大船渡線とは、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線である。
概要
岩手県一関市の一ノ関駅と岩手県大船渡市の盛駅を結ぶ路線。地方交通線である。
鍋弦線と揶揄される線形を龍に見立てて、ドラゴンレール大船渡線という愛称が付けられ、快速列車のスーパードラゴンも運転されている。
気仙沼駅~盛駅は三陸縦貫線の一部となっている。
全線が単線非電化で、一ノ関運輸区のキハ100系が使用されている。現在は一ノ関〜気仙沼駅間の鉄道区間と気仙沼〜盛駅間のBRT区間に分かれている。
運転本数は鉄道区間が10往復+下り1本+土休日の快速ポケモントレイン気仙沼号1往復である。BRTに関してはBRTの節を参照。
震災前が全線走破の普通列車が6往復+下り1本、快速スーパードラゴン1往復、一ノ関駅~気仙沼駅が3往復、気仙沼駅~盛駅が2往復であった。
なお、快速スーパードラゴンは震災後に廃止され、代わりに「POKÉMON with YOUトレイン」による臨時快速「ポケモントレイン気仙沼号」が運行されるようになり、現在に至る。
東北地方太平洋沖地震
2011年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震により気仙沼駅-盛駅間で壊滅的な大被害をうけた。
BRT
気仙沼駅-盛駅間については高台移転の可能性と地域の人の交通の足の確保の観点から2013年3月2日よりBRT(専用道を中心としたバスによる運行)が開始された。バスは気仙沼線と同様、東武バス等の首都圏バス事業者から移籍した中古車と、それらを置き換える形で日野自動車といすゞ自動車から新車購入したハイブリッドバスによる構成で、計14台導入されている。
大船渡線も気仙沼線と同様、事業主体は気仙沼BRT営業所が受け持ち、実際の運行及びバス車両管理について地元バス会社に委託する形態が採られた。大船渡線では岩手県と宮城県に路線が跨る本線系統と陸前矢作支線系統は岩手県交通(国際興業グループ)が、宮城県内で完結する上鹿折系統はミヤコーバス(名古屋鉄道グループ)が担当。運行開始に先立ち、岩手県交通大船渡営業所は陸前高田市にBRT運行拠点となる高田支所を開設した。
2015年7月24日、JR東日本は鉄道による復旧を断念し、「仮復旧」としていたBRTの運行を継続する考えを表明。同年12月26日に沿線3市がBRT継続を受け入れることを表明、BRTによる復旧が恒久化することがきまった。
2019年11月12日、JR東日本がBRT区間の鉄道事業廃止届を提出した。廃止予定日は2020年11月13日。
2020年1月31日、JR東日本がBRT区間の鉄道事業の廃止日を繰り上げる旨の届出を提出した。廃止予定日を同年4月1日に繰り上げ。
運行系統
運行される系統は以下の通り。
- 気仙沼~盛 (普通:平日上り4本/下り7本、土休日上り3本/下り7本 快速:7往復)
- 気仙沼~陸前高田 (普通:上り2本 快速:1往復)
- 陸前高田~盛 (普通:平日上り1本/下り2本、土休日1往復 快速:下り1本)
- 気仙沼~上鹿折 (平日上り6本/下り5本、土休日上り5本/下り4本)
- 陸前矢作~盛 (平日上り14本/下り10本、土休日上り10本/下り6本)
- 陸前矢作~陸前高田 (平日上り5本/下り8本、土休日上り5本/下り9本)
- 上記の系統の区間便。
- 鹿折唐桑~気仙沼~気仙沼線BRT・本吉 (平日上り1本)
odeca
2013年8月3日からBRT専用のICカード乗車券「odeca」が導入されている。
2000円(内デポジット分が500円、チャージ1500円)、定期券タイプが定期代金とデポジット500円となっている。
電子マネーとして必須である東京との通信帯域の確保を削ったのか、電子マネー機能は無かったが、2023年夏にサービスのリニューアルが予定されており、リニューアル後は現行カードは利用できなくなる。
代わって発行される新カードは地域連携ICカードとなるため、従来のodecaサービス範囲以外の箇所では電子マネー機能含めSuica準拠になる。
BRTネット
BRTに関わる各種情報が駅のディスプレイ、車内ディスプレイ、及びスマートフォン(iOS、Androidそれぞれにアプリ提供済み)等に情報配信されている。これはJR東日本としての復興支援の一環と位置づけられている。
気仙沼線・大船渡線共有で配信内容は以下となっている。
使用車両
- 鉄道区間(全車、一ノ関運輸区所属)
一般列車用:キハ100系
快速「ポケモントレイン気仙沼号」:キハ100-1・3 - BRT区間(一部を除いて全車、岩手県交通大船渡営業所高田支所所属)
日野・ブルーリボンシティ・ハイブリッド(一般型、一部大船渡営業所所属)
いすゞ・エルガ・ハイブリッド(一般型、東京モーターショー2011参考出品モデル)
観光型BRT「三陸の海」(特殊型、気仙沼線BRT初期導入分の日野ブルーリボン(1999年式、元川崎市交通局)を東急テクノシステムが改造)
駅一覧
普通列車は各駅に停車するため省略
快速=臨時快速「ポケモントレイン気仙沼号」 ●:停車
黄背景の駅はBRT区間の駅である。なお、記載順は営業キロ順であり、実際の停車順は上記参照。
●=停車 ○=快速は未停車
※:列車交換の不可能な駅 △:一般道ルートの停留所 ◎:BRT区間に新設された停留所(鉄道駅として営業されたことがない駅)
快速 | B R T |
駅名 | 営業 キロ |
乗り換え路線 | 所在地 | ||
● | 一ノ関駅 いちのせき |
0.0 | JR東日本 | 東北新幹線・北海道新幹線・秋田新幹線・東北本線 | 岩手県 一関市 |
||
┃ | 真滝駅 またき |
5.7 | |||||
┃ | 陸中門崎駅 りくちゅうかんざき |
13.7 | |||||
┃ | 岩ノ下駅※ いわのした |
17.5 | |||||
● | 陸中松川駅 りくちゅうまつかわ |
21.3 | |||||
● | 猊鼻渓駅※ げいびけい |
23.3 | |||||
┃ | 柴宿駅※ しばじゅく |
26.1 | |||||
● | 摺沢駅 すりさわ |
30.6 | |||||
● | 千厩駅 せんまや |
39.8 | |||||
┃ | 小梨駅※ こなし |
43.4 | |||||
┃ | 矢越駅※ やごし |
47.6 | |||||
● | 折壁駅 おりかべ |
49.7 | |||||
┃ | 新月駅※ にいつき |
55.3 | |||||
● | ● | 気仙沼駅 けせんぬま |
62.0 | 宮城県 気仙沼市 |
|||
JR東日本 | 気仙沼線BRT | ||||||
● | 内湾入口(八日町)駅◎ ないわんいりぐち (ようかまち) |
63.0 | |||||
● | 鹿折唐桑駅※ ししおりからくわ |
64.2 | JR東日本 | 大船渡線BRT上鹿折駅方面 (気仙沼駅方面と直通) |
|||
● | 八幡大橋(東陵高校)駅△◎ はちまんおおはし (とうりょうこうこう) |
65.3 | |||||
● | 上鹿折駅 かみししおり |
69.5 | ※気仙沼~陸前高田・盛駅系統は経由せず | ||||
● | 唐桑大沢駅△◎ からくわおおさわ |
75.5 | |||||
● | 長部駅△◎ おさべ |
77.8 | 岩手県 | 陸前高田市 | |||
● | 陸前矢作駅 りくぜんやはぎ |
79.5 | ※気仙沼~陸前高田・盛駅系統は経由せず | ||||
○ | 陸前今泉駅△◎ りくぜんいまいずみ |
82.2 | |||||
● | 奇跡の一本松駅△◎ きせきのいっぽんまつ |
82.4 | |||||
● | 竹駒駅※ たけこま |
82.5 | ※気仙沼~陸前高田・盛駅系統は経由せず | ||||
● | 栃ヶ沢公園駅△◎ とちがさわこうえん |
83.7 | ※気仙沼~陸前高田・盛駅系統は経由せず | ||||
● | 陸前高田駅 りくぜんたかた |
85.4 | JR東日本 | 大船渡線BRT竹駒・陸前矢作駅方面 (一部 盛駅方面と直通) |
|||
○ | 高田高校前駅△◎ たかたこうこうまえ |
86.2 | |||||
○ | 高田病院駅△◎ たかたびょういん |
87.6 | |||||
● | 脇ノ沢駅※ わきのさわ |
88.3 | |||||
● | 西下駅△◎ にしした |
90.4 | |||||
● | 小友駅 おとも |
92.8 | |||||
● | 碁石海岸口駅◎ ごいしかいがんぐち |
95.4 | 大船渡市 | ||||
● | 細浦駅※ ほそうら |
97.1 | |||||
● | 大船渡丸森駅◎ おおふなとまるもり |
98.8 | |||||
● | 下船渡駅※ しもふなと |
100.2 | |||||
● | 大船渡魚市場前駅◎ おおふなとうおいちばまえ |
101.7 | |||||
● | 大船渡駅※ おおふなと |
103.1 | |||||
● | 地ノ森駅◎ じのもり |
104.0 | |||||
● | 田茂山駅◎ たもやま |
105.0 | |||||
● | 盛駅 さかり |
105.7 | |||||
三陸鉄道 | 南リアス線 |
関連動画
関連項目
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