堂安律(どうあん りつ)とは、兵庫県尼崎市出身のプロサッカー選手である。ドイツのアルミニア・ビーレフェルト所属。
1998年6月16日生まれ。身長172cm70kg。ポジションはMF(サイドハーフ、オフェンシブハーフ)。
概要
3人兄弟の末っ子として生まれ、2人の兄の影響もあって3歳の頃からサッカーを始める。10歳の時に兵庫県の強豪少年サッカーチームの西宮SSに加入。中学進学の際、複数のJリーグのジュニアユースチームから誘われ、その中から選択したガンバ大阪ジュニアユースへ入団。2012年には史上初となるU-15世代での全国3冠を達成。かつて所属していた同じ左利きの家長昭博の再来として注目される。
その後、ガンバ大阪ユースに昇格すると、高校2年生となった2015年にトップチームに2種登録され、5月27日のACL決勝トーナメント1回戦FCソウル戦で公式戦デビュー。さらに、6月3日のJ1第10節鹿島アントラーズ戦で宇佐美貴史の持つ記録を塗り替える16歳11か月18日というクラブ史上最年少でのリーグ戦デビューを果たす。さらに、この年の11月には翌シーズンから飛び級でトップチームに昇格することが内定。
2016年はJ3に所属するセカンドチームのガンバ大阪U-23でプレーすることが多かった。J3第2節のグルジャ盛岡戦で公式戦初ゴールを決めると、J3に21試合出場して10ゴールを記録。また、この年出場したAFC U-19選手権での活躍が認められ、アジア年間最優秀ユース選手賞に選ばれる。2017年になると、トップチームでの出場機会が増え、第8節の大宮アルディージャ戦ではJ1初ゴールを含む2ゴールの活躍を見せる。
2017年6月23日オランダ1部(エールディヴィジ)のFCフローニンゲンへの期限付き移籍が発表される。本人の海外志向が強かったこともあり、19歳での海外移籍実現となった。開幕からスタメンで起用されると、第7節のズヴォレ戦でエールディヴィジでの初ゴールを記録。その後もチームの中心選手として活躍し、1年目のシーズンはカップ戦を含めた公式戦31試合に出場し10ゴールという記録を残す。この活躍が評価され、フローニンゲンへの完全移籍が決まり、2018-2019シーズンからは背番号が7に変わる。2シーズン目もコンスタントに活躍し、さらなるステップアップを期待する声が大きくなる。
2019年8月27日オランダの名門クラブであるPSVアイントホーフェンへの完全移籍が決定。移籍金は750万ユーロと伝えられている。シーズン前半は出場機会が与えられ、第8節ズヴォレ戦で移籍後初ゴールを決めるが、マルク・ファン・ボメル監督が解任されたこともあり出場機会が減り、自身も周囲を納得させるようなパフォーマンスを見せられず、オランダ紙からは「期待外れの契約11人」に選出されてしまう。
2020年9月5日ドイツ・ブンデスリーガに昇格したアルミニア・ビーレフェルトへの期限付き移籍が発表される。背番号は「8」。オランダ時代よりもインサイド寄りの位置で起用され、開幕からスタメンの座を掴むと、10月18日におこなわれた第4節王者バイエルン・ミュンヘン戦で利き足とは逆の右足でのゴールを決め、ブンデスリーガ初ゴールを記録する。2021年1月20日の第17節では、遠藤航が居るVfBシュトゥットガルト戦では後半41分のゴールも含めて3ゴール全てに絡む大活躍を見せ、この試合のMOMに選出される。
日本代表
2014年にU-16日本代表に選出され、9月のAFC U-16アジア選手権2014に出場。このときは準々決勝で韓国に敗れ、世界への切符を逃すこととなった。ちなみにこのときは左サイドバックで起用されている。
2016年10月には、U-19日本代表のメンバーとしてAFC U-19アジア選手権2016に出場。準決勝を除く5試合に出場し、日本の初優勝に貢献。特に、U-20ワールドカップ出場権獲得がかかった準々決勝のタジキスタン戦では1ゴール1ゴールの活躍。この大会のMVPに選出され、この年のアジア年間最優秀ユース選手賞に選ばれている。
2017年5月に韓国で開催されたFIFA U-20ワールドカップ2017に出場。初戦の南アフリカ戦で逆転ゴールを決めたのに続き、第3戦のイタリア戦では2ゴールを決める活躍でグループリーグ突破に貢献。決勝トーナメント1回戦でエクアドルに敗れたものの、4試合3得点の活躍によって後のオランダ移籍のきっかけを作る。
2018年8月日本代表のメンバーに初選出され、9月11日のコスタリカ戦でフル代表デビューを果たすと、10月16日のウルグアイ戦では代表初ゴールを飾る。以降、森保一監督からはチームの主力として起用され、中島翔哉、南野拓実とともに新ビッグ3と呼ばれるようになる。
2019年1月に開催されたAFCアジアカップ 2019のメンバーにも選ばれ、初戦となったトルクメニスタン戦でゴールを決める。準々決勝のベトナム戦では相手の堅守の前に予想外の苦戦を強いられる中、後半12分に値千金の決勝ゴールを決めている。大会6試合中5試合にスタメンで出場し、2得点という数字は残したが、大会を通したパフォーマンスはやや不本意なものとなり、チームも準優勝という結果となった。
個人成績
シーズン | 国 | クラブ | リーグ | 試合 | 得点 |
---|---|---|---|---|---|
2015 | ![]() |
ガンバ大阪 | J1 | 2 | 0 |
2016 | ![]() |
ガンバ大阪 | J1 | 3 | 0 |
2017 | ![]() |
ガンバ大阪 | J1 | 10 | 3 |
2017-18 | ![]() |
フローニンゲン(loan) | エールディヴィジ | 29 | 9 |
2018-19 | ![]() |
フローニンゲン | エールディヴィジ | 32 | 5 |
2019-20 |
![]() |
フローニンゲン | エールディヴィジ | 2 | 1 |
![]() |
PSVアイントホーフェン | エールディヴィジ | 21 | 2 | |
2020-21 | ![]() |
ビーレフェルト(loan) | ブンデスリーガ |
プレースタイル
重心が低いドリブルで果敢に仕掛けるドリブラーで、ターンが鋭く、スピードに乗りながら走る方向を変えることができ、主に右サイドからのカットインを得意としている。トップスピードはそこまで速いわけではないため、ボールの扱いで相手を抜くタイプである。左利きであるが、右でもボールを扱うことができるため、ボールを持つ足を変えてリズムを変化させるドリブルを使用する。また、ボディバランスに優れているため、相手を背負った状態からボールをキープしつつドリブルを開始して前を向くことができる。日本人では珍しいタイプのドリブラーで、同じガンバ大阪の下部組織出身である家長昭博に近いタイプである。
スピードに乗りながらの左足のシュートも得意とするため、得点力も高い。右サイドからカットインしながらファーサイドにカーブをかけたシュートを決めるのがもっとも得意なゴールパターンである。
一方、右アウトサイドでプレーすることが多い割には縦に仕掛けてからのクロスが得意ではない。そのため、中へ入り過ぎる傾向があり、チームを窮屈にさせてしまう要因になることも。また、キープ力に優れる反面、プレーの判断が遅いため周囲の動きを迅速に察知することができず、球離れが悪くなりプレースピードを遅らせてしまう。
本来はトップ下の選手であるため、横幅を使う意識が低く、スペースよりも密集地帯でのプレーのほうが持ち味を生かしやすい。
エピソード
3つ上の兄の堂安憂もプロサッカー選手であり、セレッソ大阪のアカデミー出身。2018年、2019年にAC長野パルセイロに所属。2020年からは関西1部リーグのおこしやす京都ACでプレーしている。
小学生の頃に兄が所属するセレッソ大阪のセレクションに落ちた経験があり、このとき「セレッソからオファーが届くような選手になっても1秒で断る」と決めている。実際、中学時代進学の時、C大阪ジュニアユースからのオファーを断っている。
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関連項目
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