大将(たいしょう)とは、以下に示すように現代では複数の意味を持つ言葉の事である。本項では1を扱う。
- 軍隊の階級の1つ。大将軍。NATOの階級符号ではOF-9に当たる。本記事で解説。
- 中世日本における階級の一つ。(総)大将の他に侍大将、足軽大将などの位が存在する。
- 2から転じて、ある集団の頭目や堂々とした個人への美称。この場合、御大将や若大将とも呼ばれる。
- 寿司屋や割烹などにおける店主、または料理長の別称。「大将!一丁おねげえしやす!」
- 剣道などの団体試合における、一連の構成の最後に当たるもの。先鋒・次鋒・中堅・副将・大将。
- タレント:萩本欽一(欽ちゃん)の愛称。
- 加藤紘一のこと。加藤の乱において谷垣禎一が発言した「加藤先生、大将なんだから!」が当時頻繁に取り上げられた。
- ニコニコ動画で活動している男性実況プレイヤー。 →大将(P-2)
概要
元帥 |
大将 |
中将 |
少将 |
准将 |
大佐 |
中佐 |
少佐 |
大尉 |
中尉 |
少尉 |
准尉 |
曹長 |
軍曹 |
伍長 |
中将の上として将官の最上位、ひいては軍人階級のうち常任される中では最上位となる階級であり、職業軍人のトップでもある。
より上の階級としては元帥があるが、これは常時任命されるものではないことが多く、多くの国では大将が最上位とみなされる(中将までしか置かない国も存在する)。日本軍では一時期を除き陸海軍大将のうち目覚しく活躍した者に名誉称号として「元帥位」を授与する形式となっていたので、あくまで階級そのものは陸海軍大将のままであった。
プロイセン王国から第三帝国に至るドイツ軍、ソビエト連邦軍など一部の国では大将の上に上級大将をおく階級制度を採っていた。上級大将を置く軍隊では通常准将を置かず、准将を置く国では通例上級大将を置かないため将官は4階級になる事が多かった。このためいわゆる「上級大将」と准将を置く国の「大将」はどちらが上か、等と議論になることも少なくない。第二次世界大戦後のNATO諸国では混乱を避けるため階級制度の並列化が図られており、ドイツ連邦軍でも上級大将は廃止されている。ロシア連邦やウクライナなどの旧ソ連諸国やソビエト式軍制の影響を受けた社会主義国などでは今もって上級大将の階級が使われていることがある。
現代の中華民国および中華人民共和国、旧満州国における大将相当の階級は「上将」と呼ばれる。中華人民共和国では一時期「大将」という階級が存在していたが、これは上将の上に位置する階級であり、ソビエト式の上級大将に相当する。
自衛隊においては大将の階級そのものは存在しないが、各自衛隊の「幕僚長たる将」には4つ星の階級章が与えられており、英訳時も諸外国の大将に相当する訳が与えられている。あくまでも職掌に対して与えられるものであり、階級制度上大将相当の階級が存在するわけではない。
女性の大将は非常に稀である。少なくとも筆者が知るのは以下の米軍大将4人である。2008年に米陸軍大将になった「アン・エリザベス・ダンウディ(Ann Elizabeth Dunwoody)」、2012年に米空軍大将になった「ジャネット・キャロル・ウォルフェンバーガー(Janet Carol Wolfenbarger)」、2014年に米海軍大将になった「ミシェル・ジャニーン・ハワード(Michelle Janine Howard)」(ソース)。2022年に米海軍大将になった「リサ・フランチェッティ(Lisa Franchetti)」は2023年11月2日付で女性として初めて米海軍作戦部長に就任した。
英語で「大将」に相当する呼称は「General」。ただし海軍の場合は「Admiral」である。しかし大将以下の階級の者も含めた「将官」も総称的にgeneral(将軍)、admiral(提督)と表現することがあるので紛らわしい。
有名な大将(架空含む)
- 西郷隆盛[1](陸軍大将)
- 乃木希典(陸軍大将)
- 東條英機(同上)
- 東郷平八郎(元帥海軍大将)
- 張勲(大将軍・三国志大戦が有名)
- トレヴァー・マロニー(ストライクウィッチーズ)
- ギレン・ザビ、ヨハン・エイブラハム・レビル(機動戦士ガンダム)
関連商品
どうでもいいことだが、ニコニコ市場に登録されている大将の商品は軒並み…その…。
関連項目
脚注
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