曖昧さ回避
- 山梨県の御坂峠にある茶屋。富士山の眺めがよく、太宰治の小説「富岳百景」で知られる。
- 1609年に起きた天下茶屋の仇討をモデルとした歌舞伎演目「敵討天下茶屋聚」の通称。
- TENGAについてのラジオトーク番組「TENGA Presents Midnight World Cafe 〜TENGA茶屋〜」。TENGAと地名の天下茶屋のダジャレがタイトルになっている。
概要
読めそうで読めない地名。「てんかぢゃや」と読みそうになるが、「てんがちゃや」である。
名前の由来は「天下」を統一した豊臣秀吉が、この付近の茶屋の泉から水を汲んで千利休に茶を作らせたところ、たいへん美味で秀吉が賞賛したため、この茶屋を「天下茶屋」と呼ぶようになったというもの。
現在では大阪の中でも昭和の雰囲気が残る下町として知られている。じゃりン子チエの舞台「西萩町」のモデルとも言われていたり、「都会のローカル線」と呼ばれる南海汐見橋線もここの西端を走っている。しかし、区役所など西成区の行政の中心もこの地域にあるため、とりわけ寂れているというわけでもない。
大阪周辺に住む人や鉄道ファンにとっては南海電鉄や地下鉄堺筋線の駅名としても有名。地下鉄堺筋線の終着駅であり、南海線にとっては本線と高野線の分岐駅で全列車が停車するため、知名度が高い。ただし梅田や難波ほどの商業・オフィスの集積はないため、実際に天下茶屋を目的地とする人は知名度と比べると少ない。
「テンチャ」や「ガチャ」と略される場合があり、Twitter検索をするとちらほら事例が見られる(テンチャ・ガチャ)。「テンチャ」は「天神橋筋六丁目」の略である「天六」、「ガチャ」は「堺東」の略である「ガシ」の影響とする説がある。ただし、略さずに「天下茶屋」と呼ぶ人も多い。「テンガ」とは略されない不思議。
ちなみに、この地名をMS社の自動翻訳ソフトで英訳すると「World Teahouse(ワールド・ティーハウス)」となる。このような誤訳を大阪メトロが誤って公式サイトで多く使ってしまったため、2019年3月に話題となった。詳しくは単語記事「サカイマッスル」を参照。
どこまで天下茶屋?
浦和ほどではないが、地味に方角駅名も充実しており、堺筋線との乗り換えができるため、南海本線特急停車駅にもなっている天下茶屋駅のほかに
が存在する。なお、北天下茶屋駅は天下茶屋駅の東にあり乗り換えが可能だが、東天下茶屋駅と天下茶屋駅、西天下茶屋駅の間はそれぞれ約1kmほど離れており乗り換えには向かない。ややこしい。
字名(住所表記)としての天下茶屋は東側が阪堺線、西側が南海線、南側が松虫通、北側が阪堺・今船電停の辺りまで。ただし、俗称地名としての天下茶屋はこれに囚われておらず、狭めにとらえると天下茶屋駅の周辺、広めにとらえると先述した4つの駅名の範囲がだいたい含まれる。
例えば、由来で言及した秀吉の「天下茶屋」の跡や、「天下茶屋公園」は住所表記上では「天下茶屋」ではなく「岸里東」にある。住所表記ができる以前の集落の範囲だった天下茶屋は、天下茶屋駅の南東から岸里玉出駅周辺にかけての地域であったのだが、それに色々地域がくっついたり分割されたりしていった結果、現在の住所表記「天下茶屋」はやや南北に細長い範囲を指す言葉になっている。
また、住所表記では「天下茶屋」以外に「天下茶屋北」「天下茶屋東」がある。ただし、天下茶屋北は北天下茶屋駅の前にはなく、天下茶屋東も東天下茶屋駅の前にはない。天下茶屋北の最寄り駅は今船電停や今池電停で、あいりん地区や飛田新地に一歩踏み込んだ地域になっている。ただし、天下茶屋北は天下茶屋駅からはかなりはずれの地域にあり、そこを指して「天下茶屋」と呼ぶことは少ない。天下茶屋東は松田町電停から今船電停にかけての線路の東側の地域を指し、東天下茶屋駅からは約1km離れている。ややこしい。
ちなみに「聖天下」という地名も天下茶屋にはあるが、読みは「しょうてんした」である。聖天山正円寺の坂の下にある地域であるためこの地名になった。「せいてんが」と読むわけではないし、「神聖な天下茶屋」というわけでもない。
天下茶屋から少し北に行くとあいりん地区になるが、南に行けば市内南部屈指の高級住宅街、住吉区帝塚山(てづかやま)がある。また、東に行けば西成区聖天下、阿倍野区松虫通、南東に行けば帝塚山クラスの西成区天神ノ森、阿倍野区北畠(きたばたけ)などの高級住宅街が集まっている。
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関連項目
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