おしゃれなカフェがあったかと思えば・・・・そのすぐ傍に・・・・
射的場・・!
自由過ぎる・・!店の並びも・・!
―『1日外出録ハンチョウ』 第19話「混沌」より
大須(かおす おおす)とは、愛知県名古屋市中区の地名のこと。東京でいうと上野、秋葉原、巣鴨、下北沢、中野などが融合したような街である。
概要
ごった煮の街大須
名古屋市の中の一地区。百貨店や高級服飾店、ビジネスホテルなどが集中する栄地区の南にある。名古屋駅や金山駅からも直線距離で2~3kmほど。「大須観音」という寺院や「大須商店街」と呼ばれるアーケード街が観光地として有名。
「大須は名古屋の電気街である」とよく言われるが、大須は全体的に見ると多くの特徴を持つ地域なので、秋葉原のような電気街を期待して行くと違和感を覚えるだろう。そもそも電気街的な雰囲気が出来てきたのは結構最近のことである。大須の中でも東のほうにある「新天地通」周辺が最も電気街に近い雰囲気であるが、西側はそれほどでもない。
京都の河原町が雰囲気的に近いとも言われるが、河原町は観光客向けのお土産屋さんもあるなど街の方向性が見えやすいのに対し、大須の場合は地元民向けの独特な店が集中しており、後者の方がカオスな様子になっている。詳しく述べると・・・
- 大須自体が歴史の古い町であり、大須観音や大須演芸場が存在することなどからお年寄りの方も多い。
- 名古屋では珍しく歴史を感じられる場所や和風の商店街、安い衣料品に惹かれて観光しに来た外国人も多い。
- 古着屋などの服飾店、飲食店なども多いことから若者も多い。
その結果、老人、外国人、若者、オタクなどが入り乱れるカオスな町となっている。
このことは冒頭に挙げたように漫画「1日外出録ハンチョウ」でもネタにされた。「自由過ぎる」というのは大槻が大須の街を見て放った感想である。直後に大槻は「名古屋は全体的に雑」という感想も漏らしている。その後、名古屋に関する思考を放棄した結果、「よくわからなかったけど好き」という結論になったようだ。
ちなみに登場した射的場は実際に存在する大須射撃場がモデルになっていると思われる(2018年9月末閉店)。2023年8月現在、射的場の隣はおしゃれなカフェではなくマンションの入口と宝石店で、向かいにダイソー系列の女性向けショップCouCouや水曜日のアリスがある。近年は商店街周辺を含むとドラッグストアの店舗も増加傾向で、隠れた激戦区となっているようだ。
名古屋の街全体が雑かどうかはともかく、大須の雑多性は公式にも認められており、
大須という街は、まさに「ごった煮」大須大道町人祭に代表されるような文化/芸術面においても、年齢性別国籍を問わずアンダーグラウンドなものからメジャーなものまで、さまざまな文化を受け入れて、取り入れる。そんな「ごった煮」の雰囲気が、大須の大きな魅力のひとつです。
と、大須商店街の公式ホームページにも掲載されている。
オタク街大須
カオス状態になっているとはいえ、東海地方のオタク街としてもよく知られている。
同人ショップが全国化する10年以上前からDカルトが存在しており、現在のメイド喫茶の形態や「おでん缶」の発祥の地であり、2020年現在は「ゲーマーズ」「まんだらけ」があり、パソコンショップ「アプライド上前津店」にもオタク向け商品を販売している。「らしんばん」もこちらに店舗があり、他にも小規模なカードショップやガチャ専門スペースなどが点在している。
他には、萌え系イラストを描くイラストレーターの原画展を開催している「アールジュネス大須」、ガシャポン専門販売店、トレーディングカード専門販売店がある。
また、世界各国のコスプレイヤーが集うイベント「世界コスプレサミット」は、栄のオアシス21と大須商店街で毎年開催されている。
大須の歴史
「大須」はもともと現在の岐阜県羽島市の地名だったのだが、江戸時代初期に大須観音が名古屋に移転。周辺には大須観音の門前町が形成され、この地域も「大須」と呼ばれるようになったとされている。尾張藩七代目藩主の徳川宗春の時代には芝居や芸事が奨励されたことで、盛り場として賑わった。
大正元年には万松寺が所有地の一部を開放。ここに商店街が形成され商業地帯として栄えたが、太平洋戦争時の本土空襲では大須も被害を受けている。
戦後は百貨店ができた栄地区などに客足が流れがちになり、更にその栄地区とは復興事業により完成した若宮大通で分断されたことにより、一時期はシャッター街化するほど寂れたが、家電量販店・パソコンショップなどを招致し電気街化。更に業種を問わず開業を支援する施策を商店街組合が取ったことで多種多様な店が集まり、現在のようなカオスな町となるが、結果的に賑わいを取り戻すことに成功した。
以上のように、大須はかつてシャッター街だった時期を経験しながらも、そこから見事に復活を遂げた稀有な商店街でもあるのだ。
大須にある店舗等
- グッドウィル(本店・PCショップなのに実は同人グッズもあったりする)※グッドウィル・グループとは無関係
- アプライド上前津店(閉店しました)
- TWO TOP
- ドスパラ
- ゲーマーズ
- まんだらけ(国内で最大規模だとか何とか)
- ペーパームーン(本店)
K-BOOKS(閉店しました)- ツクモ電機
- 中京マイコン(2Fは同人専門店)
- 零式書店
- タイトーステーションフェドラ大須店(ゲーセン。元・アーバンスクウェア大須店)
- 武寅珈琲(マスコットに「コーヒー豆たん」を掲げる)
- PCNET 名古屋大須店(PC本体・パーツの中古ショプ。たまにTVゲーム商品が破格で売られていたりする)
- アメ横(主に電気製品を扱う店が立ち並ぶビル。秋葉原と上野の雑貨の同居がルーツ。
第一ビルと第二ビルがあり前者はツクモや音響製品があり、後者には電子部品やラジコン、服屋のREVOなどがある) - 万松寺パーキング(痛車の聖地)
- スガキヤ(大須店、大須万松寺店、大須赤門店がある。)
- ジーストア名古屋店
- フジヤマ55(現在では東海圏外にも積極的に進出しているラーメン屋)
- タイトーステーション大須(ゲーセン。フェドラの向かい側にあるタイステ)
- ゲームパニック大須(ゲーセン。BPLなどのプロリーグにもスポンサーとして参加している)
- 名古屋ガロスペスタジアム(ゲーセン。餓狼伝説SPECIALのみ設置している名古屋のガロスぺ聖地)
- 同人ショップにゃんごろべりー(伏見から移転してきた古いタイプの個人経営系同人ショップ)
- めいどりーみん 大須招き猫前店(秋葉原発の大手メイドカフェ)
- ヨーヨーショップ ネスト (中古ヨーヨー取扱店)
- ヨーヨーストア リワインド (世界チャンピオンが運営するヨーヨー店。現在は岩倉市に移転)
- 三洋堂書店上前津店(TRPG関連の書籍を多く取り扱う)
- WonderGOO名古屋大須店
- アールジュネス名古屋
その他店舗・ランドマークなど
- コメ兵(日本最大級のリサイクルショップ)
- 大松(だいまつ。創業100年、ひつまぶしの老舗。)
- コンパル(サンドイッチと「アイスコーヒー」が有名。大須にもあるということで。)
- 餃子の王将(ご存知大手中華屋。大須観音側の入口前に店舗を構える)
- 串カツ田中(大手串カツチェーン。王将とはお隣さん)
- やっぱりステーキ 大須仁王門通店/大須招き猫前店(沖縄発祥のステーキハウス。上記店舗と名前が似ているが運営会社は別)
- 矢場とん 本店(味噌カツの有名店)
- 味仙 矢場店(台湾ラーメンで有名な台湾料理店)
- カレーハウスCoCo壱番屋 中区矢場町店(この店舗だけのオリジナルメニューが存在する)
- 大須の招き猫(大須ふれあい広場にある大きな液晶パネル付き招き猫。実はからくり人形)
- 万松寺(看板が大型LEDパネルになっているなどかなりハイテクな寺)
- 万松寺参道(ビルの中を通っており、参道脇にフィギュアの棚や沖縄料理屋のシーサーが置いてある)
- 大須観音(大須の地名の由来。境内に大量にいるハトに50円で餌をあげられる)
- 大須演芸場(中京圏唯一の寄席。閉鎖の危機を乗り越え現在も営業中)
- ソロピッツァ・ナポレターナ大須本店(世界一美味しいというピッツァが350円で食べられる)
- MegaKebab(名古屋発祥のトルコ料理チェーン店。大須には3号店まである)
- オッソブラジル(鶏の丸焼きが名物のブラジル料理店)
- 水曜日のアリス名古屋(不思議の国のアリスをモチーフにしたスイーツ・雑貨店。入口が子供の身長ほど。ちなみに大須が日本初の出店)
- 赤門通・裏門前町通交差点(車両用信号機と歩行者用信号機が一体化している珍しい信号機がある)
- 生鮮食品館サノヤ(名古屋有数の激安スーパー。店の前には自転車が多く駐輪されている)
- 大須ういろ(名古屋名物のういろうなどを売っているお土産屋)
- 岩瀬パン(販売している「かたパン」が硬すぎることで有名)
- OSU301(複合ビル。ヨガスタジオ、メンタルクリニック、薬局、サイゼリヤ、メイド喫茶、プリクラハウス、パチスロ店など中身もカオス)
- MultinaBox(中公設市場跡地に建設された複合ビル。流行スイーツ店にPCショップ、美容室にらしんばんやパデルコートなどこれまた中身がカオス)
- Electric Lady Land/ell.SIZE(大須観音近くにあるライブハウス)
- X-HALL -ZEN-/THEATER OSU(大須本通にあるライブハウス)
- 今井総本家(OSU301の1階にある天津甘栗のお店)
- 大須射撃場(500円で本格的な射撃が体験できる。2018年9月末に閉店)
- Trip&Sleep Hostel(大須のド真ん中にあるホステル)
- 那古野山古墳(他にも大須には2つの古墳が現存している)
- テレビ愛知
- 白川公園(大須からは若干距離があるが、名古屋市科学館・美術館がある閑静な公園。ニコニコ動画的には「踊ってみた」動画の聖地)
その他、「これは有名だ」と言うのは随時追加してください(別に有名じゃなくてもいいですが)
交通アクセス
鶴舞・栄・金山、ときには名古屋駅から歩く人もいるが、名古屋市外から行く場合は地下鉄を使うのが一般的。
一応鶴舞線には「大須観音」と言う駅があり、大須の商店街自体には近いものの、オタク街からは大分離れている。オタク街に行く場合は、鶴舞線または名城線の「上前津」8番出口から向かうと近い。他、若宮大通近くであれば名城線の「矢場町」駅も近く、矢場とんの周辺に行く場合はこちらが最寄りとなる。
一方市バスを用いる場合も、あらかじめ目的地がどこかを把握しておく必要がある。大須といっても、商店街周辺のバス停だけで10か所は存在するからだ。大須観音方面から入るなら「大須観音」「西大須」から。真ん中あたりから入るのは「大須本町通」「大須」「上前津」。上前津方面から行くなら「大須赤門通」「大須万松寺通」で降りると良いだろう。最も行きやすいルートは、名古屋駅発のC-758都心ループバス。上前津周辺を通り、大須周辺の3つのバス停に停車するので、バスで初めて大須に行くならこちらがお勧め。
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関連項目
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