概要
漁船が港に戻ってくる時に今回の漁が大漁であったことを知らせるために船上に掲揚する。また、漁以外でも正月儀礼の船祝いや進水式で祝儀の一環として親戚や関係者から贈られた大漁旗を掲揚した漁船を見ることができる。
大漁旗の歴史
古い時代から使用されていたことは確かなようだが(一説によれば1000年以上)、大漁旗そのものの起源についてははっきりとは分かっておらず、平家の武者が瀬戸内を船で抜ける際に使用した軍旗説、南北朝時代の瀬戸内で村上水軍が通行手形代わりに充てた旗説など諸説ある。
明確な記録として残っているのは1651年(慶安4年)に伊勢国桑名の漁民が豊漁を知らせる旗を掲げたことが最も古いものになるようで少なくとも江戸期中期には使用されていたようだ。ただし、当時は旗に使える色彩が気軽に調達できた時代ではなく、近代に入っても無地の麻旗が主流だったらしい。
現代の我々がイメージする「色とりどりの派手な大漁旗」は時代が下った1960年頃になってからと言われている。
世間での大漁旗の扱い
前述のとおり、もとは漁業関係者の間で使われている旗だが、漁業には関係ないところでも出産祝いや子供の初節句の時に縁起物として家に飾ることもある。他にはサッカーやラグビーなどのスポーツイベントなどで「大量」得点にかけて大漁旗を振るっているサポーター達の姿を確認できることがある。
多くの大漁旗には旭日旗のような太陽から放射状に線が伸びる意匠が組み込まれており(大漁旗の絵柄は決まった規格がなく千差万別なので必ずしも全ての大漁旗が旭日の意匠を採用しているわけではないが)、旭日旗以上に派手なデザインに魅了される者が国内外問わず多く、また何かと近年騒がれがちな旭日旗の代用品として大漁旗を振るう者もいるようである。
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