夜王とは、原作を倉科遼、作画を井上紀良が担当する漫画およびこれを原作とするテレビドラマ作品である。
あらすじ
夜王――
歌舞伎町の夜の世界の頂点に立つ男はそう呼ばれ、この街に棲み生きる男は皆その「夜王」を目指しているという……
2003年、何も持たずに北海道から出てきた男・的場遼介は、ヤケを起こして雨に打たれる中、世界的に有名なファッションデザイナーの加納麗美と出会い、彼女とまた出会うため、ホストクラブ「ロミオ」で働きだす。
夜の住民となった遼介は様々な客や先住者と関係を持つ中で、他とはことなるやり方で夜王への道を昇ってゆく。
概要
北海道からその身一つで上京してきたホストクラブで働く的場遼介を主人公に、ホスト仲間や夜の住民たちとの交流、男女の仲を描く。
集英社「週刊ヤングジャンプ」にて、2003年9号から2010年16号まで、全313話が連載された。単行本は全29巻。
2005年5月11日に「水曜プレミア」で二時間ドラマとして放送され、2006年1月13日より3月24日までレギュラードラマとなった。レギュラードラマの平均視聴率は15.5%と高い。特撮関係者が多く出演していたことでも知られる。
夜の世界の話なので悲惨な描写も少なくないが、基本的に主人公がカラッとした性格なのでそこまで陰鬱ではない。
直接狙っているわけではないのだが異常な性格のキャラクター及びシリアスな笑いどころが多数あり、一部ではギャグマンガとして根強い支持を得ている。
主なキャラクター
- 的場遼介
- 主人公。北海道で暴走族をしていたが上京して加納麗美と会ったことがきっかけで「ロミオ」に入店しホストとなる。よく雄たけびをあげる。非常に腕っぷしが強く、また、思いっきりや度胸、肝の据わり具合が半端ではない。様々な女に愛され、そして失いながら街の実力者に認められ伝説となっていく。
- 加納麗美
- 世界的デザイナーでREMIブランドの創設者。子宮がんを患っており、生い先は長くない。遼介を援助しつつホストとしての在り方を提示し、多大な影響を与えた。
- 上条聖也
- 「ロミオ」のNo.1ホストであり、「歌舞伎町四天王」の一人だったカリスマホスト。遼介が現れるまでは、店内で絶対的な存在であったが、遼介との戦いに敗れた後は母が住まう博多でホストを始める。
- 修
- 遼介が「ロミオ」に入店した当初から世話をやいていた良き先輩。当初はうだつの上がらない落ちこぼれホストだったが、後に遼介に次ぐ売り上げをたたき出すまでに成長する。
- 矢島輝彦
- 「ロミオ」のオーナーで元伝説のホスト。加納麗美とは旧知の仲。
- 麻美
- 「ロミオ」の常連のソープ嬢。
- 北村美紀
- ホストクラブ「エロティカ」のオーナー。学生時代、実業家と愛人契約を結ばされた。契約破棄後はアメリカへ旅立つ。
- 藤崎卓也
- 元アイドルのホスト。「エロティカ」で働いていたが、美紀の提案もあり「ロミオ」に引き取られた。遼介派にとってかかせない存在だが、少し血の気が多い。
- 桃
- “夜王”と関りを持つホームレス。
- 高橋徹
- 遼介の歌舞伎町の先輩にしてこの漫画の良心。故郷は沖縄。米国軍人の落とし子なため黒人っぽい見た目をしている。「ポイズン」というソープのオーナーになってからは一時、別人のようになってしまったものの、紆余曲折あって自分の過ちを認め、また元の気さくで優しい性分へと戻った。
- 張京美
- 兄に呼ばれ日本に来た中国人。
- 浦澤梨佳
- 「やすらぎ」というマッサージ店で働く、交通事故で視力を失った女性。常連の高橋と付き合っていたが、自分を束縛するようになった彼に嫌気がさしてゆく。
- 翼
- 入店二日目で5人の指名客を掴んだ「ロミオ」の新人ホスト。20歳。顔立ちがハーフと間違われるほど美しいが、やり口は汚い。本名は石川耕三といい、元はキャバクラ「エトランゼ」の黒服だった。
- 愛夢
- “歌舞伎町の女王”と呼ばれる、キャバクラ「エトランゼ」所属の日本一のホステス。モデルは浜崎あゆみ。現在の“夜王”の娘。
- 源太
- 「ロミオ」で働く太めのホスト。32歳。妻がいる。指名客が一人もいない、遼介のヘルプにつくだけのダメホストだったが、翼にノせられて初めて指名と同伴をゲットしたのを機に翼派に鞍替えした。
- 霧崎京一郎
- 上昇志向の強い本庁から所轄に派遣されてきたキャリア官僚。階級は警部。口癖は「肉便器」と、言葉使いがかなり汚い。過去の出来事のせいでホストを強く憎んでおり、現ホスト界の象徴である遼介を強引に逮捕しようとする。本作屈指の人気キャラ。
- 後藤利夫
- 警察庁のナンバー2。次期警察庁長官といわれている。
- 柳直夜
- 大阪のミナミから歌舞伎町に進出してきた型破りなホスト。
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関連項目
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