大合神クジラちゃん単語


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ダイゴウシンクジラチャン
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大合神クジラちゃんとは、えびふらい氏が製作したコンピュータ将棋プログラムである。

概要

ニコ生ユーザーPCを募ってクラスタ計算を行うのが最大の特徴。ウェブサイトexitからソフトウェアダウンロードすることででも参加できる(ただし64bitOS限定であり、32bitには対応していない)。
思考部にはBonanza6.0やAperyなどのライブラリを修正して使用している。

世界コンピュータ将棋選手権

会場からニコニコ生放送配信をしており、対局の様子や開発者同士の雑談などをリアルタイムで見ることが出来る。
1次予選の様子を配信するために、獲得したシード権は放棄することをポリシーとしていたが、2018年の第28回大会よりシード権の放棄が禁止(新チームとしてエントリーしても実質的な後継チームと判断されたときは同じ)されてしまった。ただし、催者側も一次予選と二次予選の模様を伝える重なメディアとしては認識しており(なにしろスポンサー企業を募る媒体資料に、公式生放送数字と並んでこの再生数と来場者数が記載されている)、配信の場と機会は提供される模様。

実績のある優秀な年長の開発者に対して、えびふらい氏が何の悪気もなく天然で発する失礼ともとれる言動に対して、視聴者が「UES」(うちのえびすみません、の略)と代わりに謝罪するのがこのお約束である。また、ひたすら勤勉に王道を突き進んでソフトを強くする強開発者、それとは全く異なるアプローチで大会に参加する開発者と、「プログラマーの美徳」のある部分を極限まで極めているえびふらい氏との対を楽しむことができる。

第23回(2013年)

初出場し、会場からニコニコ生放送を行った。対戦成績は4勝3敗で一次予選11位
参加PCは最多で88台、NPS(1間に読む局面数[1])は約5000万に達した。
思考部にはBonanza6.0をほぼそのまま使用。
自作GUIを使用し、評価値に応じて表情を変えるイラスト、現局面だけでなく読み筋も表示する盤面、駒が動く際のエフェクト、凝った背景デザインなどで好評を博した。
また、妄想勝手読みが多く、一喜一憂してころころと表情を変える様が人気を集めた。
独創賞を受賞。

第24回(2014年)

一次予選を6勝1敗の2位で突破し、二次予選では初戦から習甦を破る快挙を見せる。
結果は二次予選4勝5敗で16位となり、決勝進出はならなかったが、二次予選シードを獲得した。
思考部にはBonanza6.0を元に開発したものを使用。
参加PCは最多で200台以上、NPSは2億をえた。
今回も会場から生放送を行い、ゲストとしてソフト開発者、プロ棋士記者、さらにコンピュータ将棋協会の会長副会長まで登場するな放送となった。将棋の内容にスポットが当たる大会公式の生中継とは違い、開発線のコンピュータ将棋そのもの対しての濃い話、またそれまでメディアではほとんどの当たらなかった一次予選の参加者たちの取り組みが見聞きできる重な場として、注度が上がっていく。

第25回(2015年)

シード権を放棄して一次予選から参加した。
対戦成績は一次予選を5勝2敗の4位で突破し、二次予選は4勝5敗で16位となった。
思考部にはBonanza6.0に追加学習を行った評価関数と、なのはminiベースに改良したものを使用。
開発が間に合わず、大会当日のまでプログラムが動かないという惨状となり、徹夜make fileを続けるえびふらい氏を視聴者がえんえんとニコニコ生放送で見続けることとなった。
結局クラスタはまともに動かず、事実PC1台での参加となり、実績はなのはminiを改良した思考部「沙夜ちゃん」を手がけた共同開発者のespelade氏が独占すべきものとなる。生放送ライター松本博文氏と坂本寛氏による説教番組と化し、その他期待を裏切られた多数のリスナーからお叱りを受けた。

この年は、決勝に進んだ「selene」の開発者・西海氏のブースに間借りして、初となる選手権最終日の模様を中継する。配信自体は非常に高い評価を得たが、この年開催された電王戦FINALで敗れたとはいえ、練習将棋では強永瀬拓矢をして「勝てたのは1割」と評されたseleneが7戦全敗という衝撃の結果に、「疫病神クジラちゃん」だの「貧乏神クジラちゃん」だののコメントがついてしまった。

第26回(2016年)

今年もシード権を放棄し初日から参加。1次予選は6勝1敗で3位通過。2次予選では激指GPS将棋大将軍などの古参ソフト勝利し、6勝3敗の4位で念願の決勝進出を果たした。前年の失態を見事に挽回した快挙に、2次予選終了後、坂本氏から鉄板焼きふるまわれる。
決勝では前回準優勝NineDayFever勝利するなど健闘し、3勝4敗で5位となる。
思考部には大樹の枝(Apery)をベースに改良した「SILENT_MAJORITY」を使用。
参加PC300台をえた。NPSコンスタントに2億以上を叩き出し局面によっては最大5億NPSえることも。
恒例の会場からの生放送は強ソフトとの対戦が多かったこともありメンバーによる放送となった。

大会終了後、

という2点において大会ルールに違反しているのではないかと問題になった。
悪意による規定違反ではなくミスの類であるということ、そもそも規定が曖昧でありルール側の不備であるところが大きいこと、ライブラリと使用したバージョンとではほとんど棋力の差がないことなどの理由により、失格にはならず「順位辞退」扱いとなった。
来年のシード順については今年の参加ソフトの最下位となる。

第27回(2017年)

一次予選を6勝1敗の2位で突破。二次予選では、対戦相手が前評判の良いソフトばかりであったり、5回戦にはバグで反則負けを喫するなど非常に厳しい条件であった。しかし前回準優勝の技巧にをあげるなど奮闘し、2次予選後半に入っても首位を堅持し、ライター松本氏が「日本情報科学未来はこれでいいのかね」と冗談を飛ばす事態に。最終的には6勝3敗の3位で2年連続の決勝進出を果たした。決勝では一部対局で定跡してくれないトラブルがあったものの、4勝3敗で4位となった。
思考部には浮かむ瀬(Apery)を微修正したものを使用。

GPS将棋を参考にしたクラスタ手法の改善により、それまでは「烏合の衆クラスタ」「計算資の浪費」などという自嘲のリスナーから出ていたクラスタ効率が大幅に改善。メニーコアの強力なCPUをほとんど可性のない選択肢の深掘りに回し、パワーのないノートパソコンを有望な選択肢に振り当てて狭く浅くしか読まない、などのそれまでに生じていた課題をし、ボランティアコンピューティングによる探索で初めて明確にPC1台で動作させるよりも強くすることに成功する。
他にも、第4回電王トーナメント優勝の「浮かむ瀬」を使用したスレーブや、フリーの強定跡である「まふ定跡」の特別版などが棋力向上に寄与した。

決勝の後半では均約14億NPSを達成する。
局面によっては、符号付き32bit整数の上限である21億4748万以上のNPS叩き出し、NPS表示がオーバーフローしてしまった。
また、クライアントソフトGUIが一新されて、棋譜や評価値などを盤面で確認できるようになった。ブラウザ上からはクジラちゃんが探索しているツリーも確認できる。
その甲斐もあってか、決勝5回戦の対Ponanza Chainer戦では過去最多となる565台のPCが参加した。

第28回(2018年)

前年の第5回将棋電王トーナメントponanza引退を表明した後の初の大会となる第28回WCSCにおいて、冗談や煽り抜きに大会前の優勝補筆頭に推されたのは大合神クジラちゃんであった。

えびふらい氏は読み太」の開発者の塚本三氏と間違えて前回大会終了後に開されたWCSC6位の「読み太」の評価関数を改良して前回大会優勝のelmoを上回る「野生の読み太」を生み出したk_ohga氏を勧誘しこれに成功。さらに前年に続いてまふ氏も協力者に名を連ねた。開されているライブラリをもとにk_ohga氏が改良を加えた評価関数探索部のセットクライアントGodWhale / Qzilla」は、大会終了後の有志による実力測定で、開されたものの中ではQhapaqと並ぶ最強クラスのものであったことが判明した。また、クラスタの参加者はさらに増え、大会期間中には間最大で35億NPSえることもあるなど、他を圧倒する計算力を確保した。

最強の思考部と最大の計算資を確保できているのだから、それは優勝補筆頭に推されても不思議ではないのである。一の不安要素とされるえびふらい氏担当のクラスタリングマスター部も、前年におおむね大過なく動いていたことから、ついにあの大合神クジラちゃんが優勝してしまうのか、と期待が高まったのはむしろ当然であった。

かしこれらの長所は、序盤を最低でも互で乗り切り中盤に入ってからこそ発揮できるもので、その序盤で出遅れるといかなクジラちゃんといえども挽回は難しい。その出遅れをモロに突かれるかたちで、二次予選では3敗し8チーム中5位で通過。他のチームが「大会で勝つための定跡」を精選してきた中、そこの対応で後手に回ってしまった。さらに決勝リーグでは、付け焼きで序盤の思考時間を増やせば設定に失敗して定跡を抜けた間時間切れ負けになり、なりもしない千日手の筋を読むのに計算資を投入するのを回避しようとしてうまくいかず、2勝2分3敗で6位と、不完全燃焼感の残る大会となってしまった。

成績

最終成績 備考
第23回 一次予選 27位 独創賞 アピール文章exit
第24回 二次予選 16位 シード権獲得 アピール文章exit
第25回 二次予選 16位 シード権獲得 アピール文章exit
第26回   決勝  5位辞退 - アピール文章exit
第27回   決勝  4位 シード権獲得 アピール文章exit

関連コミュニティ

関連生放送

関連項目

関連サイト

脚注

  1. *置換表(ハッシュ表)をプロセッサ間で共有していないため、探索局面の重複がある。そのため、実際に読んだ局面数はもっと少ない。

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大合神クジラちゃん

1 ななしのよっしん
2013/05/04(土) 00:50:14 ID: 9R8xUrY6I/
今日は楽しかった。
また、来年がんばって欲しい。
次は、GUIに力を入れよう
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2 ななしのよっしん
2013/05/05(日) 22:44:22 ID: y2opZbS+Hw
ニコニコ大百科作成乙&独創賞おめおめ。
西尾先生との対局企画も頑ってね。
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3 ななしのよっしん
2013/05/07(火) 20:04:05 ID: ghdd+/CYaz
NPS5000万も出たの?正直侮ってたわ。来年も出るなら参加したい。
まぁ、評価関数ボナ6.0のままNPSだけ上げても厳しいだろうけども。
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4 ななしのよっしん
2015/11/18(水) 01:03:02 ID: gpVzKiH7Ft
電王トーナメントアピール文書読んでたらなんか貴族になってて笑った
佐藤天彦に次ぐ将棋界2人(?)の貴族
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5 ななしのよっしん
2016/05/05(木) 05:52:19 ID: TOhy8lcMRr
NPSついに億に到達
クジラちゃん成長したもんだなあ
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6 ななしのよっしん
2016/05/07(土) 00:03:57 ID: gpPGkBThZh
クジラちゃん5位おめ
3年前とは大違いだなぁ 来年もがんばれ
ところでもう投票将棋はやらんのかね?もし機会があればまたやりたいなぁ
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7 ななしのよっしん
2016/05/09(月) 06:49:34 ID: /ny5n+roKF
2016/05/09現在だとサイレントマジョリティ(クジラちゃんの思考部)の評価関数を最新版のAperyに置換したものが(本家より微差で上の)おそらく最強フリーソフト
やねうら王の最新版とか技巧が開されるとなると流石最強ではなくなる可性が大きいが
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