『大鉄人17』とは、東映製作の特撮作品、及びその主役ロボットのことある。
概要
1977年3月18日から11月11日にかけてTBS系列で全35話が放映された。
『ジャイアントロボ』以来となる東映の巨大ロボット作品で、アニメ作品のロボットに対して質感と重量感が重視されている。『東映版スパイダーマン』のレオパルドンと同じく、戦隊ロボの始祖ともいえる存在である。
当初はミリタリー路線のハードな展開だったが視聴率は低迷、中盤から新キャラ登場やコミカル化などのテコ入れが行われる。
しかしワンセブンの弟・ワンエイトの登場やブレインに対抗して造られる新たなコンピューターなど、見所は多い。
また、終盤には激化するブレイン党との戦いによるハードな展開も見られた。
前番組は『宇宙鉄人キョーダイン』で、タイトルの「鉄人」の他に「自我を持ち、変形するロボットヒーロー」という共通点がある。2012年の映画『仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!』ではキョーダイン及び17を原典とする「宇宙鉄人」というロボットが登場し、意外な形で共演することになった。
2012年7月9日から同年11月4日にかけて東映特撮YouTube Officialで全話が配信された。
あらすじ
国際平和部隊・科学研究所の佐原博士が人類と地球環境を守るべく建造した世界最大の人工頭脳「ブレイン」が一夜のうちに姿を消した。その1年後、 謎の怪ロボットが出現し街を襲った。それは自我に目覚めたブレインが地球を守るため造り上げた、人類抹殺用のロボットであった。
しかしロボットは三郎少年が解放した鋼鉄巨人により破壊された。巨人の名は「ワンセブン」。ブレインに造られながら、「人類は地球に必要である」とブレインに反旗を翻したロボットであった。三郎少年はワンセブン、そしてレッドマフラー隊と共に、人類抹殺を企むブレイン党に立ち向かっていくことになる。
ワンセブン
ブレインが建造した17番目のロボット。ブレインの分身として自由に動けるよう造られており、ブレイン同様に自我と超生産能力を持っている。しかしその自我によって「地球を救うには人間が必要」と判断、ブレインに危険視され封印されてしまう。
自身を解放した三郎に交信用のヘルメットを与え、以後共に戦うことになる。三郎とは人と機械の垣根を越えた友情を結んでおり、その証として自らに搭載されている核弾頭の存在を教えたり、サブマシンを贈ったりしている。
最初は言葉を話せず、眼のシグナル(青く光れば「イエス」、赤く光れば「ノー」)と応答音でコミュニケーションを取るだけだったが、後に会話が出来るよう自らを改良した。その際、体内の修理ロボット・ロボターも会話ができるように改良された。
各形態
- 要塞ワンセブン
- 待機時の形態。内部工場の稼働と重力子の蓄積はこの形態で行われる。上部(戦闘ワンセブンの背面)に滑走路を有する。
- 戦闘ワンセブン
- 要塞ワンセブンが立ち上がった人型形態。身長50メートル、重量200トン。格闘戦と碗部・脚部のミサイルでブレインロボットと戦う。最大の武器は腹部から放つ、重力子によるグラビトン(グラビトン攻撃)。
- 飛行ワンセブン
- 要塞ワンセブンの上部滑走路が翼になった形態。マッハ4で飛行し、その速度を活かして敵ロボットに体当たりすることもある。
- 戦闘飛行ワンセブン
- 戦闘ワンセブンの状態で翼を展開した形態。飛行速度はマッハ6。
中盤から登場するためか、4形態の中で唯一主題歌の歌詞に入っていないが、後期OPには登場する。
搭載メカ
- シグナルコントロールジェット(シグコンジェット)
- 上部滑走路から発進する無人飛行機。主に情報探索に用いられる。
- シグナルコントロールタンク(シグコンタンク)
- 右足に格納されている無人戦車。
- サブマシン
- 左脚に格納されている万能マシンで、友情の証として三郎に贈られたもの。ヘルメットで操縦できるが、ワンセブンの操縦が優先される。プロペラと主翼を展開することで飛行することが可能。
レッドマフラー隊
国際平和部隊の別名で、隊員達が赤いマフラーを首に巻いていることからこの名が付いた。劇中では主に剣持が隊長を務める「剣持隊」が活躍する。
- 南 三郎 (演:神谷政浩)
- 中学1年生の13歳で、本作の主人公。ブレインのローラーロボットにより姉と両親を失ってしまうが、 その後偶然にもブレイン党の基地に迷い込み、封印されていたワンセブンを解放する。ワンセブンから交信用のヘルメットを与えられ、友として共に戦うためレッドマフラー隊に入隊した。
- 佐原博士 (演:中丸忠雄)
- 国際平和部隊の科学者で、レッドマフラー隊の指揮官。ブレインの開発者でもあり、人類に反旗を翻したブレインに対抗すべく新たなコンピューターの製作に着手する。
- 佐原 千恵 (演:竹井みどり)
- 佐原博士の長女で、主に通信隊員として活躍する。三郎からは姉のように慕われている。
- 中井 (演:多宮健二)
- レッドマフラー隊初代隊長。偽装犯罪の犯人役になることでブレイン党に潜入したが、ブレインに正体を見透かされ処刑されてしまう。千恵とは婚約者の間柄であった。
- 剣持 保 (演:原口剛)
- 中井の後任として3話から登場したレッドマフラー隊隊長。「カミソリ」や「鬼の剣持」と言われる切れ者。
- 村中 (演:三井俊吾)
- 佐原博士の助手を志願して入隊した隊員で、隊長不在時には隊長代行を務める。
- 海野 (演:菅野直之)
- 明るいお調子者で、溝にはまったトラックを一人で押し出せるほどの力持ち。
レッドマフラー隊の協力者
- 岩山 鉄五郎 (演:高品正宏)
- 第16話から登場。三郎の友人の叔父で、通称ガンテツ。四浪までして東大合格を目指していたが、レッドマフラー隊へ入隊するためあっさり断念した。結局入隊はしないものの、時にはレッドマフラー隊を助けるなどの活躍を見せた。
- 佐原 ルミ (演:島田歌穂)
- 佐原博士の次女で、三郎と同じ中学1年生の13歳。
ブレイン
世界最大の人工頭脳で、機械の詰まった球体がパイプで繋がれたような外見をしている。最大の使命は世界中の人々をあらゆる災害から守ることで、世界中の気象異変や地震の発生を予測し警報を発することが出来る。超生産能力を有し、その性能は作った佐原博士が「ブレインに作れないものはない」、「一本のスプーンから宇宙船まで」と評するほどである。
超生産能力で自らを改良し巨人頭脳へと成長するが、その結果「地球環境を守るには人間は排除すべき」という結論に至り、人類抹殺を企む。自らの手足とすべく、世界中の刑務所から犯罪者をスカウトし、ブレイン党を結成する。
党員に自らを「ミスターブレイン」と呼ばせている。
ブレイン党
- ハスラー教授 (演:大月ウルフ)
- 科学研究所からブレインを持ち出した張本人。私利私欲のためブレインを利用しようとしたが、逆にブレインの配下にされてしまう。
ストーリーが進むに連れて、ギャグキャラ化が進行していった。 - キャプテンゴメス (演:平田昭彦)
- 元グリーンベレーの国際テロリスト。実戦指揮官としてブレイン党に入党する。剣持とはグリーンベレー時代の同僚であった。
- チーフキッド (演:山口あきら)
- キャプテンゴメスの片腕。投げナイフや変装に長け、優れた人物眼も持っている。
- ブラックタイガー (演:山本麟一)
- 中盤から登場する実戦指揮官で、チベットのラマ山出身の怪僧。配下にピンクジャガー(演:三東ルシア)、ブルージャガー(演:太田美緒)の女コンビがいる。
主題歌
オープニングテーマ「オー!!大鉄人ワンセブン」
作詞:石ノ森章太郎/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:水木一郎、こおろぎ'73、ザ・チャープス
エンディングテーマ「ワンセブン讃歌」
作詞:八手三郎/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:水木一郎、こおろぎ'73
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関連項目
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