「景明さまは…人を殺すのが、お好きですか?」
大鳥香奈枝とは、PCゲーム「装甲悪鬼村正」の登場人物である。CV:吉川華生。
概要
細めた糸目に巨乳が特徴的な美女。穏やかでユーモアある性格。
おっとりした令嬢に見えるが軍属で、大和人でありながらGHQ資料管理課所属、階級は中尉。
作中序盤で大尉に昇進。
永倉さよを従者として連れており、彼女の事は「ばあや」と呼んでいる。
大和における武家の名門・大鳥家の令嬢。
六波羅の四公方が一角、篠川公方である大鳥獅子吼とは幼い頃に将来を誓った間柄だった。
しかしある事情で妹・大鳥花枝を家に残し、自身は欧州へ放逐されていた。
所持する劔冑は「贋作弓聖ウィリアム・バロウズ」。
劔冑を纏う際に詠う誓言はなく、コントラバスの演奏によって装甲する。
ヒロインとしては不人気と言われるが、キャラクターとしての人気は低い訳ではない。
実際に第二回人気投票では綾弥一条を破り、最終的に五位に輝いた事からもそれが確認できる。
ファンからの呼び名は『雑魚』『雑魚様』等。
これは彼女が雑魚という訳ではなく、糸目キャラであること、所持する劔冑や余裕を感じさせる物腰などが、ライター・奈良原一鉄の前作「刃鳴散らす」に登場したキャラクター「渡四郎兵」を連想させた為。
渡の通称である『雑魚』という呼び名が、ゲーム発売前の時点で既に定着してしまった結果である。
ただし、彼女自身は雑魚どころではないとんでもない性能を誇っている。
奈良原の指名を受け、香奈枝を演じることとなった声優・吉川華生は彼女に入れ込んでおり、度々彼女へのキャラ愛を語っている。
あと、「雑魚って言うなー」とも。
性格・能力(以下、ネタバレ注意)
「ゲェーハーハーハァァァ!!」
生まれついての狂人が良識的な教育を受けて育った結果、「人の生を自らの手で寇略するのは最高の悦楽」とする、恐るべき快楽殺人鬼が誕生した。
軍属になったのも「正義の元に人を殺せるから」というのが大きな理由になっている。
その正義の中でも「復讐」を特に好み、過去に幾つもの復讐をその身で代行、その過程に快楽を得ていた。
普段は銃を用いるが、一番嗜好にあった人の殺し方は素手。
本来は大鳥家の後継ぎとなる筈だったが、獅子吼によって父を殺害されて家を奪われ、自身は追放の憂き目に遭わされた。
妹・花枝を取り戻し、獅子吼に「復讐」を遂げる為に立ち上がる。
人を殺すあらゆる武芸に長けている。
作中でも六波羅の兵士や武者が束になってかかったが、一方的に虐殺された。
更に生家である大鳥家では、恐怖の象徴として恐れられていた。作中で彼女が大鳥家に帰還した際、その場にいた兵士や武者達は恐怖に膝を揺らし慌てふためいたほど。
また、彼女を語る上で欠かせないパーソナリティが「複眼」である。これは額に三つめの目があるとかそういう話ではなく、昆虫のそれと同じである。
彼女は瞼の下に無数の「瞳」を持っており、それによって人間の域を超えた超人的な動体視力を有している。その動体視力は銃弾の弾道すら見切り、生身で銃弾を回避する。
普段糸目でいるのは、この「見えすぎる」複眼を隠す為である。
この複眼を全開にし、狂気じみた笑い声をあげながら襲ってくる様は、もはやヒロインとかじゃなくて魔王である。
......という、ヒロインらしからぬ前代未聞の本性と能力を持ち、「萌え?なにそれ美味しいの?」と言わんばかりのぶっとんだ設定がふんだんに詰め込まれている。
曲者キャラが揃い踏みする「装甲悪鬼村正」だが、設定面で一番頭のネジが飛んでいるキャラクターは彼女だろう。ただでさえまともなヒロインがいないと言われる本作においても、彼女は更に異端である。というかなんでこれをヒロインにしようと思ったんだ。
劔冑
名物「弓聖ウィリアム・テル」を模倣した贋作。独立形態はコントラバス。武装はクロスボウと剣。
その後発表された外伝「琴乃の劔冑」においてオリジナルである「弓聖ウィリアム・テル」が登場。
その性能の高さによって、いかにバロウズが出来の悪い贋作であったかを示されている。
なお元ネタとなった作家、ウィリアム・バロウズは「妻の頭の上にグラスを乗せてウィリアム・テルごっこをし、誤って射殺した」というとんでもない事件を起こしている。
陰義
『自在操作矢』
The paradox of "tell and apple"
「ウィリアム・テルの矢は決して林檎に届かない」という逆説(パラドックス)が元ネタ。
弓聖ウィリアム・テルの『視線を矢が追う』陰義を再現する為に作られた陰義。
その実態は「放った矢の目標に到達するまでの中間点を接地する」というもの。
本来はA→Bに向けて放たれたものであるが、その過程にCという中間点を作り上げる。
矢は中間点を経由するように向きを変え、これによって矢の進む方向を変える。
だが通常、銃弾より速く進む矢を人間の視力では見る事が出来る筈もなく、更にそれを見て操作することを求められる為、欠陥だらけの陰義である。
その為使いこなせる人間はおらず、オリジナルであるウィリアム・テルに比べれば非常に出来が悪いものであった。
それを超常的な動体視力と集中力によって香奈枝は使いこなす。この陰義ゆえ、この劔冑は香奈枝にしか扱いこなせないものと言える。
関連項目
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