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大阪市交通局とは、かつて大阪市で地下鉄・新交通システム・路線バスを運行していた公営企業。
概要
1903年9月12日、路面電車である大阪市電(1969年全廃)の開業とともに設立。1927年に市営バス(大阪市営バス)、1933年に日本初の公営地下鉄路線である地下鉄1号線(御堂筋線)、1953年にはトロリーバス(1970年全廃)、1981年には新交通システムの南港ポートタウン線(ニュートラム)を開業するなど、民営化されるまで主に大阪市内において様々な公共輸送を提供した。
御堂筋線は公営時代でも年間で約350億円の黒字額を出す、公営地下鉄の中では最も収益の高いドル箱路線であった。
しかし、他の地下鉄線の多くや新交通システム、路線バスが赤字であったので、全体の収支は長らく赤字の状況が続いていた。しかし交通局後期になって経営体質の見直し・改善を実行してからは経営が劇的に改善し、2005年には単年度収支の黒字化を果たす。フェスティバルゲートやオスカードリームの失敗で、約8000億円規模の負債を抱えていたが、2010年度には黒字路線は4路線(御堂筋線、谷町線、中央線、堺筋線)に増え、累積欠損金も一掃、186億円の余剰金が計上されるほどにまで改善された。そして2013年度には四つ橋線が黒字路線に加わっている。交通局末期には外国人観光客の増加で更なる需要が期待されるなど、公営交通としては高い収益性が期待されていた。
上記の背景から、2010年代には民営化が議論に上ることにもなった。平松邦夫市長時代は公営での業務改善を公言していたが、橋下徹市長に変わってからは一転して民営化を推進するスタンスに変わり、また短距離区間を中心とした運賃値下げの検討に入っていた。そして2018年、下記の通り民営化が実現することになる。
よく似た名前の企業で「大阪バス株式会社」という企業があるが、あれは全くの無関係。
なお、大阪市交通局が100%出資していた「大阪シティバス株式会社」(旧社名は「大阪運輸振興株式会社」)という外郭企業が存在し、その外郭企業は交通局の民営化に伴って交通局の市営バス事業を譲渡され、路線バス事業者となっている。
民営化、大阪メトロ誕生へ
2017年3月28日、市会において民営化の関連条例案が可決。2018年4月1日から地下鉄は市が100%出資する株式会社「大阪市高速電気軌道株式会社」へ移行することとなった(2017年6月に準備会社として設立)。「マルコマーク」と親しまれた冒頭のCIも使用を終了し、車両やサインシステムなどからは新CIに交換次第消滅していく形となった。
この社名となったのは大阪市交通局の路線は南港ポートタウン線の一部を除き、全て軌道法による軌道となっているためである(なお、仮称は「大阪地下鉄株式会社」となっていたが、新交通システムの南港ポートタウン線が存在するためか変更された模様)。民営化に合わせて各駅に設置されていたコンビニエンス施設がすべてローソンに替わる他、市営バス事業は大阪シティバスに全路線を譲渡される予定。
愛称は「Osaka Metro」。”走り続ける、変わり続ける。”をブランドコンセプトとし、今後の広告展開と共に定着を目指す。ちなみにネット上での略称は”大トロ”と呼ばれることが圧倒的に多いとか。大手寿司チェーン店とのコラボが待たれる。
二つの黒歴史
大阪市交通局には二大黒歴史が存在する。
詳細については、それぞれの記事を参照されたし。
路線
2018年3月31日の交通局廃止時点の路線。すべて大阪市高速電気軌道(OsakaMetro)に移管された。
大阪市営地下鉄
御堂筋線(江坂駅-中百舌鳥駅)
谷町線(大日駅-八尾南駅)
四つ橋線(西梅田駅-住之江公園駅)
中央線(コスモスクエア駅-長田駅)
千日前線(野田阪神駅-南巽駅)
堺筋線(天神橋筋六丁目駅-天下茶屋駅)
長堀鶴見緑地線(大正駅-門真南駅)
今里筋線(井高野駅-今里駅)
新交通システム
バス事業
詳しくは大阪市バスの記事を参照されたし。
メロディ
2018年3月31日の交通局廃止時点で使用されていたもの。民営化後も引き続き使用されている。
接近メロディ


発車メロディ


お得な乗車券
- エンジョイエコカード
いわゆる『一日乗車券』。詳細は当該記事を参照すること。 - 共通全線定期券
大阪市交通局管轄の路線が有効期間中全線乗り放題となった定期券。1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月の3種類。
『持参人有効』タイプなので、記名人≠使用人となっても大丈夫。 - 回数カード
大人3000円で3300円分、子供1500円で1650円分、大阪市交通局管轄の路線に乗れた。
関連動画
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