天江衣とは、
ヤングガンガン(スクウェア・エニックス刊)で連載中の麻雀漫画「咲-saki-」の登場人物。
概要
「子供じゃないころもだっ」
龍門渕高校の二年生で団体戦では大将を勤める。牌に愛された子の一人で、全国トップクラスの選手としても有名。
外見は非常に幼く、頭には特徴的な(ウサ耳にしか見えない)ヘアバンドをしている。その外見からどう見ても子供にしか見えないが、実は龍門渕高校麻雀部の中では一番年上。
本人は自分の幼さを非常に気にしているので基本的には子供扱いされる事が大嫌いである。
根は素直な性格なのに、生まれ育ちと能力のせいか常に超然とした立ち振る舞いをしており、毒舌にしてなかなかのドS。
語尾等があるわけではないが、国文学者である父の影響なのかかなり特徴的な口調で話す。
台詞の一つ一つが辞書で調べないと聞いた事も無いような言葉を普通に使う。故に口調をきっちり理解してないと一般人には再現が難しく、原作に無いシーンではあまり喋らないという、違う意味で切ない一面もある。また、極めて達筆。達筆すぎてやっぱり一般人には解読困難な字を書く。
経緯
6年前に両親が事故で他界し、孤児となった彼女は親戚である龍門渕家へ引き取られたが、彼女の持つ底知れない恐ろしさに怯えた当主(龍門渕透華の父親)によって別宅で軟禁状態での生活を過ごしていた。
学校でも全く友達が出来ず、それを心配した透華が衣のため対等に付き合える友達を探そうと奮起、麻雀部のメンバーとして井上純、国広一、沢村智紀が各所から呼び寄せられた。そして昨年にインターハイの県予選大会に出場、団体戦で名門・風越女子高校を破って全国出場を決めた。続くインターハイでも壮絶な伝説を残し、プロアマ親善試合ではプロを破っての優勝などの大活躍を見せた。
今年もインターハイの県予選に団体戦大将として出場、後述する能力が最高の状態であったこともあり決勝の大将戦では宮永咲をも圧倒する強さを発揮する。しかし池田華菜に対して心をヘシ折る目的で行った「持ち点をゼロにさせて縊り殺す」行為が仇となり、終盤では能力の弱点を突いてきた咲に追い上げられた末、オーラスで責任払いによる嶺上開花での数え役満を直撃され、大逆転負けを喫してしまった。
初の敗退に涙する彼女であったが、卓を囲んだ相手から「楽しかった」と賞賛され、麻雀部のメンバーにも敗北を咎められず優しく迎えられた事で「本当の友達」を得たことに満足し、後に四校合同合宿を経て咲や原村和だけでなく、なんと池田華菜とも仲良くなる。
インターハイ本選では清澄高校の応援のため麻雀部のメンバー全員で東京に来ている。なおその前には練習試合の為に参上した阿知賀女子学院のメンバーと対戦しており、作中では全力で無い状態にもかかわらず高鴨穏乃をレイプ目にさせるほど圧倒している。
能力
「昏鐘鳴(こじみ)の音が聞こえるか?
世界が暗れ塞がると共に――
おまえたちの命脈も尽き果てる!!」
その能力は「場の支配」
相手に不要牌ばかり引かせ続ける、自分が引く牌をほぼ完璧に察知する、気配で相手の打点の高さを察知するなどその能力は多岐に渡る。
その能力を活かした得意技が、代名詞となっている海底撈月。多くの試合ではこの海底撈月で和了ることを前提とした打ち回しをする。そのためラス直前のツモ切りリーチや手の進まない鳴きをすることが多々あり、牌譜がイミフ極まりない。
海底撈月の性質上、手役のスピードは最も遅い部類に入るが、彼女がいる卓では対戦者が否応なくその能力に呑まれて配牌一向聴から不要牌ばかり引き続けることになり、和了るどころかズラすこともままならず海底撈月を上がられてしまう。
なおその海底撈月そのものが能力であると勘違いされがちだが、これはあくまで「場を支配する」という大きな能力の活用方の一つにすぎない。
つまり速攻で高い打点を決めることができるのだが、相手を精神的に追い詰めるためにわざとそのような打ち方をしている。
しかもその支配力は防御にも有効で、少なくとも咲に敗れるまで致命的な振り込みをした描写はない。
唯一の弱点は王牌や極端なセオリー外の打ち手には支配が及ばず、思わぬ反撃を受ける可能性があること
衣が牌を切ったあとに連続槓で王牌から何度も牌を引き、そのたびに手が変化し打点が上昇する咲は、衣にとって天敵とも言える存在である
なお、この能力は時間帯と月齢で強弱が変化する
(最強)満月の夜>>>>>>新月の昼(最弱)
なので団体戦では先鋒でなく、大将に置いた方が遥かに強い。
ちなみに去年の県予選決勝は半月の夜、今年は満月の夜、阿知賀との練習試合では月の欠けた夕方であった。
当事はこれに頼り切った麻雀をして勝ち続けてきた「麻雀を打たされている」状態であったが、最強モード&能力全開でも敗北する可能性を持つ相手、宮永咲の登場により感覚の傀儡から脱却している。
彼女は去年のインターハイ本選でこれらの能力でもって1回戦で2校、2回戦(準々決勝)では3校をまとめてトバすという伝説を残しており、チームは準決勝敗退で衣自身は二回戦までしか出ていないにも関わらず歴代最多得点プレーヤーにしてMVP受賞という記録にも残る活躍をしている。
咲に敗北した事で一部のマスコミからは「長野のレベルが下がった」と評価されているが、彼女の活躍や能力の恐ろしさを知る者には「あの天江衣を倒した相手」として咲の存在が危険視されており、敗れてなお評価の高い選手であることが伺える。
語録
意味はろくに調べもしないで意訳なので間違っている可能性が高いです。気になった人は「天江衣 語録」とヤフルかググろう
- 「今度のは金剛不壊に出来てる? それは衣の莫逆の友になるか 贄か供御となるか」
金剛不壊は壊れない物、莫逆の友は親しい友つまりは親友という意味。
「今度のおもちゃは壊れない? それは衣の親友となるか、餌となるか」 - 「ハギヨシ素敵滅法! ペンギンが根堅洲国から帰ってきた!」
素敵滅法は単純に並び替えて滅法素敵と言えばわかるかと。根堅洲国は根の国つまりはあの世
「ハジヨシは最高に凄い! ペンギンがあの世から還ってきた!」 - 「父君と母君が黄壌に去った時――、群がってきた人間共の陋習な様を思い出す」
黄壌は黄泉の国つまりはあの世。陋習は悪い習慣、嫌らしい習慣という意味
「父君と母君が旅立った時に群がって来た人間共のいやらしい顔(つまりは遺産目当て?それとも透華の父親と同じく、衣の親が死んだのは衣のせいと決めつけている様子?)を思い出す。」 - 「居るのか… 妖異幻怪の気形が!!」
妖異幻怪は怪しく、普通では無い。気形は生き物という意味。
「居るのか…… 普通の生き物ではない者が!!」 - 「皇都だ江都だトウキョウだ!」
皇都は首都の事。江都は江戸の異称。
「首都だ江戸だ東京だ!」 - 「あの時食べたハンバーグエビフライの味が夢寐にも忘れられないんだ」
夢寐は「片時も」とか「眠っている間も」という意味がある。
「(前略)味が片時も忘れられないんだ」 - 「無聊を託つ 清澄の大将は厄介だと聞いてうきうきしてたけど乏しいな。闕望したよ、そろそろ御戸開きといこうか」
無聊は、つまらない事。討つはここでは愚痴をこぼす事。闕望は失望。御戸開きは神事の一種で本殿の扉を開ける事。
「はぁ、清澄の大将は厄介だと聞いてうきうきしてたけどそんなにだな。失望したよ、さてそろそろ本気を出そうか」 - 「呉越同舟―― 地の利は人の和に如かず? そんな戮力通用するものか…!」
呉越同舟は敵味方、仲の悪い者が同じ場所にいる事。 地の利は人の和に如かずはいくら土地勘があっても人海戦術には敵わないという事。戮力は協力という意味
「ここには敵しかいないが、場の支配をしていても3人相手には敵わない? そんな一時の協力が通用するものか……!」 - 「昏鐘鳴(こじみ)の音が聞こえるか? 世界が暗れ塞がると共におまえたちの命脈も尽き果てる!!」
昏鐘鳴は時刻を示す寺の鐘の音の事。
「夕刻を指す寺の鐘の音が聞こえるか? 太陽が完全に沈むと共にお前たちの命も無くなる!!」 - 「烏滸言を!!」
烏滸言は馬鹿げている、愚かな事という意味
「戯言を!!」 - 「和了れまい 然為ればお前は即敗滅!」
敗滅は敗北という意味。
「和了れないだろ、そうすればお前は即敗北だ!」 - 咆号…?
「咆哮……?」 - 「清澄ばかり瞻っていたら…連続で他に和了られた――…此は如何に奴儕の貌に絶念の色が聊かもない…拉ぎ折ったはずの心が何かに繋ぎ止められている!!」
瞻っていたは注目していた。絶念は絶望。拉ぎ折ったは潰し折ったつまりはコナゴナにしたという意味
「清澄ばかり注目していたら……連続で他に和了られた――……どういうことだ、奴らの顔に絶望の色が見えない……潰し折った心が何かに繋ぎ止められている!!」 - 「靴下を脱いで、手套を脱す…か?」
手套を脱すは本来の力を出すという意味。
「靴下を脱いで、本来の力を引き出す……か?」 - 「月は出ている…、力も充盈している…、点差も十分…、だが、なぜだ――月に翳りを感じる」
充盈は満ち足りているという意味。
「月は出ている……力も満ち足りている……点差も十分……だが、なぜだ――月が隠れているようだ」 - 「気息奄奄としていた上家から感じる…澎湃たる気運!」
気息奄奄は息も絶え絶えになっている様子。澎湃は物事が凄い勢いで動いている様子
「息も絶え絶えになっていた上家から感じる……物凄い勢いで渦巻いている気運!」 - 「衣の支配の及ばない淵底の向こう…王牌から牌を掠めていく敵!」
淵底はここでは海底の事。
「衣の支配が及ばない海底牌の向こう側……王牌から牌を掠めていく敵!」 - 「畢竟するに――衣はやはり煢独なままなのだ。 こうして他人と戯れていても、その他人たちは楽しくはないのだろう。 衣と違って独り法師ではないようだし、それでいて麻雀をやらない衣なんて、誰も必要としないのだ。 もう、一切合切、烏有に帰せばいい!!」
畢竟は結局、煢独は孤独、独り法師は一人っきり、一切合切は何もかも、烏有に帰すは無くなる事
「結局は――衣はやはり孤独のままなのだ。(中略)衣と違って一人っきりではないようだし、(中略)。もう、何もかもなくなってしまえばいい!! - 「風越が和了らないとは あにはからんや」
あにはからんやとは意外と言う意味
「風越が和了らないとは 意外だ」 - 「衣は今までの自分と同じ打ち方を選んだ でも これで―― この自分が敗衄するようなことがあるのなら…」
敗衄は敗北と言う意味。
「(前略)この自分が敗北するようなことがあるのなら……」 - 「トーカは今日数多の勁敵と相まみえた。 龍門淵の入り婿が憂懼していたことが現実になったな。 奇幻な手合が増えるのなら 衣はうれしい」
勁敵は強敵、憂懼は恐れている、奇幻は妖異幻怪と同じような意味
「トーカは今日、数多くの強敵と戦った。 龍門淵の入り婿が恐れていた事が現実になったな。衣と同じ土俵に立てる手合いが増えるのなら、衣はうれしい」
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