大谷の15球とは、2016年10月16日に行われたプロ野球、パ・リーグクライマックスシリーズ・ファイナルステージ、北海道日本ハムファイターズ対福岡ソフトバンクホークス(札幌ドーム)、および2023年3月22日(日本時間)に行われた第5回ワールドベースボールクラシック、日本対アメリカ合衆国(ローンデポ・パーク)における大谷翔平(投手)の全投球である。
2016年10月16日の試合経緯
パシフィック・リーグ クライマックスシリーズ第5戦 札幌ドーム | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2016年10月16日。パ・リーグのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第5戦。日本ハムはアドバンテージの1勝を含む3勝で日本シリーズ進出まであと1勝。対するソフトバンクもここまで2勝で、この試合に勝てば逆王手という状況であった。
試合は日本ハム先発のルーキー加藤貴之が1回にホークス打線に捕まり、松田宣浩の3ランなどでいきなりの4失点を喫する、日本ハムにとっては苦しい立ち上がりとなった。
しかし2回裏。4番中田翔のソロホームランを口火として、日本ハムの反撃が始まる。3回裏には、この日不調の田中賢介に変わってCS初スタメンの杉谷拳士が、3回表の守備で見せたファインプレーの勢いそのままにタイムリーを放ち2点差。さらに4回裏には1アウト満塁から代打の岡大海が2点タイムリーツーベース。続けて中島卓也がカウント1-1からスクイズを決め、ついに日本ハムが4点差をひっくり返して逆転する。その後5回裏にも5番近藤健介の2点タイムリーが生まれるなど、スコアを7-4とした。
投げては、2回からマウンドに上がったバースが4回を投げて被安打2と好投。6,7回は谷元圭介が回を跨いで打者6人で抑えるパーフェクトピッチング。8回は宮西尚生がランナーを出すも、併殺と三振で3人で抑えた。
そして9回。栗山英樹監督が選手の交代を告げに審判の元へ。リリーフの要であるバース、谷元、宮西を既に使い切り、守護神のマーティンも足首痛を再発させてしまってこの日はベンチに入っていない。抑えとして誰を送り出すのかという空気の中、響き渡ったのは驚くべきアナウンスであった。
「ファイターズの守備の交代をお知らせいたします。指名打者、大谷がピッチャー。3番、ピッチャー、大谷翔平!」
DHからPへと変わる電光掲示板、球場全体に起こる地鳴りのような大歓声、そしてチームメイトに見送られてマウンドへと向かう大谷翔平。
まさに今シーズンを象徴するかのような劇的な逆転からCSを制覇するべく、DH解除でマウンドへと上がった大谷の姿に、球場内のボルテージは最高潮へと達していた。そしてその声援に後押しされるかのように、大谷は驚愕のピッチングを披露する。
大谷の15球
- 松田宣浩(空振)
1球目は163km/hのストレートを投じファウル。2球目の変化球もファールになり、3球目は自己最速の164km/hをマークしたがファール。4球目、5球目に変化球を投げ、空振り三振を奪う。 - 吉村裕基(空振)
6球目はなんと日本プロ野球最速の165km/hのストレート。7球目は164km/hのストレートをファールにされたが、最後は変化球で空振り三振を奪う。 - 本多雄一(遊ゴロ)
164km/hのストレート、151km/hのフォークであと1球とするが、ファールとボールで4球粘られる。15球目は149km/hの変化球を投じ、ショートゴロに打ち取ってゲームセット。なお本多には吉村の時に投げたばかりの165km/hのストレートを2球投げ、いずれもファールになっている。
本多を打ち取ったことで、日本ハムの4年ぶりの日本シリーズが決定。レギュラーシーズンではないため記録には残らないものの、大谷は初セーブを記録した。
打者3人に対し15球。そのうち8球が160km/h台という圧巻な投球を展開した。
2023年3月22日の試合経緯
ワールドベースボールクラシック決勝戦 ローンデポ・パーク | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2023年3月22日。ワールドベースボールクラシック決勝戦。日本はあと1勝で14年ぶりの世界一奪還というところまで来ていた。
試合は日本先発の今永昇太が2回にトレイ・ターナーに先制ソロホームランを浴び、1点を先制された。
しかし2回裏。ここまで不振に陥っていたが準決勝のメキシコ戦でサヨナラタイムリーを記録した村上宗隆がすぐに同点ホームランを放ち、岡本和真、源田壮亮がヒットで繋ぎ、中村悠平が四球を選んで満塁とすると。ラーズ・ヌートバーのゴロで2点目をとって逆転。
4回に岡本和真がソロホームランを放ち2点差とするが、8回表にダルビッシュ有がカイル・シュワーバーにソロホームランを打たれ1点差とされた。
そして9回。かつて日本ハムで共に戦った栗山英樹監督が選手の交代を告げに審判の元へ。ブルペンで肩を作っていた大谷翔平を告げた。
大谷の15球
- ジェフ・マクニール(四球)1球~7球
2022年ナショナルリーグ首位打者。ファールで粘られた後、四球を選ばれた。 - ムーキー・ベッツ(併殺):8球~9球
9球目でセカンドへのダブルプレー。 - マイク・トラウト(空振り三振):10球~15球
同じロサンゼルス・エンゼルスに所属している同僚対決となる。カウントがフルカウントとなり15球目。140km/hのスライダーを空振り三振。ゲームセットとなった。
打者3人に対し15球。まさかの2016年の再現となり、日本は世界一を奪還した。
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