天衣無縫とは、天人の衣には縫い目がないという言い伝えによる四字熟語である。以下のような意味を持つ。
- 詩歌などに技巧のあとがなく自然で美しいこと。
- 飾ったり気取ったりしないで無邪気な様子。天真爛漫。
- 麻雀の役「九連宝燈」の別名。
- 東方Projectの楽曲については「天衣無縫(東方Project)」を参照のこと。
概要
唐代に郭翰(かくかん)という書生がいた。夏のある晩郭翰が庭で涼んでいると、美しい女性が舞い降りてきた。曰く、自分は織姫であり、長らく夫と会えなくてむなしかったが、天帝から人間界に降りる許しをもらったため、清廉と噂のあなたと契りを結びたい、とのこと。
衣をとって枕を共にする晩が続いた。夜になると織姫が舞い降り、朝になると天へ昇っていった。ある時郭翰がふと織姫の衣に目をやると、そこには縫い目がなかった。織姫に聞くと、「天衣は針や糸でつくるものではない」とのことである。その衣は織姫が帰るときになるとひとりでにその身を覆うのであった。
一年がたって、天帝からの許しの期限が過ぎたため郭翰と織姫は別れなければならなくなった。織姫は翌年の某日に手紙を出すと約束し、約束の日に遣いが郭翰のもとに手紙を持ってきた。郭翰がその返事を書いて以降、便りが来ることはなかった。この年織女星の光が消えたという報告がある。
関連項目
関連リンク
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