多井隆晴とは、日本のプロ雀士である。「最速最強」の異名を持つ。
概要
幼い頃から麻雀が好きで10歳で牌効率をマスターし、23歳で日本プロ麻雀連盟のプロテストに合格。当時の本業は証券マンだったものの、バブル崩壊を期に退職して本格的に麻雀の道を歩む。
プロ連盟のタイトル戦では数々の結果を残したが、2006年に土田浩翔・阿部孝則・河野高志らとともに連盟を脱退。土田を中心に設立された日本麻雀機構を経て、新たな麻雀プロ団体、RMUを設立する。
現在はRMUの代表であり、同団体のスーパーエース。団体唯一のSSS級雀士であり、獲得したタイトルや賞は数えきれないほど。麻雀に必要なあらゆる能力を備えたオールラウンダー。媒体によっては攻撃型と評されることもあるが、多井自身は守備型を自称しており、高い分析力を駆使して危険牌を的確に処理しつつチャンスになれば押し返せるように手を組むバランス感覚に長ける。多井の守備意識の象徴たるものが配牌から後々手が詰まらないように安パイを残しながら打つ「配牌オリ」であり、自著の帯コメントでは「配牌オリだけで最強位になった男」と書かれるほど。
Mリーグでは初年度のドラフトでサイバーエージェントが率いる「渋谷ABEMAS」から1位指名を受け入団。絶対的エースとして君臨し、2018年シーズンはMVP、2021年シーズンは4着回避率1位のタイトルを獲得。2021年シーズンまで4期連続+200pt、通算+1000pt超えとエースの名に恥じない活躍を見せている。雀士としての実力もさることながら、フランクで親しみやすいトークも彼の魅力の一つで、人気解説者の一人でもある。ファンサービスにも積極的であり、「たかちゃん」の愛称で親しまれている。
麻雀最強戦2020においては、一度は二階堂亜樹に敗れたものの、敗者復活戦を勝ち上がりファイナル進出。1stにて二階堂亜樹に雪辱を果たし一位通過で2ndへ。事実上の決勝とも言われたA卓を勝ち抜き、その勢いのまま優勝。遂に最強位の座を手にし、『最速最強』であることを改めて証明した。
ちなみに、「最速最強」は自分で付けた二つ名で、「最強」はトップクラスを目指すための自戒として、「最速」は打つスピードが速いことを理由に名付けた。現在はそれほど打つのが早くないため、この二つ名はやめたいと話している[1]。そのためか、最近では「麻雀星人」を使う機会が増えている[2]
その強さと打ち方に片山まさゆきが惚れ込んだことでも知られ、『オーラ打ち言霊マンボ』の主役、多口万棒のモデル(本人了承済)にもなっている。
VTuber大好き たかちゃん
最近は麻雀系VTuberを中心に様々なVTuberの配信を追っている模様。
特ににじさんじは自称「箱推し」。その中でも文野環、郡道美玲、天宮こころをよく話題に上げている。
麻雀をあまりしないVTuberでもその初期の配信内容をしっかり踏まえた発言があるなど、かなりどっぷりハマっていることがうかがい知れる。
その縁からか、自身のYouTubeチャンネル「たかちゃんねる」や、オンライン麻雀ゲーム『雀魂』の公式番組などで積極的にコラボを行っており、雀魂の公式大会である『一周年大感謝杯』や『雀魂バーチャルインターハイ』ではメイン解説を勤めた。
それ以外にも、登録者数の大小や企業所属や個人勢に関わらずコラボを行っており、特に天開司、郡道美玲、因幡はねる等と仲が良い。
文字通りライフスタイルが一変するほどのもので、大会控室でVTuberたちのアーカイブをモニターに映して視聴する写真をTwitterにアップしたり、同じく控室の選手や大会スタッフに布教したり、視聴のために仕事のスケジュールを調整するようになったなどの発言があった。
余談だが、彼のチャンネルから赤いスーパーチャット(投げ銭)が唐突に贈られることがあり、視聴者からは通称『たかちゃん砲』と呼ばれている。
2022年に始まった『雀魂』によるプロと配信者混合の麻雀リーグ戦『神域Streamerリーグ(神域リーグ)』では発起人である天開司の相談役となり、麻雀プロと配信者の橋渡しをするなど実現に向けて奔走。自らも「チームアキレス」の監督として天宮、郡道、以前から麻雀を指導していた咲乃もこと共にリーグ戦を戦った。(結果は「433444」とも言われるように人生最大級の下振れだったのだが…)
2023年度の神域リーグシーズンでは元々雀士として評価していたこと、また神域リーグの下振れに心強い言葉をもらった白雪レイドをドラフト1位として抜擢(前シーズンでは立直超人・村上淳のチームアトラスで戦っていた)。ドラフト2位以下は渋谷ハル社長と或世イヌを指名し、メンバーを一新してのスタートとなった。
エピソード
- 母親と同居しているが、母親はネットに疎く多井も「麻雀関係の仕事をしている」としか伝えていなかったため、長らく息子が麻雀プロであることを知らなかった。そんな母親も2023年にアメトーーク!でMリーグが特集された回を視聴してついに息子の仕事を知り、「勝負事に向いてないんだから辞めたら?」と連絡した模様。
- 現在まで未婚。本人曰く「プロになる直前に一度だけ結婚を考えた相手がいたがそれ以降はない」とのこと。
瀬戸熊直樹との関係
- 麻雀プロの瀬戸熊直樹は無二の親友。同時期に連盟に加入し、瞬く間にトッププレイヤーに成長。連盟のエース格としてしのぎを削った。
- 多井がプロ連盟を脱退した際には瀬戸熊が引き留めようと最後まで説得。脱退後も連盟に「多井だけでも復帰させられないか」と相談していた。後に多井は「この話を聞いた時だけは連盟脱退を後悔した」と振り返っている。
- Mリーグで解説を務めた際、対局していた瀬戸熊の放銃に「僕は瀬戸熊さんが大好きなのでこれは打ってほしくない」と一喝。瀬戸熊もブログでこの放銃が不甲斐なかったことを認め、次の試合で多井相手に逆転トップを獲得している。
- 2020年に多井が最強位を獲得した翌年、2021年には瀬戸熊が最強位を獲得。優勝インタビューで「多井さんが『セトが本気になったらこんなもんじゃない』と言ってくれたことが支えになった」と涙ながらにコメントした。Youtube生配信をしながらネット観戦し、このコメントを聞いた多井も男泣きした。
- 2022年の最強位決勝戦では解説として瀬戸熊の連覇をスタジオで見届け、優勝が決まるやいなや大号泣。スタジオではいの一番に瀬戸熊と抱擁し勝利を祝った。
戦績
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関連動画
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関連コミュニティ
関連リンク
関連項目
- 麻雀
- Mリーグ
- 雀魂
- 鈴木たろう / 瀬戸熊直樹(仲のいいプロ雀士)
- 郡道美玲 / 天開司 / 因幡はねる(仲のいいVTuber)
- 文野環 / 天宮こころ (大好きなVTuber)
- 麻雀関連項目の一覧
脚注
- *【ボートレース蒲郡】『自分の異名について』#5 後半_多井ボートの控え室【多井隆晴/伊達朱里紗/佐々木寿人】
- *もともと「宇宙から麻雀星人が襲来してきたら俺が人類代表として戦う」と語っていたのだが、いつしか周りから「実は多井プロが麻雀星人なのでは?」と言われるようになり、そのまま定着しつつある。
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