変化球とは、野球において投手がボールに回転をかけるなどして軌道を変化させるものをさす。
現実世界での変化球
歴史
変化球が登場したのは1870年台。下手投げ限定だった野球が上手投げに移行し始めていた時期である。
キャンディ・カミングスは、貝殻を投げた時に回転しながら飛んでいく様子をヒントにして、世界で初めてカーブを投げた投手として有名である(別人という説もある)。また同時期に活躍したティム・キーフは、タイミングを外す目的でチェンジアップを世界ではじめて実用し、300勝を挙げた。
しかし、世の科学者達は「目の錯覚だ」「ありえない」と変化球の存在を否定していたが、1949年にアメリカの航空機会社の空気力学技師によって、ボールの回転によるマグヌス効果の発生と変化が確認され、初めて変化球の原理が科学的に証明された。
野球のルールが整備されていく中で、投手たちは打者を翻弄するために変化球の改良・開発を続け、現在、変化球は投手を評価する重要なファクターとなっている。
用途
変化球を投げる理由として、『空振りをとる』、『タイミングを外す』、『ゴロなどの凡打を狙う』、『カウントを稼ぐ』などがある。また同じ変化球でも投手によって用途が違うことがある。
例えばカーブは『緩急をつけてタイミングを外す』、江川卓のようにカーブで空振りを取る投手もいれば、金子千尋のように他の球種を活かすためにカーブを投げる投手もいる。
分類
変化球の細分化は難しく、中には他人と投げている本人との認識が違うこともよくある。フォークとスプリット、シンカーとスクリュー、カットボールとスライダー、ツーシームとシュートなどでよく議論が巻き起こる。また日米で認識が違うことも多々有るため、注意が必要である。
前者の例では、山井大介が投じる球速の遅いスライダーは一般的にはカーブに相当するボールであるが本人は「これはスライダー」と主張していたり、内海哲也が自身のチェンジアップを2012年からスクリューと呼ぶようになったことなどが挙げられる。後者の例では、アメリカの解説者が高津臣吾のシンカーやカーブを全てチェンジアップと実況していたことなど。アメリカでは直球と同じ腕のふりから投じられる球速の遅いボールをチェンジアップということが多い。
分類の仕方にはいろいろあるが、ここではアメリカ式の変化の指せる方法で分類する。ただし、この分類は一例であり、認識の違いが生まれることは十分考えられるので注意していただきたい。
ファストボール | 球速の早い球種全般を示す。ストレート(フォーシーム)や ツーシームやムービングファスト、シンキングファストなどのほか、 カットボール(カッター)や、SFF(スプリット)を含む。 |
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ブレーキングボール | ボールに回転をかけて軌道を変化させるボールを示す。 カーブ(ドロップやナックルカーブなどに分類)や スライダー(縦スライダー、スラーブなどに分類) シュート、スクリューなど。 |
チェンジアップ | 指に挟んで抜くなどしてボールに回転をかけないボールを示す。 チェンジアップ(サークルチェンジなどに分類)、 パーム、フォークボール(SFFなどに分類)、シンカー、ナックルボールなど。 |
野球ゲームの影響
いわずと知れた野球ゲームの『実況パワフルプロ野球』や『プロ野球スピリッツ』は、その有名さゆえに現実の野球に影響を及ぼす事例も存在する。ここでは変化球に限って解説する。
左投手の投げるシンカーがスクリュー
パワプロで広まってしまった定義として最も有名な例。スクリューの開発者として有名なルーブ・フォスターと、それを教わり実践で用いたクリスティ・マシューソンは共に右投手である。
Vスライダーという名称
パワプロでは縦スライダーをVスライダーと表現する。VはVertical(垂直)の略である。もともとゲーム内での呼称だったが、和田毅がサンスポの取材で縦スライダーを「Vスライダー」と表現したことがある。
プロ野球選手の指標
菊池雄星は、野球ゲーム(おそらくパワプロかプロスピ?)で右打者との対戦時に「ゲームでカーブやスライダーだけの投手が打ちやすい」と感じ、外に逃げるチェンジアップを習得したと取材で語った。
永川勝浩は投球の大部分をフォークが占める投手である。ある時、弟の永川光浩がパワプロで兄・永川勝浩のデータを見たところ変化球が2種類のフォークしか無いことに触れ「兄貴はフォークしかなくてパワプロで使えない」と述べたことが、永川勝浩にスライダーの取得を決意させたという。
関連動画
記事のある各変化球の詳細記事
ファストボール
ブレーキングボール
チェンジアップ
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