基地問題とは、日本国内に存在するアメリカ軍の基地に関する諸問題のことである。
概要
1951年のサンフランシスコ平和条約締結と同時に、日米安全保障条約も締結された。これによりGHQの撤退後も日本の安全保障を名目に、日本はアメリカ軍の日本駐留・日本国内の米軍基地の存在を認めている。
この日米安全保障条約には、日米地位協定が付属している。これは、日本に駐留するアメリカ軍の取扱を定めたものである。
この米軍の日本駐留と日米地位協定を巡り、様々な問題が指摘されている。
特に沖縄県の基地負担に関する議論が度々取り上げられる。米軍専用基地の74%が沖縄県に集中しており、県面積の10%を占めている[1]。そして第二次世界大戦において激戦を経験した過去を持つのが理由である。この記事においても、沖縄県における基地問題について主に記載する。
米軍基地による問題
騒音・振動問題
人口密集地内に位置する基地(特に普天間基地)では、軍用機の離発着による騒音・振動問題がある。
軍用機の事故
2004年8月13日、海兵隊のヘリコプターが沖縄国際大学に墜落した。この事故以降、普天間基地の移設気運が高まる。
また2011年の軍用機オスプレイの配備決定後は、これに反対する団体・運動が発生している。構造上欠陥による事故の発生が不安視されているため。
米軍兵士問題
日米地位協定の米軍兵士犯罪者に対する扱いが問題視される。米軍兵士が事件を起こした場合、日本の警察は現行犯以外の逮捕が出来ない。また犯人が米軍基地へ帰還した後は日本の裁判権が及ばない。
また米軍兵士所有による車両(Y・Eナンバー車)の税金が通常より安い。また車庫証明を取得しないケースがあるYナンバー車の車庫証明 「基地内」で手続き逃れか(琉球新報・2008年5月3日)。そして日本人所有車両と事故を起こした場合に手続き等に時間が掛かるなどの問題も指摘されている。
基地移設問題
基地負担軽減のための、基地の規模縮小・再編・移設に関する議論。特に人口密集地の中心に位置し、世界一危険な軍事基地とも呼称される、普天間基地の移設問題が大きく取り上げられる。
2009年、「普天間基地の国外移設・少なくとも県外移設」を掲げた民主党が当選した。しかし翌年に「最低限の県外移設」でさえも不可能だと結論付け、断念した。その後、県内の宜野湾市辺野古への移設を決定する。
これに対し、沖縄県知事(当時)の翁長雄志は、那覇軍港の浦添への移設を明言。「米軍基地の県内移設を容認」する考えを明確に示した[2]。平成8年に打ち出された浦添移設は、2028年度に移設完了する計画[3]。
その他
- 米軍基地の名称が問題視される場合がある。シュワブ・ハンセン・コートニー・マクトリアス・シールズは、何れも沖縄戦で戦死したアメリカ軍将校の名前であり、彼らに対する賞賛だと捉えられる場合がある。
- 米軍基地の存在により、企業や工業、農業の誘致が不能となる。そのため沖縄の経済発展が進まない。また基地内に土地を保有する地主だけが潤っている、という指摘もある。
米軍基地撤退後の問題
経済的な懸念
米軍基地の撤退により基地内の日本人労働者が失業する懸念がある。
現在の日本政府は、沖縄県に税制の優遇措置と沖縄振興予算の給付を行っている。仮に米軍基地が撤退すると、上記の振興策が停止される可能性がある。
結果、現在でも不景気状態である沖縄経済が、ますます困窮することが懸念されている。
抑止力消失の懸念
仮に米軍基地の撤退した場合、沖縄県は抑止力空白地帯となる可能性が指摘されている。その後、中華人民共和国と中国人民解放軍による侵攻が開始される可能性が指摘されている。
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関連項目
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- オスプレイ
- 琉球新報
- 沖縄タイムス
- 八重山日報
- プロ市民
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- 派遣市民
- 基地外活動
- ネット右翼
- チャンネル桜
脚注
- *沖縄に所在する在日米軍施設・区域(防衛省)
- *沖縄タイムス2016.12.10 沖縄知事、那覇軍港の浦添移設容認 新基地に当たらずと認識
- *産経新聞2018.2.7 【防衛オフレコ放談】 翁長雄志知事、迫られる踏み絵 那覇軍港移設で浦添埋め立て 容認すれば辺野古反対と矛盾
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