夢から醒めた夢(ゆめからさめたゆめ)とは、赤川次郎が娘のために書き下ろした絵本、及びそれを原作としたミュージカル作品である。
原作
1986年に角川書店から出版された。2009年には角川つばさ文庫としても出版される。
キャラクター
・ピコタン
冒険が大好きな9歳の女の子。原作では両親と15歳の姉がいる描写がある。
・幽霊の女の子
ピコタンと同い年くらいの女の子。病院で亡くなるが、母親が仕事のため死に際に間に合わずお別れを言えないでいた。女の子は母親を恨んではおらず、むしろ自分の死によって大切な仕事が嫌いになってしまったことを気にしていた。(父親は早くに亡くしており母子家庭であった。)
・フワフワおじさん
霊界の住人であり、ピコタンの冒険をサポートしてくれる。
ミュージカル概要
劇団四季によって1987年に初演された。その後、2000年に演出の大幅なリニューアルが行われ、開演前のロビーパフォーマンスも導入された。このロビーパフォーマンスは劇場前とロビー内での撮影が可能(客席内および公演本番中の撮影は禁止)となっており、同作品の名物となっている。※公演によっては変更の可能性あり。
2017年6月に浅利演出事務所によって上演された際はロビーパフォーマンスが無く、衣装や演出が大幅に変更された。
主人公と幽霊の女の子が1日だけ入れ替わり、やがて生と死の問題に直面するという流れは原作と同じであるが、物語の始まり方や霊界の設定などが異なり、登場キャラクターも原作にいないキャラが多く設定されている。
ミュージカル版ストーリー
不思議なことに憧れる少女ピコは夢の配達人に導かれ夜の遊園地へ向かい、そこで幽霊の少女マコと出会う。お母さんを励ますため、一日だけ生と死を入れ替えてほしいというマコの願いにピコは答え二人は生と死を入れ替わり、マコは母のもとへ、そしてピコは霊界に行くことになった。 霊界の空港には光の国(天国)行きの白いパスポート、地獄行きの黒いパスポート、そしてその中間として空港で働きながら光の国行きを目指すグレーパスポートを持つ人達がいた。
キャラクター(ミュージカル版)
- 夢の配達人
夢を配って歩く人。私たちが見ている夢はこの人が配っているらしい。ロビーパフォーマンス終盤に青いマントと謎の仮面姿でロビーに登場し、開幕後に意外な場所から登場する。夢の世界を旅する分身として観客にピコを紹介する。 - ピコ
本作の主人公。不思議なことや珍しいことに興味を持つ女の子。 - マコ
交通事故で命を落とした幽霊の女の子。お母さん想いのやさしい子であり、光の国へ旅立つ前にちゃんとお別れしたいと願っている。白いパスポート所持者。 - マコのお母さん
夫を亡くし、一人でマコを育ててきた。マコの死後はショックで食事ものどを通らないほどになる。 - エンジェル
霊界空港の役人。「みんなが幸せになれたらいいな」 - デビル
霊界空港の役人。「てめえのことばっかし考えやがって!」 - 部長
家族を大切にせず仕事一筋で生きてきて過労死してしまう。グレーパスポート所持者。 - 暴走族
バイクでスピードを出しすぎて彼女と共に事故死してしまった。リア充ざまあ。ちなみにその彼女は作中に登場しない。グレーパスポート所持者。 - ヤクザ
喧嘩で殺されてしまった。義理人情に厚い。グレーパスポート所持者。 - メソ
いじめを苦に自殺した青年。2007年以前は受験に失敗し自殺した設定だった。グレーパスポート所持者。 - 老人
自分より患者のことを一番に考えていた医者。妻が空港にやってくるのを待ち続けている。白いパスポート所持者。 - 老婦人
老人の妻。白いパスポート所持者。 - 子どもたち
争いごとや飢え、病気で命を落とした子どもたち。白いパスポート所持者。女性アンサンブル7名が演じている。 - 空港職員
霊界空港で働く職員たち。グレーの制服を着用している。詳しい正体は不明。男性アンサンブル7名と女性アンサンブル4名(遊園地シーンでの黒い妖精)が演じている。
ロビーパフォーマンス(遊園地シーンのキャラクター)
劇団四季による公演では開演前にロビーパフォーマンスが行われていた。
公式の紹介ページが無いため、キャラクター名称は公式のものではありません。
劇場によって演目や内容、演者が変更される場合がある。
- ピエロ
カラフルな衣装の女性ピエロ。2人いるが衣装は異なる。女性アンサンブルが演じている。 - 白黒ピエロ
白黒の男性ピエロ。2人いるが衣装は微妙に異なる。身体能力が高い。男性アンサンブルが演じている。 - 高脚ピエロ
身長が3mあり、カラフルな衣装を身に付け笛を吹いているのでとても目立つ。暴走族役とヤクザ役の演者が演じている。 - 手回しオルゴール
老人役の演者が演じている。本編未登場。 - マーチング
黒い妖精を先頭に、青とピンクの男性ドラマーが後に続いている。黒い妖精は女性アンサンブル、青ドラマーは部長役、ピンクドラマーはエンジェル役の演者が演じている。遊園地シーンでドラマーはタップダンス時の演奏を担当する。 - 小人
3人の小人がハンドベルを鳴らす。小人という設定なので身長が小さく見えるように工夫して演じている。遊園地シーンでは形状が変わる。女性アンサンブルが演じている。 - フランス人形
きれいなお姫様のドレスを着ている。本編未登場。女性アンサンブル(遊園地シーンでの黒い妖精)が演じている。 - ダーツ
黒い妖精2人がダーツのコーナーを運営している。黒い妖精は本編の遊園地シーンに出てくるが、ダーツの設定は特に見当たらない。女性アンサンブルが演じている。 - タップ
妖精2人の演奏に合わせておもちゃの兵隊さんがタップダンスを披露する。妖精は女性アンサンブル、兵隊は男性アンサンブルが演じている。ロビーで踊る兵隊は2人だが遊園地シーンでは4人になる。 - マリオネット
仮面をつけた貴族風の男性が白黒ピエロに似た人形を操作している。ちなみにこの貴族風の男性は2人おり、一人がマリオネット、もう一人がフランス人形のエスコートをしたり劇場によっては楽器を演奏したりしている。開演前にベルを鳴らしているのもこの2人である。ちなみに、つけている仮面が夢の配達人の物に似ていたり、遊園地シーンで重要な場面に出てきたりと他のキャラより格が上である可能性がある。
メソ役の演者と男性アンサンブルが演じている。 - 魔法使い
怪しげな箱を運んでいる。本編未登場。演者は不明。 - 悪魔
獣のような仮面と筋肉ムキムキ風の衣装を着ている。本編未登場。演者は不明。 - 謎の人物
4人ほど謎の人物が登場する。他のキャラと異なり遊園地以外のシーンにも登場。演者は不明。 - スタッフピエロ
黄色と黒の衣装にお面をつけ、パフォーマー周辺の整理などを行っている。中の人は劇団四季のスタッフだと思われる。
ミュージカル・ナンバー
- 夢を配る
歌:夢の配達人 - いつも夢見て
歌:夢の配達人・ピコ - 遊園地のパレード
歌:ピコ・遊園地シーンのキャラクター - 冷たい手
歌:ピコ・マコ・夢の配達人 - マコの物語
歌:マコ・マコのお母さん・夢の配達人 - 神様お願い
歌:マコのお母さん - お願いピコ
歌:ピコ・マコ - 二人の世界
歌:ピコ・マコ - ここは霊界空港
歌:エンジェル・デビル・空港職員・部長・暴走族・ヤクザ - ぼくのいきさつ
歌:子どもたち - メソの悲しみ
歌:メソ - メソの過ち
歌:メソ - 夢を配る(リプライズ)
歌:夢の配達人 - ぼくのいきさつ(リプライズ)
歌:子どもたち - 煉獄のおいらたち〜部長
歌:部長・空港職員 - 煉獄のおいらたち〜暴走族
歌:暴走族・空港職員・ヤクザ - 煉獄のおいらたち〜ヤクザ
歌:ヤクザ - 誰でもないあたし
歌:ピコ・空港職員・部長・暴走族・ヤクザ - あなたのために
歌:ステージ上全員 - マコを捜せ
歌:ステージ上全員 - 愛をありがとう
歌:ステージ上全員 - 素晴らしい一日
歌:マコ・マコのお母さん - 行かないで
歌:マコのお母さん・マコ・ピコ - 二人の世界(リプライズ)
歌:ピコ・マコ
公式PVで流れることが多い曲は「夢を配る」、「遊園地のパレード」、「愛をありがとう」、「二人の世界」である。
スタッフ
原作:赤川次郎
演出:浅利慶太
台本:浅利慶太・奈良和江
作詞:奈良和江・浅利慶太
作曲:三木たかし・宮川彬良
編曲:佐藤俊彦・宮川彬良・三宅一徳・直居隆雄・三木たかし
振付:加藤敬二・謝珠栄
関連動画
関連静画
関連商品
関連項目
外部サイト
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