より) |
佐賀競馬場 | 佐賀県 鳥栖市 |
1100m(200m) 右回り |
土日 日中 |
かつては廃止された中津・荒尾と共に「九州競馬」という枠組みを組んでいた |
廃止された地方競馬場
- 春木競馬場(大阪府岸和田市 1974年廃止)
- 紀三井寺競馬場(和歌山県和歌山市 1988年廃止)
- 中津競馬場(大分県中津市 2001年廃止)
- 三条競馬場(新潟県三条市 2002年廃止)
- 益田競馬場(島根県益田市 2002年廃止)
- 上山競馬場(山形県上山市 2003年廃止)
- 高崎競馬場(群馬県高崎市 2004年廃止)
- 足利競馬場(栃木県足利市 2004年廃止)
- 宇都宮競馬場(栃木県宇都宮市 2005年廃止)
- 岩見沢競馬場(北海道岩見沢市 2006年廃止)
- 北見競馬場(北海道北見市 2006年廃止)
- 旭川競馬場(北海道旭川市 2008年廃止)
- 荒尾競馬場(熊本県荒尾市 2011年12月23日廃止)
- 福山競馬場(広島県福山市 2013年3月24日廃止)
高崎・足利・宇都宮の3場は「北関東」(北関東公営競馬)と呼ばれ、荒尾・中津は佐賀と合わせて「九州競馬」の枠組みを形成していた。
岩見沢・旭川はホッカイドウ競馬とばんえい競馬の両方を開催していた(北見は移転後はばんえい競馬のみ)。
また、競馬場そのものは廃止されていないものの、地方競馬の開催がなくなった(JRAの競走のみ残存している)競馬場としては以下のものがある。
- 札幌競馬場 - 過去にホッカイドウ競馬の開催あり(2009年を最後に休止)
- 函館競馬場 - 過去にホッカイドウ競馬の開催あり(1991年を最後に休止、1997年をもって開催権も消滅)
- 中京競馬場 - 過去に愛知県競馬の開催あり(2002年を最後に休止)
- 新潟競馬場 - 過去に新潟県競馬の開催あり(2002年に競馬事業自体終了。三条競馬場と併用)
ファンファーレ
ファンファーレは各主催者で異なる。オーソドックスでありながら人気の高いホッカイドウ競馬のファンファーレ(北大涙目)。岩手競馬の「競艇風ファンファーレ(盛岡競艇)」。名古屋競馬の「おーみーそー」。園田競馬の「しつこいファンファーレ」。旧福山競馬の「福山サスペンス劇場」など各競馬場によって特色あるものになっている。
「競馬ファンファーレ」の記事も参照。
地方競馬の視聴方法
地方競馬を現地以外で見るには、上述の場外発売所や、衛星放送での中継のほか、インターネット配信で無料で見ることも可能である。全レースをグリーンチャンネルで中継・配信、一部がテレビ放送されるというJRAと違い、インターネットを通じて手軽に見られる手段が提供されている。
地方競馬の買いかた
※20歳未満の方は馬券を購入できません!
この記事を読んで地方競馬の馬券を購入したい…と思ったら開催している競馬場へ行くか、北海道ならAiba。東北ならテレトラック、近畿から中国にかけてはDASHといった最寄りの場外発売所へ出向く必要がある。一部開催日においては別の地方競馬主催者の競馬場・場外発売所で購入できる場合もある(例:大井競馬場「ふるさとコーナー」:定期的にホッカイドウ競馬・ばんえい競馬・名古屋競馬を発売)。ただし一部を除いて、JRAの施設で地方競馬の馬券発売はないので要注意。
- 逆に、地方競馬の施設でJRAの馬券を購入できる場所は「J-PLACE」の名称で多数存在する。以前はJRAの「WINS」だったところが「J-PLACE」に移行しているところもある。なお、場所によって購入できる競走に差があるので注意(特に競馬場併設かつ自場で地方競馬開催中のJ-PLACEはごく一部の発売になるケースがある)。
もしくは楽天銀行やジャパンネット銀行といったネットバンキングの口座を作り、楽天競馬やオッズパークといったインターネット投票に会員登録するのも手。
- 2012年10月3日より、JRAの投票システム「PAT」から地方競馬のインターネット投票が可能となった。全ての土日、及び一部の平日にて地方競馬の馬券を買えるようになった。これにより、PATしか馬券購入手段がないファンも、注目度の高いジャパンダートダービーやJBCといった大レースを買えるようになり、大障害・有馬・ホープフルで酷い目にあった後も、12月29日に東京大賞典で最後の悪あがき大勝負ができるようになった。ただし会員種別によって馬券が買える日程が異なるのでJRAかNARのサイトで確認してもらいたい。
- 南関東競馬では1996年4月より独自に「SPAT4」というインターネット投票システムを開発していたが、2006年8月にホッカイドウ競馬が加盟し、南関東4場とホッカイドウ競馬の全競走と地方開催のダートグレード競走が買えるようになった。そして2017年4月1日以降は全ての地方競馬の馬券が買えるようになった。南関東とホッカイドウ競馬の競走に限り、3レースの馬単を予想するトリプル馬単という投票形式も発売されている。
- ソフトバンクグループが日本レーシングサービスからD-netの運営権を取得し2006年4月2日にオープンした「オッズパーク」では南関東4場とホッカイドウ競馬のダートグレード競走(市中銀行会員のみ)とそれ以外の地方競馬の全競走が購入できる。帯広、岩手競馬、兵庫競馬、笠松、佐賀の競走に限り、WIN5と同様に5レースの1着を予想する5重勝単勝式のOdds Park LOTOという投票形式も発売されている。帯広では7重勝単勝式、佐賀ではコンピュータが無作為で買い目を選ぶ7重勝単勝式も購入可能。
- 楽天が運営する「楽天競馬」では地方競馬全競走が購入可能。SPAT4やオッズパークと異なり重勝式の発売は行われていない。
主催者によって発売賭け式に差があるが、2015年以降はおおむね統一されている。JRAとの違いとして、南関東(浦和・船橋・大井・川崎)および金沢では、枠番で連勝複式のほかに連勝単式も設定されていることが挙げられる。
購入の際は、地方競馬全国協会のサイトでリアルタイムのオッズも閲覧できる。
上記の配信手段と合わせて、インターネットに繋がれば全国の地方競馬のレースが買い放題、見放題となる。
地方競馬のグルメ
中央地方問わず、各競馬場には地域の特色を活かした売店や屋台が出店しているが、特に地方競馬はコアなファンに長年支持され続ける名物メニューが各地にある。
例として大井競馬場のすじ煮込み、川崎競馬場のタンメンやスパイスが効いた大盛焼きそば、盛岡競馬場の大きすぎてプラ容器に収まりきらないジャンボ焼き鳥など。特に川崎競馬場は場内の飲食施設に力を入れており、前述のタンメン・焼きそばを始め種類が豊富で、東日本の競馬以外の公営競技場を含めても屈指の充実度と言われている。名古屋はもうちょっと頑張れ。
このため地方競馬場に行くと、馬券の購入費よりも飲食費の方が高くなることはよくある話らしい。近くに地方競馬場がある人は一度行ってみてはいかがだろうか。
海外遠征
中央競馬の競走馬が海外の重賞に遠征するのはそこまで珍しい話ではなくなった(2022年だけで34レース延べ67頭(重複なしで数えて46頭)いる)が、地方競馬の競走馬が海外の重賞に遠征するのは極めて稀である。だが、事例がないわけではないので列挙するとこんな感じである。
年 | 馬名 | レース名 | 格付け | 国 | 順位 |
---|---|---|---|---|---|
2005年 | アジュディミツオー | ドバイワールドカップ | G1 | UAE | 6着 |
2005年 | コスモバルク | チャンピオンズマイル | G1 | 香港 | 10着 |
2006年 | コスモバルク | シンガポール航空国際カップ | G1 | シンガポール | 1着 |
2007年 | コスモバルク | シンガポール航空国際カップ | G1 | シンガポール | 2着 |
2008年 | コスモバルク | シンガポール航空国際カップ | G1 | シンガポール | 6着 |
2019年 | ハッピーグリン | チャンピオンズ&チャターカップ | G1 | 香港 | 8着 |
2023年 | マンダリンヒーロー | サンタアニタダービー | GI | アメリカ合衆国 | 2着 |
2023年4月10日時点ではこれで全部。特にマンダリンヒーローのサンタアニタダービー挑戦は大きな話題を呼び、地方馬の遠征に新風を巻き起こした。全日本2歳優駿で好成績を挙げてのサウジダービー、UAEダービーなどの中東遠征にも期待が懸かるところ。
関連動画
関連チャンネル
関連項目
- ホッカイドウ競馬
- ばんえい競馬
- 岩手競馬
- 盛岡競馬場
- 水沢競馬場
- 金沢競馬場
- 上山競馬場
- 宇都宮競馬場
- 高崎競馬場
- 浦和競馬場
- 大井競馬場
- 船橋競馬場
- 川崎競馬場
- 名古屋競馬場
- 笠松競馬場
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