塗壁とは、
である。
概要
福岡県遠賀郡の海岸地方に伝わる妖怪。夜道を歩いていると行く先が急に壁になり、どこへも行けなくなってしまう。この時、棒で下の方を払えば壁は消えるが、上の方を叩いても壁は消えない。
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場するため一般的な知名度は高い。「塗壁」と聞いて多くの人が思い浮かべるであろう壁に小さな目と手足がついたような姿は水木しげるが創作したキャラクターであり、伝承における塗壁は現象のみが伝わる妖怪だった。
の、であるが
2007年8月、享和2(1802)年に制作された絵巻に塗壁の姿が描かれていたことが判明した。
絵巻は二つ存在し、一つは川崎市市民ミュージアムの湯本豪一学芸室長が所有、もう一つは米国ブリガムヤング大学の図書館に寄贈されていた。どちらの絵巻にも35体の妖怪が同じ画風で描かれており、湯本氏が二つの絵巻を照合したところ、後者の絵巻には前者の絵巻では正体不明だった妖怪の横に「ぬりかべ」の名が書かれていたのである。
この絵巻に描かれた「ぬりかべ」は、巨大な顔に三つの目と牙を持つ獣のような姿をしている。
遭遇例
水木しげるは第2次世界大戦中に南方で塗壁らしき怪異に遭遇している。
一人で暗いジャングルを進んでいると前へ進めなくなってしまった。押すとコールタールを固めたような感触があり、左右に回っても前へ進めない。途方に暮れた水木しげるが腰を下ろして一休みした後にもう一度進んでみると、今度は前に進めたそうである。
創作作品における塗壁
- 仮面ライダー響鬼
魔化魍ヌリカベとして登場。貝と木を合わせたような姿をしている。幼体時は足が弱く、そこを突かれると逃げてしまうという故事に合わせた設定がある。 - ゲゲゲの鬼太郎
前述したように手足と目がついた壁のような姿で、鬼太郎の仲間の妖怪として登場。原作では目が一つだったこともある。 - 侍戦隊シンケンジャー
塗壁伝承のルーツとされるアヤカシ「フタガワラ」が登場する。 - 墓場鬼太郎
深大寺にすき焼きを食べに来た妖怪の一人として登場。この頃はまだはっきりと形が決まっていたわけではないようである。
関連静画
関連項目
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