「大砲とスタンプ」とは、速水螺旋人による兵站を主題にした戦記漫画である。
概要
自らは前線にでる事なく後方から輸送や補給で戦争を支え、デスクワークメインな事から「紙の兵隊」と嘲笑われている「兵站軍」に所属する女性士官マルチナの
「私たちは書類で戦争してるんです!」
な奮闘を描いた戦記漫画で、偶発的な戦闘が発生する場合があるものの、基本的には事務方が戦争でどういった仕事をしているかや賄賂や横領といった軍の裏で行われている犯罪について描かれている。
作者の速水螺旋人は、この作品について、少年時代に読んだ高橋孟の著作で、大日本帝国海軍のめしたき係として真珠湾やミッドウェイに参加したり、軍艦の経理を担当した著者の実体験を綴った「海軍めしたき物語」「海軍めしたき総決算」の影響をうけていると語っており、本作はその孫作にあたると言っている。
なお、毎回オリジナル軍事兵器が登場するが格好よく活躍する事はない。というか破壊される率高し。
ストーリー
「大公国(首都はMOSKVA)」と「帝国(首都はKRAKOW)」の同盟軍が「共和国(首都はTSARGRAD)」との戦線を開いて2年。同盟軍によって占領された共和国領内にあるアゲゾコ要塞に1人の女性士官マルチナ・M・マヤコフスカヤ少尉が派遣されてきた。
持前の融通の利かなさと曖昧な事が嫌いな性格そして汚職と不正がはびこる要塞内で騒動を巻き起こすマルチナだったが、紙で戦争をしているを地で行く姿に周囲に変化が現れていく。そしてマルチナもまた、テロリストとの戦いや前線での偶発的な戦闘に巻き込まれるなど経験を重ねていく。
夢の大佐昇進をかなえて故郷に錦をかざれるのか!デスクワークと言う戦場でマルチナが書類仕事に躍る。
登場人物
- 本作の主人公にあたる大公国軍の女性士官。階級は少尉(後に中尉に昇進)。書類仕事が大好き。
- 士官学校を卒業後、アゲゾコ要塞の補給廠管理部第二中隊に配属される。
- 外見は貧乳でちんちくりんな眼鏡っ娘だが、釣り目のため睨むと怖い。
- 懐中汁粉が大好物で、かばん一杯につめたり、実家からの仕送りがすべて懐中汁粉だった事がある。
- 性格はクソがつくほどの真面目で融通の利かないが、調子に乗りやすい面がある。
- 義理堅いところもあり、プライベートの時間をつぶしてアーネチカに読み書きを教えている。
- アゲゾコ要塞赴任早々に、実在しない倉庫の存在をしって物資の横領が行われている事をつきとめるが、横領の主犯だった要塞司令部参謀のイグナチェフ少将に報告した為、同僚のキリールが銃殺される事態になってしまうが、少将に直談判するとみせかけた告発をすることでキリールを救出した。
- その結果、同僚からの信頼と共に「突撃タイプライター」と呼ばれるようになった。
- 不正を憎む熱血漢なのかと思いきや、単に命令書に無い事や書類と合わない事がダメというだけだったりする。
- 書類仕事をさばくのは達人級の腕前だが、実戦能力は皆無に等しく、テロリストと銃撃戦になった際に、銃の安全装置を解除せずにうとうとしたり、そもそも銃に弾がはいっていなかったり、銃を戦車にむけてうとうとした事がある。
- 物資輸送の付添等で前線に行った際に、毒ガス攻撃を含む敵の攻撃に巻き込まれるがしぶとく生き延びる。
- アゲゾコ要塞に派遣される際に、戦艦平和号に乗船したマルチナに発見され、以降ペットとして飼われているイタチモドキと言う動物。八本足だが、前足にあたる部分が3対になっており、後ろ足は1対。
- 名前は、要塞に到着直後にインク瓶に足をつっこんで書類を足跡だらけにした事からマルチナにつけられた。
- マルチナの危機を何度も救っている。
キリール・K・キリュシキン
- 大公国の軍人一族キリュシキン家のピザ体型な長男。階級は大尉。
- マルチナの上司にあたり、補給廠管理部第二中隊副官を務めている。
- 上級大将の父の意に反して兵站軍を志望した。
- SF好きで、専門雑誌に自作の小説を投稿したりしている。
- 昇進して異動させられるのが嫌でわざと問題をおこしたりする。
アーネチカ
- 大公国軍の女性兵長で、補給廠管理部第二中隊所属。
- ナイフを使用した戦闘能力は高い。
- マルチナとキリールが士官用の酒場で呑んでいる時に、暇つぶしと暖をとる為に空軍兵士をひっかけてベッドへとしゃれこむなど奔放なところがある。
- 書類仕事がメインの部隊にいるのに読み書きができない。
ボイコ
- ハゲでヒゲで歴戦の勇士な下士官。階級は曹長。
- 陸軍時代に「勇敢メダル」「イリヤ・ムウロメツ勲章」「マリュータ・スクラートフ勲章」を獲得している。
- 現在は負傷等によりキリールに兵站軍に引き抜かれ、補給廠管理部第二中隊の用心棒役を務めている。
- 美人で若い嫁がいる。嫁が基地にやってきた時にはあまりの不釣り合い具合に周囲が皆驚いた。
- キリールの異母弟。実母の横やりで前線ではなく兄と同じ兵站軍に配属されてしまう。
- キリール曰く「重度の胸の病」という勲章ほしい病を患っている。
- 一言で表現するとまさに「無能な働き者」で、近寄ってきた現地人をテロリスト呼ばわりして殲滅しようと言いだしたり、反乱をおこした部隊にのりこんでいって人質にとられる等、周囲にとって斜め上な事を全力で行う。
- アゲゾコ要塞の駐留帝国軍司令部に所属する大佐。
- マルチナがイグナチェフ少将を告発した際に偶然同席し、結果的にマルチナの告発をサポートした。
- 太ましい体に切れ長の目をしていて、おちついたたたずまいをしている事などから、モーニングーの担当編集にも男だと思われていたが女性である。
- アゲゾコ市出身の大公国軍憲兵中尉。
- 共和国と大公国の両方を相手にスパイ活動を行っている。
- 非常に有能ではあるが、危機回避や自身が行動しやすくする為に味方に損害を出したり、自分が起こされてもおきなかったくせに、予定の時間に起こさなかったとベッドを共にした女性の顔面を殴る等、悪辣なところがある。
関連動画
※作品と直接関係のありそうな動画が発見できなかったのでとりあえずこんなところで。
関連静画
関連商品
関連項目
関連リンク
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