大阪・関西万博とは、2025年(令和7年)4月13日〜10月13日に、大阪府大阪市此花区の夢洲(ゆめしま)で開催される予定の国際博覧会(万博)である。正式名称は「2025年日本国際博覧会」。
なお、「大阪万博」とも略されることがあるが、1970年に開催された「日本万国博覧会」で使われた略称であることから、公式では区別の必要性から用いられない。
概要
2005年に開催された「2005年日本国際博覧会」(愛・地球博)から20年ぶりとなる万博。大阪での万博開催は1970年に開催された「日本万国博覧会」、1990年に開催された「国際花と緑の博覧会」(花の万博)に続いて3度目となる。
メインテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」、サブテーマは「いのちを救う」、「いのちに力を与える」、「いのちをつなぐ」。
参加予定国・地域は2023年3月時点で153の国と地域で、日本開催の万博としては過去最多となる。ただ、これはあくまで予定であるため実際に参加するかは不明。
コロナ禍等の影響もあって建設費の高騰や人手不足があったこともあり、建設については予定より遅れている他、参加予定国が直接工事を発注するパビリオンが一向に発注されず、万博側が建設を代行することになると言った問題も見られている。
プロデューサー
- 会場デザインプロデューサー - 藤本壮介(建築家)
- 会場運営プロデューサー - 石川勝(プランナー、プロデューサー)
- 催事企画プロデューサー - 小橋賢児(The Human Miracle株式会社 代表取締役兼クリエイティブディレクター)
- 「いのちを知る」 - 福岡伸一(生物学者、青山学院大学教授)
- 「いのちを育む」 - 河森正治(アニメーション監督、メカニックデザイナー)
- 「いのちを守る」 - 河瀨直美(映画監督)
- 「いのちをつむぐ」 - 小山薫堂(放送作家、脚本家)
- 「いのちを拡げる」 - 石黒浩(大阪大学教授、ATR石黒浩特別研究所客員所長)
- 「いのちを高める」 - 中島さち子(音楽家、数学研究者、STEAM教育家)
- 「いのちを磨く」 - 落合陽一(メディアアーティスト)
- 「いのちを響き合わせる」 - 宮田裕章(慶應義塾大学教授)
開催決定まで
元々は万博記念公園で2025年に万博開催を目指す構想が2014年に大阪府ならびに大阪市で浮上したことが発端である。
その後、会場候補地を選定した際に未利用地が多く存在し用地買収が不要な、大阪市の西側にある埋立地・夢洲が会場として選ばれることになった。元々、夢洲は2008年に開催する予定で誘致を進めていたオリンピックの選手村であった場所で、誘致失敗後は半ば放置状態にされており、今回改めて日の目を浴びることになったのである。
2025年の万博開催には他にもフランス・パリ、アゼルバイジャン・バクー、ロシア・エカテリンブルクの3都市が立候補しており、当初はパリが有力候補の一つとされていた。しかし、パリが財政危機を理由に立候補を取り下げたため、大阪が最有力候補となり、2018年の博覧会国際事務局(BIE)総会の投票で開催地に決定した。
ロゴマーク
ロゴマークについては2019年11月29日〜12月15日に一般公募が実施され、候補の絞り込み・選定が行われた上で2020年8月25日に細胞をモチーフにしたロゴマークが選ばれた。発表されると奇抜なマークが興味を惹かれ、ファンアートが作られるなど大きく話題となった。
詳細は「いのちの輝き」を参照。
マスコットキャラクター
マスコットキャラクターについては2021年11月1日〜12月1日に一般公募が実施され、候補の絞り込み・選定が行われた上で2022年3月22日にキャラクターデザインが発表された。選考はロゴマークをベースにしたものから選出したので、最終候補の時点で「いのちの輝き」のキャラクター化であった。
キャラクターの愛称は公募により、7月18日に「ミャクミャク」と発表された。
テーマソング
2022年7月18日にコブクロが歌う「この地球(ほし)の続きを」が発表された。公式サイトでフル尺の試聴が可能。
入場料
入場料は2023年6月14日に下記の通り発表された。前売券は同年11月に販売開始する予定。
なお、シニア割引等のその他の割引については未発表である。
入場券種 | 当日券 | 前売券 | 通期パス (※4) |
夏パス (※5) |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
一日券 | 平日券 | 夜間券(※1) | 一日券 | 前期券(※2) | 開幕券(※3) | |||
大人(18歳以上) | 7500円 | 6000円 | 3700円 | 6000円 | 5000円 | 4000円 | 30000円 | 12000円 |
中人(12〜17歳) | 4200円 | 3500円 | 2000円 | 3500円 | 3000円 | 2200円 | 17000円 | 7000円 |
小人(4〜11歳) | 1800円 | 1500円 | 1000円 | 1500円 | 1200円 | 1000円 | 7000円 | 3000円 |
※1:夜間券は午後5時以降入場可
※2:前期券は7月18日入場分まで販売。開幕日までに販売を終了する。
※3:開幕券は4月13日〜26日入場分まで販売。開幕日までに販売を終了する。
※4:通期パスは10月3日までの11時以降に入場可
※5:夏パスは7月19日〜8月31日の11時以降に入場可
当初は入場料は6000円を予定していたが、物価高の影響で整備費・運営費が膨らむ見込みとなったことや、雑踏事故対策で警備員の増員が必要となったことで、最終的に上記の表の価格となった。一時は8000円とすることも検討されていたが、あまりにも高額と指摘されたため、基本価格を7500円に抑えつつ、前売券や平日の当日券を安く販売することになった。
交通
Osaka Metro中央線を延伸して夢洲駅(仮称)が設置される予定であり、万博のメインルートとなる。
また、メインルートの混雑を緩和するための第2ルートとしてJRゆめ咲線の桜島駅からシャトルバスが運行される。
鉄道駅や空港との間を連絡するシャトルバスについては桜島駅以外に、新大阪駅、大阪駅[1]、中之島駅、弁天町駅、なんば駅、大阪上本町駅、天王寺駅、尼崎駅(JR尼崎駅、阪神尼崎駅)、堺駅・堺東駅、大阪国際空港(伊丹空港)、関西国際空港から運行される予定とされている。他にも万博会場に直行する高速バスが運行される予定。
なお、万博記念公園駅は最寄りでは無いので注意。
車については観光バス、タクシー、身体障害者用を除いて原則として夢洲には乗り入れ禁止となり[2]、舞洲・尼崎・堺の3箇所に駐車場を設けてシャトルバスでアクセスすることになる。
自転車については未定であるが、中之島から夢洲まで自転車道を整備する計画がある。
これ以外にも夢洲の北側に船着場を整備して水上アクセスを可能とするほか、「空飛ぶクルマ」用のヘリポートが整備される予定である。
整備
夢洲へ向かう道路については、舞洲へ向かう夢舞大橋と咲洲に向かう夢咲トンネルが完成している。このうち、夢舞大橋は6車線であるのを暫定的に4車線運用しており、万博開催に向けて夢舞大橋の6車線化が予定されている。また、桜島と舞洲を結ぶ此花大橋も歩道を車道化することで6車線化することになっている(オリンピック誘致の関係で当初から想定された仕様)。
他、阪神高速2号淀川左岸線の海老江JCT〜新御堂筋間をシャトルバス向けに2025年に先行開通する予定であり、新大阪・大阪発着のシャトルバスが利用する予定だったが、淀川左岸線の工事の遅れにより間に合わなくなることから、専用の仮設道路を地上部に設置することになった。
鉄道については夢咲トンネルに地下鉄を通す部分が既に完成しており(オリンピック誘致の名残)、夢洲駅付近のトンネルを追加で掘った上で線路を通すだけで完成する。2024年度に開通予定。また、森ノ宮検車場を一時的に拡張ならびに車両の増備をすることで、中央線は通常の5割増し運行となる[3]。
他の鉄道整備は万博には間に合わないので行われないが、JR西日本が新大阪駅と桜島駅の直通列車を運行し、シャトルバスに乗り換えさせることになっている。
水上アクセスについては中之島GATEサウスピアに船着場を整備する他、淀川大堰を船が通れるようにして、淀川に新航路を整備する計画がある。
その他
当初、大阪府・大阪市では2024年に夢洲に統合型リゾート(IR)を誘致することで相乗的な盛り上げを出す構想であったが、国による候補地選定に遅れが出たことで万博開催までに間に合わなくなったことでこの構想は幻となった(IR誘致自体はその後も2029年度開業目標として引き続き行われ、2023年4月に設置が認可されている)。
関連動画
関連リンク
関連項目
脚注
- *老朽化のために建て替えが行われる「大阪マルビル」の跡地にバスターミナルを設置する予定。
- *夢洲にはコンテナターミナルがあるので、そちらに向かう物流関係の車は別である。
- *計画上では夢洲に車庫を設置する予定になっているが実際に設置されるかは不明。また、中央線は現在6両編成であり、8両編成化ができる構造となっているが、万博開催時点では8両化は行われない。
- 2
- 0pt