天然(てんねん)とは、
天然ボケ
漫才における「ボケ」的な言動を無自覚に行うとされる性格、またはその人物を指す。かつて萩本欽一がジミー大西のことを「もしあのボケを意識してやっているとしたら、チャップリン以来の喜劇役者だ」と期待し、明石家さんまに頼んでジミーとの面談したものの、二人で会話した後の萩本の第一声は「天然だったね…」というがっかりした声であった。これが、「天然ボケ」の意味での「天然」という言葉の使われ方の発祥と言われている。
さんまはこの萩本の対応に反発し、ジミーを売れっ子にするべく、自らの番組で積極的に起用し、ジミーを弄る単語として「天然」という単語も使用するようになった。
単なる「バカ」との違いは議論が分かれるところであるが、概ね「悪意がなく、被害に遭った人が不快感をあまり感じない類のもの」が「天然」とされ、その逆が「バカ」とされるケースが多い。
「天然ボケ」に類似する言葉として「不思議ちゃん」があるが、その行動様式が常識からあまりにもかけ離れていて周囲の予測がつかない、理解不能という点で「天然」と区別される。壊れた言動が目立つタイプであれば「ポンコツ」と言われることもある。
「天然」に共通して言えることは、本人が意図的に行なっている訳でないという点である。したがって、天然を意図的に演じるのは、それがバレるとものすごく嫌われる恐れがあり、またちょっとした行動様式の違いから演技であることがバレやすいものでもあるため、避けた方が賢明である。天然ボケは、天然だからこそ成り立つのである。
天然のような所作をする人がいて、それが本当に天然なのか、狙って演技でやっているのか確認したい場合、直球に「天然でしょ?」と聞いてみるのが一つの方法である。演技だった場合「天然と思われたくてやっている」ので、それが相手に伝わったことで「よく言われるんです(笑)」などと喜ぶ。しかし本当の天然だった場合、天然は基本バカにされる言葉であり、しかも本人は無自覚なので「違います!」などと怒る。タレントでは浅田美代子や出川哲朗といった面々が後者の反応を示すことで有名。しかしながらこれはあくまで「一つの方法」であり、相手を怒らせるような行動は基本控えるべきである。また、「バカにされている」事にも気づかないほどの重度の天然には通用しないこともある。
関連項目
- 5
- 0pt