大剣とは、大きい剣の事である。特にこれといった定義はなく、本来は主観の強い言葉である。英語ではグレートソード。
概要
大剣またはグレートソードは単に大きな刀剣を指す定義のない単語であり、歴史的な刀剣の区分でもない。そのためグレートソードは厳密な西洋刀剣の一種ではない。
歴史上でも欧州のトゥーハンデッドソードや日本の大太刀、中国の陌刀等、大剣に近い或いは、大剣と呼ばれる可能性が高いであろう、それっぽい武器は実在した。ただし、ゲームやアニメなどのイメージとは大分異なる。例えば歴史上のトゥーハンデッドソードはサイズに対してとても軽く作られており、平均的な刃渡りは1~1.2m、重量は2.2~3kg程度である(これを上回るサイズのモノは、概ねパレードか奉納用である)。また、軽量化と切れ味の保持または剣身の破砕防止のため、剣身は硬さよりも柔軟性を重視しており、幅広だが厚みは水平にすれば自重で剣先が垂れ下がるほど薄かった。このような処置は大太刀にも見られる。一方、アニメやゲームなどのフィクションに登場する大剣は重量感があるデザインが多数で、刀身は分厚く顔が隠れるほど幅広で、身の丈を超すか超さないか巨大さを誇る傾向が強く、とても実際には振り回せないようなサイズと重量であることが多い。
西洋刀剣が「重量で叩き潰すように進化した」と錯覚されるのはだいたい創作上の彼らのイメージが強いためである。
実際の西洋刀剣(というより刀剣全般)は、あくまで刺突と切り付けが主な使用法であって、叩き潰すような打撃用途は補助的なモノである。また西洋刀剣が太く頑丈さ重視風に見えるのは冶金技術が中東以東の地域と比べて低かった時代が長いからであり、史実の大剣が数多く現れるのは冶金技術が向上し刀剣の細身・軽量化が始まったころである。
フィクション作品においては、パワフルなキャラクターが使うため、筋力系の武器というイメージが強い。
これは半分は間違いではない。しかしながらこのような刀剣を使いこなすには、無駄な体力の消耗を防ぎ、使用時の隙を減らす為の高いレベルの技術力が要求された。また、高価であったため、使用者はどちらかといえば富裕層に限られた、エリート層向けの武器だったともいえる。
フィクションでは…
代表的なものに、漫画ベルセルクに登場するドラゴン殺しなどが挙げられる。ゲーム作品などでは、ロマンシング・サガシリーズ、後述のモンスターハンターシリーズなどで専用武器系統として登場した他、真・三國無双5(sp)では馬超の新しい武器として登場し、ファイナルファンタジー7では主人公クラウド・ストライフの武器として大剣に該当する大型剣が登場している。
関連項目
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