夕張市とは、北海道の空知総合振興局管内にある市のひとつである。
概要
夕張市(2020年4月1日時点) | |
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面積 | 約763.03km2 |
人口 | 7,546人 |
市の花 | ツツジ |
市の木 | サクラ |
隣接 市町村 |
空知総合振興局 岩見沢市、芦別市、三笠市 夕張郡:栗山町、由仁町 胆振総合振興局 勇払郡:厚真町、むかわ町 上川総合振興局 勇払郡:占冠村 空知郡:南富良野町 |
地名の由来は「鉱泉の湧き出るところ」を意味するアイヌ語「ユーパロ」から。1943年(昭和18年)市制施行。内陸にあるため気温の寒暖差が大きく、雪もそこそこ降る。この気候を活かして生産される夕張メロンが特産品として全国的に有名である。
また、かつて炭鉱労働者たちがこよなく愛したカレーうどんならぬカレーそばが名物の蕎麦屋「藤の家」があった。ここは店主の高齢化と健康上の理由によって惜しまれつつ閉店となってしまったが、後に地元の飲食協会らがご当地グルメ(というより、そこに遠慮してメニューにしなかった)としてラインナップに加え、現在は数店でその味に親しむことができ、メロンに次ぐ夕張市の新名物として注目されている。
夕張川が市内を縦断するように流れており、それに沿う形で国道452号が敷設されている。また市の南部には道東自動車道が通っており、夕張ICで国道452号と接続する。鉄道はJR石勝線が通っている。街はおおむねこれらの道路や鉄道に沿って形成されている。
かつて炭鉱都市として栄え、最多時は12万人以上の人口を擁していた夕張市だが、エネルギー転換時代が訪れ、石炭需要が主に製鉄目的にシフトすると石炭は輸入するものとなり、内陸部にあったコスト高の炭鉱が次々と閉山、また炭鉱事故の補償問題が鉱山経営を圧迫した。こうなってしまえば、もともと道内屈指の豪雪地帯だった上に夕張川流域の炭鉱に沿って集落が作られていた多核構造であったことと、農業にあまり向かない土地柄、夕張メロンは有名になっても六次化(要は農産品で加工品を作ったりする二次産業×三次産業)を怠ったこと、加えてスキー場や博物館など箱物に依存したことで財政を圧迫、札幌に近いことから若い世代を中心に人口流出も進み、2010年には人口わずか1万人程度にまで減少してしまった。少ない人口の割に市の面積は広く、2010年時点での人口密度は全国の市の中で最も低い。
更に、炭鉱閉山の後処理や観光産業の不振が市の財政を圧迫した結果、2007年(平成19年)には財政再建団体として指定を受け、事実上財政破綻した。これにより、夕張市の地方自治権は当分の間大幅に制限されることになってしまった。
2016年8月にJR北海道が夕張支線の廃止を市に申し入れた。それに対して夕張市が交通体系の再構築などを条件に廃止を容認、その流れを受けてJR北海道は2017年6月14日に新夕張駅の駅前広場の改修をすると発表した。改修費用のおよそ1700万円はJR北海道が負担する。
なお、炭鉱の閉山によって人口が激減した都市では他に空知管内の芦別市、赤平市、三笠市、美唄市、歌志内町などが挙げられ、ほかにも留萌の沼田町や道東の旧白糠町(現釧路市)、北海道以外では山口県の美祢市、福岡県山田市(現:嘉麻市)、佐賀県の相知町(現:唐津市)、軍艦島などを抱えた長崎県高島町、伊王島町(現:長崎市)などがある。
都副知事「夕張で雪かき」発言
以上のような経緯で苦境の真っ只中に立たされてしまった夕張市だが、2010年(平成22年)に意外な形で注目を浴びることになった。
事の発端は2010年12月、青少年保護育成条例(いわゆる非実在青少年に関する都条例)改定の反対派から取材の申し入れがあったことに対して、東京都副知事の猪瀬直樹がTwitterで以下のような発言をした。
元々東京都では、「財政再建団体になるとはどういうことなのか」を知ってもらうことを目的として都職員を何度か夕張市に派遣しており、猪瀬副知事自身も2009年(平成21年)に夕張市での雪かきを体験している。このことも踏まえての「雪かきしろ」発言と思われるが、都副知事として相応しくない言い方(「ネトウヨ」など)や、取材を受けるのに条件を付けたことなどから波紋を呼んだ。猪瀬副知事が雪かきに行った2009年の積雪が例年よりも少なかったことから「猪瀬副知事の雪かきはお遊びレベル。今年の雪かきと一緒にするな」という批判すら出た。
この発言を受け、ジャーナリストの昼間たかしや漫画家の浦嶋嶺至が雪かきの条件を飲んで取材の約束をさせ、実際に夕張市へと雪かきに赴いた。浦嶋嶺至は2011年2月に面会・対談し、この模様はニコニコ生放送で放送された。その後、取材の日程は同年3月の都議会閉会式の後が予定されていたが、東北地方太平洋沖地震の発生により延期となり、同年11月までずれ込んだ。
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