大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオスとは、1967年3月15日に公開された怪獣映画である。87分カラー。
概要
昭和ガメラシリーズの第3作にして、宿敵ギャオスの初登場作品。前作から約1年で公開された。
監督には『大怪獣ガメラ』の湯浅憲明が復帰し、以後昭和シリーズ全作を担当することとなる。
前作『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』が比較的アダルトな内容で子供たちに対して退屈なのではないかという意見から、本作では主人公を少年として第1作で見せた「ガメラが子供たちの味方である」という部分を強く印象づけることとなり、その傾向は次回作の『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』でより強くなっていくこととなる。
とはいえ、過渡期的な作品でもあったため、前作のドラマ性も引き継いでいて、高速道路建設を巡る大人たちの利権を巡るエゴなども描かれるなど、必ずしも全て子供向きとはしていない。
永田大映時代のガメラ映画では予算を通常の映画の3倍使ったA級予算で撮られた最後の作品であり、次回作以降は予算が縮小されたため、派手な都市破壊シーンは『ガメラ対大魔獣ジャイガー』までお預けとなる。
怪獣同士のバトルも前作では早々とガメラが凍りづけにされたことであまり長くなかったのが、本作ではタイトルの通り終始ガメラとギャオスの激しい戦いが日本全土を舞台に繰り広げられ、空は飛べるが空中戦の苦手なガメラ、対空戦では戦いを有利に進められるギャオス、水中や地上での戦いは有利なガメラ、地上や水中では行動が制限されるギャオス、互いに持ち合わせた遠距離武器である火炎噴射と超音波メスといった具合に両者の能力を活かした互角の戦いが展開される。
こうしたシリーズ屈指の完成度の高さから、ゴジラシリーズの本多猪四郎監督なども絶賛しており、本作を昭和ガメラシリーズの最高傑作に挙げるファンも多い。
平成ガメラシリーズ第一作の『ガメラ 大怪獣空中決戦』は、本作へのリスペクトともとれる描写が散見され、本作のリブートともいえる映画になっている。
ストーリー
富士山が噴火し、マグマの熱に引き寄せられたガメラが出現。
それを調査に向かったヘリコプターは謎の怪光線によって真っ二つに引き裂かれる。
その頃、中央自動車道の建設を巡り反対活動をしている金丸村長の孫英一は、怪現象の調査に来ていた新聞記者に道案内を頼まれ、不気味な洞窟の中で地震に遭う。
直後に逃げ出した新聞記者は巨大な怪鳥に食われてしまう。洞窟は凶暴な怪獣の巣だったのだ。
怪獣に捕らえられた英一少年だったが、そこへガメラが飛来。
両者の激しい戦いが繰り広げられ、間一髪英一は救出される。
英一によって『ギャオス』と名付けられた怪鳥は人や家畜を食らう残忍な怪獣で、各地に被害をもたらす。
人類も、ガメラとギャオスとの戦いから、紫外線や振り向けないことなどの弱点を察知し、様々な作戦を立てるのだが・・・
果たして、ガメラは、人類はこの強大な怪獣に勝つことはできるのであろうか?
キャスト
- 堤志郎:本郷功次郎
- 金丸すみ子:笠原玲子
- 金丸英一:阿部尚之(劇団いろは)
- マイトの熊:丸井太郎
- 青木博士:北原義郎
- 自衛隊中央部司令官:夏木章
- 金丸辰衛門(村長):上田吉二郎
- 八公:螢雪太郎
- ガメラ:新垣輝雄
スタッフ
- 監督:湯浅憲明(本編・特撮兼任)
- 製作:永田秀雅
- 企画:仲野和正
- 脚本:高橋二三
- 音楽:山内正
- 撮影:上原明
- 録音:奥村幸雄
- 照明:久保江平八
- 美術:井上章
- 編集:中静達治
- スチール:椎名勇、塩見俊彦
- 助監督:小林正夫
- 製作主任:川村清
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関連項目
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